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楽しく逝こうゼ?

piguzam]さん


第38話~Here we go !! Let's Cooking !!

2014-10-30 23:50:12 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:14639   閲覧ユーザー数:12395

 

前書き

 

 

本当に、虫歯が辛いデス。

 

 

そしてこの時期からジオラマ作りなんかしちゃうんで更新スピードは期待無しでお願いします。

 

 

今回も糖分少なめな感じwww

 

 

 

 

 

 

 

「いやー、アレだねぇ。やっぱ凄まじいなぁリインのパワーは」

 

「そうだね。もう少し遅かったらアタシ等もこんがり焼かれてたって事だろ?あたしゃこんがり肉は好きだけど、自分がなるのはごめんだね……ゼェン、後で作ってよぉう」

 

「はやてさんが許可と材料くれたらな……とりあえず、上がるぞ」

 

「あいよ。フェイトは大丈夫?」

 

「ふにゅぅ……♪」

 

「大丈夫、まだ幸せの中さ」

 

水面の上から見上げた空に紫の波動が円形に広がって遠ざかって行く光景。

わーお。紫の波動で雲が千切れて霧散してらぁ。

正直、チビるかと思ったぜ。

はい、可愛いレディの皆様こんにちは、野郎どもはどうでも良い。

さきほど、一方的な蹂躙戦が幕を開けた瞬間に降ろすという珍事を終え、災害が去ったのを確認した俺とアルフ。

もう大丈夫だろうと思ってからアルフと一緒に波紋で水面に立っていた状態からクレイジーダイヤモンドでジャンプ。

同じく自力でジャンプしたアルフと共にブリッジへ戻るが……。

 

プスプス……。

 

「「うわぁ……」」

 

俺もアルフもそれしか言えなかった。

いや、俺がお姫様抱っこしてるフェイトちゃんはまだ現世に帰ってきて無いから仕方無いんだけどね?

でも、俺達以外の皆はそれどころの状態じゃねぇから。

 

「あ、あわわ……ッ!?」

 

「太陽が……夢、だったの……?そ、そうよね?」

 

「……」

 

「エ、エリオ君……気絶してる」

 

『きゅ、きゅる~……』

 

まずは近い所でフォワード部隊の皆さんだが、これといった外傷は見当たらない。

しかしリインのとんでもない攻撃の余波で吹き飛ばされたらしく、皆して壁にへばり付いた蛙みたいな格好になってる。

この程度で済んだのも、模擬戦の前にはやてさんが教えてくれたこのブリッジを守るシールドのお蔭かな。

まぁそのシールドは跡形も無く消滅してますがね。

うむ、見事に使命を全うしたんだな……身を挺したその防御、立派だったぜ。

心の中で頑張ったシールド君に敬礼しながら、俺は腕の中のお姫様に声を掛ける。

 

「フェイト?そろそろ現世に戻りなさ~い」

 

「~~♪……あれ?……え!?ゼ、ゼゼゼゼ……ッ!?(な、何でこんな近くにゼンの顔が!?)」

 

お?揺さぶりながら声を掛けたお蔭でスムーズに目を醒ましてくれたみてぇだな。

しかしゼゼゼゼとは、何とも珍しいバグり方ですな。

 

「はいは~い。禅君ですよ~?ちょぉ~っち悪いけど、降りて頂いてもよろしいかな?」

 

「ふぇ?お、降りてって……ええぇ!?」

 

「ありゃ?気付いてなかったのかよ?」

 

笑顔で腕の中のフェイトに微笑みかけて降りて欲しいと頼むと、フェイトは自分の状況に今気付いたらしく、目をまん丸にして驚いた。

頬というか顔全体を真っ赤に染めて驚くフェイトの姿はキュンキュンだけど、アルフの目が冷たいので早く話を進めよう。

いえいえ、別に怖い訳ジャナイヨ?ホントダヨ?だからフェイトちゃんそんなに残念そうな顔しないで。

 

「とりあえず今から戦死者をリスポーンしてくっから、フェイトとアルフはここの人達を見ててあげてくんね?」

 

「え、え!?せ、戦死者って一体……ッ!?」

 

「アルフ、説明」

 

「リインフォースが荒ぶったんだよ」

 

「あ、なるほど」

 

うぉーい。それで簡単に納得すんのかよ。

まぁ納得……しちゃうよなぁ……俺達の世界じゃアレでちょっとテンションアゲぐらいだし(震え)

俺達の世界じゃ管理局の最終兵器なんてアダ名がついてるくらいの過激っぷりだ。

そりゃリミッター付けちゃった管理局のエース組程度じゃ勝てる訳無いじゃないか。

戦力差でいうなら旧式ザク一体でホワイトベースに喧嘩売る様なモンだよ?

無双シリーズの武将が通りすがり、「あっ、無双ゲージ補充っと」のノリでプチっと潰すモブ兵士隊の役だよ?

