No.724756

義輝記 星霜の章 その二十参

いたさん

義輝記の続編です。 よろしければ読んで下さい。

2014-09-30 20:00:24 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:811   閲覧ユーザー数:761

【 茨砦 攻略へ! の件 】

 

〖 兗州 烏巣付近 茨砦内 にて 〗

 

深夜 丑三つ時………

 

パチリ!

 

部屋の中で半眼で正座をしていた、劉焉の目が開いた!

 

劉焉「誰ぞある! 敵が来たようだ! 迎撃準備を開始せよ!!」

 

晋兵「はっ、はいっ!」

 

劉焉の部屋の外に控えていた不寝番を呼び出し、敵襲来を告げて準備を急がせる。 劉焉自身も……傍に置いてあった剣を取り……呟く。

 

劉焉「………ぐっ! 私の封印していた左手のナニか蠢いている! まだ……早い! まだ早いんだ!!」

 

そして、一生懸命『右手』を『左手』で抑え付けていた。

 

劉焉も皇族の血筋を引く者。 その為、例の病に罹病している。

 

……………絶賛……『中二病』発症中である。

 

★☆☆ 

 

〖 兗州 烏巣付近 にて 〗

 

何進達が将を引き連れ、斥候に出てきた。

 

本来なら……最高位の将軍がやる必要では無いが、念のため実際に様子を見てみたいと言い張るので、将を護衛として鳥巣砦の様子を見にきたのだ!

 

何進「まずは、斥候を率いて様子を見るか。 三太夫の情報が間違いは無いと思うが、聞くと見るとで戦場の様子は様変わりする! 無駄な犠牲を無くす為には必要不可欠だったな……穏よ?」

 

穏「そうです~! 三太夫様の話によれば、白装束の兵は居なかったとの事ですが、急に現れる可能性もあります! 下手に大軍で攻めて、前に晋軍後ろに白装束で囲まれ、サクッと討たれてしまうなんて困りますからね~!?」

 

桔梗「そのため、一騎当千の我々だけでか……。 大胆だが悪くは無い!」

 

紫苑「私は……焔耶ちゃんと迷吾君に留守を任せて、些か心配何だけど……」

 

阿貴「迷吾も王の一人! 一見タダの脳筋にしか見えませんが、羌族の王としての実績もある脳筋です! ですから、何かしらあれば、焔耶様と共に打ち破って下さいますよ! 紫苑様!」

 

穏「何か~真綿に針を入れたような言い方ですね~?」

 

そんな事を小声で言い合いながら、鳥巣砦を見渡す。

 

高さが城の城壁並みにあり、茨の厚みは中の様子が分からない程。 完全に壁であるが、材料は『生えている茨』である事は……間違いない。

 

阿貴「では……試しに!」シューン! ザシュ!

 

阿貴が茨を抜くても見せず、居合いで斬り落とす! 

 

数本の茨が斬られたが……あっという間に切断箇所より伸び続け、元の状態になる。 復元能力が異常に早い為、何進達は驚く!!

 

阿貴「────なんて茨だ! こうも早く伸びるなんて、火計が本当に出来るものなのかぁ!?」

 

何進「…………天城の策を信用するしか────!?」

 

ザッザッザッザッ……………

 

??「やれやれ! どこの鼠が入ったと思えば……『牛と犬』が来たようだね。 厳顔、黄忠……そして何進………!」

 

白銀の鎧を着用した『劉焉』が数千の晋兵と共に、姿を見せた。

 

 

◆◇◆

 

【 双極火牛の計 の件 】

 

〖 司州 河南尹 鶏洛山付近 にて 〗

 

亞莎「あ、ああ合図の旗です! 兵士さん達、お願いします!」

 

明命「柵の出口を解放して下さい!!」

 

ーーー

 

左近「全員! 火を付け終われば──山腹に逃げろよ! 私は『鬼』と言うものを、アイツらに教えてから逃げ込むからな!」

 

ーーー

 

『防塁』の目の前で進軍が出来ず、後ろから攻められ、身動きが出来なくなった鳥丸兵。 馬から降りて柵を破壊しようとする者も居たが、隙間から攻撃される槍衾に、敢え無い最後を遂げた。

 

そんな折り、左右の森から『火牛』の群れが突撃してきた!

 

角の部分に短剣を付け加え、尻尾には乾いた草束をくくりつけ、目を血走りながら向かう牛達! 左右の火牛達の攻撃に為す術が無い鳥丸兵!

