No.765461

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第585話

2015-03-19 00:01:37 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1565   閲覧ユーザー数:1425

~エルベ離宮~

 

「貴方達が”Ⅶ組”の方達ですか?」

ヴァイス達がいる部屋の前で見張りをしていたアルは自分に近づいてきたリィン達に尋ね

「はい。」

(”蒼銀の魔剣姫”アル・ノウゲート……”六銃士”の一人であり、”黄金の戦王”と同じ元クロスベル警察の上層部だった方です。)

(”六銃士”……!)

(………確かに彼女も相当な使い手だな。)

(?あれ、耳が長い……と言う事は異種族の人?)

(恐らくそうだろうな。)

クレア大尉の小声の説明で目の前の人物が”六銃士”の一人である事にユーシスは驚き、アルの強さを感じ取っていたラウラは真剣な表情をし、ゲルドの疑問にガイウスは静かな表情で答え

(え……まさかアル様!?一体何故ルーンエルフに……!?)

(?メサイア、知っているのか?)

アルを見て驚いている様子のメサイアの念話を聞いたリィンは尋ねた。

 

(はい。……ですが私が知るアル様は”魔導功殻”という意志を持った人形なんです……)

「へっ!?」

メサイアから知らされたアルの正体に思わず驚いたリィンは声を上げて驚いた。

「リィン、どうしたの?」

「?私を見て驚いているようですが……私について何か気になる事があるのですか?」

リィンの様子を見たゲルドは不思議そうな表情をし、アルはリィンの態度が自分の事である事を察していた為尋ねた。

「その………俺が契約している異種族の一人――――メサイアが貴女の事を知っているようでして。それでメサイアが知る貴女と今の貴女の種族が違う事に驚いていたんです。」

「何?」

「種族が違う……一体どういう事だ?」

リィンの答えを聞いたユーシスとガイウスはそれぞれ不思議そうな表情をした。

 

「メサイア……ヴァイス達の話にあった並行世界のヴァイスの娘ですか。確かに当時の”私”を知る者が今の私を見れば驚くかもしれませんね。―――ですが今は私の事より優先すべき事があるのでは?」

「!はい。」

「どうぞ、中へ。」

「―――失礼します。」

そしてリィン達が部屋に入ると部屋の中にはヴァイス達に加えてエリィもいた。

 

「あら、貴方達は……」

リィン達の入室にエリィは目を丸くし

「エリィさん!?特務支援課の貴女がどうしてこちらに……」

リィンは驚きの表情で尋ねた。

「……私は”特務支援課”解散後、行政・外交方面の道を歩むつもりでね。局長―――いえ、ヴァイスハイト陛下のご厚意で”社会勉強”として今後のクロスベルの政治方針等を色々聞かせて頂いていたの。」

「え…………」

「”特務支援課”が解散する……一体どういう事なのですか?」

エリィの説明を聞いたリィンが呆けている中、クレア大尉は真剣な表情で尋ねた。

 

「――そのままの意味だ。クロスベルが生まれ変わった事で特務支援課――――ロイド達も生まれ変わったクロスベルでのそれぞれの自分達の”道”を歩む為に元々刑事志望だったロイドを除いて全員クロスベル警察を退職するとの事だ。よって”特務支援課”も解散する事となった。」

「とはいっても今すぐの話ではないわよ?」

「自分達の”道”………」

「フフッ、また先を越されたな……」

「ああ……俺達”Ⅶ組”は学院を去った後のそれぞれの”道”を決め切れていないしな。」

「……士官学院を去った後のオレ達がそれぞれにしかできない事か……」

ヴァイスとエリィの説明を聞いたゲルドは呆け、苦笑するラウラの意見にユーシスは静かな表情で頷き、ガイウスは考え込んでいた。

 

「ま、そんな先の未来を考えるよりまずは目の前の未来――――滅亡の危機に陥っているエレボニアを何とかするのがお前達が今為すべき事ではないのか?」

「!それは…………」

ヴァイスの言葉に仲間達と共に我に返ったリィンは真剣な表情になり

「ヴァイス様…………」

「………………」

「―――正論ですね。時間は有限です。まずは座って下さい。」

ユーディットが複雑そうな表情でヴァイスを見つめている中エリィは複雑そうな表情でリィン達から視線を逸らし、エルミナは静かな表情でリィン達を促し、リィン達はそれぞれソファーに座った。

 

「さてと……”本題”に入る前にエルミナ、ユーディ。一部の者達とは久々の再会にもなるのだから、まずは挨拶とお前達のことを知らない者達に対する自己紹介をしたらどうだ?」

「……余り時間を無駄にしたくはないのですが、仕方ありませんね。―――既に私の事も知っているとは思いますが改めて名乗らせて頂きます。私の名はエルミナ・エクス。ギュランドロス様に仕える”三銃士”の一人にしてそこの女にだらしない皇の正妃になる予定の者です。」

エルミナの自己紹介を聞いたリィン達はそれぞれ冷や汗をかいて表情を引き攣らせ

「エ、エルミナ皇妃殿下……」

「え、えっと……」

「あのな……もうちょっとマシな言い方はないのか?」

エリィもリィン達と共に冷や汗をかいて表情を引き攣らせ、ユーディットは困った表情をし、ヴァイスは疲れた表情で指摘した。

 

「私は事実を言ったまでですが?」

「フフ、そういう厳しい所も相変わらずですね、エルミナさん。」

「え……」

「ガイウスの知り合いなの?」

ジト目でヴァイスを見つめるエルミナを苦笑しながら見つめて呟いたガイウスの言葉を聞いたリィンは目を丸くし、ゲルドは尋ねた。

 

「ああ。エルミナさんもルイーネさん同様以前ノルドの地に僅かな期間だけ滞在していた四人の内の一人だ。」

「そして”六銃士”の一人でもあるのか……」

「これで我らは”六銃士”の内4人と出会った事になるが……残りの二人は一体どのような人物なのだ……?」

ガイウスの話を聞いたユーシスとラウラはそれぞれ真剣な表情でエルミナを見つめていた。

「後の二人……ギュランドロスさんとパティルナさんか。二人も凄まじい使い手で、豪快な性格をしている人達だ。」

「加えてその二人の戦闘能力は”六銃士”の中でも特に高く、たった二人で第四機甲師団を翻弄し、更にはクレイグ中将をも単騎で制圧しています。」

「なっ!?クレイグ中将をですか……!?」

ラウラの疑問に答えたガイウスとクレア大尉の説明を聞いたリィンは驚いた。

 

「そう言えばそんな事もあったな……俺もあの時の映像を見せてもらったが”帝国最強”を誇る正規軍の部隊が面白いように翻弄されていたが……さすがはギュランドロスと”三銃士”と言った所か。」

「……別に。あの程度の相手、大した存在ではありませんでした。まともな戦術も使わずただ数に任せて力押しに攻めて来るだけでしたから、対処も簡単でこちらの思い通りに行き過ぎて正直、拍子抜けでした。勿論、合同演習後の”氷の乙女(アイスメイデン)”―――いえ、”鉄血の子供達(アイアンブリード)”の行動も含めてですが。」

「………ッ……!」

「合同演習後のクレア大尉の行動……ですか?」

「……!まさか……」

ヴァイスの質問に静かな表情で答えたエルミナに見つめられたクレア大尉は唇を噛みしめて辛そうな表情をし、エリィは不思議そうな表情をし、ある事に気付いたユーディットは真剣な表情をし

「クレアさんが何かしたの?」

ゲルドは不思議そうな表情で尋ねた。

 


 
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