No.780537

こんな、横島忠夫はどうでショー!12 「聖闘士星矢~最終聖戦の乱入者達?~完結編」

さん

アテナ神殿へと向かい先を進む横島達を追い駆け、十二宮を進むムウ達。
急げ、アテナの黄金聖闘士達よ!

(`・ω・)とは言うものの、原作はもはや影も形もありません。
それでもいいヨ、と言って下さる方のみお読み下さい。

2015-05-30 14:25:04 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:2359   閲覧ユーザー数:2298

 

双魚宮を抜け、教皇の間へと進む最後の階段を駆け上がるムウ達。

魚座(ピスケス)のアフロディーテは居ない為、此処にはデモンローズは敷き詰められてはいなかった。

 

そして遂にムウ達の視界に二人の男、横島と雪乃丞が入った。

 

「居ました、彼等です!」

「「ふふふふふふ、遂に追い詰めたぞーーーーーっ!」」

 

シャカとミロは横島達に追いつくと、二人を挟み込むように並走する。

それはそれで良いのだが、手足の動きは四人とも全く同じな為、見た目はまるっきりギャグマンガである。

 

「遂に追いつきましたよ!」

「お?お前らか、ちゃんと治ったんだな。良かった良かった」

「貴様!何が良かっただ、俺達の顔を踏み躙って行ったくせに!」

「それの何処が悪い!イケメンは人類の敵やーーっ!お前らみたいな奴等が居るから俺達の様な迷子達が泣くはめになるんやーーっ!」

「何の事だ?」

 

(((やはり、そう言う事か)))

 

ソッチ方面では無関心というか無頓着なシャカには解らない事ではあったが、その他の連中には解ったらしい。

もっとも雪之丞は…

 

(何でこいつは気付いてないんだろうな?)

 

と、数多くの女性から想いを寄せられている事に気が付いていない横島の事を不思議に思っていた。

 

「それはともかく。奴等と戦ったのでしょう、星矢達の小宇宙が弱まっています。早く行かなければアテナが危ない!」

「そうだぞシャカ!今はアテナをお救いする事が先決だ」

「くくくく、ようやく強い奴と戦えるんだな。急ぐぞ横島!」

「わーとるわい!待っててね、アテナちゃーーんっ!」

「まあいい。横島とか言ったな、HA・NA・SIは後だ!」

 

そして教皇の間を抜けた七人はアテナ像前の広場へと駆け上がって行く。

「ルシファー、どうあってもこの地上を?」

「くどいぞアテナ、地上を救いたいと言うのであれば大人しく我が生け贄となるがよい」

 

星矢、氷河、瞬の三人は既に倒され、アテナ・沙織の眼前には四人の聖魔天使、そして悪魔王・堕天使ルシファーが立ちはだかっている。

もはや成す術は無いと思っていた沙織だが、其処に思いもよらなかった彼等、黄金聖闘士が駆け付けて来た。

 

「アテナ、ご無事ですか!?」

「あ、貴方達は?」

「ば、馬鹿な!何故倒したはずの黄金聖闘士達が!?」

 

聖魔天使達は突然の事態に驚愕する。

何しろ、既に息絶えていたであろう黄金聖闘士達が無傷の状態で現れたのだから。

 

「ムウ、貴方達はどうやって?」

「詳しい説明は後でしますがこの横島と言う男、彼の持つ不思議な力によって我等黄金聖闘士は復活する事が出来ました」

「な、何と言う事だ!神話の時代より世界の平和を見続けていたアテナ像が」

「おのれ、何と言う罰当たりな事を!」

 

アテナの元に駆け付けたアイオリア達はルシファーによって首を落とされたアテナ像を目の当たりにして怒りに震えている。

 

「ハハハハハッ、もはや地上にその様な物は必要無い!これから地上支配の象徴となるのはあの伏魔殿にあるルシファー様のサタン像だ!」

 

ベルゼバブは聖域より遥か先の峰にある伏魔殿を指差し、ムウ達を嘲笑う。

そんな時、横島は。

 

「おい、其処の牛」

「う、牛?俺は牛ではない!俺は牡牛座のゴ「そんな細かい事はどーーでもいい」…細かい事…」

「それよりもあの女の子がアテナなのか?」

「そうだ、あのお方が我等聖闘士の女神、アテナ様だ」

 

牛呼ばわりされ、いじけているアルデバランの代わりにアイオロスが答える。

そして横島はと言うと。

 