無理無理どーあがいたって勝てませんって。

 

「ゼン……ど、どうだ?わ、私の戦い方は?」

 

と、フォワードの皆をフェイト達に任せて演習場の地面に降りた俺の元に、この焼け野原を作り出した御本人が降臨なすった。

見渡す限りの廃墟の立体ビジョンは全て瓦礫に変えられて、もはや建物らしき建物は見当たらない。

そんな世紀末状態のフィールドで、恥ずかしそうに頬を染めながら照れ照れした様子の美女が、恥ずかしそうに俺に微笑んでる。

この愛どころか哀しかねぇ状況を作り出した手腕はどうだったかですと?

 

「すごく……情熱的です」

 

もう、何もかもを焼き尽くしてしまう勢いで。

 

「そ、そうか……何だか、恥ずかしいな……♪」

 

目を逸らしながら呟いた言葉だったんだが、リインにはしっかり聞こえていたらしい。

何やら恥ずかしそうにはにかみながら綺麗な銀色の髪をクルクルと指に巻き付けている。

……知らぬは本人ばかりってか?仕草はグンバツに可愛いんだけど。

でもそんな事指摘する勇気も無ければ、指摘してリインを悲しませるなんて言語道断。

これから模擬戦するであろう皆様には多大な生贄となってもらいましょう、俺は逃げるがな。

 

「あー、んん!!とりあえず、向こうでウルトラ上手に焼かれた皆さんをここに連れてきてくれねーか?俺が一人づつ治していくからよ」

 

とりあえず俺は咳払いをしてこの微妙な空気をリセットし、リインに戦死者をかき集めてきてくれと頼む。

するとリインは嫌な顔一つせずに笑顔で「分かった。少し待っていてくれ」と、吹っ飛ばした人達を探しに行ってくれた。

……女神や、慈愛の女神がおる……同時に破壊の女神でもあるけど。

さて、それじゃあリインが戻ってくるまで休憩を……。

 

『ひっぐ……ぐす……助けてぇ……』

 

「ってうひゃおおおおおぉ!?何!?何なの今の声ぇ!?ク、クレイジーダイヤモンド!!」

 

ズギュンッ!!

 

瓦礫の中から聞こえてきた悲しみと恐怖に溢れた声にビビリながら、飛び跳ねて逃げる。

そのままクレイジーダイヤモンドを呼び出してジッとしていると、シクシクと悲しみに溢れた泣き声がががが。

こ、腰掛けてた瓦礫の下からメッチャ怖い声が聞こえてきたんですけどぉおおお!?

え?何?ここってスリーデェーの立体ビジョンじゃ無いの?

実は真昼間でも出てくる怪談的なストーリーがある曰く付きの演習場だったのぉ!?

恐ろしさで冷や汗が一筋、俺の頬をツツゥー、と伝わる。

しかも耳に聞こえる泣き声が一向に止まず、聞きたくもないってのに俺の耳にこびり付く様だ。

 

『しくしく……ここ、どこ?……えぐっ……寂しいよぉ……なのはぁ……なのはぁぁぁ……』

 

おいぃぃいいいい!?めっちゃ下手人の名前叫んでるぅぅうううううう!?

しかも思っくそ身近な人間なんですけどぉおおおお!?なのはって言ったモロ言ったぁああ!?

ま、間違いねぇ……ッ!?こりゃアレだ、一人で死んで寂しがって誰かを道連れにしようとする類の悪質なアレだよまさしく!!

リインの魔砲(誤字にあらず)で戦死者大量に出たから友達欲しくて出てきたヒッキーさんだよ!!

冥界への無料パンフ片手に初デートウキウキ気分で赤面しながら近寄ってきてそのまま引きずり込んじゃうアレだよこれぇ!?

っていうかこの様子だとなのはが第一被害者じゃね!?そんなの許せ……あれ?別にそれでも良くね?

し、しかしどうしようか……ッ!?さ、さすがに幽霊退治は専門外だぞ俺。

……こ、ここは一先ず、触らぬ神に祟り無しの方向で行きましょ……ん?

念の為にクレイジーダイヤモンドを出したまま後ずさる途中、地面に投げ出された1本のボロボロステッキを発見。

 

「……え?何でこんな廃墟みたいな設定の場所に、ボロボロとはいえこんな物が落ちてんの?」

 

未だに聞こえる泣き声が怖いがそれを押し止めて恐る恐るそのステッキの存在を良く見てみる。

全体的に細身のフォルムに黒とシルバーのカラーリングで、先端に黄色い宝玉が付けられたステッ――。

 

『……』

 

「……」

 

えっと……これ……バルディッシュだよな?

あれ?バル君がこんな所にあるって事は……。

 

『暗いよぉ……狭いよぉ……誰かぁ……禅くぅん……』

 

「フェェェエエイッッッッットさぁあああああああああああああああああああああんんんんんんッ!?」

 

『ドォラララララララララララララララララララララララララララァアアアアッ!!!』

 

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!

