No.73857

真・恋姫†無双 愉快な殺し屋さん 第三章 駄目人間LVが400を超えました!……まさか、暴走w(後編)

紅い月さん

どうも、紅い月です。
愉快な殺し屋さん、第三章後編。

オリキャラ主人公なので、嫌いな方は戻ることをお勧めします。

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2009-05-16 00:30:26 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:10094   閲覧ユーザー数:6692

「許緒、あなた、私に力を貸してくれる気は無い?」

 

一段落ついて落ち着いたあと、華琳が許緒に申し出た。

 

「えっ?」

「あなたの、故郷を守るために振るった勇気と力を……今度はこの国に住まう者、皆全てを守るために、私に預けてほしいの」

「……あの、曹操さま」

「何? 許緒」

「もし……あなたがここを治めてくれたら、ボクの友達や、村のみんなを……守ってくれますか?」

「……あなた達だけではないわ。私はこの国の……この大陸を生きるすべての民を守るつもりよ。私はいずれ、この大陸の王となる。そしてこの地に生きるすべての民を守る……それが、私の望み」

「曹操さまの……望み………………ボクは」

 

許緒が悩んでいる間に斥候が戻ってきた。

 

「――――曹操さま!かの集団の本拠地は、ここからすぐそこにある砦です!!」

「わかったわ。――――許緒」

「はっ、はい!」

「ここを襲った賊とは、あの者たちで間違いは無いのね?」

「はい!!」

「ならば……まずは今だけで良い。あなたの故郷を守るために、私に力を貸して頂戴」

「……わかりました!! それなら、喜んで!」

 

いい眼をしてるな。子供ながらに誇り高き純真な眼を持っている。

―――――純真?

 

俺は周りを見回す。

我儘な覇王、猪な突撃将軍、何考えてるか分からないムッツリ、超絶毒舌ガキ。

俺は許緒を見る。穢れなき純粋極まりない心。

この子ってば一番のまともな人!?ってか最悪極まりないメンツだ。全員百合だし(泣)。え?いつ気付いたって?ん~勘?

 

「許緒」

「え、あ、はい!」

「いつまでもピュアな君でいてね」

「………はい?ぴゅあ?」

「いや、気にしないでくれ。ノビノビと元気に育ってくれとことさ」

「へへっ、ありがとう。お姉ちゃん」

 

前言撤回!このガキ、許さん!石巻いて沈めたる!

周りを見ると全員笑いを堪えていた。ファアッッッ○!!!

 

「ぷっ…くっ、…………皆の者! 目指すはここからすぐにある砦!! 我らが勇で一挙に打ち倒すべし!! 

 総員、配備!!」

「はっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!」

 

華琳は俺たちを見て笑みを抑えているが、すぐに引き締まった顔に戻して全軍に号令する。ムカツクわあ~。

それに応じて、大気を揺るがすかのような兵士たちの気焔がこだました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ムッス~~~!!!

そりゃあね。俺は女顔ですよ!でも、女装してる時ならいざ知らず、普段に言われたら腹が立つ。

この怒り、春蘭か桂花で憂さ晴らししたろか。

 

「あの~……桐生さ―――――」

「ああんっ!?」

「ひぐっ!」

 

許緒が俺を呼ぶもヤンキー風に驚かす俺。うわお、おとなげね~w

 

「あの、その…ごめんなさい…えと、男性に見えなくて…」

「喧嘩売りにきたのかな~?許緒ちゃんはよ~!あ!?」

「ゴ、ゴメンナサイ!許してください!兄ちゃん!」

 

 

 

――――――――あ?

 

 

 

「兄ちゃん?」

「あ!?いえ、あの…桐生さま……」

「待て、もう一度言ってみろ」

「あの、今のはその…」

「言ってみろ!!!」

「ーーーーッ!!!…………兄ちゃん」

 

 

 

 

兄ちゃん、ニイチャン、兄ちゃん、――――――――にいちゃ~~ん♪

 

 

 

 

 

「妹よ~~~~!!!」

 

俺は叫び許緒を優しく抱きしめた。傍にいた桂花が吹いたw

 

「え?え?あの……?」

 

混乱する許緒。そりゃそうだw

 

「許します!はい全部許します!今日から君は俺の妹分だ~♪」

「おいっ!なんだそれは!何で急に――――」

「黙らっしゃい、春蘭!俺はな…俺は―――――――――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「妹が欲しかったんですうぅぅぅぅぅぅぅ~~~~~www」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『なにそれ~~~~~!?!?!?』

「うるさいわ!大抵の男はな、妹が欲しいんだよ(偏見)!そして、ナウ!ここに妹キャラにふさわしい子がいる。ここで引いたら男じゃない!萌えじゃ~!新たな萌え属性が加わるんじゃ~~!!!」

 

俺の魂の叫びに全員ドン引き。多分、意味はほとんど通じてないだろうに。いいも~ん♪

 

「えっと?あのボクどうすれば………」

 

かなり混乱なさっている許緒ちゃん。そんな許緒ちゃんの頭を撫で、持ち上げる。

 

「うむ!つまりだ!君は今日から俺の妹だ!存分に兄ちゃんと呼べ!むしろ呼んでください!」

 

ポカンとしていた許緒ちゃんだったが、理解したのかしてないのかは分からないが俺に輝かしい笑顔を向ける。

 

