【 残された者達の想い の件 】
〖 徐州 下邳 曹操軍陣営付近 にて 〗
星「力を使い……過ぎたか………。 しかし、主を守り抜けた事、我が最大の成果だ………なぁ」──バタン!
麗羽「星ぃ!? 星!! しっかりなさい!! 誰かある! 救護班に早急に将軍達をお連れなさい!!」
曹兵「はっ!! 直ぐに!!!」
こうして………一刀、儁乂、紫、星が運び込まれて行った!
ーーーーー
麗羽「敵の別働隊が潰れましたわ! 今こそ好機! 立花様に御連絡を!!」
曹兵「はっ!」
麗羽「私達も推して参ります!! 朱里に連絡を! それから……島津様達にも御助力を要請なさい! 時期を見て………策を起こすと!!」
曹兵「わかりました!」
兵士達に指令を出した後、麗羽は手を組み祈る。 一刀の無事を祈る、一人の清らかな少女として………。 そして、続くように兵士達が頭を下げる。
麗羽「我が君………! どうか、わたくしを置いたまま、天の国へ御帰還されないで下さい! 貴方を慕う者達に……絶望を与えないで下さい! 貴方を信じる者達からの……夢と希望を受け取り……立ち上がって……下さい!!」
そう願うと………指揮を下し、兵を連れて森林に紛れ込んだ!!
★☆☆
〖 徐州 下邳 曹操軍陣営 中央 にて 〗
華琳「………そう、星の活躍と儁乂、紫の助力で筒井を退けたのね! まずは、予想外の好成果………えっ!? 一刀が!!」
曹兵「はっ! 北郷様は、張儁乂様達を心配する余り同行! しかし、敵将筒井に対峙して攻撃を受け………意識不明の重体との事です!!」
華琳「…………ご苦労。 下がりなさい……」
曹兵「はっ! 失礼を………」
ーーーーー
天幕の入り口では、秋蘭、桂花、春蘭の三人が佇んでいる。
敵本隊は、黄河の流れを渡り此方に迫るが、川岸に杭を打ち込み事で、簡易の柵を作り出し、渡河に遅滞を強いる。 しかも、その隙間から槍を突き出して阻止をしたり、弓兵達で攻撃したりと、完全に上陸が出来ない状態!!
この少しの隙に……第二策実行の許可を得るため、華琳の天幕を訪れていた。
別働隊撃退の話、星達の活躍、そして………北郷一刀の容態。
春蘭「馬鹿な! あの………北郷が!?」
桂花「う、嘘……一刀が………」
秋蘭「桂花! しっかりしろっ!!」
──────急に天幕の入り口が開き、華琳が姿を現す!
華琳「何をしているの? 貴女達! 第二の策を開始する頃じゃなくて?」
悩んでいる様子も無く、足取りもしっかりしている。
春蘭「華琳様! 北郷は……どうしたんですか!?」
桂花「華琳様……! か、一刀は………?」
秋蘭「……………………」
華琳「貴女達、聞いていたのね。 安心して……一刀は眠っているだけよ。 心配なんて無用! ………それより、第二の策を実行なさい!」
春蘭「やはり、眠っているだけか! 心配など……させおって!!」
桂花「本当に、本当にそうですか!? 華琳様!!」
華琳「本当よ! この戦いが終わる頃には、目を覚ますはず! その為には晋軍を、完膚無きまでに叩きのめさねばならない!! こんな所で、油を売っている暇なんて無いわよ!?」
桂花「───はっ! 失礼しました! 直ぐに実行を!!」
春蘭と桂花は走り出し、策の実行に取りかかった。
…………………………
秋蘭「………華琳様」
華琳「……………一刀は眠っているだけ。 ………それでいいのよ! 別に嘘は付いていないわ? 本当に……起きるかもしれないし………」
秋蘭だけは、密かに気付いていた。
華琳の……緊張して握る両手の拳が、小刻みに震えていた事を………。
◆◇◆
【 危機一髪 の件 】
〖 徐州 下邳 曹操軍陣営 左翼 にて 〗
〖 曹操軍 右翼 〗***《 兵数…… 十万 》
右翼大将……劉玄徳 (桃香)
張翼徳、文醜、、鳳士元、許仲康
高橋紹運、立花宗茂
****************
前は、川岸から攻め寄せる晋の軍勢! 後ろは……緑が深い森林!
