No.709441

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第203話

2014-08-17 18:31:52 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1480   閲覧ユーザー数:1337

 

 

同日、16:40―――

 

~クロスベル市・オルキスタワー~

 

「こんな時に……」

「ダドリーさんから?」

仲間達と共に会議の進み具合を見守っていたロイドは通信の音に気付いてエニグマを取り出して通信を開始した。

 

「はい、バニングスで―――」

「俺だ、セルゲイだ。」

「セルゲイ課長?どうしたんですか―――」

「時間がない、手短に話す。―――ソーニャから連絡があった。タングラム、ベルガード両門の付近に設置されたレーダー施設が破壊された。自治州領空に侵入する不審な飛行船を捕捉するための対空レーダーだ。」

「な……!ま、まさか犯人はルファ姉達の推測通り……!」

「ああ……ルファディエルや局長達の推測通り、テロリストの仕業だ。ダドリーにも伝えたからお前達の方でも備えておけ。」

「わ、わかりました!」

通信相手であるセルゲイの忠告を聞いたロイドは通信を止めた。

 

「ど、どうしたの?」

「まさか叔父貴どもが何かやらかしたのか!?」

血相を変えているロイドにエリィとランディは尋ね

「い、いや、そっちじゃなくて―――」

「―――皆さん、少々よろしいか?」

尋ねられたロイドが答えかけたその時、ディーター市長の声が聞こえ、ロイド達は会話するのを止めて会議室にいるディーター市長を見つめた。

 

「今、この場で語られている安全保障の議論について……一つ私の方から提案させて欲しい事があります。」

「ほう……?」

「ふむ?」

席から立ち上がりディーター市長の発言を聞いたオズボーン宰相とリフィアは興味深そうな表情をし

「ハハハ、先程から大人しいと思っていたが……何を仰られるおつもりかな?」

ロックスミス大統領は笑顔で笑った後、目は笑っていない状況で尋ねた。

 

「ええ、それは―――」

そしてディーター市長が答えかけたその時

「―――方々(かたがた)、下がられよ!」

何かに気付いた遊撃士協会・クロスベル支部の遊撃士であり、”風の剣聖”の異名で呼ばれているアリオス・マクレインが大声で警告した!すると軍用飛行艇が2機、ガラスの外に現れた!

 

「な―――!」

「飛行艇……!?」

「見た事がない機種ね。」

それを見たマクダエル議長やクローディア姫は驚き、レンは真剣な表情で見つめていた。すると2機の飛行艇は怒涛の銃撃を放ってガラスを割ろうとした!

 

 

「くっ……!」

「まさか……テロリストどもか!?」

「……………」

「ここで来たか……!」

その様子を見たアルバート大公は唇を噛みしめ、オリヴァルト皇子は声を上げ、オズボーン宰相は真剣な表情で黙り込み、ロックスミス大統領は驚きの表情で声を上げた。

 

「ご安心を!砲撃にも耐えられる特注の強化ガラスです!ですが念のため全員、おさがり下さい!」

そしてディーター市長の警告を聞いた首脳陣は下がり、飛行艇は上昇し、騒ぎを聞きつけた各国の将校達が会議室に入って来て首脳陣に駆け寄った。

 

「殿下、ご無事ですか!」

「ええ、何とか……」

ユリア准佐の言葉にクローディア姫は頷き

「リフィア殿下、レン姫。お怪我は?」

「大丈夫だ。」

「レンも大丈夫よ。」

真剣な表情のエリゼに尋ねられたリフィアとレンはそれぞれ頷き

「リフィア殿下、迎撃しますか?」

シェラ元帥はリフィアに判断を仰いだ。

 

「いや、今は余達の護衛に専念しろ。奴等を相手するのは余達ではない。」

「了解しました。」

「今のは……ラインフォルト社の高速艇か。」

「ああ、間違いないだろう。」

ミュラー少佐の推測にオリヴァルト皇子は頷き

「もう一隻はヴェルヌ社の軍用ガンシップですね……」

「ええ、連中に奪われたことは報告にありましたが……!」

キリカ補佐官の呟いた言葉にカルバード軍将校は頷いた。するとその時ダドリーが部屋に入って来た。

 

「皆さん、ご無事ですか!」

「ああ、何とか……」

「しかし連中はどこへ……」

ダドリーの言葉にマクダエル議長は頷き、ディーター市長は考え込んだ。するとその時

 

「……ふむ。聞こえているようだな。―――会議に出席されている方々。我々は『帝国解放戦線』である。」

「―――同じくカルバードの旧き伝統を守るために立ち上がった『反移民政策主義』の一派の者だ。」

共和国のテロリストの声と共にギデオンの声が聞こえて来た!

