No.712247

ブラック・ブレット~黒の戦士と炎の印~第6話生還

しらたきさん

第6話です。どうぞ・・・

2014-08-30 11:57:14 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:897   閲覧ユーザー数:881

 

第6話生還

木更side

延珠ちゃんからの一報に私は驚いていた。蛭子という男の実績は知っている。今の彼では到底敵わない相手のはず…ってそんなことを考えてる暇は無いと自分に言い聞かせヒビキくんと未織に事情を話し、私たちは病院へと向かった。病院に着くと延珠ちゃんが手術室の前で座っていた。私たちは延珠ちゃんの傍にいき六時間、手術室の前で待っていた。

 

手術中のライトが消え、先生が外へ出てきた。先生曰く、なんとか手術は成功したらしいが本当にギリギリの状態だったという。先生も匙を投げかけた程で、最後の最後で心臓が動き出したそうだ。やっぱり彼は強い心をもっていると私は思った。

木更sideout

 

蓮太郎side

ん…ここは…「蓮太郎、蓮太郎―。」この声は…母さん、父さん?なんでここに…

「なんでここにって、お前を迎えに来たんだよ。もう大丈夫だよ蓮太郎。

ここならガストレアの恐怖も無い、蓮太郎が望んでいる平和な世界だよ。

ここには僕たちしかいないんだ。どうだい。今までの世界より断然いいだろう。」

俺たちしか(・・・・・)いない?そんな世界なら例え平和でも俺は望まないよ。父さん、母さん。向こうには俺には信じ合える友達、こんな俺でも好きだって言ってくれる彼女だっている。俺はそいつらに助けられここまで生きているんだ。

俺はそいつらに恩返ししなきゃいけないんだ。こんなとこでのんびりしてはいけないんだ。だから…俺はみんなとこに戻るんだ。」

「蓮太郎、成長したんだな。ここから出るなら向こうに向かって走り続けろ蓮太郎。

父さん、母さんはここでお前を見守ってやる。頑張れよ。」

「う、うん。」

俺はそう言い父さんが指さしたほうへ走り出した。すると、そこには光があった。俺は懸命に走り続ける。そして光の先には…

蓮太郎sideout

 

木更side

私はそのときりんごを剥いていた。なんでだろう。里見くんはいつ目を覚ますか分からないし、先生も下手したらこのまま目が覚めないかもしれないと言っていた。

けど、なぜかしばらくしないうちに君が目を覚ますんじゃないかと思っていた。りんごを剥き終わり、彼のほうを見てみた。けど、彼は目を覚ましてはいなかった。

「まったく、お寝坊さんなんだから。」

と言って私は手を洗いに行こうと彼のベットから手を離そうとしたとき、私は彼の手が動いたような気がした。もしかしたらと思い、また見ると彼は、重たそうなまぶたを何度も動かしている。私は思わず

「里見くん。私の声が聞こえるの。何でもいいから返事して。」

とちょっと叫ぶような声を出してしまった。そして彼は私の手を握ってきた。私はその反応に思わず涙してしまった。先生呼んでくると私は言い先生に里見くんが目を覚ましたことを伝えた。そして、ヒビキくん、未織にも連絡を入れた。あと、ついでに室戸先生にも連絡をいれ、病室へ戻った。すると彼は完全に目を覚ましたようで先生の問診にもはっきり答えているようだった。先生に問診が終わり、また後日検査する旨を伝えられた。

私は彼のベットに行き、延珠ちゃんを布団の中からだしてあげた。彼はとても驚いていた。

そのころにはみんな集まってきており、まだ目が覚めたばっかなのに手荒い祝福を受けている。けどなんだかんだでも彼は楽しそうだ。

一段落して、未織たちは帰るらしいので私は延珠ちゃんをそっちで預かって貰えないか聞くと快く承諾してくれたので延珠ちゃんも未織たちと一緒に帰しました、

そして、病室には私と里見くんの二人だけになってしまいました///

木更side

 

蓮太郎side

光の先に行くとそこには白い天井があった。すると、大きい声で何か言ってるのが聞こえた。最後のほうに「何でもいいから返事して」と微かに聞こえたので声を出そうと思ったが、思うようにいかないようなので手を握りかえすので精一杯だったけど、その手の感触で木更がいることが分かった。つまり、ちゃんとこっち(現実)に戻ってこれたと実感できて、ホッとしている。木更は先生を呼んでくれるらしいのでその間これからのことを考えていた。また、影胤は事を起こすと踏んでいる俺はどうやって影胤を食い止めようか…

 

しばらく考えたが良い案が出ないので諦めた俺はおとなしく先生の問診に答えることにした。そして、問診が終わると次はヒビキ達がやってきた。なんだか心配してなかったような素振りをしているがなんとなくとても心配してたんだなぁと察していた俺はあいつらのいいようにされ、楽しかったがやっぱり疲れた。延珠は未織が預かってくれるので安全は確保できたも同然だ。

 

そして、病室に残ったのは俺と木更だけになったがなぜか黙り込んでいる。なぜか俺も気まずいのか声を出せないでいたが、このままでは埒があかないのでただ一言

「た、ただいま…」

「(バチン)」

そう言うとなぜか木更は俺の右の頬にビンタで返してきた。しかもかなり痛かった。多分紅葉はできているだろうなと思っていると木更が

「馬鹿、どれだけ私に心配をかけさせるのよ。私の彼氏だっていうのに勝手に一人で死ににいくようなことして。ふざけないでよ…」

「ご、ごめん。」

あまりの語勢にこの言葉しか出せなかった。けど、ちょっと嬉しかった。俺のことをこんなに想ってくれる人がいることに…

「心配かけてほんとごめん。だからこれで許してくれないか。」

「ん…///」

俺はそう言うと木更にキスをした。よく見ると木更の目元は真っ赤だった。そしてキスをやめると木更が

「ま、まだぁ…//も、もっとして///」

「さすがに俺も目を覚めたばっかで疲れてるんだ。続きは俺が退院してからな。」

「じゃあ、今しなかったらもう私里見くんと別れるもん。絶対の絶対!」

 

おい、聞いたか世のさえない男子共、「もん」だぞ!こんなん言われたら続けないといけないじゃないか。

というわけで俺たちはこのまま続きを始めてしまったのである。

蓮太郎sideout

あとがき

まず始めに…ヒビキすまんwお前が出るとこいつらの空気が壊れてしまうんだ。

そこのとこ頼むから許してくれ。

ヒビキ「どんな理由があっても許しはしないぞ。契約違反だ。ここで断罪する。」

作者「ギャアァァ!」

 

次回は未織と延珠の話です。では次回にて…

 

 

 
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