No.738942

恋姫外史終章・いつまでも一刀第36話

アキナスさん

最後の祭りの始まり・・・・・・

2014-11-23 02:56:24 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:3256   閲覧ユーザー数:2776

王位争奪戦当日。

 

大会の為に大きな競技場が作られ、次代の王を一目見ようと多くの人間が押し寄せていた。

 

その中には当然、各国の将たちの姿もある。

 

「皆様!おまたせいたしました!これより第一回魁!王位争奪戦を開始いたしま~~す!!」

 

「「「「「うおおおおおおお!!」」」」」

 

「実況は私!みんなの妹!地和ちゃんで~~す!」

 

「「「「「ほあああああああああああ!!」」」」」

 

「そして解説は!漢女道亜細亜方面前継承者!卑弥呼さんで~~~す!!」

 

「よろしく頼むぞ!」

 

「果たして次代の王になるのは誰なのでしょうか!?それでは選手入場~~!!」

 

「「「「「おおおおおおおおおお!!」」」」」

 

「まず入場してきたのは今回の大会の発案者であり唯一の男性!自由人北郷一刀~~!」

 

「おっしゃーーーーーー!!」

 

「お供は居眠り軍師程昱!」

 

「・・・・・・ぐぅ」

 

「そして蜀の妖艶な弓使い、黄忠で~~す!」

 

「お母さん頑張って~~~」

 

「璃々~、お母さん頑張るわよ~~」

 

「続いて出てきたのは覇王を称する小さな巨人!曹操孟徳~~~!!お供は魏武の大剣夏候惇!そして猫耳軍師荀彧で~~す!!」

 

「猫耳軍師って何よ!もっとまともな呼称で呼びなさいよ!」

 

「華琳様!この春蘭!華琳様に勝利を捧げるため全身全霊でぶつかります!!」

 

「ええ、期待してるわ」

 

「次に出てきたのは誰もが守ってあげたくなる儚い美少女董卓仲穎~~~!!お供はツンデレ軍師賈詡!天下無双の豪傑呂布だ~~~!!」

 

「ツンデレって何よ!」

 

「え、詠ちゃん・・・・・・」

 

「・・・・・・頑張る」

 

「まだまだこれから!大きいのは徳だけじゃない!胸もでかけりゃ尻もでかい!大徳劉備玄徳~~~~!お供はあわわ軍師鳳統!メンマの伝道師趙雲だ~~~!!」

 

「ありがとう。最高の褒め言葉だ」

 

「あわわ・・・・・・」

 

「そんなに大きくないよ~~・・・・・・」

 

「更に更に!呉からやってきた美しき野獣!小覇王孫策伯符~~!!お供は美周郎周瑜!呉の肝っ玉母さん黄蓋だ~~!!」

 

「野獣・・・まあ、美しいが入ってるから許しましょうか」

 

「私は変な呼称されずにすんだか・・・・・・」

 

「母さん・・・・・・」

 

「お次は馬を扱わせれば右に出るものなし!馬超孟起とその妹馬岱の登場だ~~~!!」

 

「優勝するぞ!蒲公英!!」」

 

「うん!・・・・・・って言っても、頭使う競技が出たら終わりそうだな~・・・・・・」

 

「まだまだいます!南蛮王孟獲にお供のトラとミケ・・・・・・ああ!象です!なんと孟獲は巨大な象に乗っての登場だ~~~!!」

 

「美以が王様なのにゃ~~!!」

 

「「にゃ~~!!」」

 

ちなみにシャムはと言うと・・・・・・

 

「ZZZ・・・・・・」

 

観客席で呑気に寝ていた。

 

「そして最後に出てきたのは、たった一人での参戦は余裕の表れか!?白馬長史公孫瓚の登場だ~~~!!」

 

「そんな訳ないだろ。連れてこれるような奴がいなかっただけだよ。やっぱり来るんじゃなかった・・・・・・」

 

「と言うわけで、出場者は全て出揃いました!いよいよ王位争奪戦の開幕で~~す!!」

 

 

 

 

 

 

競技場中央に選手達は集まっていた。

 

「ではルールを説明します!選手達がいるあたりに箱が置いてあります。その中には参加者がそれぞれに書いた、競技の種目が書いてある木の札が入っており、その中から出てきた種目で争っていただくのです。なお、一回ごとに下位の二組が脱落する事になっておりますので気を引き締めて挑んでください!」

