咎を受けし御使いの最後の旅~二人の御使いと二人の劉備~
それぞれの道を往く。一騎桜楼村へ。
長安調練場
一騎「・・・全員準備は出来たか?」
一刀「ああ、全員準備万端だ!」
調練場で一刀は一騎に向かって武器を向けていた。その後ろにも董卓軍の名だたる武官がそろいもそろって武器を構える。
一騎「よし・・・長安に滞在する最後の仕事だ!手前等俺が全員同時に相手してやるから全力で掛かって来いやぁぁぁぁ!!!!!!」
その叫びと同時に一刀達は一騎に向かって走り出した。
一刀「往くぞぉ!!!」
桃香「私の双剣、今度こそ届かせる!!」
華雄「鄧艾殿!今度は貴方に勝たせてもらう!!」
猪々子「よっしゃあ!あたいの斬山刀の錆にしてやるぜ!!」
恋「刃、潰してるから錆にはならない・・・でも、やる。」
華侖「こっちも元曹操軍の意地があるっす。だから・・・覚悟するっす一騎兄ぃ!」
季衣「ボクも挽歌を使いこなしてるんだ!やってやる!!往くぞ、“兄ちゃん”!!」
流琉「“兄様”!その胸お借りします!!」
それぞれが突撃して行った。
・・・・・・え?季衣と流琉の記憶戻ってるって?ええ戻しましたとも、その様子?いやぁ・・・天丼って恐ろしいよね?春蘭→突撃。秋蘭→ボディブロー。季衣→突撃。流琉→突撃。こうして一騎のライフはゼロになりましたとさ・・・と言う事象が実はあったのですが、さすがに鉄板なので端折ります。
一刀「はぁぁ・・・裂空刃!!」
一刀が刀に氣を込め縦横無尽に振るとその先に無数の真空の刃が発生し、一騎を襲う。
一騎「甘い、裂空斬!!」
対して一騎は金政を上段から降り抜き、一つの真空の刃を当てて粉砕する。
桃香「封陣縛風!!」
桃香の双剣が地面すれすれを凪ぐと強烈な風が一騎の足元を吹き抜ける。と同時に一騎はその場に止まり身動きが取れなくなる。
一騎「ぐ!?」
華雄「貰ったぁぁぁぁ!!」
一騎「ちっ!守護方陣!」
一騎はとっさに剣を地面に突き立てて氣を地面に向けて放出すると今度は地面から可視化するぐらいに濃縮された氣が地面から吹き出した。
華雄「ぐぅ!?ああああああああああああああああ!!!!」
華雄は見事に効果範囲に入りこんでしまいその攻撃をまともに受ける。
一刀「華雄!」
一騎「まずは一人!!」
恋「今度は・・・恋が往く。」
一騎は少し後ろに跳び跳ねて距離を取るが、着地地点に恋が突進して攻撃を加えて来る。
一騎「ぐぉ!?」
恋「ん!」
かろうじて武器で防ぐ一騎だが、恋はお構いなしに力任せに地面に叩きつける。
ズドォン!!
一騎「か・・・は・・・」
桃香「や、やった!」
恋「・・・??」
桃香は喜びの声を上げたが、当の一騎を叩きつけた恋は疑問符を浮かべた。手ごたえはあったのだが明らかに違和感がある。
一騎「最後まで気を抜くな、恋。」
恋「!?」
トン
一騎「裂震虎砲!!」
ズドーン!!
恋「かは・・・」
ドサ
一騎「二人・・・」
季衣&流琉「「でぇぇぇぇりゃあああああああああああああああああ!!!!!」」
一騎「!?」
ギャリィィ!!!!
季衣「兄ちゃん、この武器の追加効果忘れたの?」
流琉「お覚悟を!」
ギュイィィィン!!
一騎「ちぃ!」
ギャリィン!
一騎はその回転が始まると同時に二つの塊を上に弾き飛ばす。
季衣「それを待ってたよ兄ちゃん!!おっちっろおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
グン!!
