No.74214

真・恋姫†無双 【“漢女(オトメ)”が“乙女(オトメ)”で恋姫†無双?!】 肆

Chaosさん

こんばんは!またもや900人もの方々がこのSSを読んでてくださっているなんて……いろんな穴から涙がとm(ry
てか……1話と2話の支援してくださってる方が31人(5/18)に対して3話が35人(5/18)て……及川に負けたのか俺の文才……_/ ̄|○|||

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2009-05-18 00:13:58 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4303   閲覧ユーザー数:3460

『契りを結びしは……』

 

 

 

おかみ「……行くのかい」

 

朝、身支度を整えた一刀達がお店の前でおかみと話していた

 

桃香「はい、<黄巾党>って人達が力の無い人達の命を奪ってるから……」

 

愛紗「我々の夢……皆で平和に、いつまでも笑っていられる世界を実現させる為にも……我々は行きます」

 

おかみ「そうかい……ちょっと待ってな」

 

おかみが一度お店に戻り、すぐに戻ってきた

 

おかみ「こいつを持ってきな」

 

それは、お金がたくさん詰まった袋と瓶だった

 

鈴々「これは何なのだ?」

 

おかみ「うちで造った酒さね。大望を抱くあんたらの門出の祝いにご進呈だよ……こんなご時世だ、

     うちらがいつまで生きてるか分からん……でもあんたらみたいな子がいりゃ、いつか世の中は良くなる……

     そう思うからさ」

 

愛紗「おかみ……」

 

鈴々「任せるのだ!絶対世の中を良くしてみせるのだ!!」

 

おかみ「おぉ、頼もしいねぇ……それであんたら、この先行くあてはあんのかい?」

 

桃香「……えぇっと」

 

おかみ「……全く、言ってることはデカイのに、何も考えてないんだねぇ」

 

愛紗「うっ……」

 

おかみ「まぁいいさ。見たところあんたら武芸に長けてそうだし、この街近辺を治めてる、

     公孫賛様のところに行ってみたらどうだい?客の話だと、近隣を荒らし始めたその<黄巾党>を懲らしめるために、

     義勇兵を募集しているらしいから」

 

桃香「公孫賛……あぁっ!そういえば白蓮ちゃんがこの辺に赴任するって言ってたような!」

 

愛紗「……桃香様、そういうことはもっと早くに仰ってください」

 

桃香「あぅ、ごめ~ん……」

 

一刀「おしっ、それじゃ行く先も決まったところで……おかみさん、どうもありがとうございました!!」

 

4人「ありがとうございました(なのだ)」

 

おかみ「あぁ、気をつけて……うちらより先に死ぬんじゃないよ」

 

一刀「……はい!」

 

おかみ「あぁそうそう……」

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

一刀「……おぉ~~」

 

一刀達は途中、おかみに貰った酒瓶を手に、約3里先の丘の上にあると教えてもらった

“ある場所”に寄り道をしていた……そこは

 

桃香「これが桃園か~~……すごいねぇ♪」

 

愛紗「美しい……まさに桃園という名にふさわしい美しさです」

 

一刀「うん、桃香と同じ文字があるだけに、本当綺麗だね」

 

桃香「……ほぇ?!いいいいいいきなりななな何言い出すんですかご主人様////」

 

ボンッ!と言う音が鳴りそうなくらいに顔が一気に真っ赤になり、もじもじしだす桃香

それと一緒に降り注ぐ殺気……

 

愛紗「……別にいいんですょ?ここ一ヶ月でご主人様のアレは今に始まった事ではないと分かってますし、

   自然に出てきてしまうモノなんですものね……ですが悪気もなく出てきてしまうから困りモノですよね……

   誰彼所構わずに………」

 

一刀「えっと……愛紗さん?」

 

愛紗「いいんです……どうせ私なんテ綺麗ジャナクテカッコイイノホウデスカラ……」

 

一刀「ちょっ!愛紗途中からカタコトになってて危ないから!愛紗~~!」

 