その間の平地で二人は晋軍数万と戦っていた。
鈴々「にゃあぁぁ────!! しつこいのだぁ!!!」
季衣「まだまだ!! ボクはちびっ子より強いから、まだ行けるもんね!?」
鈴々「むぅ~!! 春巻きなんかに負けないぃのだぁ!! 」
季衣「うっさい!! 春巻き言うなぁ!! ボクが勝つんだよ!!」
二人の一騎当千の働きに、たじろぐ晋軍!
ーーーーーー
《 少し前の事 》
晋兵長「渡河が終わった隊は、柵を打ち破って敵陣営に向かえ!! 何を血迷ったか川岸の傍に陣営がある! このまま打ち破り襲いかかれぇ!!」
晋兵1「質問であります! 陣営内での略奪は禁止でありますか!?」
晋兵長「普通なら禁止だが………心配するな! 既に許可の命令が来ている! 略奪は奨励! 持ち得た者は、全て奪った者の物だ!! 我々の大将は気前が大変よい! 多少危険でも、命懸けで忠義を示せ!!!」
晋兵2「食糧、金、そして………女! ヒャハァー! 一番乗りは貰っ!?」
晋兵2が小躍りをすると、一回り大きい奴……晋兵3が、邪魔だ言わんばかりに、晋兵2を地面へと叩き込んだ。
晋兵3「ふんっ! テメェは、地面と仲良くしてな。 俺が行かして貰うわ!」
晋兵2「──ペッ! ん~だっとぉ! お前こそ、俺様の楯となれぇ!!」
────と、こんな状態で曹操軍陣営に向かう晋軍!
ーーーーー
ちなみに、場所は川岸に沿って幅二丈(4,6㍍)の広い道が通っている。
街に近いせいか、この黄河での漁業が盛んで、商売を成す者が多いの為、必然的に道が広くなる。 狭いと魚の運搬に、支障をきたす可能性が高いからだ。
道のすぐ傍は、鬱蒼とした森林になっている。 しかし、同じく街より近い為、薪を取りに人々が訪れて拾って行くため、比較的整備されていた。
曹操軍勢の陣営は、森林部分を切り開いて作られた。 徐州は、先の戦いで街が壊滅状態になる程、被害を被った場所。
それでも、先の青州兵達の共同体政策が生きて、最後まで曹孟徳に準じてくれた民達。 その民達への礼を込めて、開墾を出来る準備を整えた。 そこが、今、華琳達が陣営を設置してある場所である。
勿論、そればかりでは無く、陣営の後ろには真っ直ぐの広い道が街まで繋がっているため、逃走するのも都合が良かったと言う理由もあった。
図解にすると………こんな感じ?である。
ーーーーー
左 │ 曹操 │ 右
│ │
森 │▼ ▼ ▼│ 森
│ │
─☆──┘ └──★─
ーºーºーºーºーºーºーºーºーºーº
↑ ~ ~ ~ ↑ ~
~ ↑ ~ ~
ーーーーーーーーーーーーーーー
↑ ↑晋軍↑ ↑
ーーーーーーー
桃香「鈴々ちゃん! 季衣ちゃん! 全軍──退却出来たんだよ! 早く退いてぇ────!!!」
桃香が叫ぶが………殿戦こそ難しい戦いは無い。
(鈴々、季衣の位置……★)
鈴々「春巻きぃ!! 鈴々強いから、お前が先に退却しろぉ!!」
季衣「あぁ~また言ったな! 言っとくけど、ボクの方が強いんだ! ちびっ子こそ、桃香ちゃんが呼んでるんだ! 早く行けぇ!!!」
それを知っている二人は、互いに先に行かせようとする……が、既に敵に囲まれた状態。 抜け出す所か………動く事が出来ない!!
鈴々「うぅ~~、鈴々……これで死んじゃうのかなぁ……? お兄ちゃんともっともっと遊びたかったのだぁ──────!!」
季衣「こらぁ! 兄ちゃんはボク達の兄ちゃんだぞ!? ちびっ子の兄ちゃんじゃない!! ………ボクだって、もっと構ってもらいたかったんだ!!」
…………到底、死にそうに無い二人だが、死の足音は確実に近付いていた!!
??「待てえぇぇいぃぃ!!」
??「大の大人が恥ずかしくないのですかぁ!? こんな幼子達を集団で攻撃するなんてぇ!!!」
突如として聞こえた援軍の声!
慈悲など無論ない死神達の前に、二人の『天の御遣い』が参戦した!
◆◇◆
【 よい子は真似しないように! の件 】
〖 徐州 下邳 曹操軍陣営 左翼 にて 〗
こちらは左翼陣営の二人(現在地…☆)が奮戦している!
