稟「それはですね、論功行賞を受ける機会が文官よりも武官のが多いからなんですよ」
改めて眼鏡を指でクィっと直しながら語りだすと、
稟「文官の仕事に比べると武官の仕事は早々に結果が出るものが多いですから、それで受け取る側である武官の代表であるあなた方の意見も聞きたいと思い参加して頂いてる次第です」
一息に理由を語る。
風「勿論文官だけで決めてもいいんでしょうが、その場合に武官の意見が反映されていないってことになると文官側と武官側にあらぬ溝が生まれないとも限らないですしね~」
と、風が言葉を受け継ぐ形で本音を告げる。
???「よーするにどういう事なのだ?秋蘭」
小声で隣の妹に問いかける。
秋蘭「(あぁ理解できない姉者は可愛いなぁ)武官代表の我々が会議に参加して賛成したということになれば部下である武官達も納得せざるを得ないって事だ」
と、アホ毛が?の形になってる姉に噛み砕いて説明をする。
霞「まぁ体のいい担保っちゅうことやな」
と、納得はしたが面白くないといった風に嘯く。
宝譿「オウオウ姉ちゃんそれはわかってても言わないのが大人ってもんだぜ」
風「これこれ宝譿、霞ちゃんは自分に素直すぎるだけですよ~」
一人漫才でオチをつける。
???「稟・風ありがとう「「一刀殿、お兄さん」」ここからは発案者である俺が説明するよ。霞・春蘭何故君達が呼ばれたかはこの説明を聞いてくれれば理解できると思う」
(さぁここからが本番だ)そう思いながら立ち上がって周りを見渡す。
一刀「春蘭、ここにとっても美味しい桃饅が二個だけあるガタッ「何?北郷どこだ?どこにある?」としよう」
桃饅と聞いて立ち上がった”愛すべき慌てんぼう”に座るように視線で促す。
『むぅ、騙しおって北郷後で斬る』と、物騒なことが聞こえてきたのは無視して、
一刀「そして春蘭の傍には華琳と秋蘭が居るとしてどうやって分ける?」
春蘭「う~~~~~~~ん、そうだなぁ華琳様に一個召し上がっていただき我ら姉妹は一個を半分ずつにして食べるっ」
どやぁって擬音が聞こえそうな顔で答える。
一刀「成る程、でもそれじゃお腹は満たないよね?「まぁそうだな」じゃあその近くを桃香や雪蓮が桃饅を抱えて通りかかったらどうする?」
少し意地悪い顔で問い質す。
春蘭「馬鹿か北郷?その桃饅は桃香や雪蓮達が私達みたいに仲間と一緒に楽しむ為に用意したものであってその楽しみを奪ってまで自分の腹を満たそうとは思わんぞっ!!」
馬鹿にするなと言わんばかりの気概を込めて答えると、
一刀「ありがとう、春蘭。俺が聞きたかったのはその言葉だったんだよ。やっぱり春蘭は春蘭だね」
満面の笑顔と共に礼を述べる。
春蘭「へっ!?ま、まぁ当然だな」
笑顔にあてられ頬を軽く染めながら答えた。
春蘭「な、なぁ秋蘭。何故北郷は嬉しそうなのだ?」
ドギマギする気持ちが収まらないまま妹に小声で訊ねる。
秋蘭「(あぁ照れてる姉者は可愛いな、しかしあの笑顔は羨ましい)それは、姉者が姉者らしい答えをしたからさ。つまり北郷は姉者の事が好きだって事さ」
春蘭「な、何を言うか・・・・・・そ、そうか北郷は私のことをなら何故いちゃいちゃしないんだ」
照れながら最後はぼそぼそと小声で呟く。
一刀「さて、今の春蘭との問答で何が言いたかったっていうとね。人間ってのは物欲よりも精神的豊かさを選択することが出来るって事なんだよ」
そう言いながら改めて呼吸を整えて説明を始める。
一刀「今回提案したいのは金銭等による褒賞ではなくて、精神的豊かさに訴えかける褒賞を授与することだ」
一刀「まず何故こんな事を思いついたかって言うと、天の国の歴史で初めて俺が住んでた国を統一した武将がいたんだ、そして彼が次にした事は・・・・・・華琳なんだと思う?同じ統一者としての目線で考えて見て」
事実上の統一者だろ?という視線を付け加えながら話題を振ると
