No.767471

艦隊 真・恋姫無双 44話目

いたさん

お待ちどう様でした。

2015-03-28 22:01:53 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1451   閲覧ユーザー数:1231

【 骨肉相食む の件 】

 

〖 揚州 九江郡(淮南郡) 寿春 にて 〗

 

 

袁術軍も……洛陽に向かい出立を行う為、その準備を行う。

 

大将軍何進からの要請があったとはいえ、直ぐには行ける物では無い。

 

領地内の政務、他国からの防衛、民意の慰撫等……色々と命じる事は山程ある。 ここでは、七乃が美羽より全部任されて、嬉々と動き完璧に作業をこなしていた。

 

そんな中、美羽より城の登城を命じられた……雪蓮。

 

────雪蓮は、蓮華、小蓮を伴い、冥琳、思春、星、稟、風の五人を従わせ、急ぎ城へと向かい……美羽たちと対面する事になった。

 

★☆☆

 

雪蓮「孫家としては、委細承知! 直ぐにも加わる準備は出来ているわ!」

 

七乃「流石は『江東の虎』の娘ですね! 素早い対応に、袁公路様も大層満足しております! ねぇ、お嬢様!?」

 

美羽「う、うむっ! 見事じゃぞ! し……孫策!! ぬはははっ!!」

 

雪蓮「でねぇ……袁術ちゃん、お願いがあるの。 今度の洛陽への供を、私が行けなくなるから名代として、権か尚香を付けたいと思うのよ!」

 

雪蓮が、玉座に座る美羽、傍に佇む七乃、左右に並ぶ将と衛兵が居並ぶ中、開口一番に話を切り出した!

 

蓮華「袁術様! どうか、私を代わりに加えて下さい!」

 

小蓮「お姉ちゃん──狡い! ねぇッ! シャオにしてよぉ──ッ!」

 

蓮華「シャオ! 貴女には、長旅なんて幼いから危険過ぎる! 姉様達と一緒に領地内で待ってなさいッ!!」

 

小蓮「お姉ちゃんこそ、お姉様と一緒に待っててよぉ! こう云う上に立つ者の経験は、シャオみたいに幼い時期から、英才教育をするのが良いのッ!!」

 

蓮華、小蓮「「 ンググググゥ~~~! 」」

 

冥琳「お、お二人共、御前ですよ! 控えて下さい!!」

 

────孫家の姉妹が、相互に顔を向き睨み合い、冥琳が懸命に止める。 

 

七乃「わぁ……美羽様、凄いですね! 美羽様のお側に居る事が主な仕事なのに、姉妹での醜悪な取り合い! 美羽様の異常な人気振りが見れて、七乃は感激ですぅ───!!」ドキドキ! 

 

美羽「…………………」

 

七乃の高ぶりに比べ、美羽は無言のままで、姉妹の確執を眺めている。

 

七乃「コホンッ! ……ですが、私達も『はい、そうですか!』っと即答は出来ないんでよ? 納得がいく理由を聞かせて貰ってからですッ!」 

 

蓮華「…………ギリッ!」

 

小蓮「理由ぅ~~~ッ!? 理由なんて……必要なのッ!?」

 

七乃「良いですかぁ? 本来は、孫家当主である孫策さんが付き従うのが筋。 それが、妹さんのどちらかが代わりに、洛陽へ上るとはいえ、お元気そうな孫策さんが残る。 これを、普通に見ると……どう思われますかぁ~ねぇ?」

 

雪蓮「………………」

 

七乃「言わば、周りの袁術麾下の皆さんからすれば、非常に面白くないんですよ。 ものスゴ~ク不自然だと思われても、仕方ありませんからねぇ?」

 

蓮華「じゃあ……理由があれば……ですか!?」

 

七乃「そうですよ? 私達の納得がいく……お嬢様のためになる理由を、教えて頂ければ、それで良いんです! 後は、それを理由に……私が反対する人達を抑え込む事も出来ますから~」

 

唐突に七乃が言い始めた『雪蓮が動かない理由を述べよ』の問題。 

 

別にテストの問題でもなく、普通の問い掛けであり、確かに言われて納得できる話である。

 

小蓮「うぅぅぅ~~~ん!?!?」

 

蓮華「そ、それは…………」

 

雪蓮「それは──簡単。 領地内に叛乱の兆しが多く見られるの。 その者達を討伐するのには、権や尚香じゃ役不足。 武に秀でる私を、足下に番犬代わりに置い方が、よっぽど良いと思うけどね?」

 

七乃「番犬ですか。 どうみても、飼い主さえも喰い殺さんとする番『虎』じゃないですか~! ですが………虎が主を喰い殺さない代償は………?」

 

雪蓮「妹達が人質よ! それで充分───じゃなぁい?」

 

その理由として続く代償の人質。 

 

確かにコレなら袁術軍麾下の将が納得はするだろう。 しかし、急にそのような『人質発言』をされて、蓮華や小蓮はどう思うのか? 普通の者なら怒るか、唖然とするか、問い詰めるか、悲しむかとなるのだが……!

