No.766063

艦隊 真・恋姫無双 43話目

いたさん

外史初?の……対戦です。 3/22 春蘭の台詞をちょっと変更訂正しました。

2015-03-21 19:24:35 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1492   閲覧ユーザー数:1285

【 緊急事態 の件 】

 

〖 司隷 洛陽 近辺 にて 〗

 

秋蘭「………華琳様! そろそろ……来る頃かと!」

 

華琳「───そう! それなら、もう少し先で大休止を取り、人馬の疲れを癒やしてから洛陽に入るわ!」

 

秋蘭「───はいっ!」

 

秋蘭よりの進言を得て、華琳は伝令兵を呼び寄せて命じる!

 

華琳「────伝令兵! 各部隊へ通達!! 一里先(約410㍍)で、大休止を行い、人馬共にゆるりと休んだ後、半刻のち洛陽へと向かう!! 洛陽に入るとも……気を緩む事なく、万事に対し用心するように申し伝えよ!!!」

 

伝令兵『────はっ!』ダッ!

 

ーーー

ーーー

ーーー

 

桂花「…………………ふぅ」

 

凪「桂花様………何か、お困り事でも……ありますか?」

 

桂花「ありがとう……。 確かに困っているけど……こればかりは……ね」

 

凪「桂花様! 私が此処に居る限り、出来るだけの事を致しますッ! 何なりと仰って下さい!!」

 

桂花「絶対に……無理よ?」

 

凪「言って頂かないと分かりません! 隊長も『意志表示をしなければ、悩みは、誰にも伝わらない!』と申していました! 桂花様! 是非、相談して下さい! 何かしらの手助けが……出来るかもしれません!!」

 

桂花「…………言っちゃうわよ? 後悔するかも?」

 

凪「今、この場で聞かない事が───この後、ずっと後悔しますッ!! 隊長が……私たちに、私に……黙って消えた……あの日の事を思えばッッ!!!」

 

桂花「─────凪が、この陣営より居なくなる事」

 

凪「……………えっ?」

 

桂花「私と同じ時を過ごし、あの戦乱をくぐり抜け……一刀を愛し、別れの哀しみを、苦しみを知る……貴女が居なくなる。 私は……それが寂しいのよ」

 

凪「……桂花様……。 し、しかし……季衣も流琉も……記憶が!」

 

桂花「自覚が無いみたいね……凪。 貴女は、いつも真面目に……一刀の傍に居て仕事を実行し、その行動を見て行い、語る出来事を聞いた。  即ち、魏の将の中で、貴女が一番……一刀に近い将なのよ!!」

 

凪「わ、わわわっ………私がですかっ!?」

 

桂花「だから……私は寂しいのよ。 凪を透して『一刀』を見る事が出来ないのが。 勿論、凪自身も……実力があり、仕事も真面目で……退き際も兼ねている! そんな将は、大陸全体を探しても、なかなか居ないわよ?」

 

凪「う、うぅぅぅ…………あ、あぁぁあ、ありがとうございます!」

 

桂花「それに……凪が羨ましい。 想いを素直に表し、いつも一刀を傍で見守り、危ない時に手助けしてきた……凪が……ね」 

 

凪「そ、そんな事──ありません! それに桂花様も……!!」

 

桂花「うぅん、私は……駄目。 一刀に対して罵詈雑言を吐いて、散々困らせた挙げ句、居なくなって……初めて『この想い』に気付くなんてぇ……。 一刀に合わせる顔が無いわよ!」

 

凪「桂花様………!」

 

─────タッタッタッタッ!

 

沙和「な、凪ちゃ~ん! た、大変なのぉおおおッ!!」

 

真桜「凪──ぃ! 早よぉう手伝ってや!!」

 

凪「───どうしたぁ!?」

 

沙和「ものすご~く怖い女の子がぁ……春蘭様に喧嘩を吹っ掛けてるの!!」

 

真桜「春蘭様も春蘭様や! 御自慢の七星餓狼で勝負を付けるって、息巻いて一触即発やで! 華琳様と秋蘭様は、二人揃って何処かに行かれるし、ボクっ子達じゃ危ないから、二人を探しに行ってもろうたんや!」

 

沙和「凪ちゃんだけが~頼りなのぉ!!」

 

凪「分かった! 直ぐに案内してくれ!! 桂花様、失礼しますッ!!」  

 

ーーー

 

桂花「───伝令兵! 直ぐに華琳様に知らせを!!」

 