正確には義弘一人! 義久は………心配そうに見ていた。
義弘『お姉ちゃんが戦うと、私の足を引っ張る事になるから、そこで座って待っていて欲しいの!!』
義久は、ちょっぴり拗ねながら、妹の奮然振りを見守る。
流石に天の国で『鬼島津』の異名を持つ者だけあり、武力はかなりのモノ。
近付く晋兵達を、突いたり弾き飛ばしたり、投げたりと遺憾なく発揮している。 その為……一人だけと分かっているが、依然攻め切れないまま。
晋兵「(おいっ! あれが……かの有名な………!?)」
晋兵「(そうだな……余程自信がある奴じゃないと……攻略は……)」
実は………鬼島津の異名は、晋軍にも伝わっていたため、敬遠されて攻める兵が少ない事も一役買っていた。
義弘「聞こえてるわよぉ!!! そこに直れぇぇ!!!!」
晋兵『ヒャアアアァァ─────!!!』
ーーー
義弘「あれっ!? 私達に向かってきた敵が、大分少なくなった気が……?」
義久「───駄目よ、ひろちゃん!!」
長い時間戦っていれば、違う事に意識を向けてしまいたくなるのが、人間の心理。 いくら戦慣れしていて、腕も確かであったとしても…………!!
そんな義弘が考え事を始めたその時は、確実に隙であり、撃破する数少ない機会であるので、複数の敵が襲い掛かった!
晋兵士たち『もらったあぁぁ─────!!!』
義弘「きゃああ─────!!」
義久「えぇぇいぃぃ!!」ポイッ! ポポッイ!
晋兵a「ブホッ!」
晋兵b「ムグッ!」
晋兵c「ガッ!」
晋兵d「な、何がぁ───ガハッ!!!」
晋兵に『白い物体』が投げ込まれ、顔……正確には口に入る!
義弘「お、お姉ちゃん!?」
義久「ひろちゃん!! 早くこっちに!!」
見れば、歳久、家久達、残りの姉妹が、弓兵を引き連れて来援している!
義弘「う、うんっ!!」
義弘は、そこを無事に撤退した。
ーーーーー
晋兵a「グワァ────!」
晋兵b「顔がぁ! 口の中が……あぁ……はぁっ! ゲラゲラゲラゲラァァ!」
晋兵c「アハハハァァァ! 何でモ良くナッてきタワ……! とリあえズ……てめぇラ……シネやぁ!!」
晋兵1「な、何を──ギャアアアアァ!!!」
晋兵2「どうしたぁ!? しっかりしろ!!」
晋兵d「テメエラはぁ……曹操軍ダヨナ! 味方を攻撃するなYo!?」
晋兵2「グワァ!!」
義久の投げた『おにぎり』を偶然とはいえ、食べた者達は……皆、笑顔で『晋兵』に攻撃を始めた………!?
ーーーーー
義弘「お姉ちゃん──! ありがとぉ!! 危なくやられるとこだったよ!」
義久「無事で良かったわ~!! もぅ、駄目でしょう!? こんな時に気を抜いちゃ~!! お姉ちゃん……とても心配したんだからぁー!!!」
義弘「ごめんなさい……! 心配かけちゃって!! ……でも、あの投げたおにぎりって………何なの? 敵兵が……あんなになるなんて………」
義久「あれはぁ~! お姉ちゃん特性の~お弁当でぇ~す!!」
『───────!!!』
義弘「あ、あれって、まさか………私へのお弁当? お姉ちゃん手作り?」
歳久「………よしねぇ……廓に立つ事は、禁止されているはずですが……?」
家久「まさか……と思うんだけど、姉妹全員分?」
義久「え~とねぇ、お昼ご飯分の食糧を皆の分だけ貰って~『おにぎり』にしたのよ~! だけど……具が無い『おにぎり』じゃ美味しくないから~、その辺に生えてる『綺麗な茸』を取ってきたの~!」
家久「(としねぇ~? あそこの茸って……アレだよね………?)」
歳久「ベニテングタケ、ワライタケ、ニガクリタケ……全部、毒キノコ……」
義弘は……それを聞き、未だに奮闘している兵士達を見て、自分の両肩を抱いてブルブルと震えている。
義久「でねぇでねぇ~~! お姉ちゃん、皆に美味しく食べて貰えるように、塩漬けでまぶして、焼いて刻んで……おにぎりの具にしたの!!」
歳久「…………あと、一つだけ聞かして下さい! そのおにぎりは、味見をしましたか? まさか、誰か……試食を試した者が……居たとか………」
義久「うん! 春蘭ちゃんが物欲しそうに見ていたから、お姉ちゃんの分を渡すと、目を輝かせて食べてくれたんだけど……。 凄く美味しいって!!」