(な、何じゃ、女神と言うからどんなにええねーちゃんかと思ったらまだ子供じゃないか。たしかに可愛いし、ええ乳はしとるがさすがの俺も子供には手は出せんぞ)

 

そんな事を考えながら沙織を見ているとお互いに目が合い、沙織の頬に涙の跡があることに気付く。

 

「どうしたんだアテナちゃん、何泣いてたんだ?」

「ア、アテナちゃん?…い、いえ、アテナ像が壊されたもので」

「アテナ像?あ~、こりゃまた酷い事するな。まあ、大丈夫大丈夫。後で俺が直してやるから」

「直せる…のですか?」

「勿論!お兄ーーさんに任せなさい。だから女の子は笑っていな、泣いてちゃせっかくの可愛い顔が台無しだぞ」

「あ…」

 

横島はそう言いながら笑顔で沙織の頭を撫でてやる。

いくらスタイルが良いとしても相手はやはり年下の子供、横島の守備範囲外である為に煩悩が沸く事は無い。

 

沙織は沙織で幼い頃より財閥の令嬢として甘やかされ放題で育ち、また祖父の木戸光政の死後はグラード財団の総帥として、そして今は女神アテナとして聖闘士達を導かなければならない立場にいる。

今まで彼女の回りに居る者達は自分より下の立場であり、星矢達も自分の事を大事に思ってくれてはいるが、それはやはり木戸沙織という一人の少女としてよりも女神アテナとしての方が大きい。

 

しかし、今目の前に居る男は自分の事を女神アテナと知りつつも一人の女の子として扱い、可愛いといって優しく撫でてくれる。

これは沙織にとって生まれて初めての事であり、そして彼は人外キラースキルの持ち主。

 

つまり何が言いたいのかというと……。

 

 

(*゚ー゚*)ポッ

 

と、言う訳だ。

そして雪之丞は…

 

(…コイツは……。とにかく無事に帰れたら美神の旦那に報告だな)

 

事の次第を美神にチクる事にした。

 

「戯言は其処までだ!貴様等が何者かは知らぬが邪魔をすると言うのならば消えてもらうぞ」

 

そう叫びながら聖魔天使の内の一人、エリゴルが横島に襲いかかって来る。

長く伸びた両手の爪を刃に変え、横島に斬りかかって行くが、横島はそれを両手のサイキック・ソーサーで必死になって防御して行く。

 

「のわああああーーーーーっ!待て待て待て待て、暴力反対ーーーーっ!」

 

それを見ている黄金聖闘士達はと言うと……

 

「何と!小宇宙を使って盾を作り出すとは!」

「しかも、完全に相手の動きを見切っているぞ!」

「俺のライトニング・プラズマでも彼には通じるかどうか」

「まだまだ荒削りだが見事な動きだ」

「ふっ!俺のスカーレツト・ニードルならばあの程度の盾なぞ貫いてみせる」

 

などと、沙織の事をガードしながらちゃっかりと観戦していた。

 

「こらーーっ!おのれ等は何しとるんじゃ、傍観しとらんと援護をせんかーーいっ!」

「何を言う、我等はアテナの聖闘士。アテナの御身をお守りするのが何よりも優先される。君も戦士ならば力ある限り闘いたまえ」

「そーー言うじゃろうと思ったよチクショーー!雪之丞は何をしとるんじゃーーーっ!」

 

エリゴルの攻撃を必死に捌きながら横島は雪之丞を探す。

 

「はははははーーーーーっ!思った通り手強い相手だ、闘いがいがあるぜーーーっ!」

 

その雪之丞はと言うと魔装術で、座天使・スローンのモアと闘っていた。

 

「むぅ。あの男、自らの小宇宙で聖衣を作り出すとは。ぜひ、調べてみたい」

 

ムウは雪之丞の魔装術の霊体鎧を聖衣と思っているらしい。

 

「このままでは埒が明かぬ。受けてみるがいい、黄金(ゴールド)の蟷螂、力天使・ヴァーテューのエリゴル必殺の拳 『聖魔蟷螂拳』 。シャアアアーーーーーッ!」

 

鋭さを増したエリゴルの拳はもはやソーサーでは防ぎきれず、横島は両手にハンズ・オブ・グローリーを展開してその霊波の篭手で爪を掴み、何とか防ぎきった。

 

「ぜーは、ぜーは、あ、危なかったーー!」

「おのれ小賢しい、離せ!」

「アホゆーーな!離したら即座に死んでまうやないか!」

「いいぞ、エリゴル!そのまま押さえていろ、私が止めを刺してやる」

 