「うん!兄ちゃん!」

 

…………………………我が生涯ぃぃ!!!一片の悔いぃぃぃぃなしぃぃぃぃぃ~~~w

 

「許緒~~~!!!マイスイィ~~~トシスタァァアア~~~~~♪♪♪」

「あははは!兄ちゃん面白いね♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後にその場にいた誰もが語る、

 

あの奇行を面白いで済ませられる彼女は大物になると―――――――

華琳率いる討伐隊は、先ほど判明した賊の本拠である砦に向かって行軍していた。

俺はそんな中、兄妹w仲良く行軍中。

許緒の馬が無かったため、途中までは春蘭の馬に乗せていたが、途中で強制的に俺の馬に乗せ換えた。……なにか文句が!?

 

「あのさ、許緒」

「水臭いな、季衣でいいよー」

「はっはっはっ!じゃあ、季衣~♪」

「受け入れ早っ!アンタねえ!真名がどんなものか知ってるでしょうに!」

「黙れ、桂花!知っているさ!兄妹だからいいんです!なにか文句でも!?」

「うるさいわよ!文句ならあるわよ!アンタみたいなケダモノに女の子を近づけるなんて……」

「………桂花」

「なによ!反論することがあったら言ってみなさいよ!どんな言葉でも私が―――――」

「―――――理屈じゃない、そう妹萌えとは理屈ではないんです。論理などはどうでもいいです。文句があるなら腕力をもって全力で貴様を屠ろう。……何か問題でも?」

「………………………ゴメンナサイ」

『桂花が謝った!?』

 

外野ウルサイ。ああ、季衣♪可愛いな、コンチクショウ♪(←ダメ人間、只今脳細胞破損率30%を超えました。)

 

ああ、いいよ~、可愛いよ、季衣♪今のひと時を一生―――――――――

 

「――――――曹操さま!賊の砦が見えました!」

 

賊、死ぃなぁああああああああす!!!!!甘い時を邪魔しやがってぇぇぇぇえ!!!根絶やしにしてくれるわァ!!!(←廃人、只今脳細胞破損率120%を超えました。)

 

賊どもの砦が見えてきた。コロスコロス……キシャァアア!!

それは、山の陰に隠れるようにして建てられており、普通に探していたのでは、相当時間がかかっていたに違いない。

 

「許緒、この辺りに他に賊はいるの?」

「いえ、この辺りにはあいつらしかいませんから、曹操さまが探しているっていうのも、多分あいつらだと思います」

「敵の数は把握できてる?」

「はい、およそ三千とのことです」

「多いな」

「それでも、連中はただの烏合の衆、統率もなく、訓練もされておりませぬゆえ、我々の敵ではありません。」

「けれど、策はあるのでしょう? 糧食の件、忘れてないわよ?」

「無論です。兵を損なうことなく、戦闘時間を短縮する策、既に私の胸の中に」

「説明なさい」

 

会議が進もうとする中、問題(俺)wが起きた。

 

「策なぞいらんわぁ!!!マイシスターとのイチャイチャタイムを邪魔しおってからにぃ!皆殺しだ!たかが雑魚三千人、俺一人で充分だ!この世に生まれてきたことを後悔させてやるわぁ!!!」

「ちょっ!?」

「では、行ってくる!レッツキリィィングッ!!!」

 

俺は敵の砦に向かおうとするが、春蘭、秋蘭が立ちはだかる。

 

「………なんのつもりだ?」

「それはこっちの台詞だ。桐生、お前までが姉者のようになってどうする」

「そうだ!お前までが私のように……って秋蘭!」

「すまない、姉者」

「悪いが、姉妹の漫才に付き合ってる暇は……無いっ!」

 

俺は体に気を走らせる。

イケル、イケルぞお!イモウトミン(新種のエナジーw)が俺の力を増大させる。今の俺なら……呂布にだって勝てる(かも)気がする!!!(←地球外生命体、只今脳細胞破損率400%を超えました!……まさか……暴走?w)

 

「ちぃっ!秋蘭!援護を頼む!」

「了解した」

 

馬鹿が!貴様らが二人がかりでかかってきても俺の敵はないわ!

俺は懐にしまってあった五つの指輪を左手に装着する。

 

「そんなもので何ができる!ハアッ!」

 

ハッ!お前の馬鹿力に付きあってられるか。

俺は春蘭の大振りの剣を避け、天高く舞い上がる。

そして左手を弓で狙ってくる秋蘭に向け振り下ろす。

 

「――――――――桐生流鋼糸術、大蛇!」

 

突如人差指の指輪から発せられる細い糸状のモノが秋蘭の持っていた弓に絡みつき弦を分断する。

 

「なっ!」

 

これでいい、弓を使わん弓兵なぞ敵ではない。残るは春蘭一人。

 

俺の持つ鋼糸仕込みの指輪、『竜髭』。

俺がこっちに持ってこれた数少ない武器だ。

いくら春蘭でもこんな武器を持った敵にあった事はないだろう。経験のなさは即、命に繋がる。悪く思うな(無理)。

 

「いくぞっ!―――――影蛇!」

 

再び人差し指から発せられた鋼糸が、春蘭に向かう。

春蘭は驚くほどの速さで鋼糸を避ける。だがな―――

 

「っ!―――――なぁ!?」

 

一本の糸に隠れていたもう一本の糸が春蘭の鎧の一部を切断した。

 

「くそっ!」

 

遠距離では勝ち目がないから接近戦ってか?甘い!

