No.73714

【NARUTO】夢小説 : 違う違うそうじゃなくて 【前】


NARUTO夢小説/カブト+大蛇丸×夢主/無自覚なキミを、からかってみたかったんだ。

一部、表現を変更して掲載しました。
元表現の「前編」および、続きの「後編」は大人向けになりますので、本サイトにてお楽しみください。

2009-05-15 06:47:50 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:8318   閲覧ユーザー数:8154

 

 

   違う違うそうじゃなくて 【前】

 

 

 音隠れの里にも帳(とばり)が降りはじめ、カブトが部屋の蝋燭に火を灯した。

 

「カブトさん、カブトさん」

 

「何?」

 

 ニッコリとカブトが微笑みながら首を傾けると、不安で揺れる※※が窓に張り付いている。

 陽が傾いた空を見上げて、※※ははぁっと溜息を吐く。

 

「サスケと大蛇丸様、遅いですね」

 

「今日の修行は、新術を教えるって言ってたからなぁ‥‥サスケ君が心配?」

 

「心配です。また、たくさん怪我をして帰ってくるから」

 

 背中を向けた※※の表情を伺うことはできないが、俯くと亜麻色の髪束が肩に落ちた。

 カブトは灯を傍らの机上に置き、露になった※※のうなじに軽く唇を寄せた。

 

「ッ‥‥!?」

 

 ざわつく感覚に※※が体を反らせる。

 緊張した肢体を窓に押し付けるようにして、背後からカブトが抱き竦めた。

 

「君の心配なんか、サスケ君には必要ないよ。逆に迷惑だって分からない?」

 

 肌が泡立つほど冷たい囁き声に、※※はぎゅっと指を握り締めた。

 

「サスケが俺のこと、嫌ってるって分かってるけど‥‥見てないふりは出来ません」

 

 不安に瞳が揺れているが、カブトからはそれをうかがい知ることはできない。

 

「ふぅん‥‥※※はそう思ってるんだ」

 

 カブトは、中指で眼鏡を上げる。

 

「違うんですか?」

 

「さぁね」

 

 曖昧な笑顔が、答えをはぐらかした。

 

「でも僕が思うに、君が心配しているのはサスケ君じゃない」

 

「‥‥?」

 

「サスケ君が行く先に≪彼≫が居ると、期するところがあるから‥‥仕方なくここに居るんだろう?」

 

 瞬く間もなく、顎を杓られて首を捻じるようにして唇を塞れる。

 捻れた首では気管を圧迫され、息苦しさから逃れるためにはカブトに向き合うよう体を動かした。

 そうなると、カブトを受け入れるような態勢になってしまう。

 

「―――否定できる?」

 

 レンズの奥で、挑発的な眼差しが※※を見据えた。

 ※※は悔しさで眉を寄せてカブトを見上げるが、言葉は出なかった。

 憎らしいほど感情を顔に出して反応する※※に、カブトはククッと声を殺して嗤った。

 カブトは※※を押さえていた手を滑らせると、※※の腰紐の下の裾に差し込んだ。

 

「‥‥くっ‥‥」

 

 ---触れられた感触で肢体がビクンと撥ねるが、声は噛み殺すことができた。

 

「ほら、否定してごらんよ。『ちがう、嫌、離せ』って言ってさ」

 

 彼の人に似た漆黒の瞳が妖しく輝き、※※は首を縮めて体を強張らせる。

 

「出て行くのなら見逃してあげる。だから無理しなくていいんだよ?」

 

 態とらしいほど優しい声色で囁きながら---

 

 ---※※は必死で唇を噛んだ。

 カブトはそれを見透かすかのように、---

 苦しそうに眉を寄せて声を殺す姿は憐れで、嗜虐の赴くままカブトが※※の柔肌に軽く歯を立てた。

 

 

「そのくらいにしておきなさい、カブト」

 

 仄暗い部屋の隅に、いつの間に現れたのか嗄れた声の主が腕を組んで壁にもたれて立っていた。

 漆黒の髪の切れ目から威嚇するような黄金の眼が覗き、カブトの心拍が上がった。

 それを気取られないように、いつもの飄々とした顔で眼鏡を上げる。

 解放された※※は、慌てて肌蹴た裾を押さえた。

 

「今日は遅くなるとばかり思っていましたよ、大蛇丸様」

 

「新しく教えた術と、サスケ君の体の相性が悪かったのよ」

 

 カブトが微笑んで見せても、大蛇丸はとても機嫌が良いとは言えない表情でカブトを凝視している。

 長年仕えた経験上、あまりこの場には居ないほうが良い。

 ※※も、不穏な空気を察して発言を控えたが、大蛇丸の「相性が悪かった」という言葉が気になる。

 

「自力じゃ動けないから、迎えに行って頂戴。出血がひどいのよ」

 

「準備は出来ています、ご心配なく。‥‥‥それでは」

 

 退散する口実ができて、カブトは早々に立ち去った。

 ※※は「一人にするなー!」と内心叫んでみたが、カブトに届くはずもなく、大蛇丸と二人っきりになってしまった。

 ほとんど未遂の状態とはいえ艶事を見られてしまったのだから、居心地が悪い。

 どうにか退出する言い訳に頭をひねるが、気が焦ってしまい考えがまとまらない。

 しどろもどろする※※より先に、大蛇丸が口を開く。

 

「服をちゃんとしなさい」

 

「あっ‥‥すみません!」

 

 とりあえずで押さえていた服の乱れを、慌てて整える。

 腰紐を締め直す衣擦れの音に耳を傾け、大蛇丸は片眉を下げて困ったようにして口の端を吊り上げた。

 

「昔のアナタだったら、カブトくらい軽く往なしてたのにね‥‥ずいぶん汐らしくなったじゃない、※※」

 

「居候の身ですから」

 

 極力感情を廃して※※が答えると、大蛇丸の表情が一瞬陰る。

 

「そういう物言いはやめなさい。似合わないわ‥‥」

 

「‥‥‥」

 

「私が欲しいのは、お人形じゃないんだから」

 

 ※※の手元が止まる。

 そして、カブトにそうしたように、ギッと強い視線で大蛇丸に詰め寄った。

 

「アンタが欲しいのは“優秀な手駒”だ!そんなの知ってるし、要らないなら俺も殺せばいいだろ!」

 

 俄かに牙を向いた※※に、大蛇丸は組んだ手を解いて、眼下の前髪を掻き揚げるようにして頭を撫でた。

 

「―――それでこそ、私の可愛い※※よ」

 

 ※※は拍子抜けしてしぱしぱと瞬きを繰り返す。

 そして、からかわれたと思って、顔を真っ赤にした。

 

「失礼しますっ」

 

 ※※は挨拶もそぞろ、足早に部屋を出て行ってしまった。

 残された大蛇丸は、再び口元を歪め、満足そうに微笑んだ。

 

 

 

   END

 

 

 

  一部、表現を変更して掲載しました。

  元表現の「前編」および、続きの「後編」は大人向けになりますので、

  本サイトにてお楽しみください。

   → http://otogiyougi.web.fc2.com/


 
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