咎を受けし御使いの最後の旅~二人の御使いと二人の劉備~
黄巾の乱
とある町、そこは黄巾の群れに囲まれて陥落も時間の問題かと思われる状況であった。そこには夏候の旗と共に楽、李、于の旗がなびいていた。
夏候淵「楽進、于禁、李典、状況はどうだ!」
于禁「西の門はかろうじて抑えられてるの~」
李典「北門はなんとかなっとる。」
凪「東、南共に抑えられていますが、南門の方が敵兵が多いですね。」
夏候淵「敵の数は各門3千人から4千人と言う所か?」
凪「後続が各門2千から3千。敵は2万から3万未満と言う所です。」
夏候淵「まずいな・・・」
李典「夏候淵様、もう一つ懸念が・・・」
夏候淵「なんだ?」
李典「南門なんやけどな?あれ、材料が少なくて簡単なもんしか作れんかってん。」
夏候淵「つまり、兵になだれ込まれたら・・・」
李典「ちょい、心もとないわ。」
凪「夏候淵様、南門は私が守ります。夏候淵様は東門をお願いします。」
夏候淵「ん?大丈夫なのか?」
凪「はい!」
凪は夏候淵に東門をまかせ、自身は敵の多い南門へと向かった。
凪「状況は。」
南門に付いた凪はそこで奮戦している兵の一人に話しかけた。
守備兵「はい、状況は不利です。奴等、数に任せて門に張り付いてしまっているので・・・こちらの矢の数よりも敵の数が多いのも影響しています。」
凪「そうか・・・合図をしたら門を開けろ。私が押し返す。私が外に出たら門を閉めろ。いいな?」
凪はとんでもない策を、いや、策と言うには余りにも力押しな考えを口にした。勿論守備兵はその言葉に反論するが、凪の頑なな態度に折れるしかなかった。
凪「よし、準備は良いな?」
守備兵「はい。・・・本当に、よろしいんですね?」
凪「任せろ。・・・・・・この10年、鍛えに鍛えたんだ。」
守備兵「わ、分かりました。それではご武運を。」
凪「ああ・・・・・・・・・門を開けろ!これより黄巾の賊徒を押し返す!」
守備兵「開門、開門!!」
守備兵の号令と共に、門が開けられる。
凪「猛虎蹴撃!!」
開門と同時に放たれた凪の代名詞とも言える氣弾が賊に襲いかかる。
賊「「「「「ぎゃあああああああああああああああああああ!!!」」」」」
凪「門を閉めろ!」
守備兵「閉門!!楽進様、ご武運を!!」
閉まり往く門を背に、凪はその拳を天に上げて返答とした。
For凪side
10年だ。10年待った。いや、待ってはいないな。ずっとずっと・・・鍛錬し続けた。あの人を2度と失わないようにと。ただただ邁進し続けた。
凪「我が力はただただあの人の為に振るわれるもの。あの人ならば民を守るために武を振るう事を、命を奪う事を許して下さる。私はそうであると信じている。故に・・・・・・貴様等には我が武の礎になってもらう!!」
私はそのまま賊の群れに向かって走り出した。一人、また一人と倒していく中で私は体内で氣を練り続ける。
凪「このぐらいか?さて・・・貴様等には私の技の一つを見せてやろう。楽文謙の奥義を受けよ!!ぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああ!!!!!」
私は一気にその氣を体外に放出し、体全体に纏わせた。鋼気功の派生技。自身に氣を纏わせ、攻撃特化させる技だ。真桜と沙和に見せたら白い稲妻が走ったみたいだ、と言うか事実纏っていると言われたのを機に、『
凪「ふぅ。さあ、往くぞ!!」
距離を取っていた賊達に一瞬で肉薄し、地面を一突き。地面を陥没させて、その余波で敵を吹き飛ばす。
凪「はぁ!でぇぇい!!」
その後、賊達を屠り抜き、南門の脅威は無くなったと言えるぐらいに殲滅させた。
凪「よし、開門!」
守備兵「楽進様の帰還だ!開門!!」
凪「ふぅ、他の門の状況は?」
守備兵「はい、現在北門、西門の敵兵も勢いを失くしつつあるようです。ただ・・・」
凪「東門か?あそこには夏候淵殿が居るから心配はしてないんだが・・・」
守備兵「奴等、他の門からは諦めて東に絞っているようです。」
凪「なに?それはまずいな。よし、私はこのまま東門に向かう。お前達はこのまま警戒態勢を維持しろ!」
守備兵「は!」
私一人でも劣勢は覆らないか・・・たった3千で良く持ったとも言えるが。
凪「・・・秋蘭様・・・か。また真名で呼べる日が来るのだろうか。いや、隊長が居なければ意味は無い。私は隊長が居てくれればそれで・・・」