 

「――――――――桐生流鋼糸術、奥伝!百年影牢!」

 

事前に地中に埋めておいた他の三本の糸が春蘭の足もとから周りを覆う。

 

「んなっ!?」

「もう遅い!」

 

やがて完璧に春蘭の周りに張られた鋼糸が牢獄代わりとなり身動きを止める。

 

「くっ!解け!桐生!」

「断る。なに、それは時間が経てば自動的に解けるようになっている。ではな!」

 

戦いを終え、砦に向かう俺に二人の人影が立ちふさがる。

華琳と―――――季衣?

 

「……え?季衣?何を……」

「それはこっちのセリフだよ!兄ちゃんこそ何やってるんだよ!こんなに暴れまわって……皆必死に考えて賊を退治しようとしてるのに!」

「いや、ですからね……俺一人で……」

「兄ちゃんなんて……そんな兄ちゃんなんて……大っ嫌いだ!!!」

 

ガフッ!!!ゲフッ!!!ゴハッ!(吐血)

 

季衣の攻撃!兄ちゃんなんて大嫌いだ!

久遠に99999(オーバーキル)のダメージ!

久遠は倒れた。

もう、たてましぇ~ん。

 

「………遺言はあるかしら?」

「華琳……俺はもう駄目だ…後の事は――――ウギャッ!?」

 

こいつ顔面踏みやがった。

 

「このこのっ!戦闘前に何やってるのよ!この馬鹿!」

「痛い!痛いです、華琳さん!」

「痛くしてるのよ!」

「ごめんなさい!自分、本当に悪かった思ってます!初めての妹に正気を失いました。今、正気に戻りました!痛い!テメッ、桂花!お前まで便乗するんじゃ……イタッ!」

「うるさいわよ!私が華琳さまに仕えられるかの瀬戸際にアンタは~~~!!!」

「悪かったです!今は反省しております!ギャアアアアアアアア!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

薄れゆく意識の中、暴走しすぎた自分を俺は後悔した。――――――――ガクッ……

『………………………』

 

場が痛い。複数の白い目が俺に突き刺さる。

 

「ごめんなさい。そろそろ許してくれては―――――」

 

睨まれました。うわ~ん!

 

「華琳さま?この男を捨てては―――」

「ちょっ!桂花さん、それはちょっと!華琳さん?嘘ですよね…」

 

嘆願するも華琳は絶を持ち、こちらに向ってくる。………マジですか?

 

「………………久遠?」

「……………はい。なんでございましょうか?」

「言い残すことはあるかしら?」

「待ってください!勘弁してください!どうか謝罪の機会を是非に~!」

「…………………いいわよ」

 

ひい~、そんなご無体な~!……ほえ?

 

「華琳さま!?何故このような男をお許しに!?」

「許すとは言ってないわ。今からの謝罪で、この男の運命が決まるんだから」

 

…………………運命?どげな運命ですか!?

 

「久遠、今からこの場で精一杯の謝罪をしてみなさい。私たち5人があなたを許すか許さないか決めるから、許す方が多ければ許してあげるわ」

「……少なかったら?」

「コレよ♪」

 

わあ、笑顔で首を掻っ切る真似をしてくれましたよwピ~ンチ!

 

どうする?どうするよ、俺!く~ちゃんの108の処世術、No.38『ジャンピングスライディング土下座』か!?

もう、それでも無理っぽいぞ!どうすれば……………アレ……アレを使うべきなのか!?

いや、あまりにも危険なために108にも入れなかった謝罪技だぞ。いや、しかし……もう、これしか…コレしかないんだぁ!

 

「見るがいい!あまりにも凄惨な結果しか出さんために封印した究極の謝罪を!

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

 

俺は全速力で走ってこの場から遠ざかった。

 

『…………………逃げた?』

 

逃げてません!逃げてませんよ!勇気を出せ俺!もうコレしかない!

充分に遠ざかったあと、再び彼女達の元に向かう。

 

「ご~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」

 

もう少し…

 

「め~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」

 

………………ここだ!

 

「ん~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」

 

俺は通常の倍高く跳びあがった。

 

「な~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」

 

頂点に達し重力に引かれる中、手を後ろで組み顔面を地面に向ける。

 

「ちょっ!?まさかっ!」

「さ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」

 

見るがいい!これが失われたく~ちゃんの108の処世術、No.38'『ネオジャンピング顔面スライディング土下座』!!!