華琳「そうねぇ、まずは内政の充実を図るために各地の取れ高の確認及び必要以上の武装解除かしらね」
どう?間違ってるかしら?と、逆に問い質しそうな顔で答える。
一刀「流石だね華琳。正しく税を取るために取れ高の確認(検地)を、そして新たなる勢力を生まないために武装解除(刀狩)をその武将は行った。だけどもう一つ」
指を一本立てて
一刀「新たな領土を得るために他国に攻め入った」
静かに吐き出すように言った
華琳「馬鹿なっ!!せっかく自国を統一し自国に平和をもたらす事が出来た王が他国に混乱をもたらすだなんて」
一刀「まぁ統一したって言っても家臣団との結び付きとかが今の俺達と違ってもっと金銭や領土で結び付いてる感じだったから統一してしまえばその国で分配できる領土は無くなってしまう。そうなると揺らぎが生じてくるって観点からの判断だったと思うんだけどね」
なだめるように言いながら
一刀「で、根本として金銭だけの褒賞ではなく精神的褒賞も用いるようにしていけば同じ轍を踏まないんじゃないかなと」
と、今回の核心について告げる
華琳「それで精神的褒賞とは?」
一刀「そうだね……霞ちょっといいかな?」
霞「ん?ウチか?なんや一刀」
急に名前を呼ばれて見えないはずの猫耳がピコピコするように呼ばれた方を見ると
一刀「霞は愛紗に憧れてるから得物を青龍堰月刀にして拵えもソックリにしてるんだよね?」
霞「そうなんよ~ もうウチめっちゃ愛紗の事好きで拵えも一緒にしてたんやけど強化する時に真桜が勝手に変えてしもて」
頬を不満げに膨らませながらこぼすと、
真桜「だってそっちの方がかっこえぇですやん。姐さんにはわからんのですわ」
と、負けじと反論する。
一刀「とまぁ、憧れの人間と同じ物を持ちたい、使用したいって気持ちはわかるよね?」
まぁまぁと宥めるようにしながら霞の方を向き直りながら説明する。
霞「ほんで?一刀は何考えてるん?」
一刀「自分で言うのもあれなんだけど、俺って天の御遣いとして慕われてたりするじゃない?『『自惚れてるな』ますね』勿論皆も各部下達から憧れの眼差しで見られてるでしょ?『『まぁ当然だな』やな』」
一刀「そこで俺達だけが使用出来る施設を使える権利を褒賞の選択肢の一つに加えるんだよ。そしてその施設の案も既にある」
一刀「保養施設兼キャンプ地なんだけどね『キャンプ?』自然の中で天幕を張って川の水でご飯を炊いて火を焚いて暖を取る」
春蘭「それって野営のことじゃないのか?馬鹿だな北郷は」
一刀(春蘭に馬鹿って言われた)「普通の野営とは違って愛する二人が力を合わせて食材や薪を集めて二人で風呂に入って二人で夜空の星を眺めて二人で愛を語り合ってみたいな事をやるんだよ」
一刀「勿論、その区域には他の人間は立ち入りさせないので二人っきりの世界が約束されてるってわけなんだよ。そこで愛を囁けば女性にとっても凄くいい思い出になるんじゃないかなと」
『霞、あの夜とはまた違ったロマンを君に送るよ』
『春蘭、君の瞳は星より美しいね』
『季衣、この魚も食べていいよ』
各々で妄想にひたってにやけてる・・・
一刀「で、まずは試しで俺と一緒に誰かに行って貰おうと思ってるんだけど・・・流琉いいかな?」
続く
あとがき
え~っと言う訳で駄文製作者のShirouです。
久々に更新してみました・・・脳内ではとっくに出来てるんですが文章にするとなかなかできません。
またぼちぼち書いていきますので(まだ後編残ってるしね)よろしくお願いします。
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駄文製作者のshirouです。この作品は(一応)魏ルートIFアフターになります。キャラ崩壊口調違和感等ありましたら生温かい視線とコメントで指摘お願い致します。