No.75535

心・恋姫†無双 第八話

南風さん

やってきちゃいました第八話です。オリジナルキャラ、オリジナル設定が苦手な方は申し訳ありません。またこの作品は恋姫キャラが出ているだけの作品となっています。史実が好きな方も申し訳ありません。

2009-05-25 20:12:49 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:12350   閲覧ユーザー数:9453

 

心・恋姫†無双 ~大陸動乱編~

第八話 ~覚悟~

 

「では、お館さまにこれからの方針を決めてもらわんと。」

 

「その前に一つ聞きたいことがあるんだけどいいかな?」

 

「何ですかな?」

 

「董卓って名前をどこかで聞いてきた?」

 

「うむ、涼州の董卓が都に入城したらしい。それがいかがなされた?」

 

「いや、ならいいんだ。今後、俺たちは暫くまだ静観する。」

 

「どうしてですか、ご主人さま?」

 

「今はまだ言えない。けど、俺を信じて時が来るまで待ってくれないか?・・・・・・多分、反乱を起こす絶好の機会がくるから。それまでは民達の負担をなるべく軽くするための活動をしよう。」

 

「うむ、お館さまがそういうなら仕方があるまい。」

 

「わかりました、準備は進めておきましょう。」

 

「ありがとう。・・・・・・・・・・・・千里。」

 

「はい。」

 

「都や諸侯の動きを探ってくれないかな?」

 

「わかりました。」

 

「焔耶・嵐・白は反乱への準備を紫苑さんと一緒に進めてくれ。」

 

「ご主人さま。」

 

「何?」

 

「紫苑で結構ですよ。」

 

「え、でも・・・・・・。」

 

「私たちのご主人さま何ですよ?」

 

「そうだよな。わかった。」

 

「じゃあ一刀のために頑張るか!」

 

「・・・・・・・そうですね。」

 

「仕方がないな。」

 

俺の意見に皆が賛成してくれた。

このまま俺の知っている歴史どおりなら・・・・・・・董卓か・・・・・・・・・・・・。

 

 

 

ある程度決めることを決め、俺たちは各自解散し、部屋へと戻った。

「・・・・・・・反乱か。」

皆のためと思い、何より自分のためだと思い俺は承諾したけど・・・・・・。

「何かしっくりこないな。」

こんなものなのだろうか?

現在の王朝に対しての反乱・・・・・・・。

民のため、理想のためとはいえ・・・・・・ようは命を捨てること。

諸侯を英雄と呼ばれる人たちを敵にまわすということ。

「どっちに転んでも良い事は起きない・・・・・・か。」

ウジウジしても仕方が無いことだけど・・・・・・

「本当にこれで良かったのかな?・・・・・・何か他に方法が・・・・・・・・・・。」

 

「駄目だ!仮にも皆のために主になることにしたんだ!・・・・・・よし!今日はもう寝よう!」

 

「覚悟を決めるか・・・・・・・。」

 

 

次の日、俺は千里に頼んで無地の旗と習字用具を用意してもらった。

「まさか、初めてが俺を切ることになるなんてな。」

昨日、黒髪の子からもらった日本刀を鞘から抜く。

「何度見ても凄いな。」

日本刀を左腕に当てる。

「そういえばこの刀の名前知らないな・・・・・・“白帝”にするか。」

「我ながら何か変なネーミングセンスだけど・・・・・・。」

 

目を瞑り、深呼吸。

 

ザシュ!!

 

左腕から血が落ちる。

 

一刀は流れ出る血を硯に落とす。

 

「ふう、こんなもんかな・・・・・・止血しないと。さすがに死ぬかな。」

 

苦笑いをしつつ動く右腕で左腕を止血し、筆を持ち一刀は血で何かを書き始めた。

 

 

 

――軍議の間、改めて玉座の間――

「昨日の今日でどうしたのだろうな。」

「いいじゃないの。」

「それはそうと紫苑はいつまでいるつもりじゃ?」

「そうねぇ、明日には城に戻ろうと思うわ。」

「はやく無事な顔を見せてやらんとな。」

「えぇ、そうね。」

 

玉座の間に入り驚いた事が二つ。

一つは一刀が左腕に包帯を巻いて怪我をしているため。

もう一つが無地の白い旗に、血文字で

 

 

 

 

 

「全てを犠牲に全てを救う」

 

 

 

 

 

と書いてあること。

 

「・・・・・・・・どう?」

「どうと言われましても、開いた口が塞がらないとはこの事ですぞ。」

「本当ね。他の子達に怒られますわよ。ご主人さま。」

「そんな不味いことしたかな?」

「そんなことはありまねぬ。ただ、その怪我は・・・・・・いただけませぬな。」

「そうですね。ご主人さまの体は大事な体ですから。」

「いいと思ったんだけどな。」

 

「何ですかその怪我と旗は?」

千里が入ってくるが、即座に機嫌が悪くなったというのがわかる。

「えっと。こ、これは・・・・・・ですね・・・・・・・・その・・・・・・・・・・。」

冷や汗が止まらない。

「わかりますよ。ご主人様の覚悟はわかりますけど・・・・・・・ねぇ?」

「ね、ねぇ?」

 

次に入ってきたのは嵐と白の二人組み。

「一刀は、やっぱり馬鹿だな。」

「・・・・・・・・馬鹿ですね。」

「・・・・・・はい。ごめんなさい。」

「このやり取り何回目だ、白?」

「・・・・・・・わかりませんね。・・・・・・・これからも繰り返されるのを考えると、数えるだけ無駄ですよ。」

「そ、そこまで言わなくても。」

 