伝令兵「はっ!」

 

 

 

◆◇◆

 

【 艦娘 対 恋姫 の件 】

 

〖 司隷 洛陽 曹操軍野営地 にて 〗

 

その場所には、威風堂々と……胸の前で腕を組み春蘭、刀型の艤装を持ち威圧感溢れる天龍が、一触即発の様子で睨み合っていた。

 

天龍「………ここらで、十常侍って名前のカマ野郎が、逃げてる筈なんだよ! 早く出しやがれぇ───コラァ!!」

 

春蘭「無礼者がぁ!! 十常侍だか証城寺だか知らぬが、この曹孟徳様の軍勢に、そのような輩など入って来ぬ! 他を当たれぇッ!!」

 

天龍「何んだとぉ! こっちの方にカマ野郎が逃げたのは、間違いねぇんだぁ! この天龍様を怒らせないうちに、サッサッと引き渡しちゃた方が……利口ってもんだぜ! ネエちゃん!!」

 

春蘭「知らぬものは知らん! それ以上、言い掛かりを付けようなら───この七星餓狼の錆にしてやるッ!!」

 

天龍「フフフ……この天龍様に、面白れぇ事ほざくんじゃねぇかぁ!! なら……この攻撃、受けてから言いやがれぇええええッ!!」

 

天龍の片手持ちからの上段打ちに、慌てて得物を翳す(かざす)! 

 

しかし、その得物の振り抜く速さ、秘めたる威力の巨大さを看破した春蘭は、受け止めずに流す事に変化、七星餓狼を斜めに翳す!!

 

───────ッンンンン!!!

 

春蘭「グゥゥゥ────ッ!!」ズザザザザザザッ!!

 

それでも耐えきれず……数㍍身体を飛ばされる春蘭! 地面と両足との摩擦で、辛うじて済んだが……普通の人なら真っ二つか、数十㍍飛ばされていた!

 

天龍「ヘッ───どうだぁ!! オレの強さが気になるか? 世界水準軽く超えてるからなぁ~!」

 

春蘭「や、やるではないか! 何処かの賊かと思えば、ここまで私を退かせるとは───ッ!」

 

天龍「喋る気になったか? それとも……もう一回喰らいたいのかぁ? ───アァ~ンッ!?」 

 

春蘭「確かに、お前は強い! だが、しかし! この魏武の大剣を、覇王の剣を───『夏侯元譲』を! 嘗めるなぁあああああッ!!」 

 

天龍「言っとくが───オレは、まだッ! 本気のホの字も……出していないんだぜぇええええッ!! ─────オラァァァッ!!」

 

 

────!

──────ザザザッ!

 

───ガッッッ!!!

 

────────グググググッ!!!

 

─────バァッッン!!

 

 

春蘭「────ウグッ!」

 

天龍「───クソがっ!」

 

 

─────ザッ!

────キンッ! カッキン!

 

────ザザザッ!

 

始めは面白がって見物した兵も───春蘭の焦り、疲労の濃さ、対する天龍の余裕ある振る舞いに───完全装備をして、その戦いの行方を見守る!!

 

ーーー

ーーー

ーーー

 

戦いは、約二十分程続く。

 

最初こそ、五分の戦い振りだったが……流石の春蘭も、天龍の武力を認めざる得ない! 避け、斬り込み、回避、突き──全て全力で対応!!

 

それに比べ、天龍の『本気のホの字も出していない』は、嘘では無い。

 

うっすらと笑いながら、必殺技レベルの通常技を放ってくる!!

 

天龍「怖くて……声も出ねぇってかァ? オラオラァ──ッ!!」ザシュ!

 

春蘭「────グゥ!!!」ゴロゴロッ!

 

春蘭は、全身を傷だらけにして……何とか立ち上がる!

 

天龍「………そろそろ飽きてきたな! なぁ! まだ喋る気になんねぇか! 仕方ねぇ、ネェちゃんを倒して、上官に直接……聞いてみるかァ!!」 

 

春蘭「ハァー、ハァー! い……いや! 行かせん! ここで、不様に負けたら! あの時……さ、三人で約束した……華琳様を守る誓い───果たせんのだッ!!」

 

天龍は、ニヤリと笑うと……また、片手持ちの上段打ちの構えに入る!

 

天龍「しょうがねなぁ? これで仕舞いにしてやるぜ──! うっしゃぁっ!」

 

─────ブゥウウン!!