 

鳥丸兵「まぁ、ままままま待てぇーーぐぼぁ!!」

 

鳥丸兵「馬鹿なぁぁぁぁーーーーー!!」

 

ーーー

 

明命「───亞莎! 行くですよ!」

 

亞莎「あ、天城様達を置いて行くの、明命!?」

 

明命「──約束したからです! たとえ……虚言と分かっていても、私達の身を心配してくれた『天の御遣い達』の心使いを無にするわけには! だから、私達は、雪蓮様達の元へ戻るのですよ!!」

 

亞莎「うん! 必ず───助けに参りますから! 待っていて下さいね!!」

 

ーーー

 

左近「どけどけぇ───!! 貴様等如き未熟者共が、我らを倒せるかぁ! 身の程を知れぇぇぇ!!!」

 

牛の群れに紛れ襲いかかる島左近! 目が赤く光り、常人と違う様子に慌てふためく鳥丸兵!

 

細身の女性の筈だが、速さ、威力、反応は……大の男を蹴散らし、更なる恐怖を巻き起こす! 牛も、その姿に感化されたのか、暴れ方も派手になる!!

 

鳥丸兵「う、牛の群れの中に女──だと!? グヘッ!」

 

鳥丸兵「せぇーいぃ! ん? 斬った筈が………ゴボッ!」

 

左近「ふっ! 弱すぎて相手にならん! ────ん!? 来たか! 本隊が来たぞ! 引けぇ!! 引けぇぇ!!!」

 

ーーー

 

しかし、久秀達の姿を見つけると天城達は退却始める! 左近も何度も振り返りながらも、柵を乗り越えて…………颯馬の後へ続く!

 

残ったのは、死傷した鳥丸兵達と侵入を阻む防塁だけだった。

 

★☆☆

 

久秀「なるほど。 久秀達を誘い込んで罠を仕掛けるなんて、狡賢くなったものね……颯馬?」

 

于吉「ここの台詞は『お主も悪よのう~』と言うのが正しい言い方ですよ?」

 

順慶「何をおかしな事を! 早くあの防塁を破りましょう! なんなら私が──あっ!?」ガクガクガクッ! 

 

左慈「……待て。 俺が破壊してやる! 近頃、暴れていなかったからな!」

 

順慶「───老師?」

 

于吉「もぅ~左慈ったらツンデレなん…………」ガシッ!

 

左慈「『于吉人手裏剣』!!!」ブゥーン!!

 

左慈は、于吉の足を持ち───回転させて投げ捨てた!

 

于吉「あ~れぇ~!!」ドゴォォォーン!!!!

 

猛速度回転する于吉は────防塁の一部を破壊した!!

 

久秀「今よ! 防塁を越えて侵入なさい!!」

 

晋兵『は─────っ!!!』

 

こうして………于吉の尊い犠牲により、防塁を抜ける事ができ………! 

 

于吉「久々に左慈から『愛の洗礼』を受けました! うぅーん!  肩凝りが消えましたね!( ´∀`)」

 

左慈「ちぃ! 生きていやがったかぁ!!」

 

久秀、順慶「「 …………………… 」」ハァー

 

顔をツヤツヤさせた于吉が、防塁の残骸から笑顔で手を振り出てきた。

 

左慈は嘆息しながら上を向き、久秀と順慶は……顔を見合わせ溜め息をついたそうだ。

 

 

◆◇◆

 

【 ここの劉焉は、こんな人 の件 】

 

〖 兗州 烏巣付近 にて 〗

 

紫苑「ま………まさか、貴方様が!?」

 

桔梗「劉焉様………そのお姿は如何に!?」

 

何進「…………………………」

 

劉焉「ふん! お前達のような悪の巨乳人達に話す必要がないけど……大将軍が居る手前だ。 話してやってもいいよ! ………但し、貴様等は僕から一丈(約2㍍)範囲に入るな! お前達が居ると……僕の繊細な神経が悪くなる!」

 

桔梗「ぐっ───!」

 

紫苑「待って! ここは劉焉様に従いましょう………」

 

何進「待て! 儂の傍から離れるな! …………現漢王朝大将軍『何進』の命令だ! 一緒に聞かせて貰うぞ!! ──────劉焉!!!」

 

桔梗、紫苑「「────閣下!!」」

 

劉焉「……………確かに、身分で言えば何進! 君の意見が正しい! 仕方がないから大人しく語らせて貰うよ! 今は────ね?」

 

何進「阿貴、穏! お主達も聞いていい! 傍に居てくれ!」

 

『はっ!!』

 

何進の傍に桔梗、紫苑、阿貴、穏が寄り添う。

 

劉焉「………君は……全くもって嫌がらせの天才だよ! 異民族や新しい巨乳人を連れて、この場に現れるなんて……。 やはり、松永卿に付いたのは正解だった!! あの方の性格は勿論、慎ましい胸も……とても素晴らしい!!」