 

「い~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

………ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」

 

ズザザザザザザザザザザザザザッと顔面から発してはいけない音とモウモウと煙が巻き起こった。

天高くそびえる塔のように顔面だけで立っていたが、やがてゆっくりと倒れ土下座の形となった。

 

『…………………………』

 

誰も言葉は発しようよはしない(俺は既に気絶)。

 

やがて華琳がゆっくりと口を開く。

 

「………許してもいいと思うものは手を挙げなさい」

 

皆最初は動こうとはしなかったが、一人、また一人と……計、5人の手が挙がったそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――ちょっと待ってろ、次のページまでには復活しとくからw

「………兄ちゃん、大丈夫?」

 

季衣はこんなムシケラのような俺を本気で労わってくれる。優しい子だ。

ちなみに既に俺は軽傷で復活した。ご都合主義というやつだw

 

「大丈夫だよ。兄ちゃん頑丈なのも取り柄の一つだから。アハハハハ……痛い」

「当然よ。久遠、あなたバカじゃない?あんな事するなんて」

「ううっ…悪かったってば」

 

とりあえず皆さん許してはくれた。愛が傷に沁みるぜw

 

「まあ、もういいわ。とにかく桂花、かなり遠回りしたけど策を」

「はい」

 

華琳が桂花への発言を促すとともに、全員の視線が彼女に集まる。

その小さな頭に収められた策こそ、華琳を前にして命を晒す啖呵を切らせた必勝の策。

同時に、本当の意味で華琳の横に侍る資格があるかの真価が問われる策である。

……………失敗………は可哀想だから半分程度失敗してしまえ。大笑いしたるわw

 

既に反省の気分では無くなった俺でしたw

 

「まず華琳さまには少数の部隊を率い、砦の正面に展開していただきます。その間に春蘭、秋蘭の両名が残兵を率いて後方の崖へ待機。華琳さまの本隊が盛大に攻撃の合図をすれば、誘いに乗った敵は必ずや出陣してくるでしょう」

「で、華琳が引きつけたところで伏兵が叩く……と」

「ちょっと待て!それはつまり、華琳さまに囮をしろということか!?」

「何か問題が?」

「大ありだっ!!華琳さまにそんな危険な事をしていただくわけにはいかん!!」

 

この作戦、たしかに春蘭の言う通り、危険度は高い。

 

だが―――――――

 

「城攻めにゃ三倍の戦力で当たれってのは戦の常識だろうが…しかも今回は向こうのが多勢だ。相手がボロボロの砦と烏合の衆でも、組み合わされば危険だ。兵力を無駄使いする事になる」

「し、しかしっ!」

「現状、桂花の策が最も良策だ。それともほかに策でもあんのか?」

「烏合の衆なら、正面から叩き潰せばよかろう」

 

その言葉に、辺りにブリザードが起こりましたw。

華琳も桂花も口元を引き攣らせて言葉を発せずにいる。……何故か秋蘭が悶えていたが気にしないでおこう。

 

「……なあ桂花、あれうちの主力の武将だよな……」

「言わないで…頭が痛くなってくるから」

 

二人仲良く溜息を吐きました。

 

「馬鹿なこと言ってないで、真面目に考えろ……多分真面目なんだろうけどwとにかく桂花の策の方がどう見ても優れている」

「だ、だったら、もしその誘いに乗らなければ?」

「………ふっ」

 

春蘭がしつこく食い下がろうとすると、桂花が小馬鹿(大馬鹿?)にしたような笑みを浮かべる。

 

「な、なんだ!その馬鹿にしたような笑みは……!」

 

いや、ようなじゃなくてもろ馬鹿にしているだろ。

 

「華琳さま。相手は志も持たず、武を役立てることもせず、盗賊に身をやつすような単純な連中です。間違いなく、春蘭よりも容易く挑発に乗ってくるものかと……」

「……………な、ななな……なんだとぉー!!!」

 

はいっ、勝負あり~♪

 

「はいどうどう。春蘭、あなたの負けよ」

「か、華琳さまぁ……」

「とはいえ、春蘭の心配ももっともよ。次善の策は用意してあるんでしょうね?」

「この辺りの拠点になりそうな城の見取り図は事前に調べてあります。無論、あの城も確認済みなので……万が一こちらの誘いに乗ってこなかった場合は内から攻め落とします」

 

はっはっはっ。こりゃ春ちゃん勝てんわw

さすがというべきか、一分の隙も見当たらないほどに用意周到だった。

「わかったわ。なら、この策で行きましょう」

「華琳さまっ!」

「これだけ勝てる要素の揃った戦いに、囮の一つも出来ないようでは……これからの覇道など、とても歩めないでしょうよ」

「その通りです。ただ賊の討伐をしただけでは、誰の記憶にも残りません。ですが、最小の損失で最高の戦果を遂げたとき、曹孟徳の名は、天下に広まりましょう」

「で、ですがっ!」

 

やれやれ、しつこいというかなんというか。ま、それだけ華琳が大事なんだろうけど。

しゃあない。

 

「なあ桂花、護衛として俺と季衣を本隊につけさせてもらうってのは出来るか?」

「二人は貴重な戦力よ。伏兵の戦力が落ちるのは好ましくないのだけど……」

「その分、春ちゃんに働かせればいい。ぎゃあぎゃあ言ってるんだからそれくらいやらせろ。出来るな、春ちゃん?」

「なっ!あ、当たり前だ!」

「ならいい。だそうだが、桂花、いいか?」

「……わかったわよ。なら、囮部隊は華琳さまと私、桐生、許緒。伏兵は春蘭と秋蘭。華琳さま、これでよろしいでしょうか?」

「それで行きましょう。春蘭、秋蘭、頼むわね」

「承知いたしました」

「承知いたしました!おい、桐生!華琳さまに何かあったら許さんからな!!」

「誰に向って言ってやがる。3倍だろうが10倍の敵兵だろうが守り通したるわ」

「言ったな!絶対だぞ!もし華琳さまに何かあったらお前の頸を刎ねるぞ!」

「へえへえ、わあったよ。お前こそしくじるなよ」

「当たり前だ!」

 