 

春蘭「────隙ありぃ!」ゴロリッ! 

 

─────シュッン!

 

春蘭は、右側に転がり───居合い斬りを行う!

 

天龍の攻撃は、『右手』の上段攻撃。 右側に廻れば、体勢を変えねば直ぐに攻撃に移せないッ! 

 

天龍「─────何ぃッッ!!?」

 

───────ザシュ!

 

天龍の服の一部、ネクタイの部分が……斬られて落ちた!

 

春蘭「……………あ、浅かったかーッ!!」

 

天龍「へぇ~? …………いい腕じゃねぇか、人にしては上出来だ。 ───褒めてやるよ!」

 

春蘭「──────グゥ!」ガクッ!

 

────タッタッタッタッ!

 

凪「春蘭様────ッ!」

 

凪が、見物する軍勢から走り抜け───春蘭の下へ向かってくる!

 

春蘭「な、凪!? 来るなッ! すぐに華琳様を───連れて逃げろぉ!!」

 

凪「逃げませんッ!! 春蘭様! 今、お助けします!!」

 

凪に制止を掛ける春蘭だが、凪は止まらず春蘭の前に出る!!

 

凪「今度は、私が相手だ─────ッ!!」

 

春蘭「ば、馬鹿者ぉ───『はいっ! そこまでぇ!!』──!!?」

 

春蘭が罵声を浴びせ掛けた時、軍勢が二つに割れ───華琳が、秋蘭や他の臣下たちを連れて現れた。

 

凪「これは…………?」

 

春蘭「─────!?」

 

唖然とする春蘭、凪を余所に……先程まで敵意を示していた天龍までも、得物を収める。 そして、ニッコリ笑いながら……謝罪した!

 

天龍「おっ! 終わったか! いやぁ───手加減するのが難しくてっさぁ! すまなんだよ!! 手荒な真似して悪かった!!」

 

『………………………』

 

華琳「二人とも………ごめんなさい! これは、一種の詐術だったのよ!」

 

春蘭「はっ…………?」

 

秋蘭「姉者……すまん! お陰で十常侍どもを捕らえる事が出来た!」

 

春蘭「ど、どういう事だぁ──────ッ!!

 

春蘭は、凪と顔を見合わせ………大声で叫んでいた。

 

 

◆◇◆

 

【 理由付け の件 】

 

〖 司隷 洛陽 曹操軍野営地 にて 〗

 

春蘭が騒いだ後に、曹操軍内で簡易的な軍議が開かれる。

 

華琳を中心に、桂花や春蘭、秋蘭の臣下が集まり並び、一番最後に……傷の手当てを終えた春蘭、春蘭に付き従う凪が加わった。

 

春蘭「───────!」

 

凪「あ、貴女は────!?」

 

??「久しぶり……っていうのも、変な気分なんだけどよ。 まぁ、ワタシの事を覚えているみたいで………嬉しいよ! 夏侯元譲、楽文謙!!」

 

そして、対面には……春蘭に喧嘩を売った天龍、それから龍田、木曾、ビッグEと続き……その列の前には『焔耶』が、懐かしそうに見ていた。

 

桂花「それでは……華琳様、私から状況を説明させて貰います!」

 

華琳「いいわ! 貴女の立案し実行した策だもの。 立案した者が説明するのが筋よ! それに、春蘭たちも納得いかないでしょう?」

 

春蘭「………そ、それは………はい………」

 

凪「───はい!」

 

桂花「私の洛陽に放った者が、ある情報を得たの。 十常侍が悪事が暴露されて逃走! 一部が陳留に向かったと云うのよ。 多分、華琳様の庇護を得る為だと思うわ!」

 

春蘭「しかし、華琳様が……それを許す訳があるまいッ! 宦官の孫と云う事で……蔑まされてきたぁ華琳様がッ!!!」

 

華琳「その通り! 私のところに来れば、即座に捕縛して牢屋に放り込んでやるわ! だけど……相手も、私を信用できないと思ったらしく、途中で行き先を変更したのよ。 ────父様の所にッ!!」

 

春蘭「曹巨高様の下にですか───ッ!」

 

桂花「探った者が不審を抱き、馭者の足取りから……行き先が分かったのよ。 しかも、急な変更で予定外の準備に、十常侍達は洛陽を脱出していない! だから……この場所で大休止をしながら、目を光らせていたのよ!」

 