 

瓦礫の下に居る人物に思い至った瞬間、クレイジーダイヤモンドのラッシュで瓦礫を破壊しまくる。

掘り進む様にじゃなくて瓦礫を横向きに殴り付けてブッ飛ばす要領で。

ななな、なんてこった!?まさかフェイトさんがこんな瓦礫の下に居たなんて思わなかったぜ!!

っていうかその瓦礫に普通にケツ乗っけて落ち着いてたよ俺ぇええええ!?

ええい急げ!!マッハを超えろクレイジーダイヤモンドォオオ!!

俺の必死な思いが力となったのか、クレイジーダイヤモンドは最後の一番でかい瓦礫を華麗に蹴り一発で吹き飛ばす。

そして、瓦礫をどけた場所にポッカリと人が一人入れる程度の空間が――。

 

「ぐすっ……禅、君?」

 

「だ、大丈夫っすか!?フェイト……さ……?」

 

その空間に体育座りで顔を埋めていたフェイトさんを発見したが、俺はフェイトさんの姿を見て言葉を失ってしまった。

誤解の無い様に言うが、フェイトさんが特に酷い怪我をしていたからとかじゃない。

顔や手甲が所々煤けてる程度で、太陽の様な優しい輝きを持つハニーブロンドの髪も綺麗なままである。

俺がフリーズした理由は、フェイトさんの服装にあった。

涙をポロポロと零しながら呆けた表情を浮かべる彼女のバリアジャケットは、俺がさっき見た服装とは極端に違う。

 

「……うぅ……ッ!!怖かったよぉ……ッ!!(ヒシッ)」

 

「……」

 

俺と目が合うと、フェイトさんは涙を堪えて唇を真一文字にキュッと結びながら、力なく俺に抱き付いてきた。

普段のテンションの俺なら狂喜乱舞でヒャッハーレッツパァーリィーしてるトコだけど、フェイトさんの服装にショックを受けてそれどこじゃなかった。

やや軍服調っぽかったバリアジャケットはその姿を完全に無くし、彼女の身体を包んでいるのは……真っ黒いレオタードの様な極薄のバリアジャケット一枚。

それと膝上まで足を覆うニーソックスと、下腹部で交差する赤いベルトという出で立ち。

正直、露出狂、いや露出強な格好をする美女に抱き疲れてカチコチに固まるしかないんだよ。

しかもフェイトさんってばアルフと同じくらいのグラマラスなセクシー美女なんだぜ?

俺の肩に顎を乗せて泣くフェイトさんの髪の毛から漂う甘いアダルティな女性の香り。

そして俺の胸元に押し付けられる二つの豊満に育ったパイの実。

 

 

 

一言で言おう、エロい。

 

 

 

世界は違うけど、あの天使な可愛い可愛いフェイトが将来こうなるかもしれないと思うと……グへへ。

触らなくても鏡を見なくても、俺が今どんだけやらしい顔してるか判っちまうよ。

ふふふっ、見てみ?この雲一つ無い青い空も、まるで俺を祝福してくれてるかの様な天晴れな日本、いやミッドチルダ晴れ――。

 

「……アイツは、がくしゅーって言葉を知らないのかねぇ……ッ!!」

 

「うぅ……ッ!!未来の私ばっかり……禅のばかッ!!(今は他の人達を正気に戻そう、アルフ)」

 

メーデーメーデー、天使の怒りを確認した。

っていうかフェイトちゃんてば本音と建前が逆ぅ!!そんなおっちょこちょいなトコも可愛いけど!!

そしてアルフさん、爪を伸ばしたり縮めたりして待ち構えないでお願い。

 

「リ、リインフォースさんが、スターライトを使うって気付いて……無我夢中でこっちに逃げたら、光で真っ白になって……め、目が醒めたら、真っ暗で狭くて……ッ!!」

 

「……だ、大丈夫ッスよ。ちゃ、ちゃんと非殺傷設定だったし、もう終わりましたから」

 

俺の方は現在進行形で危機一髪ですけど!!

あれ!?何か上のブリッジから段々と黒いオーラが出始めてるんですけどー!?

こ、ここ、このままフェイトさんに抱きつかれてたら間違い無く俺の命がスターライトしちまう!?

まさか視線でも物理力でも無くオーラで俺の動きを阻害するとはなぁ……喜べねぇ成長だぜ。

ともあれ、自分の生命を守る為に、俺は慌てながらフェイトさんの治療を行う。

 

「ま、まずは一端落ち着きましょ?リラーックスリラーックス。俺が癒してあげますから、ね?」

 

しっかり抱き締められていた状態から肩に手をおいて優しく言葉をかけつつ、まずはメンタルケアを開始。

ゆっくりと身体を離して涙目のフェイトさんに笑顔を向けながら癒しの波紋を手に込めて、ゆっくりとフェイトさんの頭を撫でる。

撫でられるのがくすぐったいのか、フェイトさんは目を細めて「んっ……」と小さく声を漏らした。

さすがにこんな状態じゃまたトラウマになりかねんし、精神のケアはちゃんとしとかねーとな。

地面に女の子座りでヘタリこんでいたフェイトさんだが、波紋の効力で段々と強張っていた表情も和らいでいく。

 