 

七乃「あらあら………孫権さん達ぃ、怖いお姉さんじゃないですか~? 良いんですかぁ、こんな風に言われちゃってぇ~?」

 

蓮華「いや、当然の事だ! 私達の血の繋がりを嘗めて貰っては困るッ! 江東の虎の血筋を受け継ぎ、その想いを紡ぐのが私達の役目! 姉には姉、妹には妹、私には私の考えがあるッ!! だから、私は謹んで役目を受ける!!」

 

『────────!?』

 

蓮華の発言に、控える冥琳たちも、袁術麾下の将たちも驚いた!

 

蓮華「───薄情と思われるかもしれん! しかし、姉がそう決めたのなら、私は私の行動を、その事を踏まえて動くのみ! それが、孫文台の娘である、私達の絆だからだッ!!」

 

小蓮「そうだよッ! これを苦難と受け取るか、自分の限界を越える為の糧に変えるのかは、シャオたち次第だよッ!!」

 

雪蓮「一応……次世代の当主を担う者として、洛陽に向かわせ、経験を積ませたい思う、優しい姉心もあるのよ! ────これでもね?」

 

妹達の意見は、亡き母『孫文台』の意志を受け継ぐ肯定の返事となり……少し寂しげな笑顔を浮かべつつ、心の中では感謝する雪蓮。 

 

本心は、勿論見捨てる事などする筈が無い! 

 

ただ、そのくらいの覚悟が、何時でも持って貰いたかったのだ。

 

七乃「ふふふっ……そうですか~。 私は、てっきり~二日酔いを理由にして行けないと云うかと思いましたよ! じゃあ、その覚悟があれば、二人一緒にお供として、美羽様に付いて貰っても構いませんよね?」

 

美羽「─────!?」

 

雪蓮「───二人を!?」

 

蓮華「─────!?」

 

小蓮「やったぁ───ああああッ!!」

 

冥琳「……………………!?」

 

意外な展開になり、驚く雪蓮達! 

 

そんな孫家の姉妹達を、嬉しそうに『してやったり!』と笑顔を浮かべながら語る七乃。 唖然としている雪蓮に、その理由を述べた。

 

七乃「孫策の言葉、妹さん達の言葉と行動! つまり、美羽様に袁家に強固な忠誠を内外に表明したワケじゃないですか? もし、裏切ったら……妹を見捨てた将と云う事で汚名を受けますから!」

 

雪蓮「─────!」

 

七乃「そうなれば、幾ら反袁術軍と言えども、孫策さんに味方する者は居ませんよ? 『家族を見捨てる者が、他人を大事にするものか?』って思ちゃいますからね。 それじゃあ……貴女達の思惑……外れちゃいますもんね?」

 

雪蓮「────ちょ、張勲!? いったい……何を!?」

 

雪蓮は、焦り七乃に詰め寄ろうとするが、グッと抑える!!

 

────『孫呉の独立』を知られては拙い! 孫呉の独立、即ち袁術を打倒して国を纏め、孫呉に拠る政権を樹立させる事を!!

 

七乃「私の願いは、美羽様を幸せにする事……それだけですよ! 詳しい話はまた後で。 それじゃ、コレはコレで決定ですね~! 美羽様~!?」

 

美羽「う………うむっ!」

 

七乃は、美羽に一応伺いを立てて、その話を終わらせたのだった。

 

 

◆◇◆

 

【 雉も鳴かずば…… の件 】

 

〖 揚州 丹揚郡 建業 城内 にて 〗

 

城に戻り、事の顛末を留守を任せていた祭たちに話をする。

 

美羽達との謁見の結果、洛陽に向かうのが蓮華を雪蓮代行とし『蓮華、小蓮、冥琳、思春、明命、星、稟、風』の八人が向かう事になった。

 