義弘「はぁあぁぁ!? ア、アレを!? た、大変じゃない!! 早く助けに行かないとぉ!?」
家久「でもぉ~華琳さん達の本陣は、普通だったよ?」
歳久「何かあっては遅いです! 貶めすのは、私達の名前だけなら許されますが、颯馬や義輝公達まで汚しては一大事!! それに、颯馬の件があったとはいえ、私達は客将と招かれたのですから、責を務めねばなりません!」
義久「そうよねぇ? お姉ちゃんの料理、褒めてくれた二人目だから! 食べ過ぎて倒れていたら……お姉ちゃん悲しいもん!」
家久「……最初の誉めた人って……もしかして………」
義久「うふふふっ………! 颯馬君だって言うことは……内緒!」
歳久「……バラしているではありませんか……」
義弘「颯馬………グスン」
一時的に弓兵士だけ配置し、華琳達本陣に向かう島津姉妹達。
そして……晋軍の兵士達は、まだ同士討ちを繰り広げ、混乱をしていた。
◆◇◆
【 思い上がりの王 の件 】
〖 徐州 下邳 韓馥軍陣営 にて 〗
韓馥「おのれぇ!! まだ、曹操の軍勢を抜けれんのかぁ!!」
晋兵「ほ、報告! 別働隊で動いていた筒井順慶様が、敵将達と応戦!! 北郷一刀と思われる将を捕獲は出来ませんでしたが、重傷を負わす事は成功! しかし、他の敵将との一騎打ちで撃退! こちらに退かれました!!」
韓馥「ほぅ……そうか! そうかぁ!! ほーっほっほっほっほ!! 北郷一刀に、そのような重傷を与えるとは、流石…順慶様! 我々も負けて居れぬ! 精一杯攻めるのだ!!!」
晋兵「はっ! それと、別働隊の兵五万、無傷で帰還! 順慶様は、天幕で休まれると申され……中に滞在されています!」
韓馥「…………チッ、驚かせおって! 後ろで待っていたかと思っていたわ! 全く忌々しい女だ! 力も才も知恵も儂よりちぃ~と上だけの分際で、人を見下しおってぇ!!! 容姿も優れている分、尚更憎いわ!!!」
晋兵「ご報告致します! 曹操軍中央本隊! 我が軍に押されてか……少しずつ後退しているとの事! 中には、早くも曹操軍の陣営に入り込み、価値ある物を奪取したと、報告を受けております!!」
韓馥「そうか! 遂に下がり始めたかっ!! 好機だ!! 我々本隊も攻め寄せるぞ!!!」
晋兵「………順慶様は、如何いたしましょう?」
韓馥「ふん! そのままにして……いや……そういえば、近頃は念者衆や若衆の相手ばかりで……つまらなかった。 ぐふっ、偶には女も良いな……。 酒や肴を順慶に持って行け! 戦勝の前祝とでも称して……呑ませろ」
晋兵「………酔わせて弱った所を……ですか?」
韓馥「その前に、儂がしっかり功を上げねばならん! 挙げずに……うつつを抜かしていては、于吉に処罰を食らう事は、間違いないじゃろう!! 全軍に指令を出せ!! 敵曹操軍を追い詰めよぉ!!!」
◆◇◆
【 それぞれの活躍 の件 】
〖 徐州 下邳 曹操軍陣営 右翼 にて 〗
紹運「お主達! この場より早く逃げよ!! 私達がここを抑えてみせる!」
鈴々「えっ!? そ、それじゃあ……大友のお姉ちゃん達が………!!」
季衣「そうだよぉ!! このまま居たら……死んじゃうよ!! ボク達の事はいいから……!!」
宗茂「うぅ~ん! 今一……信用不足ですかねぇ? 私達の力を見せて差し上げます!! 義姉様ー!!!」
紹運「いくぞぉ! 我が刃を防げると思えば、見事、防いでみせよっ!!」
紹運が一筋の流星の如く、目の前の軍勢に突っ込んで行く!
防御しようとする輩は多かったが……悉く弾き飛ばされ、数多の兵士が物言わぬ屍と化す! 手向かえば…頭や腕、身体の至る所を狙われ、天罰に等しい報いを……その身に刻まれる!
しかも、全員が痛みを余り感じず、速やかに葬り去る神業!
紹運の働きに……ただ、唖然とする二人。
鈴々「す………凄いのだぁ!」
季衣「紹運様………強いんですね………」
紹運「何事も鍛錬だ! 鍛錬を続ければ………私をも超えれるさ! それより早く森の中に!! 宗茂! 頼む!!!」
宗茂「はいっ!! とおっ!! えいっ!!」
宗茂が『波遊の太刀』を振るうと……闘刃が飛び出し、砂煙が上がる!