最後に入ってきたのは焔耶。

「おい、お前。」

「・・・・・・・・なんでしょうか?」

「ワタシに一回殴らせろ。」

「・・・・・・・勘弁してください。」

「それは駄目だ。」

この後、何だかんだで殴られるのは免れました。

 

 

「して、お館さま。この言葉を意味は?」

「意味はね・・・・・・己の大切な人・物を己自信を本当に全て犠牲にして、民の幸せ・・・・・この大陸を救うって意味だよ。はっきり言って矛盾してるかもしれないけどね。反乱軍の俺たちにあってるじゃないか。」

「ふむ、お館さまらしい信念ではないかの。」

「えぇ、まったくそのとおりね。」

皆が一様に頷く。

「んで、俺たちの昨日話したことに付け加えたいんだけどいいかな?」

「ん、何だ?」

「・・・・・・・どうぞ。」

 

 

一刀は旗の前に立つ。

「俺たちはこれから反乱を起こす。けどそれは民を救うためであって、どこかを侵略するためや大陸を統一とかのためではない。だから、余ほど事が無い限り諸侯と戦はしない。身を守るためとかでもだ。ただ、俺たちは平和のために戦う。俺たちが戦い、存在する理由は平和のためだけ。悪と呼ばれようとも。・・・・・・甘いかもしれない。・・・・・・・・ただの俺の自己満足だけどいいかな?」

決して俺は英雄の器じゃない。

けど、それでも俺を信じてくれた人たちのために。

 

 

「そんなことはありません。それがご主人様の意思ならば。」

「ワタシは一向に構わない。」

「俺もだ。」

「・・・・・・・はい。」

「ふむ、やはりそうでなければの。」

「本当ね。ご主人さまの臣下なれて嬉しい限りです。」

 

 

「皆ありがとう。これが俺の覚悟だ。・・・・・・・・・・・言葉でいうことは簡単だけど、こんな重い言葉だったなんて思って無かったよ。・・・・・・・・・・・でも、俺はやると決めたんだ。」

いつにもなく真面目で凛々しい顔。

そんな一刀に皆がやられないわけがない。

 

 

「ほぉー。」

「あらあら。」

「ほぉ。」

「////」

「・・・・・・一刀さま。」

「ふ、ふん。」

皆が皆、顔を赤らめる。

「ん、どうかした?」

しかしそんな皆に一刀が気付くわけもない。

 

「よし、今日は皆で飲もう!いいですよね?桔梗さま。」

「おお、そうじゃの。良いことを言うた。」

「・・・・・・・そうですね。」

「では今からお酒と料理の準備をしなければね。」

「料理なら私が作ります!」

「いいのですか?桔梗さま。」

「固いことを言うな、焔耶。」

俺が何も言っていないのに突然の宴が決定した。

まず、この流されやすい性格をどうにかしよう・・・・・・・。

 

 

その日の夜

俺たちは城の中庭で宴を開いた。

宴には俺たちにも兵や侍女など城内の人間全てが参加している。

「しかし、美味いな。」

「知らなかったのか?千里は料理の達人なんだぜ!」

食べながら話す嵐。

「・・・・・・・・汚いです。」

仮面ではなく食事するために布を顔の前にたらしている白。

俺たち三人は、平和に千里の料理を食べているのだが・・・・・・・。

 

「ほれ、どんどん飲まんか!」

「もぅ駄目です・・・・・・。」

「まだまだよ、焔耶ちゃん。」

大酒のみ二人に捕まって焔耶は顔を青くしている。

「き、気持ち悪い・・・・・・。」

「ならば食え!」

「あんまり無理させてはだめよ。」

と言いつつも素敵な笑顔の紫苑。

 

「あれは、止める気ないな。」

「当たり前だろ。俺だって二人には敵わないんだぜ。」

「・・・・・・・けど、食欲は一番ですね。」

確かに嵐の前に積んである皿は俺の倍以上。

「うっせ!食べなきゃでるとこもでない・・・・・・ぞ。」

嵐が白の胸を指でつつく。

「きゃっ!!・・・・・・・大きなお世話です。それに、食べている割には大きくないですね。」

「お前よりましだ!!」

二人の間に火花が散る。

「喧嘩は止めてくれ。」

 

 

 

「お菓子が出来ましたよ~。」

千里が台車にお菓子を皿にのせて沢山もってきた。

「おお、これも美味しそう。」

「あの、皆さんは何をなさっているのですか?」

「ん?気にしたら負けだ。」

「はぁ、ならいいのですが。」

千里がそう言うのも無理は無い。

青い焔耶、机を挟みにらみ合っている嵐と白。

桔梗と紫苑だけはいつもと同じようにお酒を飲んでいるだが。

いつもまにやら、兵達も周りで酔いつぶれていた。

 

「楽しいですね。」

「あぁ。」

「本当はこんな景色がいつまでも続くといいんですが。」

「・・・・・続くさ。」

「無理――「いや絶対続く。」――・・・・・・そうですね。」

「それにしても本当に美味いな。」

千里の頭をクシャクシャにする。

「あぅあ~。・・・・・・っは!やめてください!」

「ごめんごめん。」

 

いつまでも心の中に・・・・・・・・。

 

 

 

第八話 完

 

 

 

 

予告

動き出す。

 

己が理想のため。

 

己が野心のやめ。

 

己が生きるため。

 

次回 心・恋姫†無双 ~大陸動乱編~

第九話 「思惑」

 

ついに激動の時。

 


 
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