「んぅ……(優しい、感じ……気持ち良い)」

 

「どうっすかー?気持ち良いっしょ、この波紋の力?」

 

「……うん……とっても……暖かいよ……」

 

「えぇ、えぇ。存分にぬくぬくしちゃってくれて良いッスよぉ~」

 

癒しの波紋の効果が効いてきたらしく、フェイトさんの声も大分リラックスしてる。

嬉しそうに微笑みながら目を細める姿は、無垢な少女そのものだ。

これぐらい落ち着けばもう大丈夫だろ。

 

「そんじゃ、お次に……クレイジーダイヤモンド」

 

俺は波紋を籠めた手で休み無くフェイトさんの頭を撫でながら、クレイジーダイヤモンドの手をフェイトさんの肩に触れさせる。

すると、身体中の小さな怪我からバリアジャケットの解れまで、全てが綺麗に修復された。

何度か目撃してるとはいえ、やっぱ自分で体験するのは感覚が全然違うんだろう。

フェイトさんは自分の身体を見下ろして驚いていたが、俺に向かってとても可愛らしい微笑みを浮かべてくれた。

 

「ありがとう……君は、本当に優しいね」

 

「いえいえ。これぐらいなーんて事は無いッスよ、HAHAHA」

 

その微笑みこそが最高の報酬です(キリッ)なんて言ったら間違い無く上から何か降ってきそうなので、心の中だけに止めておく。

とりあえず治療とケアは終了って事で、フェイトさんの頭を撫でていた手を離し――。

 

キュッ。

 

「……」

 

「ぁっ……」

 

離れようとした俺のコートの袖をちょこんと掴んで、恥ずかしそうに頬を染めるフェイトさん。

どうやら無意識だったらしく、自分で驚いた声を出す。

うんうん、咄嗟についってのはあるよね~。あるあるだよね~。

でもな~んで離してくれないんでせうか?

そしてフェイトさんは今度はチラチラと俺に何かを期待する様な目を向けてきなさる。

おかしい。何時の間に俺は萌えのユートピアに足を運んだんだろうか?

体は大人に成長したのに、男心を擽る愛らしさは、俺の世界のフェイトと変わらない。

そんな可愛さ爆発状態のフェイトさんに笑みを向けながら、俺はそっとフェイトさんの耳元に口を寄せる。

 

「後でこの続き、してあげましょうか?」

 

「○△&%$#:¥■×◎ッ!!?」

 

ポンッ、とか小さな音立てて耳まで真っ赤になりながら俯くフェイトさんテラ可愛えぇえええ!!

逸る心を感じながらジーッと見つめてると、フェイトさんは視線をあっちこっちに彷徨わせる。

その行為自体は大変クるモノがあるのですが……。

 

「っつうかフェイトさん。そのエロエロな格好は何なんスか?正直鼻血出そうなんですけど」

 

「エ、エロッ!?ち、違うよ!?こ、これは真・ソニックフォームっていって、無駄な装甲を無くして速度を追求したフォームで……」

 

「ギリギリまで装甲を減らした究極の……やっぱりエロイじゃないっすか!!」

 

「ち、違うもん!!えっちくないもん!!こ、子供がそんな事考えちゃ駄目なんだよ!!」

 

「エロイっすよ!!こんな太もも丸出しにしちゃう、身体にピッチリ食い込むバリアジャケット一枚なんて……フェイトさんはエロイな~」

 

「~~~~~~~ッ!!?」

 

俺の質問を聞いて真っ赤になりながらも、フェイトさんは反論していたが、遂にオーバーヒートしてしまった。

最早言葉にならない声を出して、両手で身体を隠しながら涙目で俺を切なそうに上目遣いに見てくる。

その赤さたるや、まるで顔から火が出そうな程に真っ赤だ。

今更ながらに羞恥心が湧いてきたのか……っつうか涙目になりながら反論する姿に胸キュンしちゃう!!

やっぱ可愛いよこの人ぉ!!いぢめると更に可愛さ倍増で二度お得ぅ!!

 

「ゼン」

 

「うっひょぉう!?」

 

萌え萌えなフェイトさんの行動に悶えていたら、背後から冷たい声を掛けられて驚きまくった。

慌てて振り返れば、そこには魔法陣の上にこんがり肉(ガールズ)をこんもり乗せながら、ちょっぴり頬を膨らますリインさん。

 

「……皆の治療を頼む」

 

「お、おおおおおっけぇい!?ま、任せんしゃいリイン!!やぁってやるぜぇ!!」

 

「……(じ~)」

 

止めてぇ!!そんな物欲しそうな目で見るの止めてよねリイン!!

アタシの身体は一つしか無いんだから!!もう!!