星たちが居るのは、孫呉の内情を知られてたくない雪蓮の意向、一刀に会わせたいと願う冥琳の願いが、上手く重なった為である。

 

ーーー ーーーー

 

雪蓮「────と云う訳なのよ! これで、私は堂々と残って、反袁術の豪族たちに連絡や調略を仕掛けられるわ!」

 

祭「ふむ、儂も文台様に昔仕えていた将たちに、再度の繋ぎを付けてみせるかの! 文台様には、色々と世話になっていた者たちじゃ! 娘御たちが立ち上がると知れば、力を必ず貸してくれるに違いない!!」

 

隠「そうですね~! こんな機会~なかなかありませんから~! 思春ちゃんに明命ちゃん! 手の者たちを出来るだけ多めに動かせるように、準備をお願いします~!!」

 

思春「───はっ!」

 

明命「────はいッ!」

 

★☆☆

 

冥琳「………蓮華様! 小蓮様! 孫家の姫君ともあろう者が、袁術や将兵たちの前で、あのような見苦しい振る舞い! 恥ずかしいとは思いませんかッ!?」

 

蓮華「だ、だってぇ………ッッ!!」

 

小蓮「ツゥ───ンだ!!」

 

思春「………………」

 

明命「あわあわあわあわッ!!」

 

雪蓮「まぁまぁ──良いじゃない! 結果的には、冥琳の願っていた状況になったんだし──」

 

冥琳「馬鹿者! もしも、張勲辺りから、御二人の態度に疑問を持たれ、そこを突かれたら、馬脚など直ぐに現れるハメになっていたのだぞ!? もし、雪蓮の止まるのを反対されていたら、どうする気だったんだ!?」

 

雪蓮「そうね~? 私と冥琳で洛陽に上がれば良いじゃない? 他の皆に後を任せてね! 私と冥琳が居れば、大概の事はできるもの!」

 

『────────!』

 

冥琳「まぁ………確かに不可能では無いな……」 

 

雪蓮「でさぁ、でさぁ! ついでに御遣い君をさぁ、駄目元で二人して籠絡するの! どぉう──凄ぉい考えでしょう?」

 

冥琳「バ────ッ!?」

 

蓮華「…………………」ブチッ!

 

小蓮「─────ッ!?」

 

雪蓮「だってねぇ~! 蓮華のような若い娘も、小蓮のように妹のような娘も良いかもしれないけど……。 やはりぃ───ここは、大人の女性が相手した方が、堕ちる可能性は高いと思うの! そう思うでしょ? 冥琳!?」

 

蓮華「(# =_=)……」

 

冥琳「(((>_< )( >_<)))」

 

小蓮「∑ヽ(ヽ゜ロ゜)」

 

雪蓮「もおぉ、恥ずかしがっちゃってぇええッ! 普通考えたって、こぉ~んな艶っぽい美女が二人で行けば、間違い無いじゃない! そして駄目だったとしても、せめて最低でも子種だけ貰えば───えッ!?」ガシィン!!

 

蓮華「………フ、フフフフッ! 雪蓮姉様……少し『おはなし』しましょうか……? 皆の邪魔に……ナリマスカラ……コチラヘ………」

 

雪蓮「な、何ぃ!? は、話なら此処でぇ! ───ちょ、ちょっと、蓮華ぁ!? どうしたのぉ!? め、冥琳! 見てないでぇええ、早く助けてぇえええッ────!!」ズルッ ズルッ ズルッーーーーー!!

 

冥琳「自業自得、触らぬ神に祟りなし、身から出た錆………」

 

小蓮「シャオも知らなぁ~い!」

 

★★☆

 

冥琳「────それでは、皆、ご苦労だった! これで解散にするため、それぞれの持ち場に戻ってくれッ!! 出発等の日付は、袁術側の支度次第ゆえ、この三日間が勝負になろう! その間に、各々の準備をしてくれぇ!!」

 

ーーー

 

小蓮「───さてぇ、シャオは、洛陽へ行く為の準備しなくちゃ!」

 

ーーー

 

祭「さて……儂らは、儂らの仕事をしようとするかの!」

 

隠「さ、祭様ぁ~! お供しますぅ~!!」

 

ーーー ーーーー

 

思春「明命! 付いて来いッ!」

 

明命「えっ!? 雪蓮様のこと……大丈夫なんですかぁ!?」

 

思春「………あの方の自業自得だ。 それよりも、お前に伝えておきたい事がある。 主に───北郷の事だ!」

 

明命「し、思春殿は……一刀様に……お会いされたのですね!」

 

思春「あぁ……そうだ。 だから……明命に説明しておきたいんだ! 聞かれない場所に移動するぞ!?」────シュッン!

