No.713378

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第232話

2014-09-03 16:09:08 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1591   閲覧ユーザー数:1490

 

 

 

~カレイジャス・ブリッジ~

 

「うふふ、レンが乗船しているのは処女飛行で”エレボニア帝国の皇族であるオリヴァルト皇子に招待されたメンフィル帝国の皇族も乗っている”という事実で、エレボニア帝国民達にエレボニアとメンフィルが友好関係を強めようとしている事をアピールする為よ。」

「なるほど……」

レンの説明を聞いたリィンは納得したが

「……どう考えても怪しい。”殲滅天使”がそんな殊勝な目的で乗り込むなんて、滅茶苦茶違和感があるし。」

「そうだよねー。通商会議ではギリアスのオジサンとカルバードの大統領を嵌めた人がそんな事を考えているなんてありえないよねー。プリネの話だと列車砲の配備場所についてもエレボニア帝国と緊張状態に陥ってもおかしくない場所を提案したのも”殲滅天使”だそうだし。」

「フィ、フィーちゃん、ミリアムちゃん……レン姫を相手にそんな言葉遣いをするなんて、失礼ですよ……」

フィーはジト目でレンを見つめ、フィーの言葉に頷いたミリアムは意味ありげな表情でレンを見つめ、二人の言葉を聞いたエマは冷や汗をかいて二人に指摘した。

 

「うふふ、レンは言葉遣いで腹を立てるような器量の狭いエレボニア帝国の貴族とは違うから別にいいわよ?」

「あのー、レン君?エレボニアの貴族全てが器量が狭いという訳じゃないんだよ?」

小悪魔な笑みを浮かべたレンの言葉を聞いたリィン達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせ、オリヴァルト皇子は冷や汗をかいて指摘した。

「クスクス、わかっているわよ。―――レンが乗船しているのは先程説明した理由もあるけど、もう一つの理由はラインフォルトグループに用があるから、帝国全土を一周した後ルーレに送ってもらう為よ。」

「ええっ!?ラ、ラインフォルトグループにレン姫が……!?一体何の御用があるのですか?」

レンの説明を聞いたアリサは驚き

「―――レン姫は本日の16:30に会長と商談をなさるのです。――――メンフィル帝国の新たな”列車砲”の購入についての商談を。」

「なっ!?」

「ええっ!?新たな”列車砲”!?」

「レン、貴女まさか……!」

シャロンの説明を聞いたアリサは仲間達と共に血相を変えて声を上げ、エリオットは信じられない表情をし、ある事を察したプリネは厳しい表情でレンを睨んだ。

 

「少なくとも新しい”列車砲”はエレボニア帝国領に隣接しているメンフィル領には配備しないから大丈夫よ、お姉様♪」

「じゃあ一体どこに配備するんですか?」

レンの答えを聞いたツーヤは不思議そうな表情で尋ね

「今の所候補に上がっているのは”テルフィオン連邦”の領土と隣接している”カルッシャ王公領”の国境か、もしくは前の”通商会議”で奪い取ったカルバードの領土よ。」

「ハハ……できれば元カルバード領には配備して欲しくないんだけどねぇ。あそこはリベールとも隣接しているし。」

レンの説明を聞いたオリヴァルト皇子は冷や汗をかいて苦笑しながら呟いた。

 

「うふふ、そのくらいの事はわかっているわよ。メンフィルとリベールとの関係も考えると配備するのはマズイって意見が多いから、多分そちらには配備しないと思うわ。”列車砲”がすぐに必要なのは長年メンフィルと睨みあっている”テルフィオン連邦”方面だし。」

「しかし何故新たな”列車砲”を購入する事にしたのだ?」

ある事が気になったレーヴェは真剣な表情で尋ね

「”列車砲”を試し撃ちした際の威力を見たシルヴァンお兄様が決めたみたいよ。メンフィルに攻めてくる勢力に対する対抗策として有効と判断したそうよ。あれ一発で軍勢を崩壊させて戦いを楽にする事も可能だから、兵の消耗もそうだけど兵器の消耗も抑えられるから戦略的に考えたらなかなかのものよ。」

「そう、シルヴァンお兄様が……」

レンの答えを聞いたプリネは静かな表情をした。

 

「ねえねえ、レン。あの屑鉄、そんなに凄い威力だったの?」

「ええ。”パテル=マテル”とも比べ物にならないくらいの圧倒的な火力よ。」

興味ありげな表情をしたエヴリーヌの質問にレンは答え

「”パテル=マテル”……?」

レンが呟いた言葉が気になったマキアスは首を傾げた。

 