その隙に森林に全員逃げ込んだ!!
★☆☆
〖 曹操軍 中央 〗***《 兵数…… 十万 》
総大将……曹孟徳 (華琳)
荀文若、夏侯元譲、夏侯妙才
****************
桂花「華琳様! 左翼、右翼の両翼が撤退しました! しかし、敵陣営の総力を本隊が迎え撃つため、士気が著しく下がっております!!」
華琳「……………」スッ
華琳は、後方より前面で戦う……曹操軍兵士に呼びかけた!
ーーー
華琳「曹操軍に従いし者達! 一刀に忠誠を使う青州兵達よ! お前達の支え続けてきた北郷一刀が……敵の凶刃に倒れた!!!」
曹操軍兵士『━━━━━━━!!!!!!』
華琳「北郷一刀は……お前達と共に笑い、泣き、辛苦を分け合った仲間であり我々の掛け替えの無い家族である! 一刀は、自分を庇い亡くなった青州兵達を罵られ、我慢出来ずに……敵に立ち向かい……負傷を負った!!」
曹操軍兵士『───────!!!!』
華琳「お前達の指揮する者としては、最悪の選択である! 敵の術中に嵌まり無駄な犠牲を出してしまった!
だが! しかし! 我々の家族として、これほど誇らしい者が他に居るか!
悪口を言われ、静かに黙っている腰抜けであれば、お前達は一刀に付いて行ったかぁ!! 断じて否! 否であろう!!
一刀の守りたいと思う心を踏みにじるのも、生かして返すのも───お前達の働き次第!! 北郷一刀に続けえぇぇ!!!」
曹操軍兵士『おおおぉぉぉーーーーーーーー!!』
ーーー
桂花「か、華琳様………。 一刀の働きは決して……誉められる物ではありません………。 ですが……どうしてでしょうね……。 何故か忘れていた事を思いださせるんです………」
華琳「桂花……。 今は勝つ事だけ……考えましょう! 一刀が残してくれた縁……それと、朱里や雛里の新たな戦術に全力を費やすのよ!!!」
★★☆
春蘭「うおおおぉぉぉ!!! 力が……みぃなぁぎぃるぅぅわぁぁぁ!!!」
ズザザザザザザザアァァァ!!!
春蘭が走ると、土煙が巻き上がり、敵に当たれば、木の葉のように……空中に舞う!
晋兵「ギャアアアア────!!」
晋兵「ば、化けもんだぁ───! グワッシィ!!」
秋蘭「姉者!! 前に出過ぎるなぁぁ!! 」
ーーー
左翼より様子を見にきた…島津姉妹。 森の中で隠れて見ている。
義弘「はぁっ! はぁっ! やっと着いたよ………。 えっっ!? 何でぇ!? 何で平気なのよぉ!? 春蘭は!!!」
家久「───元気百万倍! みたいなぁ~感じ?」
歳久「…………体質なんでしょうか?」
義久「………………ハァ、ハァ、ハァ! やっぱり………大丈夫でしょう?」
ーーー
春蘭「おぉやぁかたさまあぁぁぁ!!!!」
更に晋兵へ………謎の奇声を挙げて突っ込む春蘭!!
群がる敵兵に単騎で突っ込み、数百、数千の敵が、爆発を受けたように飛んでいく!! 春蘭の言う『オヤカタサマ』とはいったい………?
秋蘭「────誰だ!?」
桂花「華琳………様の事?」
華琳「………何を食べたの……春蘭?」
ーーー
義弘「お姉ちゃん!!」
家久「あっは、あはははは…………」
歳久「………はぁ」
義久「えぇぇ────────!?」
ーーー
春蘭の謎の活躍で、晋軍の兵士が一万程………壊滅したという。
ーーーーーーーーー
ーーーーーーー
あとがき
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
前作同様……徐州の戦い一辺倒の小説です。
一刀の扱いが、不憫だと思われる方もいらっしゃいますが……戦乱ですのでね。 一人のミスが全体に響く場所ですので……責任と共に自分自身を律しないと、皆が迷惑をかける事になります。
シリアスにシリアスに………として行くのですが……書き手の味というか、ギャグを入れてしまいたくなる性分と言うか、こんな具合てす。
バサラも……昔やったんですけどね。 無双も全然しなくなりましたし。
暇な時に、この小説を手入れしているものですから。
また、宜しければ読んで下さい。
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義輝記の続編です。 よろしければ読んで下さい。