 

明命「────はいっ!!」────シュッン!

 

 

◆◇◆

 

【 明命の憂い、思春の洞察 の件 】

 

〖 揚州 丹揚郡 建業 城の屋根上 にて 〗

 

ーーー

ーーー

ーー★

 

思春「此処なら、誰も聞き耳を立てないだろう。 『思春殿ッ!』───なんだ? 急に怒鳴られるような事をしたなど、覚えは無いが………?」

 

明命「思春殿ッ! あ、あの方は、本当に……益州に降り立ったのですかッ!?」

 

思春「…………間違いはなかった。 アイツは『北郷一刀』! 自分の名前を語り、配下の者達も申し合わせたように言い合い、そして……好かれていた! 姿、形も、あの頃の北郷に……数年経たような様子だった……」

 

明命「───ならば何故ぇ! ここに、孫呉に来てくれないんですか! 私達と契り、子を成した事を忘れてぇ……新たな天の御遣いとして歩むおつもりなんですか!? もぅ、私達の事、どうでもいいと思っているんじゃ──!?」

 

思春「───正確に言えば、アイツは……別の『天の国から降り立った北郷一刀』だ。 私たちの知る北郷よりも、遥かに軍務に特化した男らしい……」

 

明命「─────! そ……れではぁ! 一刀様でも……私たちを愛してくれた……一刀様じゃない……別人ッッ!?」

 

思春「…………そうなる……」

 

明命「お、おかしいじゃ無いですかぁあああッ! そんな男の人に、なんでぇ蜀の将が従っているんですかぁあああッ!?」 

 

思春「…………………」

 

明命「思春殿ッ! どういう事なんですッ!? 全然違うのなら、従うどころか……憎むのが当然の反応じゃないんですかぁ!! おかしいです! そんなの……おかしいですよ!?」

 

思春「……明命の云う事も分かる。 明命に『周卲』が居たように、私にも……『甘述』が居た。 だから、その者が……完全な偽物だと分かれば、蓮華様に『北郷は降りていない』と伝えるつもりだった!」

 

明命「──────!」

 

思春「だが………アイツはアイツだった! 姿、形もそうだが、アイツの癖、アイツの好み、アイツの……臆病な程に仲間が傷付き、失う事を恐れる性格、他者を思いやり、下の者を慈しむ優しさ……記憶通りの男だったんだ!!」

 

明命「─────か、一刀様ぁあああッ!!」ウワァ~ン!

 

思春「私は……そこで気付いた。 ここは……前の世界と似ているようで違う。 あの時、私達は先の事など知らずにがむしゃらに戦った。 自国の発展の為に、命を投げ出し覚悟で戦い抜いた! だが、今は………」

 

明命「グスッ……グスッ………」

 

思春「私たち……記憶ある者が……『北郷』なんだ! だから、戦を上手く回避する術もあるかもしれん! 北郷は、魏で『正史を語り、歴史を歪めて将や国を救った』と云う! 我々にも出来ることかもしれん!!」

 

明命「…………………………」

 

思春「そうなると……争う目的は何になる? 話し合いで領土は解決できる! 分けれる事も、代用する事も出来るからな! だが、北郷を欲した場合はどうなる!? その方法は全て不可! 北郷を巡る争いになるだろう!!」

 

明命「────えっ!?」

 

思春「……雛里がな。 たどたどしく教えてくれたんだ。 『今のご主人様は、前のご主人様と変わらない。 ただ、前の出来事を忘れてしまっただけかも知れない……って思う程に……あわわわわッ』──と」

 

明命「~~~~~~~~~」ブルブルッ

 

思春「蜀の一部は接触を果たし……北郷を認めた! 魏も洛陽に向けて出立したと報告が来た! 呉の我々も、その者の真偽を確認して、出来れば孫呉に味方して貰うよう動かさねばなるまい!! ──ン? どうした、明命?」

 

明命「───プッ、クスクスクスッ! し、思春殿ッ! ひ、雛里様の物真似……なかなか御上手ですねッ! 物凄くぅ可愛いですよーッ!!!」

 