……おえっぷ。気持ち悪……やっぱり俺にオカマキャラは無理か。

 

「……はぅ」

 

夢見心地のフェイトさんの上気した顔が堪りませ、ゲフンゲフン。仕事しよ。

目の前でシューシュー煙を上げたこんがり肉女体盛りの山。

あんまり美味しくなさそうだけど。

皆さん唸ってたり目ぇ回したりしてるから死んでないのは確かだ。

しかし、ここまでやって死なないとは……いっそ殺してくれ、と思うのは俺だけだろうか?

 

「まぁ何はともあれ、さっさと起きていただきましょーか……クレイジーダイヤモンドッ!!」

 

地面に降ろされた死体の山に向かって、クレイジーダイヤモンドは拳を一人一発づつ当てていく。

すると、こんがりと良い色に焼けていた体の色が一気に回復して分かりにくかった人物の姿が顕になる。

その人物は頭を手で摩りながら起き上がり、俺に向かって頭を下げてきた。

 

「む、むぅ……まさか、全ての傷が治るとは……治療、感謝する」

 

「あ、そういや居たっけか。ザッフィー」

 

「ザッフィーじゃない。ザフィーラだ」

 

知らねぇよ、ってかぶっちゃけどうでも良いよ。

俺が最初に治した人物はヴォルケンリッターの黒一点、守護獣のザフィーラだった。

あれ?確かこの人皆の一番下に埋もれてたから最初に治したけど……っち!!女体の中に埋もれてやがったのか!!

羨ましいなぁチクショォ!!こちとら治療に忙しいってのによぉ~~!!

八つ当たり気味にクレイジーダイヤモンドの拳で適当に治療を終わらせていく。

 

「……」

 

「ん?どうしたんスか、なのはさん?何か違和感でも?」

 

「え!?あ、ううん!!な、何でも無いよ!!あ、ありがとう、禅君!!」

 

「??はぁ……?」

 

しかしその途中、治したなのはさんが何故か自分の手を見つめて信じられないって顔をしていたのが気になった。

だから聞いてみたんだが、何故か少し焦りながら誤魔化されてしまう。

まぁ本人が何でも無いと言うので、俺もその時は気にせず普通に治療をするしかなかった。

そして治療が終わる頃にはフォワードの皆さんも回復していたので、一度最初に居た会議室に戻る事に。

あぁ、それと言うまでも無いが、今回の模擬戦に対するレポート課題は無しになってました。

 

「……うん。リインフォース様と禅君の実力はよぅ分かったわ。フェイトちゃんとアルフさんの実力も問題ないみたいやし、明日から皆、外部協力者としてよろしゅうな?今日は皆疲れとるやろうし」

 

そして会議室に戻ってからのはやてさんの台詞なんだが、リインの敬称おかしくね?

現にリインも「!?」って驚いた顔してるし。

 

「ただ、禅君はなぁ……さすがに戦闘であんな戦い方されると、上に何言われるか分かったもんやないからなぁ……」

 

「ま、そうッスよねー!?管理局は魔法至上主義だからー!!俺如きの力は必要無いッスよねー!!ヒィイイイヤァァアアアアッハァアアアア!!」

 

「メチャクチャ嬉しそうだなオイ!?」

 

「よっぽど働きたくないのね……」

 

シャマルさんとヴィータが何かツッコミ入れてくるけど、そんな事は関係無いってな具合で俺は喜んだ。

もう人目が無かったらこの場でコサックダンスでも踊ってたかも。

そう、良く考えたら管理局は魔法の力を重視してる傾向がある組織だ。

それでなくとも市民の平和を守る管理局員が戦闘でフライパンやら葱を使うなんて問題だらけなのである。

つ・ま・り――。

 

「くっくっく。模擬戦した意味も労力も結局ナッスィング。マジ俺の努力返せよコラと思ってたが、好都合だぜ。早速明日から街に繰り出して、レェッツパァーリィー!!!」

 

「八神部隊長、あの邪悪な笑みを浮かべてる少年は一日中拘そ……保護すべきかと思いますが?」

 

「今拘束って言いかけへんかったか、ティアナ?まぁ私もあのちっこい獣を街に放つべきや無いとは思うんやけど……」

 

「本当に女の子に目が無いんだね……あっちのフェイトちゃん、苦労しそうなの」

 

「う、うん……そうだね(何だか今の禅君を見てると……胸が、凄くモヤモヤする……嫌な事を考えちゃう)」

 

「ぐぬぬ……ッ!!(ど、どうしようフェイト!?このままじゃ禅が街に……)」

 

「……大丈夫……私に任せて」

 

さーて、明日から忙しくなるぞぉ。皆が訓練中に行けば妨害される可能性も無い!!

これぞ橘流、勝利の方程し……き?