 

「……………へえ」

「あ、どうした華琳?」

「いえ、随分春蘭と仲良くなったね。さっきなにかあったの?」

 

ん?さっき?―――――――――――――――フオッ!?やっば!春蘭がさっきの思い出したら………

 

「……………さっき?」

「しゅんらあぁぁ~~ん!!!」

「な、なんだ桐生!?急に大声で…」

「頑張ろうな、お互い!じゃあそう言う事で!アディオス!」

「お、おおっ。そうだな。って早っ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――逃げろ~!逃げるんじゃ~!神様、どうか思い出させないようにしてください。

戦場に激しい銅鑼の音が響き渡る。

 

『……………』

 

響き渡る……

 

『……………』

 

響き――――

 

「……桂花。これも、あなたの予測の範疇なのかしら?」

「……いえ、これはさすがに……想定外でした…………」

 

銅鑼の音の余韻と混じるように聞こえてきた咆哮は、味方でなく敵のもの。

こちらが何か挑発するまでもなく、すでに砦の門は全開になり、そこから雪崩の如く敵が湧き出てきている。

 

「連中……今の銅鑼を攻撃の合図と勘違いしているのかしら?」

「……どうやら、そのようですね……」

「言ってる場合じゃないから。どんどん来てんぞ、おい」

「……はぁ」

「あん?どうした華琳?」

「一応、礼儀として挑戦の言葉を考えていたのだけど、次の賊討伐に回した方が良さそうね」

「お好きにどうぞ」

「曹操さま! 兄ちゃん! あいつら、こっちに突っ込んできたよ!!」

 

季衣の声で改めて前方に視線をやると、敵軍がこちらに突っ込んでくる。

相当な大軍――――――ってか全軍!?

明らかに人数が異常だった。しかし、その動きには隊列も何もあったものではなく、まさに烏合の衆だ。

 

「ふむ、多少のズレはあったけど、どちらにせよ飛んで火に居る夏の虫。総員、敵を引きつけつつ後退! 誘い込むわよ!」

 

華琳の号令を合図に、一定の距離をとりながら俺たちは後退していく。

 

 

 

 

 

十分に砦から引き離したと思った瞬間、敵後方より矢の雨が敵に降り注いだ。

 

「後方の崖より夏候惇さまの旗と、矢の雨を確認!奇襲成功です!」

「トラトラトラや~♪」

「なに言ってんのよ、馬鹿」

「さすが秋蘭。うまくやってくれたわね」

「春蘭さまは?」

「敵の横腹辺りで突撃したくて堪らなくなってたところを、夏候淵に抑えられてたんじゃないの?」

「こんな風にな。『…………まだかっ』『まだだぞ、姉者』『………………まだかっ!』『まだだ』『……………もういいか~い?』『ま~だだよ~』『………………もういいか~い!?』『もういいよ~』『――――――――総員、突撃いぃぃぃぃィィィイイーーーーーーー!!!!!』てな風に」

「後半、かくれんぼみたいになってるじゃない!」

「気にすんな」

「さて、お喋りはそこまでにしておきなさい。この隙をついて、一気に畳みかけるわよ」

『はっ!』

「総員反て―――――――」

「ちょっち待っちくり」

「…………何?」

 

怖っ!邪魔されたのめっちゃ怒ってるし!

 

「兵士たちに突撃をさせるのは、待ってくれ」

「はあっ!?何言ってるのよアンタ!今が好機なのよ。この機を逃して」

「俺が先に突撃を仕掛ける。これ以上ない好機と見たら華琳の判断で兵士たちに突撃を仕掛けてくれ」

「……………は?正気?」

「生憎とちょ~本気。んじゃ行ってくる」

「まっ―――――」

「許可するわ。行きなさい、久遠」

「華琳さま!?」

「恩にきる。ならば桐生久遠の初陣!とくとご覧あれ!……なんてね♪」

 

華琳の許可をもらい俺は敵軍に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――戦争において俺は修羅となる!………かっこつけすぎw?

おお~、めっちゃすごい勢いで向ってきますな、おい。

それもそうかw敵が一人なんて舐めた態度取られたら怒るわな。

ってかそんな怖い顔するして近づいてくるなよ~、それ以上近づいたら―――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――死ぬよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一瞬―――――いやそれは刹那と呼んでもいいだろう。

 

その刹那の間に賊の先鋒の兵たちはバラバラになった。

 

何が起きたのか分からないまま、向かってきた次の兵士たちも―――――同じ運命を辿った。

 

「戦場にそびえ立つ牢獄を赤く染めあげろ―――――深紅牢(しんくろう)!」

 

深紅牢――――鋼糸の結界を張り、それを潜った者を瞬時に切り刻む。やがてその結界は敵の血で赤く染まる。―――――深紅牢とはよく言ったもんだ。

 

「死にたい奴はどうぞこちらへ、死にたくない奴もどうぞこちらへ。死神の造りし牢獄は誰一人として逃さない。死神に魅入られた貴様ら外道に生きる価値などない」

 