なんとかなだめようと無視されながらも必死に愛紗を説得する一刀

 

鈴々「お姉ちゃん達は何してるのだ?鈴々早くお酒飲みたいのだ~~!」

 

零姫「ふふっ、そうね……何をやってルンダカ……」

 

……ここにも一人、殺気をもっていた人がいた

 

―――なんとか愛紗をなだめた頃には、もう太陽が沈みかけていた

 

愛紗「もぅ、ご主人様のせいでこんな時間になってしまったではないですか」

 

一刀「……ごめん」

 

桃香「まぁまぁ愛紗ちゃん、それじゃ皆準備は良い?」

 

愛紗「はっ!」

 

鈴々「良いのだ!」

 

手に持った盃にお酒を注いでもらいながら

 

一刀「それにしても……まさかあの有名なシーンに、自分が同席出来るなんて……」

 

しみじみとした呟きを漏らした

 

桃香「ん?どうかしたのご主人様?」

 

一刀「いや……色々とね。感慨深いというか……それ以上にこれからどうすりゃいいのかな、とか」

 

愛紗「前を向いて一歩一歩歩いていくしかないでしょうね」

 

鈴々「立ち止まって考えてても、物事は何も進展しないのだ」

 

一刀「……そうだね、愛紗と鈴々の言う通りかも」

 

愛紗と鈴々の頭を少しだけ撫でる一刀

 

一刀「何をすれば良いのか、何が出来るのか……今もまだ、俺には分からない。

    分からないけど、俺は君達の力になれればと、そう強く思う。だから……これから、よろしくお願いします!」

 

桃香「じゃあ、結盟だね!」

 

一刀「ああ!」

 

一刀は盃を掲げる、3人も盃を掲げる

 

一刀「桃香、愛紗、鈴々、零……ってあれ?零さんは?」

 

桃香「ほぇ?」

 

愛紗「さっきまで隣にいたはずなのですが……」

 

キョロキョロと周りを見て、愛紗に盃を渡し走り出す一刀

 

桃香「ご主人様!」

 

一刀「ちょっと待ってて!」

 

 

 

一刀「零さん!」

 

丘の麓、木に寄り添っていた零姫に息を切らせながら歩み寄る一刀

 

零姫「あら?ご主人様、結盟は終わったの?」

 

一刀「まだだよ」

 

零姫「えっ?どうして……」

 

一刀「だって、零さんがいないと駄目だから」

 

ギュッ……と静かに零姫の手を握る一刀

 

零姫「……ごめんなさいご主人様~♪でも私ど~~……っしてもああいうのって……ご主人様?」

 

笑いながら手を離そうとする零姫だったが一刀は更に力を込めて手を離そうとせず、そのまま丘に戻り始めた

 

零姫「ちょっ、ちょっとご主人様?!私ああいうのは……」

 

一刀「駄目」

 

零姫「えっ?」

 

一刀「駄目!零さんも一緒に結盟するの!……そんな悲しそうな顔してほっとけるはずないだろう……」

 

零姫「ご主人様……」

 

 

 

一刀と零姫が丘の上に着いた頃にはもう太陽は沈み、代わりに月が桃園を照らしていた

 

桃香「あっ、やっと来た~!」

 

ぷんぷんっ、と頬を膨らませながら桃香達が近寄ってきた

 

一刀「ごめんごめん」

 

愛紗「もぅ……遅いので私達だけで済ましてしまいましたよ?」

 

一刀「えぇ!本当に!?」

 

鈴々「本当なのだ♪」

 

そういうと鈴々は酒瓶を逆さまにひっくり返した

 

桃香「月の光に照らされる桃園も最高だったよねぇ♪」

 

一刀「えぇ~~……そんなぁ……」

 

零姫「……だから、私の事なんてほっとけばよかったのに………」

 

一刀がガックリして、零姫が暗い顔になっていると

 

桃香「……なぁんて、嘘だよ♪」

 

