No.713322

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第231話

2014-09-03 09:15:59 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1777   閲覧ユーザー数:1668

 

 

 

ノルティア州南端”黒竜関”上空―――

 

~カレイジャス・ブリッジ~

 

「現在時刻10:02―――北北西の風、11アージュ。”黒竜関”の上空を越え、ノルティア州領内に入りました。」

「現在速度、3050CE/h。最大巡航速度に到達しました。」

「こんまま進路と速度を維持。ノルティア本線に沿いつつ200アージュほど距離を取れ。」

「イエス・キャプテン。」

「………………」

部下達の報告を聞いて次々と指示を出す様子のアルゼイド艦長をラウラは呆けた表情で見守っていた。

 

「これが……巡洋艦の指揮所(ブリッジ)ですか。」

「な、なんか全てが凄すぎるんですけど……」

「エプスタイン財団製の最新型の情報処理システム……ラインフォルトグループと、ZCF(ツァイス中央工房)と、エプスタイン財団の共同開発というわけですね。」

「うふふ、ちょっと違うわね。メンフィルの魔導技術も加えているわよ?」

「ええっ!?」

「い、異世界の技術まで……」

レンの話を聞いたアリサは驚き、マキアスは信じられない表情をし

「ていうか、ブリッジもまるっきりアルセイユのパクリじゃん。」

「お、お姉様……」

「もう少しオブラートに包んだ言い方をしてあげてくださいよ……」

「まあ、エヴリーヌさんには難しいでしょうね……」

エヴリーヌが呟いた言葉を聞いたプリネとセレーネは冷や汗をかいて疲れた表情をし、ツーヤは苦笑しながら呟いた。

 

「ハハ、耳が痛いね。―――この艦の開発にあたっては様々な人々の力を借りていてね。技術面といい、資金面といい、色々と迷惑をかけてしまったよ。」

「フフ、さぞかし資金繰りにも苦労されたみたいですね?」

「確かリウイ陛下も融通したと聞いているが?」

オリヴァルト皇子の話を聞いたサラ教官とレーヴェはオリヴァルト皇子を見つめて問いかけ

「ああ、皇帝陛下も含めて各方面から融通してもらった。だが―――その甲斐あって理想……いや、理想以上の性能を持った翼が完成したと思っている。」

「うふふ、防御に関しては”モルテニア”に搭載されてある大規模な魔術結界を参考にした魔導技術も搭載されているのよ?」

問いかけられたオリヴァルト皇子は静かに頷いた後口元に笑みを浮かべ、レンは説明を捕捉し

「魔導技術による魔術結界の機能まで備えているのですか……!」

「フッ、ならば俺のような者にその翼を斬り落とされる可能性も限りなく低いだろうな。」

「レ、レーヴェ……」

レンの説明を聞いたツーヤは驚き、静かな笑みを浮かべて呟いたレーヴェの言葉を聞いたプリネは冷や汗をかいた。

 

「全長75アージュ。リベールの”アルセイユ”の2倍近い大きさの船体だ。」

「ZCF製の高性能エンジンを20基搭載したことによって、最高時速3000CE/hを実現―――3600CE/hの”アルセイユ”には及ばないものの、高い装甲性能と迎撃能力を誇っていますわね。」

「はあ、詳しいスペックを把握してるし……」

ミュラー少佐と共に説明したシャロンの話を聞いたアリサは呆れた表情で溜息を吐いた。

 

「し、しかし……聞けば聞くほど凄い艦ですね。」

「ぶっちゃけ、やりすぎ。」

「うーん、開発されていたのはボクも聞いたことあるけど……ここまで斜め上の性能だとはちょっと思ってなかったなー。」

「こ、この艦の凄さは何となく理解しましたが……―――軍属でもない父上がどうして艦長を?それとも正規軍入りを決めてしまったのでしょうか?」

カレイジャスのスペックに仲間達が驚いている中、ラウラは戸惑いの表情でアルゼイド艦長に尋ねた。

 