俺は仕掛けた者――――牢獄の支配者にしか分からない抜け穴を通り敵陣の真っただ中に入る。

 

怯える者、逃げまとう者、無謀にも戦おうとする者、その全ての愚者は俺の領域にいる。―――――それじゃあ世界に別れを告げろ

 

「奥伝――――――紅夜叉(くれないやしゃ)」

 

自分を中心とした範囲内全ての物質を切り刻む技。どれだけ大量の人間だろうと―――――

 

――――――――そして、誰もいなくなった。

 

怯える者、逃げまとう者、無謀にも戦おうとする者は全ていなくなった。残るのは全てを諦め、人であることを放棄した人であったモノ。もう殺す価値はない。

 

俺は即座に深紅牢を解放し辺りを見回す。

 

どんなに時がたとうと、どんな場所でも俺の戦場は変わらない。あるのは血、肉―――――――目を覆うほどの大量の死体。

 

結局これが俺の本質なんだ。きっと俺は死ぬまで死神から逃れない。当たり前だ、俺本人が死神だからだ。

 

戦場にいる全ての人間が俺を見ている。

 

あれは華琳の本隊か?ああ、やっぱり怯えてるな。そうだな、俺は味方にすら怯えられる化け者だ。どんな人間でも怯えるのは当然か。

 

だけど―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――だけど、彼女達には俺を拒絶しないでほしいと思うのはやっぱり我が儘なのだろうか?

戦が始まってまだ一刻と経たたなかったが、勝負はついた。

 

――――野戦での勝利の後、討伐軍は勢いをそのままに砦を強襲。籠じていたわずかの兵は、主戦力が壊滅したのを知ると、抵抗せずに降伏した。

いまはその奪った砦にて、休息を取っている最中である。

 

『……………………』

 

おやまあ、誰も口を開かない。それもそうか。皆俺を見た――――見てしまったんだから。

 

どうしたんだ華琳?目を閉じて難しい顔をして。俺を捨てる算段か?

 

春蘭に秋蘭も、険しい顔をしてどうしたのやら。

 

桂花は………俺を見ようともしない。男嫌いだから……ってわけじゃないよな。

 

季衣は………いた。体育座りで顔を上げようともしない。あの子に拒絶させるのが一番キツイわ。ははっ……

 

 

 

辛い……………のか?辛いと思う事はいままでなかった。どんな目で見られても俺は気にした事はない。どれだけ捻じれ狂っていても俺は自分を変える事が出来ないのだから。

 

 

 

さて、どうすっかね……いっそ、華琳の所から出ていくか?

生きていくにしても、俺だったらどこだって生きていけると思うしな。

やっぱそれかな。なら急ぐにして越したことはないな。

 

「華琳」

「…………何?」

「短い間だったが世話になった。割と楽しかった。んじゃ」

 

周りにどよめきが走る。皆ホッとしてるんだよな?

 

「本気?」

「まあね。その方が都合がいいだろう?こんな人間――――いや、人というのもおこがましいが。兎に角俺がいない方が君には傷がつかんだ―――――グッ!」

 

何ボディーブローかましてくれてんだ、このチビッ子覇王は。

 

「ふざけるな!その方が都合がいい?ハッ!私の都合をお前が決めるな!それこそおこがましい!

人を言い訳に使うな!お前自身はどうしたいんだ!!」

 

はっ?俺?いや、俺自身はお前のところを気に入ってるけど、もう他の奴等が俺を――――あん?

ふと服が引っ張られるので後ろを振り返ると季衣が服の裾を引っ張っていた。

 

「季衣?なにやってんだ?離してくれ」

「…………ヤダ」

 

ヤダじゃないでしょ。何を言ってるんだ、この子は。

 

「あのな、季衣。兄ちゃんはもう行かなくちゃならないんだ。季衣だって嫌だろ?こんな化け物が兄だなんて」

「………………………がう」

「まあ、本当に凄く短い間だったけど妹が出来て嬉しかったよ。それじゃ――――」

「――――――違うっ!兄ちゃんは化け物なんかじゃない!」

 

…………………………………は?

 

「あの…季衣?お前も見ただろう?あの理不尽なまでの暴力―――――人間が瞬時に肉塊に変わる殺戮を。それを行う人間が化け物でないわけが…」

「じゃあなんで……なんで―――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――――――――――なんで兄ちゃんは悲しそうな顔をしてるんだよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――え?

 

何を言ってるんだ?この子は。悲しそう?俺が?そんな事が…あるわけ―――

 

「今さっきまでは兄ちゃんが怖かった。最初に見た兄ちゃんとはかけ離れてたから。でも違った。さっきの怖い兄ちゃんも、今の悲しそうな兄ちゃんも同じだ。全部含めて僕の大好きな兄ちゃんなんだ!だから行かないでよぉ!グスッ…ヒック…」

 

―――――――――――泣いた?何で?まさか…

 

ダイスキ?あんな……あんな悪魔のような人間を?師匠意外に誰にも受け入れられなかった俺を?嘘に決まっている。からかっているに決まっている。人間は簡単に嘘をつく。ここの子だって、きっと。――――でも、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――だけど、信じていいのかな?俺みたいな人間が。

 

――――――信じてみたいな、どんなに俺が裏切ろうと信じてくれた母のように。

 

