No.782174

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~ 戦争回避成功ルート

soranoさん

第27話

2015-06-07 14:56:24 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1246   閲覧ユーザー数:1131

 

~カレイジャス・ブリーフィングルーム~

 

「え……ど、どういう事ですか!?」

「アリサちゃんの”実家”って……」

「”ラインフォルトグループ”か……」

「何故そこでお二人の関係が”ラインフォルトグループ”に関係してくるのでしょうか?」

ルイーネに微笑まれたアリサは驚き、トワは不安そうな表情でアリサを見つめ、ジョルジュは重々しい様子を纏って呟き、シャロンは真剣な表情で尋ねた。

 

「あらあら。”ラインフォルトグループ”はクロスベルの民達の命を脅かしていた兵器をエレボニア帝国軍に提供したのだから、もしルーレがクロスベル領になれば、”ラインフォルトグループ”に対しても何らかの形で”制裁”をしてもおかしくないでしょう?」

「!!…………」

「ク、”クロスベルの民達の命を脅かしていた兵器”って、まさか……!?」

「間違いなく”列車砲”だね。」

「チッ、そこで”列車砲”の件を持ってくるのかよ!?」

ルイーネの言葉を聞いてある事に気付いたシャロンは目を見開いた後真剣な表情でルイーネを見つめ、マキアスは表情を青褪めさせ、フィーは真剣な表情で呟き、舌打ちをしたトヴァルは厳しい表情をし

「……………………」

「アリサさん………」

複雑そうな表情で黙り込んでいるアリサをエマは辛そうな表情で見つめ

「……ルイーネ殿。”列車砲”を注文し、ガレリア要塞に搭載したのはエレボニア帝国。依頼されただけである”ラインフォルトグループ”にまで責任を負わせるのはどうかと思われるが。この場合責任が問われるのはエレボニア帝国だろう。」

「陛下……」

”ラインフォルトグループ”を庇おうとしているユーゲント三世の言葉を聞いたアリサは驚いた。

 

「フフッ、それを決めるのは”クロスベル”ですわよ?ルーレは将来”クロスベル領”になるのですから。”他国”の政治に口を出すのは”内政干渉”ですよ♪」

「……ッ……!」

「………………」

「陛下達の前でもうルーレが自分達の物だと堂々と言えるなんて、さすがは”鉄血宰相”を嵌めただけはあるわね………!」

「宰相閣下………」

ルイーネの答えを聞いたユーゲント三世は唇を噛みしめ、セドリック皇太子は辛そうな表情をし、サラ教官は厳しい表情でルイーネを睨み、レーグニッツ知事は複雑そうな表情をし

「で?そこで何でアリサとリィンが恋仲である事が関係してくるのよ?」

セリーヌは真剣な表情で続きを促した。

 

「クロスベル帝国建国並びに二大国侵攻の際に色々とお世話になる上、同盟も組んでいるメンフィルの貴族であり、メンフィル皇家からも厚い信頼を受けているエリゼさんのご家族の上将来はクロイツェン州全土の統括領主を務める事になるリィン君と恋仲の関係であり、将来は彼の妻の一人になる可能性が高いアリサさんの実家に、メンフィルにお世話になっている身としては惨い仕打ちをする訳にはいかないでしょう?」

「………………もし、俺とアリサが付き合っていなければ”ラインフォルトグループ”をどうするおつもりだったんですか?」

ルイーネの答えを聞いて複雑そうな表情をしていたリィンは尋ねた。

「そうね……その時は”ラインフォルトグループ”の兵器並びに武器の開発及び販売を禁じていたと思うわ。」

「ッ!!」

「ええっ!?」

「よりにもよって”ラインフォルトグループ”の一番の強みを禁じるなんてことをしたら……」

「と、倒産しちゃうよ……」

「……さすがに倒産はしないでしょうが、倒産を避ける為に多くの失業者を出す事になってしまいますわ。」

ルイーネの話を聞いたアリサは息を呑み、エリオットは驚き、ジョルジュは重々しい様子を纏い、トワは表情を青褪めさせ、トワの推測にシャロンは目を細めてルイーネを見つめながら答えた。

 

「だから言ってるじゃない。リィン君と恋仲でよかったわねって♪」

「こ、この女……!」

「サラさん、抑えて下さい。お気持ちはわかりますが……」

「貴女は一人の女性として恥ずかしくないのですか!?学生達の恋をも政治に利用するなんて……!」

「お母様……」

微笑みを浮かべるルイーネの答えを聞き、学生達の恋すらも利用するルイーネの性格の悪さに怒り心頭になったサラ教官の様子に気付いたクレア大尉はサラ教官を宥め、ルイーネを睨むプリシラ皇妃の言葉を聞いたアルフィン皇女は目を丸くした。

「フフッ、利用だなんて人聞きの悪い。結果的にそうなっただけの事ですよ、皇妃殿下。これもまた一種の”政略結婚”。政略結婚なんて、上流階級の世界ではよく聞く話ですし、ご子息達も将来はそうなる可能性は高いと思われますが?」

「……確かにそれは否定しませんが、私はできる事ならセドリック達は恋をして、相思相愛の結婚をして幸せな人生を送って貰いたいと思っています……!」

「母上……」

「お母様……」

「………うむ。それは私も同じだ。」

ルイーネに対して反論するプリシラ皇妃を見たセドリック皇太子とアルフィン皇女は明るい表情をし、ユーゲント三世は静かな表情で頷いた。

「ルイーネさん…………それが”本当の貴女”なのですか?」

するとその時ガイウスは複雑そうな表情でルイーネを見つめて尋ねた。

 

「あら、私は偽りの仮面なんてつけた覚えはないわよ?―――心から敬愛する主にして愛している夫であるギュランドロス様の為に様々な”交渉”や”手段”を取るのが元ユン・ガソル王国の”三銃士”の一人にして今は”六銃士”の一人であるルイーネ・サーキュリーよ。」

「…………………」

「ハハ……とんでもない女性だ……私の知る謀略に関して、天才的な能力を持っているクロスベル警察に所属するもう一人の女性とも同等かもしれないな……」

「クロスベルの警察にあのような女性がもう一人いるなんて……」

(クロスベル警察に所属する腹黒い女……まさか”叡智”の事か?)