華琳「徐州に行く道は、此処しか無いわ。 だから、通行する所を捕らえようとね。 しかし、相手もさる者。 私たちの動きに気付き、兵の鎧を用意していたようで……いつの間にか紛れこんだのよ! 大休止の兵の中へ!!」

 

ーーー

 

凪「………曹孟徳様! 一つ質問させて頂きますか?」

 

華琳「何かしら……」

 

凪「なぜ、陣中に紛れ込んだかが……分かるのですか?」

 

華琳「単純に言えば、兵数が三人増えていたから……!」

 

凪「ですが、五千人の人数を数えて、わざわざ申告させるのですか? それでしたら……返事の誤魔化しやらで、色々な手で欺く事が出来ると!」

 

秋蘭「凪の言うとおり! それでは、幾ら私達でも把握はできん! 五千人の兵の顔など、覚えきれるものでは無い! だから、自然と兵数が把握できる方法を、華琳様が実行したんだよ!」

 

凪「……………………?」

 

華琳「大休止の時に、食事を支給するでしょう? その食事が固形物が多いじゃない。 あれで分かるのよ! 全体の数を把握して、食事を分けるとするでしょう? 分けた後、残りの数を把握すれば、数は分かる寸法になるの!」

 

凪「な、なるほどッ!」

 

ーーー

 

桂花「だけど……十常侍の姿が分からない。 兜で顔を隠してハッキリしないわ。 行軍を開始したら、そのまま姿を眩まして、徐州に向かうのが分かっているだけあって、物凄く焦ったわよ! あの……腐れ十常侍にはッ!!」 

 

流琉「私が……焔耶さんに出逢ったのは、正しく天の助けでした!」

 

焔耶「いやっ! それを言うのはワタシの方だ! 十常侍を追い掛けていたら、洛陽郊外の軍勢に潜り込んだとの情報を得て、仲間達を伴って来たんだが……。 まさか、流琉に出逢って、桂花に引き合わせられるとは……!!」

 

ビッグE「指揮官もあたし達も、戦闘は得意だけど……こういう時の機転が浮かばなくてね! 指揮官が、得意げに紹介するから──任せたんだよ!!」

 

ーーー

 

華琳「桂花に続き……流琉も知ってる将なんて……そんなに有名な将なの?」

 

春蘭「華琳様! 私も知っていますッ!!」

 

季衣「ボクも────ッ!!」

 

凪「わ、私………も……」

 

秋蘭「それは凄い! 華琳様! 是非とも我が軍へ迎えたい人材かと! ただ、姉者が知って……私や華琳様が聞かないのも不思議ですが……!!」

 

華琳「そうよね~? よく見れば、春蘭や秋蘭に劣らない良い身体をしてるし、閨の中で……どう見せてくれるのか……楽しみな人材!!」

 

焔耶「ワ、ワタシは駄目だぞ! ワタシの今の主は、天の御遣い『北郷一刀』様だ! あの方に身命を捧げているからな!!」

 

龍田「はいはい~! ノロケ話は置いて下さいね~? 早く提督に報告する御役目もありますから~」

 

ーーー

 

桂花「………そうね。 それじゃあ、話を戻すわね? 焔耶に話を聞いた私は、一計を考えて……華琳様に報告したわ! 十常侍をあぶり出すために!」

 

華琳「その話を聞いて、私は春蘭なら期待に応えてくれると思い、ワザと説明せずに、黙って秋蘭を連れて、兵士に変装して様子を見ていたわ!」

 

木曾「俺たちは、天龍なら相応しいと思って役目を任せ、曹操軍の兵士として、潜り込んで監視していたんだ!」

 

天龍「フフフ……オレを配役に選ぶとは、さすがぁ分かっているじゃないかぁ! オレの醸し出す禍々しいオーラ! 恐怖を呼び込む口調や姿! これで、アンタに喧嘩を売れば! カマ野郎どもがビビって逃げるだろう?」

 

龍田「そうよね~! 不利になれば、直ぐに身を引いた十常侍だから、天龍ちゃんの『フフフ、怖いかぁ?』が凄~く効くと思ったの~! 勿論、天龍ちゃんの攻撃を受けてくれる人も、一流の武人じゃないと危ないし~!」

 

春蘭「い、一流の武人!?」

 

木曾「アンタ! 実に見事だった戦いだったぜ! 俺も見てて身体が熱くなったよ! 天龍の大人気ない攻撃を見事に避け、馬鹿力で飛ばされ、それでも尚且つ……慢心している奴に一撃を喰らわすッ! 全く持って──凄い!!!」