一騎「んなくそぉぉぉ!!!」
一騎はそれを体をよじって回避すると、そのまま金政を振り抜いた。
一騎「葬刃!」
季衣「うわ!?」
流琉「季衣!」
一騎「よそ見はよくないぞ、流琉!」
流琉「あ!」
季衣に一瞬気を取られた流琉を一騎は見逃さない。地面に片足が付いた時点で一騎は一足飛びで流琉に肉薄すると手刀で流琉の意識を刈り取った。
一騎「これで四人。・・・ペッ!」
四人目を倒した時点で一騎は口の中を切ってるらしく、血を吐き捨てる。
一刀「・・・それなりに押してると思っていいのかな?」
桃香「ど、どうだろう?一騎さん、まだ何か隠し玉ありそうだよ?」
香風「ちょっとそれは考えたくない・・・」
一刀「だよな。けど残ってるのは・・・」
現在残っているのは一刀、桃香、香風、華侖、猪々子だ。一騎は首をコキコキ鳴らしながら徐々に近づいて来る。
一騎「どうした?もう終わりか??」
猪々子「畜生!こうなったら一か八かだ!!」
猪々子はそのまま斬山刀を水平に構えるとそのままの体勢で突撃する。
一刀「自棄は駄目だ!くそ!!」
華侖「私が援護するっす。一刀兄ぃは桃香姉ぇと香風と連携お願いするっす!」
一刀「分かった!桃香、香風、俺に合わせろ!」
桃香「分かったよ!」
香風「りょーかい。」
一騎「・・・そう言ってる間に猪々子はのされてるがな。」
四人「「「「あれぇ!?」」」」
猪々子「キュ~」
一騎「あのなぁ・・・実力は上がってるが連携がなって無い。もうちょっと考えて来いよ。」
一騎はそのままくいくいっと掛かって来いと手招きをする。
一刀「畜生め!恋の一撃ぐらいだぞ?あいつに傷を負わせたの!!」
桃香「一刀さん・・・私達四人の連携、見せてあげようよ。」
香風「じゃ、やる。」
華侖「往くっす!」
一騎「ほらほら、そっちから来ないならこっちから往くぞ・・・っと!」
ドシュ!
一騎はそのまま瞬歩で一刀に肉薄する。
一刀「く!?」
桃香「させない!」
ヒュン!
一騎「うお!?」
桃香の斬撃が一騎の首筋をかすめる。
香風「近づくな!」
ブオン!
一騎「ち!」
香風の戦斧が今度は一騎のすねを狙って払われたが、一騎はそれを後方に跳ねることで回避する。
華侖「私の槍は基本投擲用っす!」
華侖は自身の獲物である槍をそのまま投げつける。
一騎「ちょ!?この!」
ガィン!
一騎は空中で槍を叩き落とすとその槍は地面に突き刺さる。
一騎「良い連撃だな。さあ次―!?」
ヒュン!
一騎「おっほぉ!?」
一騎の鼻先を一刀の刀がかすめ、一騎は冷や汗を流す。
桃香「双刺突!」
ヒュヒュヒュヒュヒュン!
一騎「く!」
桃香の連撃は遂に一騎の体に無数の切り傷を作り上げていく。
一騎「嘗めるなよ!」
一騎はそのまま桃香を一撃で沈めようと刀を振るおうとしたが、今度は香風の戦斧が一騎の頭上に振り下ろされる。
一騎「あ、まい!!」
それを右旋回で回避しながら刀を横薙ぎに振るい抜くと、香風はそのまま吹き飛ばされる。
香風「ぐぅ!?」
華侖「貰ったっす!!」
地面に突き刺さった槍を抜いて接近していた華侖の横薙ぎの一撃が今度は一騎の横っ腹に直撃した。
一騎「ぐ!?」
華侖「んあああああああああああああああ!!!!!!」
一騎「ぐ・・・ああああああああああああああああああ!!!」
一騎はそのまま吹き飛ばされる。だがしかし同時に華侖はその場で地面に倒れた。何が起こったのか。それは一騎が槍に吹き飛ばされる直前、一騎が華侖の額に鞘で一当てして、氣を叩きつけたのだ。一気に脳を揺さぶられた華侖はそのまま地面に倒れてしまったのだ。
一刀「桃香、たたみ掛けるぞ!!」
桃香「うん!」
そのまま一刀と桃香は吹き飛ばされた一騎に向かって最後の突撃を掛ける。
一刀「これで終わりだ!斬空刃無塵衝!!」
桃香「いっくよー!双龍滅牙斬!!」
2人が放った技は完ぺきに一騎を捉え、一騎は二人の奥義の餌食となった。
一騎「ぐああああああああああああああああああ!!!!!!」
ドサァ!!