自由を得た喜びにうち震える俺だったが、ふと視界の端っこに見えた光景に違和感を覚えた。

 

「ごしょごしょ……ごしょごしょ」

 

「ふんふん……なぁ~るほどなぁ~」

 

そこでは、我が麗しのエンジェルであるフェイトちゃんがはやてさんの耳に何事かを呟いてる光景が広がっていた。

一体何を話してるんだ?とか思ってたら――。

 

 

 

――ニヤァ。

 

 

 

と、何とも不気味な笑みを浮かべたはやてさんと目があってしまった。

そのままはやてさんは何とも悪寒の走る笑顔を浮かべて、俺にゆっくりと近づいてくる。

え、何?なんでこっち来んの?何でフェイトちゃんそんなニッコニコしてんの?

 

「これも、お前の心をこれ以上他の女に向けさせない為……すまない、ゼン」

 

「ふっふーん。アンタはアタシ等の事だけ可愛がってくれれば良いんだよ♪逃がさないから覚悟しな、ゼ~ン♪」

 

そしてなんで俺はアルフとリインに後ろから抱き付かれて動けなくされてんのぉおおおお!!?

二人して何で子供形態で頬赤らめて嬉しそうに擦り擦りしてんの!?

や、やばい!?このままじゃ俺にとってよろしくない事が起きる予感がバリバリNO,1だぜ!?

しかも俺の体に抱き付いてる二人が可愛すぎて引き剥がす事を躊躇してしまうとは、何て恐ろしい布陣だ……ッ!?

目の前のはやてさんはブッ潰しても良いんだが、後ろのフェイトに危害がいったら自殺モンだから無理。

何て考え、迷ってる間にはやてさんは俺との距離を詰めてしまい……。

 

「ふふふ。なぁ、禅君♪君にピッタリの職場があるんや、ちと見学してもらおか♪」

 

「拒否権の有無以前に俺の意志すら無視!?つか既に決定事項ってどゆことーーーーー!?」

 

「んー。ちょっと時間過ぎとるけど、まぁ問題無いやろ。さ、君の職場に案内しよかー」

 

おかしい、既に職種まで決定されてるとか、あんたウチのフェイトちゃんに何を吹き込まれた?

そして何を吹き込んだのフェイトちゃん?飴あげるからお兄さんに教えて。

結局、俺は左右で幸せそうに俺の腕を抱いてるリインとアルフ、そして俺を見つめる笑顔のフェイトには逆らえなかった。

最早抗う気力も削がれ、俺は二人と腕を組んだまま、俺の職場という場所に案内されていく。

 

 

 

そんでまぁ、案内された職場なんだけど――。

 

 

 

「へいおまち!!人数考えろや殺す気ですか?とか思いながら作ったチキチキオムライスだ!!」

 

機動六課の中にあった食堂の調理スタッフでした。

簡単に言えば俺に六課の中で飯を作れという仕事内容だったのです。

しかし飯とは皆の腹に直接入る物なので、本当に料理が上手なのかテストする事に。

しかも皆一度お昼食べたから、そんなに多くない量の料理という面倒な品目を作る事になったんです。

模擬戦で疲れた俺に笑顔でそんな死刑宣告を放ったはやてさんを、何度チキンライスの具にしてやろうかと思ったぜ。

まぁ結局お世話になるので、隊長副隊長とフォワードの全員分の料理を拵えた訳だが……。

 

「ってちょっと待て!?これの何処がオムライスなんだよ!?チキンライスの上にオムレツが乗っかってるだけじゃねぇか!?これ完璧別の料理だろ!?」

 

「うわー……凄い食べ難そうなんだけど……っていうか何でこんな不安定そうなオムライスをそんな簡単に運べるの?」

 

「……あっ。これってひょっとして……」

 

「……え?嘘?これってまさかアレなんか?昔テレビとかで見た……」

 

と、俺の運んできたオムライスを見たヴィータとスバルさんが愚痴を零す。

だが、何人かはこのオムライスの形に見覚えがあるらしい。

なのはさんとはやてさんは料理してたり実家が喫茶店だから思い至ったんだろう。

他の皆は口に出していないが、概ね不満そうな表情を浮かべてる。

心優しいフェイトさんやエリオ君にキャロちゃんは不満というより、何処か不安そうだ。

しかぁし。この俺がそんな中途半端な料理を出すわきゃ無いでしょうが。

 

「あぁ、すいませんね。それまだ完成じゃねぇんスよ」

 

不満を垂れる二人にそう言いながら、俺は包丁を持って一番近い席のヴィータの傍に立つ。

俺の傍に立つクレイジーダイヤモンドの片手には、一つの鍋が抱えられている。

これから行う二つの動作を終えてこそ、俺のオムライスは完成するのだ。

 

「では、失礼して……」

 

「あ!?おい、何すんだテメー!!」

 

「まぁまぁ。仕上げをご覧じろってね?……ほい(ストン)」

 

チキンライスの上に乗せられたオムレツの端に包丁を入れる。

自分のオムレツに手を出されたヴィータは怒るが、それを宥めながら包丁を倒すと――。

 

「え!?」

 

