No.756174

ソードアート・オンライン アクチュアル・ファンタジー STORY 33 新たなる地

やぎすけさん

大変長らくお待たせしました!
ようやく学校が終わったので投稿を再開します

2015-02-05 12:19:53 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1191   閲覧ユーザー数:1146

前回のあらすじ

教団との戦いが終わり、一時の休息を得た3人。

しかしデュオは自らの力不足を感じ、ベリルが使っていた剣撃“ブラスト”を習得するため独り狩りに出る。

だが、早朝から何時間も戦い続けるがまるで成果が出ず、諦めかけていたところに街を去ったはずの男ベリルが現れる。

デュオに拍手を送ったベリルは、デュオに戦う理由を問いその答えに笑った。

ベリルはデュオの答えに何かを思ったらしく、すんなりとブラストをデュオに伝授する。

そして、忘れ物だと言って録音クリスタルをデュオに手渡し、再び姿を消した

 

 

 

 

 

 

STORY ⅩⅩⅩⅢ 新たなる地

 

 

 

 

 

デュオ視点

ベリルと別れてから約1時間後、俺は列車に揺られていた。

宿屋に戻った俺は、今目の前にいるバカ夫婦を叩き起こし、適当な朝食を済ませてから次の街を目指すべく列車に乗り込んだ。

 

アスナ「ところで、2人はなんでわたしの居場所がわかったの?」

 

唐突なアスナの質問に、新聞と睨めっこしていた俺と、車内販売のハンバーガーに食らい付いていたキリトは同時に顔を上げ、顔を見合わせてからキリトが問い返す。

 

キリト「なんでって、なんで?」

 

アスナ「だって、クエストがあるかもわからないのにキリトくんが自分から聖堂なんて行くはずないもん。ましてあんな朝早く」

 

デュオ「新聞(これ)にアスナのことが載ってたんだよ」

 

アスナ「えっ・・・?」

 

俺が手に持つ新聞を顎で指すと、それを見たアスナは目を見開いた。

 

アスナ「載ってたって・・・もしかして写真とか?」

 

デュオ「バッチリ」

 

グッとサムズアップしてやると、アスナはさらに目を見開き、次いで顔を真っ赤して立ち上がる。

 

アスナ「ば、ばか!!」

 

次の瞬間、見事な右ストレートが俺の顔面に打ち込まれた。

前方からの衝撃で弾かれた直後に椅子との衝突という二連撃、微量だがHPが削れ、それなりに痛い。

 

デュオ〈アスナって照れると結構暴力的になるな・・・〉

 

そんなことを考える俺を他所に、当のアスナは手で顔を覆って悶えている。

 

アスナ「うぅ・・・恥ずかしいよ・・・」

 

どうやら、恥ずかしくて殴った俺のことを気にしている余裕もないらしい。

俺はまだ少し痛む頬をさすりながら、キリトとアイコンタクトで話し合う。

 

デュオ〈お前の嫁だろ?何とかしてやれよ〉

 

キリト〈急にそんなこと言われたって、俺にどうしろって言うんだよ〉

 

俺たちの無言の言い争いを止めたのは、列車のブレーキ音だった。

 

キリト「つ、着いたみたいだぜ。い、行こうか2人とも」

 

ぎこちない言い方をする相棒に呆れつつも、俺は剣を背負って出入り口に向かう。

 

キリト「ほら、アスナ」

 

キリトに呼ばれたアスナは、赤くなったままの顔を下に向けたまま立ち上がり、キリトに引かれるようにしてついてきた。

俺たちが近づくと、プシューというエアーの音を立ててスライドドアが開く。

そこに広がっていたのは、深緑の世界だった。

数百年は下らないであろう樹齢の大木が無数に広がり、それらも絡みつく蔦などで緑に染まる。

しかし薄暗さや不気味さはなく、清々しさと包まれるような安心感があり、木々の隙間から差し込む金色の光が眩しいぐらいに輝く。

また俺たちのいる足場の石材にも蔦やコケが付いており、駅そのものも自然に違和感無く解け込んでいる。

全てが見事に調和して出来たこの景色は、まさしく幻想的と呼ぶに相応しい。

 

アスナ「わあ・・・!」

 

さっきまで俯いていたアスナも、列車から降りるや否や目の前の光景に目を奪われて小さな歓声を上げる。

2人が列車から降りると、再びエアーの音が響き、列車は走り去ってしまった。

列車の姿が見えなくなった直後、アスナが駆け出す。

何をするのかと思えば、彼女は駅から出てすぐのところで立ち止まり、陽光を浴びながらその場でくるくると回った。

満面の笑みを浮かべたその姿は、どこまでも広がる大森林のパノラマを全力で堪能しているようだ。

そんな彼女の一面に、俺たちは思わず微笑んでしまう。

 

キリト「SAOで第三層に着いた時もこんな感じだったな」

 

デュオ「ん?お前らそんなに前から一緒だったのか?」

 

キリト「第一層の迷宮区で無茶な戦闘してるのを見つけて、その後いろいろあってから攻略会議であぶれた者同士ってことでパーティー組んだのが始まりかな?」

 

デュオ「へぇ、あの頃から一緒だったのか。てか、よくあの頃のアスナに近付く気になったな」

 

自分が初めてアスナに出会った時のことを思い出しながら、俺はキリトにそう言った。

 

キリト「なんだ?お前はあの頃から知り合いだったのか?」

 

デュオ「まあな。ソードスキルの使い方を教えて、レベルが低過ぎたから安全なレベルになるまでレベル上げに付き合ったんだよ」

 

キリト「なるほど。それであそこまで正確にソードスキルが発動出来てたのか」

 

デュオ「まあ、その前にちょっと揉めたがな」

 

キリト「はは、あの頃のアスナはトゲトゲしてたからな」

 

デュオ「だな」

 

俺たちは顔を見合わせて、ほぼ同時に笑った。

笑いつつも、俺はアスナがいつも通りにしてくれていることにホッとしていた。

原因は、ベリルから預かった録音クリスタルである。

クリスタルの内容はシュヴァルからの遺言で、それを聞いたアスナはしばらく元気が無かった。

偽物の、それも数日しか一緒でなかった兄とはいえ、思うところがあるのかもしれない。

 

キリト「どうしたデュオ?」

 

デュオ「いや、なんでもねえよ」

 

キリト「?」

 

アスナ「キリトくん!デュオくん!置いて行くよ!」

 

突然アスナの声が響く。

そちらに視線を向けると、先程までくるくると回っていたアスナが後ろに見える森を背景に俺たちを呼んでいた。

 

デュオ「それじゃ、置いて行かれる前に俺たちも行くか」

 

キリト「おう!」

 

俺たちは駆け出し、アスナのもとへと走った。

あとがき

 

リハビリも兼ねてなので、短めの文章になってしまいました(すみません)


 
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