――――――信じてみよう。この子を。俺の為に泣いてくれる少女を。

 

――――――信じ始めてみよう。この世界で俺は生きていくんだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「分かった。どこにもいかないから。だから泣きやんでくれ、季衣」

「グスッ……本当?」

「本当本当。俺が嘘つくような人間に見えるか?」

「………………すっごく」

 

オーマイゴッド!その通りだけどさ!空気読もうよ季衣w

 

「てな結論に至ったわけですが……いい?華琳」

「当たり前でしょう?そもそも出て行かせる訳ないじゃない」

「ほえ?さっきの難しい顔は?俺を追い出すことを考えてたんじゃないの?」

「そんな訳ないでしょ?私が考えてたのはあの鋼糸の事。アレは予想以上に人に恐怖を与えるわ。だから使用を控えるようにすればいいんじゃないかと考えてただけ」

「マジで?それぐらいなら簡単だ。元々アレは多用しないからな。今回のはお前らへ俺がどんな人間なのかを説明するためだからな」

「そう?じゃあ、そうしなさい」

「ういうい」

 

華琳との会話が終わると春蘭、秋蘭、桂花が近づいてくる。

なんだろ?

 

「この…………」

「この?」

「このアホォオオ!」

「あべしっ!」

「右に同じく」

「たわばっ!」

「いっぺん死になさいよ!」

「ひでぶっ!」

 

いきなり鉄拳、ビンタ、蹴りの複数でのコンボをしやがったよ!ヒドイ!

 

「なにすんじゃ!ボケ!」

「こっちの台詞だ!お前とは短期間ながら仲が縮まっていたと思っていたら大間違いだった!大うつけめ!」

「ほえ~?」

「姉者の言う通りだ。意外に物分かりがいい男と思っていたんだがな」

「悪い。普通の人間関係の作り方をど忘れしてたみたいでね」

「いっそ呼吸の仕方を忘れなさいよ」

「それは直球で俺に死ねって言ってません?」

「アンタその程度じゃ死なないでしょうが」

「死ぬから!誰でも死にますから!俺、そこまで超人じゃないですから!」

「…………あっそ」

「それだけ!?」

 

ひでえよひでえよ!何これ、苛め!?……じゃないんだろうな。ま、心の中で礼を言っておくか。サンクス!

 

「皆の者に告ぐ!こ奴の名は桐生久遠!この者の保証はこの曹孟徳がする!この者は我が国に勝利をもたらすために天からやってきた御使い!

安易にこの者の品位を汚す噂を流すような真似をしてみろ!それはこの曹孟徳が許さない!分かったか!」

「はっっっっっ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

華琳、感謝する。そして、俺の体に抱きついてくる季衣、俺を励ましてくれた春蘭、秋蘭、……桂花?……とにかくみんなに感謝を!

それから、来た道を戻り、陳留の町の近くまでやってきていた

 

問題はすべて無くなった―――――と言うわけではない。

まだ二つ残されている。

まず一つは一冊の本だ。

 

「結局見つからなかったのか?捜し物は?」

「うむ。『大変要人の書』だな」

『…………』

「……『太平要術』だ、姉者」

 

春蘭の何気ない一言に一同沈黙するが、それはひとまず置いといて。

 

「言ったよな!?私そう言ったよな!?」

「うん、春蘭、君はそう言ったよ。うん、僕たちの聞き間違えだよね、そうだよね?」

 

俺はあらやる罪を許す聖人のような笑顔を春蘭に向ける。

 

「ああ、やめろ!そんな罪を犯した罪人を暖かく見守る天の人ような眼で私を見るのはやめてくれ!!」

 

はっはっはっ!優しくされる方が傷つく場合もあるのだよ。いえ~い♪

 

「その『書』だが……見つからなかったそうだぞ」

「そうなん?」

「うむ。賊に薪にでもくべられたか、誰かに持ち逃げでもされたか……『別の宝が手に入ったから古書はいい』と、華琳さまは仰せであったがな」

「愛されてるな~、桂花の分際で」

「まあね、って分際ってどういう意味よ!」

「言葉通りの意味で~す♪この負け犬!」

「ぐっ!」

 

 

そうもう一つの問題、兵糧の問題だ。

実は、兵糧の量が足りなくなったのである。

主な原因は、先の戦があまりにもあっさり終わったがために生存者と降兵が想定よりはるかに多いこと、そして一人で楽に十人前は平らげてしまう季衣を筆頭に大飯を食べる人間が若干名この陣に居ることである。

その影響で食料の減りが桂花が想定していたよりも早く、底を尽いてしまった。

賊から奪った食料はそのまま捕虜の食に当てなければならないので、自軍への補填が利かない。快勝したことが思わぬ仇となった。俺大活躍したしな。

 

「欲に忠実だと身を滅ぼすっていうしな。あんまり食い過ぎる桂花が泣くからほどほどにしとけ、春蘭、季衣」

「あ・ん・た・も!!人の事言えないでしょ!?しれっとした顔で何杯食べたのよ!!」

「失敬な!俺はあまり食べていない!ただ二人を煽りまくっただけだ!」

「殺す!こんの道化のミミズ男!!」

「はっはっはっ!負け犬の遠吠えは超滑稽!