思春「───ふんッ/////! 鳴いたカラスが……もう笑ったのか!?」

 

明命「はいっ! ────思春殿のお陰ですッ!! 私、会ってみます! その『北郷一刀』が……本当に一刀様の再来なのか! ただの偽者なのか! 実際に会って確かめてみます!!」

 

思春「それと───アイツの配下の者は、何れも一騎当千の化け物揃いだ。 しかし、決して悪者では無い。 こちらが刃を向けねば、友好的に接してくれる。 ただ……アイツの悪口は……厳禁と心得ておけっ!!」

 

明命「────はいっ!!」

 

 

◆◇◆

 

【 三人寄れば…… の件 】

 

〖 丹揚郡 建業 星の部屋 にて 〗

 

星「我々は客将ゆえ、孫呉の内部関係に関わらせず……護衛と相談役で任された。 妥当と言えば妥当なんだが………」

 

風「風たちに取っては、ありがたいですねー! お兄さんの現状、直接見る事が可能ですー! それにしても……蓮華さんも積極的ですねぇー? シャオちゃんと二人で、洛陽行きを争うんですからー!!」

 

稟「………それだけ焦っている証拠ですよ。 一刀殿の周りには、複数の女性の将が存在していると、思春が報告していたではないですか。 しかも、私達が知らない未知なる戦闘技術を持ち……尚且つ魅力的な女性となれば……」

 

風「あの『魏の種馬』と決定事項になっている『お兄さん』が、『複数の新たな雌馬に囲まれている!?』……な~んて報告を聞けばー! 幾ら冷静沈着の風じゃなくても~心が穏やかじゃありませんもんね~!!」

 

星「その気持ちは分かる。 だか……『当主である姉の代わりに、自分が供を勤めるから許可して欲しい!』など、袁術に直訴するとは、前代未聞の出来ただろうな! 傍にいた冥琳の驚愕した顔が……瞼(まぶた)に浮かぶ」

 

稟「……ですが、袁術の様子も気になりますね。 蓮華殿の願いを受け入れたばかりではありませんよ? 自分の隣接している領地の管理さえ、雪蓮殿達に任せるなど……あまりにも寛大過ぎます!」

 

風「…………そうなると、答えは幾つか浮かびますねー?」 

 

稟「張勲……七乃殿に寄る、孫呉の動きを図る為の『打草驚蛇の計』?」

 

星「もしくは……袁術の気紛れ……か?」

 

風「それとも……別の要因ですかね~? もしかすると……お兄さんの手の者が動いた可能性も考慮しなければ……。 だけどー、お兄さんがね? ……あのお兄さんが、そんな事するなんて思えませんけどー?」

 

稟「………それでも、私達は……あらゆる面を考慮して、対応策を考えておかねば。 愛する者さえも疑い、真偽を正す……それが、軍師と云う因果な職業なんですから……」 

 

星「───私は、主を信じるッ! あの人の良い……我々の中心で、何時も笑顔で迎えてくれた主を! 心底信じなくては何が忠臣だ!」

 

『……………………』

 

星「それにな? 私は──軍師では無い! 武を極めんとする将だ! 疑って中途半端な想いになるより、全力で想いをぶつけた方が有利になるは、当然の結果! この勝負────分は私にありそうだな!?」

 

風「はぁ───い! 稟ちゃん、風は軍師を辞めて、普通の女の子になりますーッ!! それで、お兄さんに嫁ぎますのでぇー! 短い間でしたが、御世話に………」

 

稟「ちょっ、ちょっとッ! 風──ッ!!」

 

星「────そのような事、我が槍に掛けても許さんッ!!」

 

風「許すも許さないも───お兄さんの返事次第ですよぉ~! 外野は、大人しく見物して居ればいいのですぅー!!」

 

ーーーーー

 

その日、孫呉の城の中は……一日中……騒動で賑やかかったと伝わる。

 

しかし、何とか纏まり……袁術より上洛の正式な日を知らされて、雪蓮たちは、それぞれで動き出したのである!!

 

 

ーーーーーーー

ーーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

作者が、他の方で多忙になり……暇を見ては書き込んでいたのですが、疲れの為か内容が浮かばず……やむを得ず、ここまで伸びてしまいました。

 

なるべく早く上げようと、『天竜二俣』駅で……また書き込むハメになりましたけど。

 

今度は、早めに投稿出来ると思いますので、よろしくお願いします!

 

 

 


 
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