愛紗「ちゃんと全部盃に移しておきましたよ」

 

一刀・零姫「えっ?」

 

鈴々「はいなのだ♪」

 

盃を二人に渡す鈴々、そこには確かにお酒が入っていた

 

零姫「……なんで私の分まで」

 

桃香「?、当たり前じゃないですか。だって私達はもう“家族”なんですから♪」

 

零姫「……えっ?」

 

愛紗「えぇ、我々は“家族”です」

 

鈴々「そうそう、“家族”なのだ♪」

 

零姫「……“家族”」

 

零姫が“家族”と呟くと、その目から涙が一滴流れ、それをきっかけに次々と涙が溢れていった

 

一刀「零さん?!」

 

桃香「えっ?えっ?!ごめんなさい零姫さん、そんなに嫌でしたか?!」

 

4人があたふたしていると

 

零姫「違……う、違うのぉ……ごめんなさい、嬉し……くて」

 

少しの間泣いた零姫はすぐに笑顔になり

 

零姫「……ごめんねぇ皆♪ささっ、早く飲も飲も♪」

 

一刀「あぁ!」

 

改めて皆で盃を天高く掲げ

 

一刀「桃香、愛紗、鈴々、零さん」

 

一刀が4人の瞳を見て、4人は頷き

 

桃香「我ら五人っ!」

 

零姫(ずっと……憧れていた)

 

愛紗「姓は違えども、“家族”の契りを結びしからは!」

 

零姫(いつも遠くから見る事しか出来なかった)

 

鈴々「心を同じくして助け合い、みんなで力無き人々を救うのだ!」

 

零姫(私もこの中に参加出来たらと、何度思ったことか)

 

一刀「同年、同月、同日、同時、同場に生まれることを得ずとも!」

 

零姫(けどそれは許されない事、だから麓にいた)

 

零姫「……願わくば!同年、同月、同日、同時、同場に死せんことを!」

 

零姫(“家族”……私にそんな資格があるかどうか分からないけど)

 

五人「乾杯!」

 

零姫(どうかこの願い……天まで届け)

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

深夜

 

おかみ「ふぅ、やれやれ仕込みはこんなもんかね、アンタ!裏口とかの戸締り頼んだよ!」

 

旦那「俺の酒……俺が何年も仕込んでた酒が……」

 

おかみ「なんだい!まだグチグチ言ってたのかい!」

 

旦那「だって……」

 

おかみ「悪いと思って朝あんなに“お礼”したじゃないかぃ……////、まだアンタのがタプタプと……」

 

旦那「わぁぁっ!分かった、分かりました!」

 

そういうと旦那は裏に戸締りしに行った

 

おかみ「ふふふっ♪さて、明日も忙しくなりそうだから早めに寝よ……」

 

コンコンッ

 

おかみ「ん?」

 

コンコンッ

 

おかみ「誰だいこんな夜中に……はいよぉ~」

 

おかみは扉を開けると……そこには扉の前に愛紗と零姫の背中に桃香が、鈴々を一刀が背負っていた

 

おかみ「どうしたんだいあんたら!?」

 

一刀「ははは……おかみさんに教えてもらった桃園で酒盛りしてたら、二人共飲み過ぎちゃって……」

 

おかみ「はぁ?!こんな時間まで飲んでたのかい?!」

 

愛紗「いろいろありまして……」

 

零姫「ごめんなさいおかみ……もう一晩だけ泊めてもらえないかしら?」

 

おかみ「……あははははっ!あぁ、いいよ!さっさとあがんな!」

 

一刀「ありがとうございます!!」

 

おかみ「その代わり!明日はまた手伝ってもらうから覚悟するんだよ!4人共!」

 

零姫・愛紗「はいっ!」

 

一刀「……いいんだ、どうせ俺は役立たずだから」

 

ははははっ♪と3人の楽しい笑い声が静かな街に響いた

 

 

『契りを結びしは……“家族”』  完


 
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