 

「ふむ、初戦はどのような札が出るかのう?」

 

「それを決めるのは・・・・・・この人だーー!!」

 

「「「「うおおおおおおおお!!」」」」

 

観客席が大いに沸いた。

 

地和の言葉と共に競技場に現れたのは、1回戦と書いてあるボードを掲げたバニーガール姿の天和だったからである。

 

選手達がいる競技場中央までやってきた天和はボードを下ろし、一刀にウインクして箱の中に手を入れた。

 

ガシャガシャと箱の中で音がする。

 

そして天和は一枚の札を取り出した。

 

書かれていた内容は・・・・・・

 

「馬術!第一競技は馬術です!!」

 

「よっしゃー!貰ったーーーーー!!」

 

思わず叫んだのは、その競技を書いた本人である翠だった。

 

「・・・・・・っし!」

 

白蓮も人知れずガッツポーズしている。

 

「では、準備を始めますので皆様少々お待ちください」

 

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

 

 

勝負はいわゆる競馬レースの形で行う事となった。

 

参加者はそれぞれの陣営から、一刀、華琳、恋、星、雪蓮、美以、そしてこの競技に関してはトップ争いを繰り広げるであろうと予想される翠と白蓮だった。

 

そして参加者は、用意された様々な馬たちの中から自分の乗る馬を選んでいった。

 

なお、馬に慣れ親しんでいない美以には救済措置として、象での参加が許された。

 

それが間違いであった。

 

「参加者全員位置につきました。それではよーい・・・・・・」

 

ジャーン!!

 

銅鑼の音とともに一斉にスタートする参加者たち。

 

「さあ、先頭は・・・・・・って、ええ!?」

 

地和は思わず声をあげた。

 

先頭を走っていたのはなんと、象に乗った美以だったのだ。

 

他の参加者は似たり寄ったりで、美以の後方に固まっていた。

 

「ど、どういう事なんでしょう?解説の卑弥呼さん」

 

「簡単な事じゃ。あの巨大な象が走る時に地震に近い揺れが起きておるじゃろう?そのせいで馬達は転びやすくなってしまっておるから、大して速度を出せずにおるのじゃよ」

 

「はあ・・・・・・では、このままだと孟獲が一位に?」

 

「いや、それはないじゃろう・・・・・・」

 

卑弥呼がそう言ってまもなく、

 

ズガーン!!

 

第一コーナーに派手な音を立てて象は激突した。

 

「ふにゃあ・・・・・・」

 

美以は投げ出され、頭をぶつけて目を回していた。

 

後ろにいた他の参加者たちは次々とコーナーを曲がっていく。

 

「全速力で走っておったからのう。あれでは曲がれんわ」

 

「なるほど」

 

 

 

 

美以、リタイヤ

 

 

 

 

 

 

「さあ!一人脱落し、現在先頭は錦馬超です!続いて孫策に趙雲、少し遅れて呂布と公孫瓉、曹操と一刀は最後尾についています!」

 

「まだ序盤じゃからのう。解説する事もまだないわい」

 

ここで先頭から順に、それぞれの心中を見てみよう。

 

(一気に逃げ切ってやる!)

 

(やるからには勝つわよ!)

 

(孟獲は脱落。ようするに最下位さえとらなければ良い訳か・・・まあ、一位を取ってしまえば何の問題も無いか)

 

(・・・・・・)

 

(この馬、力はあるけど気性が荒い。どこまで抑えられるかな・・・・・・)

 

(勝負は後半。一気にまくるわよ)

 

(・・・・・・少しずつ、少しずつだ)

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

「レースも半分を過ぎました!順位はまだ変わらず・・・お?何か動きが・・・・・・」

 

「北郷一刀が、前に出始めたのう」

 

卑弥呼の言うとおり、徐々にではあるが、一刀がスピードを上げて前に出てきていた。

 

最後尾の華琳を残し、恋と白蓮の横まで来て、そのまま抜き去ろうとする。

 

「!」

 

その時、白蓮の馬が急に首を振り回し始めた。

 

「ちっ!引っ掛かったか!?」

 

舌打ちする白蓮。

 

「こうなったらもう行くしかない!!」

 

白蓮は覚悟を決め、急にスピードを上げた。

 