横島が動けないと睨んだベルゼバブは飛び上がり、必殺技の構えに入る。

 

「受けるがいい、貴様を死へと(いざな)う聖なる空の翼 、『ガルーダ・ヘルウイング』 」

 

「危ない、横島さん!」

 

沙織の叫びにムウはすぐさま反応し、横島を助ける為に駆け出す。

 

「行きますよ、アイオリア!」

「解った!ライトニング・…」

 

アイオリアが必殺技を放とうとしている中、横島の頭の中はもういっぱいいっぱいであった。

 

(ああーーーっ!逃げようにも逃げられない!何か目の前に刃があるこの状況、前にも一度あった様な…、あん時はどーやって乗り切ったんやったかなー?えーーと、確か、確か……)

 

「プラズ…」

 

そして、アイオリアが必殺の光速拳を放とうとするその瞬間……。

 

「のっぴょっぴょーーーーんっ!!」

 

あのGS試験の喜劇が再現された。

 

「「だああああーーーーっ!」」

 

駆け出していたムウとアイオリアは躓いて顔面から地面に突っ込み、

 

パキィンッ!

 

「しまった!私の爪が!」

 

脱力したエリゴルの爪は小宇宙が消えた事であっさりと折れてしまい、エリゴルは悔しそうに二、三歩後退する。

そして其処に……

 

「「ぼげらっ!!」」

 

同じく脱力し、失速した上に目測を誤ったベルゼバブの……

ガルーダ・ヘルウイングが直撃した。

 

辺りには何とも言えない空気が流れ、地面から生えていた二つの犬神家は"ボシュン"と煙になって消えた。

 

「あ~~、何と言うかその…。うん、取り合えずゴメン」

 

横島は一応謝っておいた。

 

「おのれ!よくも二人を…、喰らえ!双頭の白蛇王、智天使・ケルビムのアシタロテ最大の拳『キラー・ファングド・コブラ』」

 

横島に襲い掛かろうとしたアシタロテだが、その前をアルデバランが立ちふさがる。

 

「其処を退け、タウラス!また地べたに這い蹲りたいのか!」

「貴様の技は既に見させてもらった。聖闘士に同じ技は二度と通用しない、地べたへと這い蹲るのは貴様の方だ。食らえ! 『グレート・ホーン』 」

「ぐわあぁぁっ!」

 

アルデバランの光速の居合いの拳、グレート・ホーンを受けたアシタロテはそのまま吹き飛び、その体は煙となって魔界へと還っていった。

 

「ふっ、所詮は相手の不意を付かねば闘えぬ輩。まともに闘えばこのアルデバランの敵では無いわ」

「オラオラ、どうした?残っているのは手前だけだぞ!」

「ふふふ、それで勝ったつもりですか?この魂の狩人、座天使・スローンのモアが残り全員を倒せば良いだけの事。受けてみなさい、 『デモン・ファンタジア』 」

 

雪之丞の周りを霧が蔽ったかと思うと一面の花畑へと変わる。

そして花の一輪が一人の女性へと姿を変える、その女性は……。

 

『あれ?』

「……マ、マ…マ?」

 

一つの姿に留まる事無く次々と変わって行く。

彼の、雪之丞の口癖にこんなのがある、「ママに似ている」と。

幼い頃に死別した為に母親の顔を明確に覚えてはいないらしく、マザコンでありながら色んな女性を母親と錯覚してしまうのである。

 

しかし、これはモアにとっては大誤算である。

何しろこれでは相手の心の中の最も大事な記憶を盾に弱みに付け込む事が出来ないのだから。

そして、さっさと技を解かなかった事が更なる超誤算であった。

 

「ママーーーッ!」

「ごふっ!」

 

雪之丞は 「ママに似ている女性"達"」 の幻影に抱き付き、全力で抱きしめる。

 

「ママー、ママー、会いたかったよママー!」

「ち、違います…、私は…貴方のママでは……」

 

モアの言葉は暴走した雪之丞には聞こえず、暴走故に抱きしめる力は留まる事を知らずに高まり続ける。

 

そして……

 

ぼきんっ!