筋を入れた真ん中から綺麗にオムレツが割れて、ふわとろの半熟卵が姿を現す。

外の焼けた生地を外向きに開いて、半熟卵のふつくしいベールがチキンライスを覆ってしまうのだ。

さっきまでツルッとした卵が味気なく乗っかっていた料理は消え失せ、トロトロの半熟卵が涎を誘う。

この魅惑的で幻想的な一瞬の出来事にヴィータや他の皆も言葉を失うが、まだ終わりじゃねえ。

皆の驚く様を見てニヤリと笑いながら、俺はクレイジーダイヤモンドを操ってお玉で鍋のソースを掬う。

 

「ここに、甘さを抑えたこのデミソースをたぁっぷり掛けて……これで、完成ッス。どうぞご賞味あれ」

 

呆然とするヴィータにそれだけ言ってその場を離れた俺は、1人1人の卵をご開帳してソースを掛ける肯定を繰り返す。

その反応はこれまた其々違い、エリオ君とかキャロちゃん辺りは目をキラキラと輝かせていた。

やがて、全員分の卵を割ると、さっきからウズウズしていたはやてさんがいの一番にスプーンを手に取る。

 

「ほ、ほんなら頂こうか?橘君の料理の腕前、しかと採点させてもらうで……ッ!!この世の全ての食材に、感謝を込めて――頂きます」

 

あんたは何処の美食屋だ。

そんな突っ込みを心中のみでしつつ、俺もリインの隣に座って、オムライスにスプーンを突っ込む。

他の皆もはやてさんに倣って「頂きます」と唱えると、各々スプーンを入れ始めた。

 

「お、おおぉ……ッ!?スプーンからも伝わってくるでぇ……ッ!?清々しいまでのティキンライスのパラパラ加減が……ッ!!」

 

「ここに半熟トロトロの卵がかかる事で、上品な卵の優しい香りとチキンライスの濃厚でパンチの効いた香りが見事にマッチしますぅ……ッ!!」

 

口に運ぶ前にスプーンで掬った一匙を見ながらそんな事を呟くはやてさんとツヴァイ。だから何処の美食(以下略)

主従は似るって言うけど、ここまで似た者同士ってのも珍しくね?

まぁ食事は目で見て満足するものじゃないので、見た目の感想も程々に、二人はそれを口に運ぶ。

 

『『『『『……』』』』』

 

沈黙。

誰も彼もが俺のオムライスを口に運んで間を瞑りながら、ゆっくりと咀嚼を続ける。

その間誰も喋らない事で、何とも重苦しい静寂が食堂に漂い――。

 

『『『『『……美味い』』』』』

 

ただ一言、それだけ呟いて、蕩けきった目を開いた。

 

「んぅ……何と濃厚な味わい……ッ!?幾つもの食材の味が如実に引き立ち、味のハーモニーを奏でている……ッ!!」

 

「でも、しつこくない……程良く味が締められて、まろやかな卵が口の中で蕩ける様にスッと味わえるわ……」

 

「このデミソースも、濃厚な色合いとは真逆に、何とも優しく繊細な味わいだ……」

 

「ガツガツガツッ!!」

 

「これはッ!!スプーンッ!!進めずにはいられないッ!!!」

 

守護騎士の面々は全員もう美食四天王で良いんじゃないだろうか?

そしてはやてさんは何をシレッとディオっていやがるんですか?

ヴォルケンリッターの面々は約一名以外は称賛の言葉を述べながら、一口づつ味わう様に口の中に運んでいる。

他にも、フォワードの皆さんには大ウケしていた。

 

「美味しい!!すごく美味しいよ!!ね、ティア!!」

 

「うっさいバカスバル!!もうちょっと静かに食べなさいよ!!……ま、まぁ、美味しいのは認めるけど……」

 

「んぐんぐ……パンチの効いたチキンライスの力強い味が、ドンドン食欲を刺激して……食べても食べても、もっともっとって胃袋に直接訴えかけてくる……ッ!!」

 

「はわぁ……こんなに美味しい食事があったなんて……」

 

『きゅる~♪』

 

スバルさんとエリオ君は笑顔で大絶賛だし、ランスターさんも満更では無さそうだ。

キャロちゃんも何か微妙に涙ぐみながら食べてるんだが……。

それよりさっきからスッゴク気になってる事があります。

キャロちゃんの隣で美味そうにオムライスを食べてるちっちゃなトカゲは何さ?

何か良く見たら羽、生えてるやないかい。

俺の視線で気付いたのか、キャロちゃんはにっこりと微笑みながらそのトカゲ(?)を手に乗せて俺に向けてくる。

 

「あっ、紹介が遅れましたけど、この子は私の召喚獣。ドラゴンのフリードです。フリードも禅くんの料理、美味しいって喜んでます!!」

 

『きゅるる~♪』

 

「さ、さいですか……」

 

トカゲじゃなくてドラゴンとは……最早なんでもアリだな、異世界よ。

そして、なのはさんとフェイトさんの仲良し二人組はというと……。

 

「内側にひっくり返った卵の舌触りも、まるで上質な絹のベールを思わせるくらいに優しくて柔らかい……焼き過ぎて固くも無く、柔らかすぎて崩れる事も無い……これは、喫茶店のレベルを遥かに凌いでるの……ッ!!」

 

まず、なのはさんは皆と同じで概ね満足している様だ。

驚愕に目を見開きながらも、口元が弧を描いてドンドンとその口の中にオムライスが消えていってる。

まぁ、実家が喫茶店だから舌がとても肥えてるんだろう。

実際は俺達の世界のなのはも、味には中々うるさい一面があったし。

さて、一番気になるフェイトさんは……。

 

「……ぐすっ」

 

アイエェエエエ!?泣いてるぅ!?泣いてるナンデ!?アイエェエエエ!?