恋、一刀を抜いて先頭集団に迫る。

 

先頭集団は、相変わらず翠が先頭ではあるものの、後ろの二人との差は詰まり始めていた。

 

そこに、白蓮が乱入してきた。

 

「来ましたか、白蓮殿!」

 

「仕方なくだけどな・・・・・・」

 

ぼやきながらも星と雪蓮の前に出る白蓮。

 

「では、私も・・・・・・」

 

「行くとしましょうか!」

 

白蓮に抜かれた雪蓮、星もスピードを上げた・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いよいよ最後の直線!各馬スピードを上げて・・・・・・おお!曹操選手がグングン追い上げて行く!」

 

「呂布の追い上げも中々だのう」

 

レースはまさに混戦状態。

 

先頭集団、特に最初から飛ばしていた翠と途中で引っ掛かったため予想外の所で前に出てしまった白蓮は常に追い抜こうとする雪蓮、星、一刀を上手く抑えて抜かせはしなかった。

 

そして後方の恋、華琳も追い上げてきて、既に星たちの横まで上がってきていた。

 

ゴールまであとわずか。

 

最後に前に出たのは・・・・・・曹操だった。

 

「曹操!一着は曹操孟徳です!!」

 

「見事な追い脚じゃったな。あそこから捲り上げるとは・・・・・・」

 

「後の順位を発表します。二位から順に馬超、公孫瓉、呂布、趙雲、一刀、孫策となりました。よって、脱落は途中でリタイヤした孟獲と、最下位の孫策となりました」

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

「では、一着の曹操さんにインタビューしてみましょう。今のお気持ちは?」

 

「当然ね」

 

「華琳様~~~!!」

 

春蘭の喜びの声が聞こえてくる。

 

「流石というか何というか・・・・・・最初から計算どおりだったと?」

 

「そうね。タイミングさえ間違えなければいけると思っていたわ。もっとも、もう少し苦戦を想定していたのだけど、北郷一刀に助けられたわね」

 

「一刀に?」

 

「彼の走りで公孫瓉の馬が引っ掛かったでしょ?馬の能力は申し分ないようだったし、あれさえなければ十分一着を狙えていたわよ」

 

「ほう・・・・・・」

 

「まあ、結果が全てよ。もう話す事もないわ」

 

「ありがとうございました。では、他の参加者にも一言コメントを頂きましょうか。まずは二着の馬超さん」

 

「いけると思ったんだけどなあ・・・・・・」

 

「ていうか姉様、自分で提案した競技で一着取れないとか・・・・・・」

 

「うっさい!お前なら一着取れたって言うのかよ!?」

 

「あれ書いたのは姉様でしょ!」

 

「はいはい、姉妹喧嘩はよそでやってくださいね。では次は公孫瓉さんどうぞ」

 

「ん・・・悔しいけど、やれる事はやった。それだけだよ」

 

「そですか。ではお次、呂布さんどうぞ」

 

「・・・・・・お腹すいた」

 

「ありがとうございます。では趙雲さん」

 

「白蓮殿に負けたか。まあ、生き残れただけ良しとしておこうか」

 

「なるほど。じゃ、次一刀。ギリギリだったじゃん」

 

「ん~~、昔読んだ漫画の戦法試してみたんだが、やっぱそう上手くはいかないか・・・・・・ま、いいか。上手くいっても問題発生したかもしれんし」

 

「問題?」

 

「漫画のラスト。最初から最後まで加速していって、ごぼう抜きして一着取った後、馬が吹っ飛ぶみたいにすっ転ぶんだよ。実際そうなったら馬は骨折る程度じゃすまないかもしれないしな。まあ。ギリでも次に進めるんだから問題ねえだろ?」

 

「ふ~ん・・・じゃ、次に期待してるわよ。では最後に孫策さんと孟獲・・・あれ?二人はどこに?」

 

「あいつらなら負けたもの同士でヤケ酒飲んでくるって出て行ったぞ」

 

「・・・・・・あっそ」

 

 

 

 

 

という訳で、残った六組が二回戦進出となった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうも、アキナスです。

 

相変わらずの遅い投稿ですが、何とかまだ書いてます。

 

さて、ついに争奪戦が開始されました。

 

南蛮と孫家が脱落。

 

次に落とされるのはどこか?

 

では次回に・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「メイド!イン!ヘブン!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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