 

「へぶんっ!」

 

背骨を砕かれ、折れ曲がったモアはそのまま煙になって魔界へと還って逝く。

 

「あれ?ママ、何処に行ったんだ?ママー」

 

正気に返った雪之丞は母親の姿を探すが当然何処にも見えない。

何とも言えない空気が辺りを支配する中、活動を再開したのは乗り込んで来た敵の中で一人だけ残されたルシファーであった。

 

『こ、これは…。何故こうなった?』

 

あまりの展開に呆然としているルシファーだが、横島はそんな事はおかまい無しと追い詰める。

 

「さてと、残ったのはお前だけだな。それじゃ全員でフルボッコタイムと行こうか」

『な、何?』

「待って下さい!いくら相手が相手とはいえ、全員総掛かりというのは聖闘士の矜持に…」

「そーー言ってやられとったのは何処のどいつやろな?」

「「「「「くっ!」」」」」

 

聖闘士の闘いは正々堂々を旨とする物、それを誇りにしていた彼等だが何も出来ずにやられていたと言うのもまた事実。

しかし、三位一体の技「アテナ・エクスクラメィション」ですら外道の技と言われ、使えば永遠に卑怯者の烙印を押されてしまう。

 

そんな彼等だからこそ幾らルシファーが相手とは言え全員で掛かるとは言うのは躊躇われる。

 

「しかし、やはりその様な卑怯な…」

「卑怯で結構、メリケン粉!それで大事な誰かが護れるんなら何を躊躇う必要がある?」

 

「「「「「 !! 」」」」」

 

何気ない一言ではあるが、横島のその言葉は言霊となってムウ達の心を直撃する。

 

「それにな、よく言うだろう? 『勝てば官軍』 とな」

 

そして"にやり"と美神流に嗤う横島の言霊は別の意味でムウ達の心に木霊した。

 

「そう言われればそうですね」

とムウ。

 

「いくら矜持を守ったとて、負けてしまえば何の意味も無い」

とアルデバラン。

 

「これが卑怯と言うのであればその悪名、あえてこの身に受けよう」

とアイオリア。

 

「そう、それもまた我等聖闘士の務め」

とシャカ。

 

「これも因果応報と受け取ってもらおうか」

とミロ。

 

『な、何だ、何をするつもりだ?』

 

何時の間にかルシファーは周りをムウ達に取り囲まれていた。

 

『ちょっと待て黄金聖闘士よ、お前達はそれで良いのか?あの男の口車に踊らされているだけなのではないか?』

 

しかしムウ達はその言葉を無視して、其々の必殺技の構えに入る。

 

「観念しなさいルシファー」

「「「「「全てはこの地上の永遠の平和と愛と正義の為!!」」」」」

 

『ちょ、まwwwwwwwww』

 

そして炸裂するは三位一体を超える五位一体の合体技。

 

「「「「「ゴールデン・クラメィション!」」」」」

 

『ぬあーーーーーーーーーーっ!』

 

 

結局、ルシファーは何も出来ずに魔界へと強制送還され、復活の約束を反故にされたアベル・ポセイドン・エリスらに延々と愚痴を言われ続ける事になったのであった。

 

YOKOSIMAに関わった悪役の末路などこんな物である。

「見て下さい、主を失った伏魔殿が崩壊していきます」

 

ムウの指差す先では新築したばかりの伏魔殿が崩れ去っていた。

此処にルシファーとの聖戦は終結したのであった。

 

「横島さん、私達はルシファーの野望を打ち砕く事が出来ました。しかし、この地上に平和を取り戻す事が出来たのは貴方達と黄金聖闘士の熱き小宇宙があればこそです。そして私はこれからもアテナとして闘い続けます、アテナの聖闘士達と共に(そして貴方と共に)」

 

此処はスター・ヒル。

黄金聖闘士達は聖衣を脱ぎ、各々の私服に着替え、そして皆、晴れやかな笑顔で海に沈んでいく夕陽を眺めている。

 

横島もまた、感慨深げに夕陽を眺め、沙織は彼に寄り添い、横島はそんな沙織の頭を優しく撫でる。

 

 

 

 

=完=

 

 

 

……その頃、アテナ像の前では………

 

 

 

「さ、沙織さぁん…」

「俺達は一体何をしに此処へ…」

「兄さん、来てくれなかったんだね…」

 

 

終わってあげましょう。

 

(`・ω・)と、言う訳で、VS聖魔天使戦は全部ギャグですませました。

えっ、アルデバラン?

牛が強敵を一撃で倒すと何故かギャグに見えてしまう不思議。

「THE LOST CANVAS 冥王神話」の牡牛座はあんなに輝いていたのにね。

 

では、また今度。

(・ω・)ノ<へう

 


 
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