 

そう言いながら、劉焉は話した。

 

☆★☆  ☆★☆  ☆★☆

 

益州から護送される途中、左慈に救われた事。 

 

その左慈により………若返った事。 

 

久秀の胸は……実に理想的な大きさで、神の芸術に近い素晴らしき物である事。

 

☆★☆  ☆★☆  ☆★☆

 

劉焉「………僕はね、益州に赴任していた時に決めていたんだ! 正義の貧乳人の為の国を作ろうとね? だから、貧乳の将を配下に入れようと……色々頑張ったんだよ! 洛陽に演説に言ったり、勧誘に出向いたり………!」

 

劉焉は、声高々に自分の政策を挙げるが、破廉恥過ぎて削除。

 

そこまでは、自慢気に話していたが……急に桔梗達を指差すと憎々しげに叫んだ!

 

劉焉「………そんな僕の活動は……この二人に邪魔された! 折角……勧誘して来てくれたのに……厳顔や黄忠の胸を見て───全員辞退するんだよ!? 僕の夢、希望、努力は──いったい何だったんだぁぁぁぁ!」

 

劉焉は大粒の涙を流して……泣き叫んだ!!

 

ーーー

 

桔梗「儂等が疎まれていた理由が………これか?」ムニュ!

 

紫苑「………そうみたいね。 納得し難いけど………」

 

穏「そんなぁ~! 好きで大きくなった訳じゃないのにぃぃ!!」

 

ーーー

 

劉焉「五月蝿い!!! それから後……僕は天から見放されたと悟り、絶望して閉じこもったんだ! 何時しか……貧乳の世界が来ると信じて!! そして、時は遂に来た! 神の遣い『松永久秀』卿が僕を導いたんだ!!!」

 

そう……言い終わると……劉焉は何進に叫ぶ!

 

『 君は僕を侮辱した! 万死に値する行為だ!! 』と!

 

劉焉「………何進! 君は僕に対して許せない事をしたのだよ! 一つ…貧乳の軍師を手に入れた事、二つ…僕の代わりに益州を手に入れた事、三つ…目の前に現れ、僕の野望を再度潰そうと動いた事だ!!」

 

劉焉は、配下の兵に『何進達の死刑宣告』を命じる!

 

劉焉「全軍、この不届き者達を────殺せ!!!!」

 

劉焉の背後の晋兵が───何進達に襲いかかった!!

 

 

◆◇◆

 

【 天の国の策 の件 】

 

〖 司州 河南尹 鶏洛山付近 にて 〗

 

準備が完了した小太郎は、逃走してくる洛陽兵に伝える!!

 

小太郎「皆さん!! 『目印』のある所に乗らないで下さい!」

 

小太郎は『天の国の策』を実行した折り、目印を立てた。 

 

そこには『風車』が刺してある。 

 

風が吹けば……カラカラカラと、寂しげな音が鳴り響く。

 

洛陽兵「風魔様の目印だ! 避けて通るぞ!!」

 

洛陽兵「踏むと死ぬぞ! 絶対に避けろ!!!」

 

その策は……何なのか事前に知らされていた洛陽兵は、それぞれ言い合いながら、その場所を避けた。 風車は、そんな様子を気にもせず……クルクルと回り続けていた。

 

★☆☆

 

晋兵「こんな所に……風車(かざぐるま)が……」

 

防塁を抜け出した一人の晋兵が、風車を見つけて拾った。 

 

当時には植物の葉で作った児戯の風車が一般的。 それが、珍しい……色紙で出来た綺麗な風車が落ちているなんて………。 

 

世の好事家が見れば、間違い無く…高値を付けても欲しがる逸品である。

 

鳥丸兵1「おぉい! 良い物もってんな! 俺に寄越せよ!? んん~? 何だぁ~その不満そうな顔は? あぁ……勿論タダとは言わねぇよぉ!」

 

居丈高な物言いを吐く鳥丸兵は、腰に付けていた剣を抜き出し、刃を晋兵に向ける! 驚愕な表情を浮かばす晋兵に向け、にやけた顔で鳥丸兵は言い放つ!

 

鳥丸兵1「お前の命と引き換えだぁ! 断れば、殺して奪うまでさ!!」

 

不満たらたらな晋兵は……風車を渡し……先を急いだ!!

