簡単なあらすじ・・・
武将が女の子ばかりという不思議な三国志の世界から戻ってきた北郷一刀。
落胆する彼の目の前に、彼の世界で天の御遣いの訪れを予言した管輅が現れる。
管輅が言うには、この世界は元々一刀が居た世界である。
だが、同時に一刀の望んだ世界でもあるのだという。
一刀の望み・・・それは別れてしまった彼女たちとの再会である。
その言葉通り、管輅と別れた彼は桃香、愛紗、鈴々、朱里、雛里、星、紫苑と再会する。
理事長の計らいで女子寮に住む事になったみんなは、そこを拠点に手分けして他の仲間を捜す事になった。
桃香と星は公園で麗羽、猪々子、斗詩という袁紹軍の3人に出会った。
他のみんなは誰に出会えるのであろうか。
鈴々「♪さー、みんなを捜すぞ!!頑張るぞー!!♪」
朱里「・・・(////)」
へんちくりんな歌を歌いながら元気に歩く鈴々。
その後ろで、恥ずかしさから顔をうつむきながら歩く朱里。
2人は、桃香達と反対方向へ進んでいた。
朱里「り・・・鈴々ちゃん。恥ずかしいから、歌はやめようよー。」
鈴々「なんでなのだ?歌った方が楽しいのだ!!朱里も一緒に歌おうなのだー!!」
朱里にも歌を強要する鈴々。
朱里は恥ずかしさ倍増といった感じで先ほどよりも顔をうつむいてしまった。
と、鈴々が鼻をヒクヒクさせはじめた。
鈴々「クンクン・・・。いい匂いがするのだ。・・・あっちなのだー!!」
いい匂いを嗅ぎつけ、走り出した。
朱里「あー、待ってよー!!」
突然走り出した鈴々に置いてかれないようにと、朱里は自分の限界いっぱいまで走り出した。
しばらくして、鈴々に追いつき肩で息をする朱里。
鈴々は目の前で焼かれる見慣れない食べ物に興味津々だった。
店員「お嬢ちゃん達、たいやき食べるかい?」
鈴々「たいやき?」
店員「なんだー、たいやきを知らないのか?これだよ。」
そう言って、焼き終わったたいやきをひとつ鈴々に手渡した。
鈴々「おー、美味しそうなのだ。」
店員「旨いって。そっちのお嬢ちゃんにも、はい。」
鈴々だけでなく、朱里にも手渡した。
朱里「ありがとうございます・・・。」
走ったばかりで息も絶え絶えだったが何とかお礼を言った。
店員「ホントは、1個100円なんだけど今日はサービスな。」
鈴々「ありがとうなのだー!!朱里行こう!!」
朱里「鈴々ちゃーん!!私、もう走れないよぉ!!」
サービスという言葉の意味はよく判らなかったが、もらえたものと判断し朱里の手を引き近くのベンチに走る鈴々。
と、引きずられるように走る朱里だった。
ベンチに座り仲良くたいやきを頬張る2人。
鈴々はあっという間に食べきってしまった。
そして、まだ食べ続けている朱里のを物欲しそうに眺める。
朱里「鈴々ちゃん、半分あげるよ。私そんなにおなか空いてないから。」
そう言ってたいやきを半分にして鈴々に渡す。
鈴々「朱里、ありがとうなのだ!!」
こうして、2人のマッタリとした時間が過ぎていく・・・。
たいやきを食べ終わった2人は、しばらくベンチに座っていた。
夏の日差しは厳しかったが、ときより吹く風が涼しくとても心地よかった。
しばらくすると、鈴々が人だかりを見つけた。
鈴々「あれは、何なのだ?朱里、行ってみよう!!」
朱里「うん。」
朱里も気になったようで、鈴々の後を追うように走り出した。
??「なぁ、なんでこんな格好をしないといけないんだ?」
??「この違いが面白いんじゃない。」
2人の女の子が話をしていた。
2人ともフリフリのドレスを身に纏っていたが、1人は恥ずかしがってしきりにスカートの裾を手で押さえていた。
もう1人は慣れているようで、手を前に組ながら仁王立ちの状態だった。
2人とも、はっきり言って美少女だった。
フリフリのドレスも似合いすぎてめまいを起こすほどだった。
なので、彼女達を取り囲んでいるのは主に男性だった。
??(そろそろ頃合いね)
仁王立ちしていた子が周りを見渡したかと思うと
??「さて、ご観衆の皆様。こちらにおわします少女はこんな可憐な姿に似合わず武術の達人です。今からその妙技お見せします。」
??(なんでこんな事に・・・)
恥ずかしがっていた子は、嫌そうな顔を一度したかと思うと、すぐにりんとした顔になり武術の型を披露した。
その整った姿に、見ていた者達は思わず息をのむ。
ただ、足を上げるたびにめくれそうになるスカートに歓声が上がった。
しばらくしてその子が型を終了させ周りを見ると、その視線がどこに集中しているのかわかり真っ赤になる。
そして、恥ずかしさのあまり暴れようとするが、もう1人に抑えられた。
暴れそうな子を抑えながら観衆に訴える。