 

春蘭「ほ、褒めても──何も出ないぞぉ!?」

 

ーーー

 

天龍「おい!! 気のせいか……木曾の奴、オレの悪口言ってねぇか!?」

 

龍田「違うわよ~! 天龍ちゃんの活躍に、思わず嫉妬しているだけなんだから~!」

 

天龍「そ、そうか? そうなんだ! そいつは悪かったな!!」

 

ーーー

 

秋蘭「うむっ……姉者の扱いに通じるな………」

 

沙和「沙和も~春蘭様が戦い始めて、周りを確認していたら……兵隊さんが武装を装着し始めたの! ドキドキして見ていたら、コソコソと後方で変な動きをする兵隊さんが居たんだよ!? 沙和、慌て真桜ちゃんを呼んでぇ!!」

 

真桜「沙和に呼ばれてな? よぉく見たら……その兵ども……戦場に違和感があって浮いたような存在やったんやよ!! 何ってええか分からんやけど……『場違い』ちゅか『ぎこちない』ちゅか……?」

 

沙和「真桜ちゃんが……変な顔するから、沙和も気になって、後ろから近付いたの。 そうしたらね~良い薫りがするんだよ! とっっっても高くて、沙和には買えない……お香の薫りがしたのぉ!!!」

 

真桜「こりゃ何かあるなぁ~思っとていたら、そいつらが気付いて逃げ出してな! 沙和に呼びさしるわ、兵どもに指揮して囲まかすわ、大変やったで!」

 

沙和「沙和が慌て棒を振り回したり、真桜ちゃんが周りの兵隊さんと指揮して捕らえたの! その後……華琳様が来てくれて………!」

 

真桜「いやぁ~無我夢中やったわ! 凪が居んようになるんやら、うちらがしっかりせにゃならん思うたから! 何にしても~良かったわ!!」

 

華琳「二人とも───お手柄だったわ!」

 

沙和「えへへへっ……なのっ!」

 

真桜「まぁ……うちらもやれば出来るっちゅう事や!」

 

沙和と真桜は、曹操軍加入後の初手柄に……にこやかに笑っていた。

 

★☆☆

 

華琳「──さて、本題に戻るわ! 十常侍達は三人、見張りを付けて捕縛してある! この者たちは、漢王朝に唾を吐きかける重罪人。 捕らえた此方で護送して、責任を持って引き渡しをさせて貰いたい。 この返答は如何に?」

 

焔耶「あぁ! それこそ此方から頼みたい! この人数では護送は難しいし、手柄を立てたのは曹操軍だからな! ワタシは顛末を報告するだけだ!!」

 

華琳「………言ってなんだけど……本当にいいの? 十常侍を一人でも捕らえれば、破格の褒美を貰えるわ! 私達だって、細作を放ったお陰で、事の重大さを把握しているのよ。 この手柄を横取りする気は───無いの?」

 

焔耶「そんな物、お前たちにくれてやるよ! ワタシには……何より得難い『者』を手にしているんだ。 それで満足さ!」

 

華琳「………そう。 それなら、この十常侍達は預かって……執金吾に渡すわ! それと……皇帝陛下にも御目通りしたいけど、取次を御願いしても?」

 

焔耶「あぁ……何進大将軍と『北郷』様に相談すれば、大丈夫だろう! 御願いして、遣いを送らせて貰うよ!」

 

『─────────!?』

 

『北郷』の名を聞いて───一部の将に同様が走るッ!!

 

華琳「───承知したわ! 私達の宿泊場所は、既に届けでがしてあるから、確認して貰えば、直ぐに分かるわ!」

 

ビッグE「何にしても……役目が果たせた! さて、指揮官! 北郷提督の下に戻ろう! 首を長くして、アタシ達の成果を待っているに違いない!!」

 

ーーー

 

天龍「そうだな! この天龍様の武勇伝を聞いたら……喜んでくれるよな! 一刀提督は……よ?」

 

龍田「う~ん、どうかな~? 本気で怒るかも~? こんな可愛い女の子を傷付けて『天龍ちゃんの馬鹿ぁ!』って……叱るかもね~?」

 

天龍「おいっ! 勘弁してくれよ!! オ、オレだって人を相手の加減なんて、全然──分かんねぇよ! これで叱らたら……オレ、泣くぞ!? ワンワン泣いちゃうぞぉ!?!?」

 