 

「も、もしかしてお気に召しませんでした!?」

 

焦って声が上擦ってしまうが、フェイトさんは泣きながらも俺の問いに首を横に振る。

そして、涙を一筋流しながら俺に微笑んだ。

 

「……お、美味しいよ……ちょ、っと、ね?……む、昔、カロリーメイトだけ食べてた時の事、思い出しちゃって……」

 

「OH……」

 

少し儚げに微笑むフェイトさんの言葉を聞いて、俺は何とも言えない顔になってしまう。

そういえば、そんな時期もあったなぁ。

俺の世界のフェイトは俺が出会った事もあって、直ぐに美味しい食事をしてたからすっかり忘れたんぬ。

片方が涙ぐみながら食事してるというのに、俺の世界のフェイトちゃんってば幸せいっぱいって顔で食べてるッス。

同じ人物なのに何だこの違い。

まぁそんなカオスがあったりもしたが、元々少なめに作った事もあって、皆も徐々に完食。

うむうむ。満足してもらえて何よりだ。

 

「ゼーン♪」

 

「残念ながらお代わりは無えぞ」

 

「」

 

ソースすら残さず完食したアルフにそう答えると、がーんという表情で固まるアルフ。

フフン。俺の自由を奪ったんだ、幾ら可愛いからってなぁ……。

 

「その代わりデザートに俺特製の和風豆乳パンナコッタを用意してあるから、それで我慢してくれ」

 

「わーい♪」

 

デザートぐらいしか出してあげませんからね?

子供っぽくはしゃぐアルフの姿にほっこりした気持ちになりながらデザートを食堂に持ち込む。

そして、「ふう……」とオムライスを目一杯堪能したはやてさんが一息ついた。

そのギラギラした獣の様な瞳は既に、俺の配るデザートのパンナコッタに注がれている。

 

「時間がなかったんで、短時間で作れるデザートにしました。豆乳を使ったパンナコッタに黒蜜をかけてあります」

 

「ほほう?これはこれは……見た目は合格やな~……でも、肝心の味は、厳し目に評価させて貰うでぇ!!」

 

あ(察し)

 

「うンマァーイッ!!!!!この味は!!プロの味やで!!橘禅んんんん!!」

 

フラグ回収っと。っつか、結局あんたは美味ければ何でも良いんかい。

っていうかこんなくだらない場面でブチャラティさんの名台詞使うんじゃねぇ。

こちらのデザートの方も皆さんには大受け。

しかも豆乳を使ってるからカロリーも高くないという俺の言葉に、女性陣は皆一様に目を光らせていた。

 

「禅くん。今日の夜から早速キリキリ働いてもらうでよろしくな♪」

 

「解せぬ」

 

すっかり綺麗に平らげて満足したはやてさんが顔をキラキラさせながらそんな戯言をのたまう。

明日からじゃないの?俺には休む暇すら与えられないのだろうか?

 

「さあて。美味いモン食べてリフレッシュ出来たし、皆も午後の仕事、頑張ろか♪」

 

『『『『『了解!!』』』』』

 

了解、じゃねぇよ。

はやてさんの号令の後、口々に「美味しかった」とか「ありがとう」とか言って食堂から去っていく。

フェイトやリインにアルフ、そして未来のフェイトさんはさすがに俺が不憫に思えて手伝おうかと申し出てくれたのだが、その気遣いも悪魔(はやて)の言葉で儚く散ってしまう。

曰く、これから3人は外部協力者としての登録や六課隊舎内の案内。

そしてフォワード組の特訓の手伝い等と、こっちもやる事が盛り沢山との事だ。

さすがにそんなにやる事のある皆に手伝ってくれと言える訳も無く、俺は食堂のおばちゃんチーフに引き摺られて、夕食の仕込みを手伝うしかなかった。

 

 

 

おんのれ、はやてさんめぇ……何時か必ず目にもの見せちゃる。

 

 

 

「はいはい!!手ぇ止めてんじゃないよ、坊や!!」

 

「うい!!すんまっせん!!」

 

ニカッと白い歯を見せて笑うはやてさんへの仕返しを考えながら、俺は夕食の仕込みの野菜の皮剥きに精を出すのだった。

 

 

 

 

後書き

 

 

ヤバイ

 

長いことヒロインとのイチャイチャ書いてなかったから、反動で書き難い(;・∀・)

 

 

 


 
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