「あんたたち脳筋組のおかげで私の完璧な策が崩壊したのよ!!一体どう責任取るのよ!」

「知らねえプ~、自業自得だ!予期せぬことが起きても対処するのか軍師だろうが」

「ぬぐぐぐっ!!!」

 

はっはぁ!桂花をからかうのは超楽しい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陳留の街に着き、馬を戻すと、春蘭がこちらに近づいてきた。

どうしたんだろ?顔が俯かせてるが。

 

「どうした~?忘れ物でもしたか?」

「ああ…………した。正確には今まで忘れていた」

 

あれ?なんか俺の体が震えているような……なんで?……恐怖?

 

春蘭を見ると微動だにしていない。ゆっくり俺の方を向き、首をかしげていると段々と頬に赤みが増してくる。

徐々に赤みが全身に回ってきて眼の端に涙を浮かべる。

 

「春蘭!?」

「姉者!?」

 

その場にいた華琳と秋蘭が彼女の顔を見て驚く。

 

―――――――――――――――ひょっとして……

 

「よくも…………よくも私の唇を…………」

 

やっぱそれかぁああああああああ!!!!!く~ちゃん、ピィ~~ンチ!!!

 

「よくも……無理やりに……男では初めてだったのに……華琳さまの所有物(?)である私を……」

 

ヤバイ……ここはブツブツ言ってる間に、ゆっくりとこの場を――――――――――

 

「ウニャーーーーーーーーーーー!!」

 

出遅れた~!!!ってか猫かよ!?

 

 

 

 

 

春蘭は俺に襲い掛かり俺の上でマウントポジションを取り拳を振り上げ、大きく振り下ろされる。

 

「ちょ!まっ―――――ゴフウッ!やめっ―――――ゲホッ!誰か助け――――シギャアアアアアアアアアア!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私、桐生久遠は本日、自分を超える悪鬼羅刹を見ましたw

 

ちなみに話を聞いた皆は誰も同情してはくれなかった。ひどいw

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、何故か春蘭とのことは悪い気はしなかった。なんでだろ?

(おまけ)

後日談ではあるが、桂花は兵糧の帳尻合わせのために、一晩中その神算を巡らす事となる。

結局、桂花は賊討伐の功を持って極刑は免ぜられることとなるが……

その代わりの「御仕置き」を言い渡された時の、桂花はなぜだか妙に艶やかで、華琳の横に侍る春蘭と秋蘭は、それを見て少し羨んでいたそうな。

 

ザ・エロオォオオッス!!!

 

こんの百合共めが!今度から俺も鑑賞させてください!お願いしますw

 

 

 

 

 

いたっ!ちょっ!蹴るな!アウチ!

あとがき

 

どうも、紅い月です。

第三章をお送りしました。

 

やってもうたああああああああああああああああああああああああああ!!!!!

暴走しすぎだろ久遠!展開が怒涛すぎだあああああああああああああ!

 

笑い、シリアス、笑い、シリアスまではいい。

 

でも春蘭とのアレや季衣とのアレってやりすぎたああああ!!!

 

 

 

とりあえず落ち着きまっす。

 

久遠君は天然たらし属性があります。

こう言うのにあるまじきではありますが、意外に他人の気持ちには鋭いです。

自分の気持ちには超鈍感ですがw

春蘭、季衣が既に毒牙(?)にかかってます。

これから徐々に……ゲフンゲフン。

 

さて、次回はいよいよ三羽烏が登場?もしくは閑話をいれるか迷ってます。

 

とりあえず、レス返し行ってみます。

 

 

>水薙 零さま

お褒めにあずかり大変恐縮です。

これからも頑張らせていただきます。

惇ちゃん、お気に入りですか(ニヤリ)

 

>YUJIさま

ゲートオブ○ビロンw

……惜しい(!?)。むしろ投え……ゴホッ、

いえ、なんでもないです。気にせんといてくださいw

 

>cheatさま

惇ちゃんとの掛け合いは非常に大切です。

気に入ってもらえて大変感謝です。

 

>munimuniさま

その褒め方は大変光栄です。

ありがとうございます。

 

>クォーツさま

ふむ、クォーツさまはシリアスの方がよいのでしょうか?

奇想天外。上げたり、下がったりが自分の持ち味だと思うので、

生暖かい(生?)眼で見てください。

 

>スウェンさま

最高ですか、

どうもです!

 

>ブックマンさま

ええ、すべてマスターしてますw

プリンス○メハメ…ノリから言えばキン○マンかw

 

>ゲストさま

ゴンザレス~w

 

>フィルさま

正にそのとおり……

と云うか意外に早く惚けあいそうですw

 

>andou kiyohikoさま

オリキャラが好きじゃない方のその台詞は、

大変光栄ですありがとうございます。

 

>りばーすさま

いえいえ、こちらこそありがとうございます。

 

 

レス返し、終了。

 

今回、暴走しまくった主人公。

ですが、そんな彼を見捨てないでいてくれる方、これからもよろしくお願いします!!

 

 

 

 

皆さんに聞きたいのですが、どこかで区切って掲示されるのと、今回みたいに丸々と掲示されるのはどちらがいいと思われるでしょうか?レス待ってます。

 

誤字、変なところがあればお知らせください。

 

ではでは本当にありがとうございました!!

それでは、また次回にお会いしましょう!!

ではではー。


 
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