東門に到着した私はすぐに夏候淵様・・・秋蘭様を探した。
凪「居た。夏候淵様!」
夏候淵「楽進か。南門は?」
凪「殲滅を完了。西、北共に賊の勢いが衰退。奴等はこの東門に集結しつつあるようです。」
夏候淵「殲滅完了だと!?どうやったのだ??」
凪「我が技にて。さすがに連発はできませんが・・・」
夏候淵「そうか。だとしたらこのままではまずいな。」
凪「はい、目測でもまだ1万は残っていますね。」
夏候淵「ああ。悪い事に奴等はけが人を基本無視してかかってるからな。意外としぶとい。」
凪「・・・どうやらそれも終わりのようですね。」
夏候淵「何?」
私は東側の賊のさらに向こう側に視線を向けた。そう、ついに来たのだ。曹操軍、華琳様の軍が。
凪「・・・無い。十文字の旗が・・・無い。そうか・・・隊長は・・・あそこに居られない・・・か。」
夏候淵「楽進?」
凪「いえ、何でもありません。さあ、向こうが動いたらこちらも動きましょう。」
夏候淵「ああ、そうだな。」
見慣れない旗はある。張の旗が一つと、あれは・・・そう・・・かつて隊長の旗印の事を聞いたときに聞いた事のある・・・そう・・・あの特徴的な物は・・・葵・・・三つ葵。つまり・・・あれを使うと言う事は・・・隊長と同じ・・・御使い!!
凪「夏候淵様、あの旗は・・・?」
夏候淵「む?ああ、あれは及川と言う天の御使いの旗だ。珍しいな。あ奴が戦場に出るなど、今日は槍でも降るのか?」
凪「縁起でもない・・・まあ、奴等に氣弾の雨ぐらいは降らせてやりますが。」
夏候淵「楽進は容赦がないな。む、動いた様だぞ。皆の衆、我が主曹孟徳様が援軍に来られた。これぞ好機。全員討って出るぞ!」
守備兵「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」」」
及川・・・それが華琳様の所に居る御使いの名前・・・では隊長は?まさか居ない??いや、この前に見た流星は明らかに隊長の氣を感じられた。ならば・・・私は・・・
凪「・・・・・・今はただ敵を屠るのみ、か。楽文謙。推して参る!!」
そこからは有象無象の逃走劇が展開された。ある者は背を斬られ、ある者は無数の矢を体から生やし、ある者は投降の意思を示しながら殺されていた。
凪「投降しようとした者まで・・・この位置は及川隊がいた場所か・・・」
かつての曹魏の面影など有りはしない。いや、この時点でかつてと言うのは謝りか。しかしこうして見ると及川隊だけはその男の私設部隊なのだろう。胸糞悪い。
その戦闘の後、私は秋蘭様に案内されて華琳様にお目通りがかなった。もう、私の心は決まってはいたが、会っておかなくてはならない。あのお方は記憶があるのか無いのかを。
あとがき
さあ、一気に投稿しました。理由?前の話が短かったからさ。
一刀「相も変わらず振り幅が大きいな。」
及川の馬鹿っぷりも書けたし、凪の活躍も書けたし、余は満足じゃ。
一刀「じゃあ、後ろの奴等の相手は任せるな。」
後ろ?
荀攸(柊)「あれから出番ない。あれから出番ない。」
風(激おこプンプン丸)「お兄さんとの邂逅。お兄さんとの邂逅。」
宝譿(巨大ロボ)「俺の台詞は何時出るんだ?俺の出番はあるのか??」
・・・・・・さて、続きを書くか。
三人?「「「いかせるかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」」」
一刀「・・・次回は凪が旅立ちます。一応残り11話で華琳編を区切りにする予定だけど短くなるかもってユウヤが言ってた。」
やめて!それはそっちに曲がらない!?
一刀「まあ、書けるかどうかは風達のお仕置きの度合いによる。」
いや・・・それはそこには入らない!?
一刀「・・・ちょっと投稿が遅くなるかもなぁ。」
あ・・・だめ・・・そこはらめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!
一刀「うん・・・俺が代わりに書こうかな?」
俺・・・もう・・・お婿に行けない・・・クスン。
一刀「それではまた次回。」
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内容が薄く感じていしまうのは力量だと思うんだ。
それでも晒すのは俺がきっとMだからに違いない。
それでは本編どうぞ