龍田「うふふふっ……その時は~! 私が写真を撮って、保管しておこうっと~!! また、天龍ちゃんの弱みを握っちゃった! えへへへ~!」

 

ーーー

 

桂花「え、焔耶……応えて欲しいの! 貴女の云う北郷様って……一刀の事? 『北郷一刀』の事なの!?」

 

焔耶「…………そうだ!」

 

桂花「な、なら……な、なんで……そんな呼び方するのよ! まるで……服属したみたいな呼び方!! どうしてなの!? 応えてよッ!? ───応えなさい!!!」

 

焔耶「ワタシが説明しても……分からないだろう。 北郷様に、実際あってから話してみろ。 それが、早いッ!! ────では、後でな! 失礼!!」

 

木曾「皆ッ! 提督のところに戻るぞ! 引き上げだぁあああッ!!」

 

『おぅ──ッ(はぁ~い)!』

 

焔耶の隊が離れ去り、騒動は終わった! 

 

しかし、同時に数多くの疑問が浮かび上がり、華琳たちは思い悩む!

 

華琳「天の御遣い配下の将たち………ね。 春蘭ほどの将を子供扱いする者が居るのも驚きだけど……。 褒賞よりも得難い『ナニカ』を得ているか……」

 

秋蘭「そうですね。 でも、姉者の言っていた『北郷一刀』が、果たして『天の御遣い』と同一人物かどうか……気掛かりなところもありますが………」

 

ーーー

 

桂花「────────どういう事よ。 どういう事なのよッ!」

 

凪「桂花様………」

 

桂花「……焔耶が一刀の事を……あんな呼称で呼びなんて……聞いた事ない! しかも……凪のような忠犬振りも、今回初めて見たわ! どちらかと言えば、私に近い嫌悪感で一刀と接していたのに!!」

 

凪「け、桂花様! そ、その……大声で言わないで下さい。 は、はは恥ずかしいですから………/////////」

 

桂花「────いったい……何があったって云うのッ!! 焔耶!!!」

 

 

ーーー

 

春蘭「……あの将たちを率いるのが……北郷なのか? 華琳様や私達の事を……忘れてしまった訳ではあるまい!! しかし、『提督』と云う呼称はどういう意味だ? 新たな将を得た貴様は、華琳様達を捨てたと云うのか!?」

 

真桜「春蘭様ぁ……なんやエラい難しい顔、されとんな?」

 

沙和「もしかして……今晩の晩御飯を……考えてる?なの!」

 

ーーー

 

流琉「兄様……! やっと、やっと………逢えると思ったのにッ!!」

 

季衣「────大丈夫! 兄ちゃんの事だよ! 笑いながら……頭を撫でてくれる! 『季衣……久しぶりだな!』って!」

 

流琉「だけど……! もし……覚えていなかった場合……どうするの? 『知らないよ』……なんて言われたら! どうするのよぉ!? 季衣ぃいッ!!」

 

季衣「その時は……また、ボク達を好きになって貰えるように……頑張るんだよ! 兄ちゃんを振り向かせるッ!!」 

 

流琉「───────えっ?」

 

季衣「………流琉、兄ちゃんがさぁ、もし……ボク達の事を全部忘れちゃたとしたら……諦める事ができる? 兄ちゃんを好きだった事……忘れられる?」

 

流琉「────出来るわけ───ないじゃないッ!! 兄様の喜ばれる笑顔、定軍山で運命に逆らって、秋蘭様や私を救ってくれた恩! 全部、全部……私の思い出、私の想い、私の……初恋! 捨てれる訳……捨てれる訳ッ!!」

 

季衣「………そうだよね。 だから……もう一度、兄ちゃんと出会って、そこから始めるんだ! そうして……また、兄ちゃんに振り向いて貰うんだよ!! ────あの恋物語を───最初からッ!!」

 

ーーー

 

この後、洛陽に入り準備を整えて、向かう事になる!

 

表向きは、皇帝陛下の見舞い。 その裏は……漢王朝に力を貸す『天の御遣い 北郷一刀』を確かめる為に!!

 

 

ーーーーー

ーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

リアルが忙しいので、合間を見て小説を作ってますが……何の因果が、鉄道駅の『二俣天竜』で仕上げる事に。

 

だから、天龍が出て来たわけじゃありませんが……。

 

一応……投稿するのが……遅くなります。

 

4月頃になるのかな?

 

次回も、宜しくお願いします。

 

 


 
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