 

鳥丸兵1「ふん! 素直に渡したから殺されずに済んだんだ! 感謝して貰いたいもんだぜ! くくくくくくっ!!!」

 

そう言って嗤い顔を浮かべ、手に取って回す。

 

カラカラカラ……  カラカラカラ……

 

風車は風が送られるたびに回る。 

 

鳥丸兵2「良いものが手には入ったな!?」

 

鳥丸兵3「上手い事やったじゃねぇか! 俺にも何か奢れよ!」

 

鳥丸兵4「俺も俺も…………!」

 

鳥丸兵1「分かってるよ! この戦が終われば────!!」

 

そう言って、一歩……風車の置いてあった地に踏み込んだ!

 

  『カァ────────!』

 

鳥丸兵1の居た所に『猛烈な爆風』と『耳をつんざく爆裂音』! 

 

そして……血だらけで四肢が吹き飛んだ鳥丸兵1、爆風で弾き飛ばされ、息絶えている他の鳥丸兵が……爆心地より少し離れた場所に倒れていた!

 

鳥丸兵1「な……何が………あったん………だ……?」ガクッ

 

▽▼▽  ▽▼▽  ▽▼▽

 

風魔流忍術

 

《 埋め火の術 (うずめびのじゅつ) 》

 

木箱に調合した火薬を入れて置き、蓋に火縄を取り付けて埋める。

 

現在で云う《 地雷 》を指す。

 

相手が知らずに、その上に乗ると……重さで火縄と火薬が接触、爆発を起こす! 各忍びの流派により工夫がしてあるが、風魔では目印に『風車』を立てる事が特徴の一つ。

 

理由は不明だが……死に逝く者への手向けの花だ……と言う説がある。

 

△▲△  △▲△  △▲△

 

ーーー

 

晋兵「な、何が………『ミシッ』───あっ!?」カラカラカラカラ

 

『カッ──────!』

 

ーーー

 

晋兵「何だ! 何の音『ベキッ!』───へっ!?」カラカラカラカラ

 

『カッ────!』

 

ーーー

 

晋兵、鳥丸兵達は………大混乱に陥った!!!

 

 

◆◇◆

 

【 南蛮の技術と援軍 の件 】

 

〖 兗州 烏巣付近 にて 〗

 

紫苑「させない────っ!」シュッ!

 

桔梗「やらせるかぁ!」ドシュ!

 

ーーー

 

晋兵「ニヤッ!」────カンッ!

 

晋兵「ヘヘヘッ!」───ゴンッ!

 

紫苑や桔梗が颶鵬や豪天砲で反撃するが、晋兵には通じなかった!

 

劉焉「愚かな………。 ここの守備は、この僕が束ねているのだよ!? 益州で滞在した際、耳にした『藤甲鎧』を着用させてある! 矢を弾き、槍も剣も通じぬ『藤甲鎧』に……どう対抗するのかねぇ?」

 

阿貴「『カンッ!』─────! 駄目か! 私の刀も通じぬ!!」

 

阿貴も……居合いを使い斬り倒すようにするが、弾き返されてしまう!

 

ーーー

 

穏「どうしましょう~? どうしましょう~!?」オロオロ! オロオロ!

 

何進「………儂が殿を引き受ける! お前達は逃げろ!!」

 

桔梗「馬鹿な事を! 閣下こそ我が軍の要! 命の軽重を間違えなさるな!」

 

紫苑「えぇ! 愛した人を先に亡くす悲しみなど……二度も味わいたくありません! 私達に構わず───早く御逃げ下さい!!」

 

阿貴「何進様方! ここは……私が抑えます! 貴方達に我が部族の命運を託しますから、早く! 早く逃げて下さい!!」

 

ーーー

 

互いに互いを庇っている間に、素早く動かれ……槍で四方を囲まれた何進。

 

劉焉「………何と女々しい有り様か。 サッサと誰かを置いて逃げれば助かったものを。 あぁ───無様、誠に無様! それしか言い用が無い!!」

 

何進「何をほざくかぁ───────うぐっ!」

 

何進が叫ぼうとするが、周辺を包囲され……槍を突きつけられる何進達に、逃れる術は無かった!

 

劉焉は自分の顔に手を当てて、首を横に数回振り続ける。

 

劉焉「ふむふむ。 まぁ……これは、そのような将達を配下に選んだ……何進が悪いと云うべきかな! まあぁ、自業自得としか云えないけどね──?」 

 

自分の動作に酔いしれながら………踊り子のように一回転して……何進達に指差しす。 睨みつける桔梗達を庇うように、前に出る何進と阿貴!

 

劉焉「まぁ~いいよ! 僕は優しいからさ! 一斉に攻撃して、仲間と一緒に天の都とやらへ導いてあげる。 兵士諸君、おやりなさ───!?」

 

劉焉が最後の指令を出そうとした時……甲高い声が響く!!