「フフ、さすがに”彼女”程ではありませんよ♪むしろ私やエルちゃんも”彼女”からは学ぶべき事があるくらいですし♪」

「あ、相変わらずですね、ルイーネ様は……」

「”謀略皇妃”は未だ健在という事ですか。」

ルイーネの答えを聞いたガイウスは複雑そうな表情で黙り込み、疲れた表情をしたオリヴァルト皇子の言葉を聞いたアルフィン皇女は不安そうな表情をしている中トヴァルは真剣な表情で考え込み、ルイーネは微笑み、マルギレッタは冷や汗をかいて表情を引き攣らせ、リ・アネスは真剣な表情で呟いた。

 

「フフッ、イリーナ会長の秘書もこなしているメイドの方もいて、ちょうどよかったです。―――シャロン・クルーガーさん、よろしければこちらをどうぞ。」

「……この封筒に入っている書類は一体何なのでしょうか?」

ルイーネに手渡された書類が入った封筒に一瞬視線を向けたシャロンは真剣な表情で尋ね

「―――クロスベル帝国建国後クロスベル帝国は”ラインフォルトグループ”と様々な”契約”を結ぶ考えでして。その契約内容などが書かれてありますので、時間がある時に拝見してください。イリーナ会長と合流した際も、よろしければ会長にも拝見して貰って下さい。”衰退”か”滅亡”が確定しているエレボニア帝国に気を遣っていたら、”ラインフォルトグループ”も”共倒れ”になる事は目に見えているでしょう?」

「……くっ……」

「「………………」」

「ハハ…………事実とは言え、目の前で言われると結構グサッと来るね……」

「幾ら何でも好き放題に言い過ぎじゃねえのか……!?」

ルイーネの説明を聞いたユーゲント三世は唇を噛みしめ、セドリック皇太子とアルフィン皇女は辛そうな表情で黙り込み、オリヴァルト皇子は疲れた表情をし、トヴァルは厳しい表情でルイーネを睨み

「…………我が社の事を考えて頂いた上、お忙しいところ未来の契約内容をご丁寧に用意して頂き、感謝致しますわ。後で必ず拝見させて頂きますし、会長にも拝見して頂きますわ。」

「シャロン…………」

ルイーネに会釈をするシャロンの様子をアリサは複雑そうな表情で見つめていた。

 

「―――レン姫、”戦争回避条約の救済条約”はいつ発表するおつもりですか?」

「うふふ、”飴”は最後に取っておこうと思っていたのよ。その方が様々な効果が倍増するし♪」

エリゼに指摘されたレンは小悪魔な笑みを浮かべて答え

「え………」

「せ、”戦争回避条約の救済条約”、ですか?」

「……一体どういう内容のものなのですか?」

レンの答えを聞いたリィンは呆け、アルフィン皇女は戸惑い、アルゼイド子爵は真剣な表情で尋ねた。

 

「名前の通り、さっき発表した”戦争回避条約”の内容を”救済”する”条約”よ。その条約を実行すれば、何と”戦争回避条約”の条約の内4つも実行したと同然の扱いをされてその時点でその4つの条約は消滅して、更に残りの条約の内の一つの条約の内容が緩和されている”救済条約”よ。しかも条件がとっても簡単でこの場で今すぐ実行できる条約よ。勿論今この場にいる誰かを処刑しろみたいな酷い内容でもないわ♪」

「な―――――」

「何っ!?」

「ふえええっ!?よ、4つも!?」

「内容がわからぬが、それを実行すれば”戦争回避条約”の中にあった今すぐこの場で最低二つを実行するという内容をこなした事にもなるな……」

「悪趣味だね。わたし達が困っている所をさんざん見ながらいたぶってからそんなのを出すなんて。」

「フィ、フィーちゃん。」

「今は口を慎んだ方がいいですよ……?レン姫の機嫌を損ねたら、その条約を教えてくれないかもしれませんし………」

レンの説明を聞いたユーゲント三世は絶句し、ユーシスとトワは驚き、ラウラは考え込み、ジト目で呟いたフィーの言葉を聞いたエマとセレーネはフィーを宥めていた。

 

「……それでその”救済条約”は一体どんな内容のものなのでしょうか?」

「………………」

「エリス……?」

レーグニッツ知事は真剣な表情で尋ね、複雑そうな表情で自分を見つめるエリスに気付いたアルフィン皇女は不思議そうな表情で首を傾げた。

「―――またお願いしてもいいかしら、エリゼお姉さん、シグルーンお姉さん。」

「「御意。」」

そしてレンに指示をされたエリゼとシグルーンは手分けしてユーゲント三世には本物の、リィン達には”戦争回避条約の救済条約”が書かれてあるコピーの書類を配り、リィン達は即座に読み始め

「「………………………………え。」」

書類の内容を読んでいたリィンとアルフィン皇女は同時に呆けた声を出した。

 

 


 
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