一刀「・・・か、勝った?」
桃香「か・・・勝ったぁぁぁぁぁ!!!」
地面に倒れ、動かなくなった一騎を見て、一刀と桃香は抱き合って喜びあった。
一騎「か~。負けた負けた。」
二人「「そしてあっさり立ち上がった!?」」
呆気なく立ち上がる一騎に二人は驚きの声を上げる。
一騎「ん?何を驚く。俺は化け物です。」
二人「「改めて認識させられました!!」」
ケロリとして一騎は二人に近づくと、頭を撫でながら褒め称える。
一騎「人の領域での戦いに置いて俺と対等に渡り合えたお前たちは正しく万夫不当の称号が相応しいだろう。さすがだ一刀、桃香。」
二人「「/////////////////」」
一騎のまっすぐな感想を受けて顔を赤くする二人だが、ふと大事なことに気が付いた。よくよく考えてみれば多くの仲間と共に戦って、二人の奥義を同時に叩きこんでやっと勝ててるので明らかにその評価はおかしいのではないかと。
一騎「二人の考えは分かるが、それでも勝利は勝利だ。そこらの将が束になっても俺に勝てない事は二人がよく分かってるだろう?ならこれはお前たちの勝利であり、とどめをさせた二人の功績だろう。」
一刀「そう・・・だな。ああ、その評価、ありがたく受けるよ。」
桃香「そうだね。ありがとう一騎さん。」
一騎「ああ。さて・・・気を失ってる奴等はお前らに任せる。俺は・・・そろそろ出発みたいだからな。」
一刀「・・・そうか・・・じゃ、またあとでな。」
一騎「ああ。」
一騎はそのままいつの間にか鍛錬場の入り口に集まっていた、桜楼村帰還組の方へと歩いて行った。それから差して時間が立たないうちに一騎達は桜楼村へ旅立って行ったのだった。
あれから二週間の月日が経ち、一騎達一行は桜楼村がある森の入口に差し掛かっていた。最近では人通りも多くなって道を整備したのでかなり立派な入り口が出来上がっていた。看板も立ち、『桜楼村はこちら』と綺麗な文字で書かれていた。ちなみにこれは桃香が書いたものだ。
一騎「さて、此処まで来ると帰ってきた感があるな。」
沁「おう。さて、帰ったらまず何するかな。酒か・・・女か・・・」
一騎「村にお前の女なんかいたか?」
沁「・・・うん、居なかった。」
一騎「ま、頑張れおっさん。」
沁「お、お前だけには言われたくねぇぞ!」
そんなやり取りをしているといきなり村の方角からボン!と嫌な音が響く。
一騎「黒煙!?」
沁「ありゃあ・・・ヤバイ感じがしやがる!」
一騎「く・・・華琳、春蘭、秋蘭!俺と四人で先行する!沁、他の面々を桜楼村まで案内頼む。」
沁「分かった!気を付けろよ。村に火の手を上げるなんざ普通のやからじゃ無理だ。」
一騎「分かってる!往くぞ三人とも!」
華琳「分かったわ!」
春蘭「応!」
秋蘭「ふ、戦場を四人で駆けるなんて懐かしいな。」
四人はそれぞれの馬にまたがり、村に向けて走り出した。
あとがき
さて、一週間半ちょいぶりです。やっとのこと書き終わりましたので投稿いたします。難産です。もうウンウンうなりながら書きあげました。
ちなみに他の外史のネタはめちゃくちゃ出ています。書きだしてはいませんが・・・
外史紡ぎのネタがまったく出ないので詫びのつもりで呉ルート(魏アフター)を考えて入るのですが・・・どうでしょう?出した方がいい?それとも死ぬ気で外史紡ぎ書いた方がいい?え?両方??無理です、どっちかにしてほしい・・・
投稿するにしても双塔跡になると思われます。書き溜め出来れば他外史と並行して皆さんにご観覧できると思われます。
さて、口調がまた変わった?と思われる方が多いかもしれませんが・・・ぶっちゃけ気分でかなり口調が変わる人間ですので・・・調子がいいとこんな感じになりますね。
じゃ次回。桜楼村に帰った一騎達。しかしそこに上がるのは不吉な黒煙。村に何があったのか。『襲撃者。一騎の怒り。』
ではまた次回。
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董卓軍残留武官VS一騎。結果は?
そして一騎たちは桜楼村へ
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