 

『あぁぁぁ────! だいおー様ぁぁ! 何進を見つけたのにゃ!!』

 

★☆☆

 

一同が驚き、声が挙がった場所を見ると………!

 

美以「ふふぅ~ん! みぃ達を置いて……皆で美味しい物を食べようなぞ、例え何進が許さなくても……このみぃが許すのにゃ!」バーン!

 

シャム「だいおー様! かっこいいにゃ!!」

 

トラ「だいおー! かっこいい!!」

 

ミケ「かっこいい………へぃ」

 

南蛮だいおー孟獲こと真名『美以』が………のけぞりながら立っていた!

 

ーーー

 

何進「も、孟獲達!! 何で……お前達が!?」

 

三太夫「俺が案内してやったんだよ! 何進の旦那!」

 

桔梗「三太夫! お主がか!?」

 

三太夫「あぁ! 益州勢を追いかけてくる、謎の勢力があるもんだから、ちょっと調べてみたら、何の事はねぇ……美以達だったんだよ! で、桔梗の姐さん達の危機だからさぁ! ちょっと、手助けして貰ったんだ!!」

 

ーーー

 

劉焉「な、何という事!? 猫耳、肉球、猫尻尾、幼児体型と萌えの要素が、これほどまで詰まった将等を……何進如きの配下に置くなんてぇ!? 許さない! 許さないよぉ!? 何進! 君から血祭りにして───!?」

 

ーーー

 

美以「うにゃ──! こんな所に『爪とぎ器』があるにゃ!」

 

南蛮兵『にゃ────!!』

 

晋兵「や、止めろぉぉ! 止めてくれぇぇ!!」バリバリ!

 

南蛮兵「にゃー! にゃー!!」

 

晋兵「藤甲鎧があぁぁ!!」バリバリ!

 

南蛮兵「ふにゃ──────!!」

 

晋兵「コ、コイツら! 我慢ならねぇ! 躾をしてやるぅぅ!!」

 

劉焉「お待ちなさい!! この者達を攻撃してはなりません!! 萌えを集約した未曽有の体現者達! 怪我をさせず……振り解くだけになさい!!!」

 

劉焉のとんでもない命令に慌てふためく晋兵達。

 

ーーー

 

三太夫「旦那! 呆けてないで逃げるぜ!!」

 

何進「孟獲達は大丈夫なのか!?」

 

三太夫「………見ての通りさ。 それよりも、この混乱が収まれば、俺らが危ない! 早く退却しないと!!」

 

何進「よし! 皆の者! 撤退するぞ!! 急げ!!!」

 

『はっ!!!』ダッ!

 

ーーー

 

晋兵「ま、待てぇぇ!!」

 

美以「むふふっ……良い感触にゃ~! 久しぶりにみぃの爪が綺麗にとげるにゃー!! えいっ! やぁっ!」バリバリ

 

晋兵「えっ!? こ、こらぁー!! お、俺の藤甲鎧が~!?」

 

ーーー

 

劉焉「くぅ~! 千万一隅の好機に、千万一隅の遭遇が重なるなんてぇ! なんて運が良い男でしょう!」 

 

劉焉は端正な顔を怒りで歪めるが───急に笑顔になった。

 

劉焉「まぁ……いいや。 今は見逃してあげる。 だけどね……何進! 次に相見える時、君と君に従う将諸共──皆殺しにして、その顔を……血化粧で飾ってあげるよ!」

 

三太夫の案内で逃走する何進達に向かい、『全員抹殺』を宣告する劉焉!

 

何進「人を人と思えぬ貴方に……上に立つ資格など無い!! 降りかかる火の粉が皆に来るなら───この儂が、火元から消し去ってやる!!」

 

桔梗達『……………………!』

 

美以達の活躍で、何進達の危機は脱出できたのであった!

 

ーーーーー

ーーー

ーーー

 

美以「うにゃー!! 存分に堪能したのにゃ! 皆、何進の所に戻り、美味しい肉料理を頂戴するのにゃ!!」

 

南蛮兵「にゃーにゃー!」ゾロゾロゾロ

 

……………………

 

残ったのは、ボロボロになった自慢の藤甲鎧、疲れ果てた晋兵達。

 

そして……噂に聞いていた『南蛮の猫娘』達を存分に愛でまくり、撫でまくった劉焉は、至福の表情を見せていたと云う。

 

 

ーーーーーーーーー

ーーーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

前作投稿後に、アイデアが浮かび……書いてたら完成しましたので、投稿します。 今度は、早く出来るかわかりませんが、その時は宜しくお願いします。


 
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