??「私達、ここまで旅をしてきましたが路銀が尽きてしまいました。この子の妙技、素晴らしいとお思いなら是非お恵みを下さい。」
そう言って、物欲しそうな顔で手を差し出す。
手を出しながら、肘でもう1人の子を突く。
??(ほら、お姉様も。)
その催促に恥ずかしそうな顔をしながら
??「お・・・お願いします。」
手を差し出すもう1人の子。
この姿が決めてとなったようだ。
見ていた者達から100円、200円とお金が差し出された。
??「ありがとう!!」
お金をくれた人に笑顔を振りまく2人。
お金をあげた後もそれ以上のものを期待し残る観衆達。
だが、2人から発せられる“もう帰れよ”光線に渋々その場を後にしていった。
しかし、そのもう帰れよ光線の効かないものが2人残っていた。
鈴々「翠に蒲公英。何しているのだ?」
朱里「翠さんに蒲公英ちゃん・・・。」
そう、鈴々と朱里の2人組である。
翠「げっ!?鈴々に朱里・・・。」
蒲公英「よかったー!!」
突然登場した2人に真逆の反応をする翠と蒲公英。
翠は気まずそうな顔をし、蒲公英は笑顔で鈴々に抱きつく。
鈴々と朱里は、2人との再会に心から喜んだ。
朱里「で、お2人はどうされていたのです?」
ひとしきり再会の喜びを分かち合った後、朱里が切り出した。
蒲公英「それがね・・・。」
蒲公英が今までの事を話し出した。
数日前に気が付くとこの世界に放り出されていた翠と蒲公英。
手持ちは今着ているフリフリのドレスと少しのお金だけであった。
あてもなく歩いていたのだが、言葉は通じても文字は読めず持っていたお金は機能しない。
なので、少なくともお金を稼がないとと先ほどのような曲芸紛いの事をしていたのだという。
蒲公英「本当は手っ取り早く女を武器にしてお金稼ぎたかったんだけどねぇ~。」
そんな事を言いながら小悪魔っぽい表情をする。
そんな蒲公英に顔を赤らめながら反論をする。
翠「そ・・・そんな・・・、女を武器にって・・・。」
蒲公英「もう、お姉様は初心なんだから・・・。あっ、ご主人様以外はダメなんだっけ?」
蒲公英のご主人様という言葉に極端に反応する翠。
翠「ご主人様って・・・、か・・・関係ないだろ(////)」
蒲公英「きゃははは。」
本気なのかよく判らない蒲公英と、真面目に反応する翠を見て、なんだかほのぼのとしてしまう朱里。
鈴々は何の事だかよく判らず首をかしげていた。
翠「と・・・ところで、2人はどうしてたんだ?」
話を変えようと、鈴々と朱里に話しかける翠。
鈴々「鈴々達は・・・、朱里、説明お願いするのだ。」
朱里「えー!!いきなり振らないでよ!!」
鈴々が説明するものと思っていた朱里は、いきなり振られ困惑する。
が、そこは稀代の名軍師。
すぐに気持ちを切り替えて、今までの事を説明した。
朱里の話を聞き驚く2人。
翠「ご主人様の居た世界か・・・。」
蒲公英「どおりで聞き慣れない言葉や見た事無い服ばっかりだと思った。」
2人は納得したようにうなずきあった。
朱里「それで、お2人も来ませんか?」
翠「来ませんかってどこに?」
朱里「私達の家ですよ。」
翠「私達の家・・・。」
蒲公英「蒲公英の家もあるの?」
鈴々「あるはずなのだー!!」
蒲公英「やったー!!行こうよ、お姉様!!蒲公英はもう野宿嫌だよー!!」
鈴々の言葉に喜び翠を促す蒲公英。
朱里「さあ、翠さん。」
鈴々「翠、行こうなのだー。」
蒲公英を後押しするように朱里と鈴々も翠を促す。
しばらく考え込む翠であったが
翠「そうだな。どうせ、行く宛も無いんだ。行こうか。」
蒲公英「やったー!!」
こうして、鈴々と朱里は、翠、蒲公英の2人と再会する事が出来た。
ちなみに、フリフリのドレスのまま女子寮に行き、みんなから褒められて真っ赤になる翠であったが、それはまた別のお話。
あとがき
現代に戻ってしまった天の御遣い北郷一刀君の物語その5です。
その4にもたくさんの支援&コメントありがとうございます。
はっきり言ってやっちまったなーという感じです。
翠と蒲公英に関しては、翠にドレスを着せて蒲公英がそれをからかうというのをやってみたく、こんな感じの話になってしまいました。
ちょっと無理矢理すぎでしたね。
蒲公英のセリフは、この数日間で取得したと言う事でお許し下さい(笑
今回もご覧いただきありがとうございました。
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天の御遣い帰還するのその5です。
今回は、鈴々と朱里の話です。
話にご都合主義というか無理矢理な点がありますのでご了承下さい。
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