「―――”パテル=マテル”は”リベールの異変”の際、レン皇女が”結社”から奪い取り、今では自分の手足として操っているゴルディアス級の人形兵器だ。」

「なっ……!?」

「”結社”から奪い取っただと……!?」

レーヴェの説明を聞いたラウラとユーシスは驚き

「あたしも話だけは聞いているわ。確かエステル達の話によると”パテル=マテル”の”主人”であるあんたが呼べば来るそうだけど、まさかとは思うけど今も近くで飛んでいたりしないでしょうね?”パテル=マテル”には結社特製のステルス機能もついているから、カレイジャスの索敵装置にも多分引っかからないでしょうし。」

ある事を察したサラ教官はジト目でレンを見つめて問いかけた。

 

「うふふ、さすがに”カレイジャス”のスピードに”パテル=マテル”はついていけないし、レンはオリビエお兄さんの好意で乗せてもらっている立場なんだからちゃんと気を使って、あの子は今、ケルディック要塞でお休みしているわよ。」

「ハッハッハッ!いや~、それを聞いて安心したよ。さすがに”彼”がこの”カレイジャス”と一緒に飛行していたら、民達を安心させるどころか不安にさせるだろうし。レン君が”カレイジャス”に乗船してから、それだけがずっと気がかりだったんだよね~。」

「……洒落になっていないぞ、阿呆。」

レンの答えを聞いて声を上げて笑った後答えたオリヴァルト皇子の答えを聞いたミュラー少佐は呆れた表情で指摘した。

 

「ねーねー、”パテル=マテル”って実際どのくらい凄いのー?確か話によると物凄くデカイんだよねー?」

「うふふ、少なくても貴女の”アガートラム”なんか簡単にペシャンコにしちゃうわよ♪」

ミリアムに尋ねられたレンは小悪魔な笑みを浮かべて答え

「むー、大きいからってガーちゃんは誰にも負けないよー!」

「ミ、ミリアムさん……一体何と競っているんですか……」

「俺もギルドの情報で”リベールの異変”で見せたスペックやどんな姿か見せてもらったが、アレは”格”が違いすぎるぞ……」

頬を膨らませて答えたミリアムの答えを聞いたセレーネは呆れた表情で指摘し、トヴァルは疲れた表情で指摘した。

 

(ねえねえ、ツーヤ。その”パテル=マテル”ってそんなに凄いの?)

(ええ……”パテル=マテル”一機で町一つを簡単に廃墟にできるくらいのスペックはあります。大きさはそうですね……少なくとも第三学生寮よりは大きいと思います。)

エリオットに小声で尋ねられたツーヤは静かな表情で答え

(ええっ!?)

(学生寮より大きい人形兵器……相当大きいんだろうな……)

ツーヤの答えを聞いたリィンは驚き、ガイウスは呆けた。

 

「その……話はそれましたがオリヴァルト皇子はよかったのですか?新たな列車砲の購入の交渉に向かうレンをカレイジャスの処女飛行に乗せて。」

その時プリネは心配そうな表情でオリヴァルト皇子を見つめ

「ハハ、リウイ陛下やレン君を含めた多くのメンフィル皇族に加えてメンフィル帝国による多大な出資や技術協力によって、このカレイジャスに予定していた以上の性能を搭載する事ができたからメンフィル帝国を代表してルーレに向かうレン君の頼みを無下にはできないんだよね。実際この”カレイジャス”の主砲にはメンフィル帝国の戦艦―――”モルテニア”の主砲と同じタイプを搭載してもらったから、お互い様だよ。」

「ええっ!?じゃ、じゃあこの”カレイジャス”にも夏至祭の時に見たメンフィルの巨大な戦艦と同じ主砲が搭載されているんですか!?」

オリヴァルト皇子の答えを聞いたマキアスは信じられない表情で尋ねた。

 

「さすがに”モルテニア”の主砲の威力程はないけど、データでは威力を最高値まで溜めればメンフィルが”結社”から奪う前の”グロリアス”の装甲は貫けるくらいのスペックはあると出ているわ。」

レンの答えを聞いたリィン達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせ

「レン、貴女ね……」

「”グロリアス”を見た事も無いⅦ組のメンバーに言っても理解できないぞ。」

プリネとレーヴェは呆れた表情で指摘し

「メンフィル帝国の協力のお蔭で予定していた当初より性能も格段に上がり、武装も充実させる事はできたが、それらを使う事態にならない事が一番なのだがな……」

「父上……」

重々しい様子を纏って呟いたアルゼイド艦長の言葉を聞いたラウラは心配そうな表情でアルゼイド艦長を見つめ

「―――空気を重くしてすまなかったな。ルーレに到着すれば放送で知らせる。それまでは艦内を見て回ってくつろぐといい。」

アルゼイド艦長は気を取り直してリィン達を見回して言った。

 

―――こうしてリィン達は最新鋭の巡洋艦(カレイジャス)で実習地に送ってもらうことになった。

 

 

 

 

フッフフフフ……今回の話でわかったと思いますが6章の間、レンがルーレに滞在します。(ニヤリ)パテル=マテルは果たして閃Ⅰ篇で出番があるのでしょうかねぇ?(黒笑)


 
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