「フフ、そなたの疑問も当然だ。だが―――正確にはこの艦はいかなる軍にも所属していない。」

「え……」

「という事は……”皇族の船”という扱いですか。」

「フフ、その通り。帝国軍にも、領邦軍にも属さない、第三の風をもたらすための翼……それを駆っていただく大任を子爵閣下にお願いした次第でね。」

「そう言う事でしたか……」

「……それなら全て納得です。”光の剣匠”が艦長を務める帝国最速の速さを誇る翼……」

オリヴァルト皇子の説明を聞いたラウラとリィンはそれぞれ納得した表情になった。

 

「ハハ、”牽制役”としては最強と言えるかもなぁ。」

「た、確かに……」

「フフ、まあそういう事さ。」

「艦のクルーの半数は自分の所属する第七機甲師団から一時的に出向している状況だ。だが、残りは民間出身で身分や国籍なども実に様々だ。」

「ちなみに俺も、情報収集役として参加させてもらっていてね。地上に残っているギルド方面との連絡も受け持っているんだ。」

「そうだったんですか……」

「ま、こういった役目はトヴァル向きではあるわよね。あたしだとどうしても切った張ったがメインだし。」

ミュラー少佐とトヴァルの話を聞いたリィンは驚き、サラ教官は苦笑しながら答えたが

「フッ、その点で言えばエステル・ブライトも同じだな。」

「ああん?まさかあたしがあの暴走娘と一緒だと言いたいのかしら!?」

静かな笑みを浮かべるレーヴェの言葉を聞いたサラ教官はレーヴェを睨み、その様子を見守っていたリィン達は冷や汗をかいた。

 

「いや………でも光栄です!こんな素晴らしい船で送っていただけるなんて!」

「はい……!オリヴァルト殿下が苦心してようやく完成させた船の処女飛行に乗せて頂けるなんて、感激ですわ……!」

マキアスとセレーネは明るい表情でオリヴァルト皇子を見つめ

「ついでという話ですが……このまま帝国全土を回られるおつもりですか?」

ガイウスは静かな表情で尋ねた。

 

「うむ、帝国各地の緊張を少しでも和らげられるようにな。そして―――”帝国解放戦線”とやらにも睨みを利かせたいと思っている。」

「あ……」

「確かに………飛行艇も使ってたし。」

「そんなの見つけたら、また撃ち落せばいいだけじゃない、キャハッ♪」

「そんな事ができるのはエヴリーヌさんだけですよ……」

アルゼイド艦長の話を聞いたエリオットは呆け、フィーは真剣な表情になり、不敵な笑みを浮かべて言ったエヴリーヌの言葉を聞いたツーヤは呆れた表情で指摘し

「情報局や鉄道憲兵隊も動いていると聞いていますが……この艦なら、それとも違う形で彼らの動きを牽制できそうですね。」

リィンは真剣な表情で推測した。

 

「フッ、一石二鳥どころか三鳥四鳥といった感じだろう?ボクも気が向いた時には気晴らしに乗せてもらえるし。いずれは帝都上空での『空中リサイタル』なんかも企画したいところだねっ!」

オリヴァルト皇子の発言を聞いたリィン達は冷や汗をかき

「―――まあ、このタワケの世迷言はともかく……この艦ならばルーレまで一時間もかからぬだろう。」

「しばし艦内でくつろぐといい。機関室などの機密エリア以外は自由に見学しても構わない。」

ミュラー少佐とアルゼイド艦長はそれぞれ説明した。

 

「ありがとうございます。」

「その……お言葉に甘えさせていただきます。」

「そう言えばレン。どうして貴女がカレイジャスの処女飛行に乗船しているのかしら?」

ある事が気になったプリネはレンに尋ねた。

 

 

 

 

 

既にお気づきと思いますがカレイジャスが原作よりパワーアップしていますwwこれなら閃Ⅱで撃ち落される可能性大だったのが低くなるでしょうね(オイッ!)……え?どうして閃Ⅱで撃ち落される可能性が高いかって?それは勿論、SCでリベール=アークに向かう際に撃ち落された事があり、”影の国”の時も幻影城に向かう際に危うく撃ち落される所だった”アルセイユ”ですので(コラッ!)


 
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