~一刀視点~
「さあ第七試合行くで~
先ずは黒髪の単純王 夏候惇
対するは毒舌の小悪魔 馬岱」
「誰が単純王だ!」
「呼び方はもう良いけど、何で蒲公英の相手は脳筋ばっかなの~」
「誰が脳筋だ!」
春蘭は真桜と蒲公英の両方に反論するが「当たってる」が俺達の総意だった
「では、試合はじめ!」
蒲公英はやや逃げ腰ながらも攻撃を仕掛ける
だが、そんな中途半端な攻撃では春蘭に通用する筈も無く
「この程度で私とやり合うなど身の程を知れ~」
と力技でどんどん追い詰められて行く
「全く、涼州は五胡との戦いの最前線と云うから馬一族も猛将揃いと聞いていたがとんだ買い被りだ
いや、お前が例外なのか?」
と蒲公英を莫迦にしたような事を春蘭が言う
すると蒲公英の顔つきが変わった
「蒲公英だけじゃなく、馬一族を莫迦にするな~」
と逃げ腰が消え、猛反撃に出た
「取り消せ~!」
と蒲公英の怒りは収まらない
「わざと怒らせたわね」
いつの間にか華琳が隣に来て、俺に話しかけて来た
「となると、目的は・・・
成る程、春蘭は蒲公英を高く評価しているんだな」
「当然よ、そうでなければ真名を預けたりしないでしょ」
「ふん、事実を言って何が悪い」
「莫迦が莫迦にするな~!」
蒲公英の猛攻を全て春蘭は捌いて行く そして
「これで終わりだ」
春蘭の剛撃で蒲公英は武舞台から落とされてしまった
「勝者、夏候惇!」
「うっうっうっ」
蒲公英は声を殺して泣いている そこに春蘭が歩み寄って
「泣くな!怒りで私に向かって来た気迫が有れば、お前は馬一族の名に恥じない武人になれる」
この言葉に蒲公英が怪訝な顔をする
「なに、アンタ 馬一族の事 莫迦にしてたんじゃないの?」
「漢帝国を五胡から守り続けて来た涼州の武人を莫迦にする奴こそ莫迦だ」
春蘭はそう言って引き揚げて行った
蒲公英を一段上の武人にする為に、わざと怒らせるとは春蘭も考えたな
あれ?春蘭が考えた?
偶にはあるのかな?
「さあ、2回戦最後の試合や
先ずは閨では天下無双と噂の皇帝 武ではどうなのか 北郷一刀
対するは百合の趣味は無いと言いながら楽進がお気に入り 酒好き隠れ百合 張遼」
(真桜、覚えてろよ)
「う~ん、反論したいんやけど、反論出来ん部分もあるな~」
「では、試合はじめ!」
霞が素早い攻撃で先手を取って来る
神速の名に恥じない攻撃の速さだが、何とか捌いて接近しようとするが霞が距離を取る
「一刀に接近されたら勝ち目無いからな」
霞は自分の間合いのみで戦い、俺を倒すつもりか
武器の違う戦いに於いては、自分の間合いで戦うのは基本であり王道
霞の猛攻の隙を突こうとするが、態勢を崩さない霞に接近が出来ない
押し込まれるほどではないが、やや旗色が悪い
その中で隙を作る為に、霞が少しでも予備動作の大きな技を出すのを待つ
そして、霞が大きく振りかぶっての攻撃を仕掛けて来た
その予備動作に入った瞬間、俺は素早く納刀して、霞の”武器めがけて”抜刀術を放つ
霞は納刀の速さと自分でなく自分の武器への攻撃と云う二つの予想外が重なった事
そして、霞の攻撃は力でなく速さ主体である事
この所為で、武器を払われ大きく態勢を崩す
「しもうた」
霞が叫ぶより速く懐に潜り込んだ俺は霞に裏投げを仕掛ける
武舞台に叩きつけられ、かなりの衝撃で動けなくなった霞に拳を突きつける
「うちの負けやな」
「勝者、北郷一刀!」
「あ~、楽しい試合やってけど負けたから悔しいわ
それに愛紗や鞘華とも戦って見たかったちゅうのに
凪~、膝枕で慰めて~な~」
霞、真桜の言った事が本当にしか見えないぞ
こうして2回戦の全ての試合が終了した
~あとがき~
春蘭対蒲公英は蒲公英の成長を春蘭が促すと云う試合になりました
春蘭らしくないとも言えますが春蘭は厳しいだけの娘では無いので
だから季衣も慕っているんでしょう
一刀対霞は霞の攻撃が”神速”ならば力が弱い筈、と云う事でこうなりました
”神速”で力も強かったら恋に負けないくらいになってしまうんじゃないかと思います
更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです
Tweet |
|
|
9
|
0
|
追加するフォルダを選択
天下一品武道大会 2回戦③