 

「なんだと……!?」

「エレボニアとカルバードで活動しているテロリスト集団……!?」

「フフ、まさか白昼堂々と仕掛けてくるとはね。」

「それにこの声は確かヘイムダルの地下で対峙した……!」

「やれやれ……性懲りもなく仕掛けてくるとは呆れたものじゃな。」

相手がテロリストと知ったアルバート大公は声を上げ、遊撃士協会から出向しているアリオスと同じオブサーバーの立場のイアン・グリムウッド弁護士は信じられない表情をし、レンは不敵な笑みを浮かべ、ギデオンの声を聞いたエリゼは血相を変え、リフィアは呆れた表情で溜息を吐いた。

 

「この度、我々は互いの憎むべき怨敵を討たんがため共に協力することと相なった。―――覚悟してもらおう!”鉄血宰相”ギリアス・オズボーン!」

「ロックスミス大統領!貴方にはここで消えていただく!忌まわしき東方人に侵食されたカルバードの伝統を守るためにはそのくらいの荒療治が必要なのだッ!」

「……愚かなことを。」

「フム、話にならんな。」

ギデオン達の発言を聞いたロックスミス大統領とオズボーン宰相は呆れた表情で呟いた。

 

「だが……ちょいとマズそうだなァ。」

「ああ……来るぞ。」

「くっ……!」

そしてレクター書記官の言葉にアリオスは頷き、ダドリーは唇を噛みしめた。

 

一方屋上にはテロリスト達が乗った飛空艇が着地し、テロリスト達が次々と降りて行った後下に向かって行った。

「――こちらにまっすぐ向かっているだと!?クッ、あの図面はこのために……とにかく待機させていた警備隊をこちらの方に急行させて―――なんだとッ!?」

会議室の端で通信で報告を受けていたダドリーは唇を噛みしめた後指示したがある事を報告されて声を荒げた。

 

警備隊員や警官達は上に上がる為に非常階段に急いだがシャッターが閉じられ

「な、なんだこれは!?」

「ど、どうしていきなり……」

「なんだ、何が起こっている!?」

それを見た警備隊員や警官、警察の副局長のピエール副局長は戸惑っていた。一方エレベーター方面では警官達が何度もエレベーターのボタンを押したが反応はしなかった。

 

「だ、駄目です!ボタンを押しても反応しません!」

「クッ……何がどうなっている!?」

反応しないエレベーターに警官達は混乱し

「ちょっと、これじゃあ取材ができないじゃないの!?レインズ君、なんとかしなさい!」

「む、無茶言わないでくださいよ~!」

クロスベルの新聞記者の一人であるグレイス・リンは驚いた後後輩の新聞記者に無茶な命令をしていた。

 

「これは……!」

一方34階の待機場所から部下達と共に非常階段を駆けあがってきた警備隊の女性隊員―――ミレイユ三尉は閉じられているシャッターを見て驚き

「ミ、ミレイユ三尉!と、突然シャッターが閉じてしまって……!これではVIP達の救出に迎えません……!」

下の階層から駆けあがってきたミレイユ三尉に気付いたピエール副局長は表情を青褪めさせて現状を報告した。

 

「―――ご安心下さい。司令やエルミナ大尉達が予め”この事態が起こる事を予測していた”ので、対策も当然たててあります。」

「なっ!?」

「ええっ!?ギュランドロス司令達がですか!?」

そして静かな表情で答えたミレイユ三尉の話を聞いたピエール副局長は警備隊員達と共に驚いた。

 

「皆さん、シャッターから離れて下さい。」

そしてエルミナ大尉と共に来た警備隊員達がピエール副局長に警告してシャッターから離れさせた後シャッターに何かを仕掛けた。

「あれは一体……?」

「!まさか……!」

警備隊員が仕掛けている何かにピエール副局長が警官と共に首を傾げている中、何かを察した警備隊員が驚いたその時、ミレイユ三尉はシャッターに何かを仕掛け終えた部下達と共にシャッターから離れ

「”起動(イグニッション)”!」

「イエス・マム!」

ミレイユ三尉の号令によって、警備隊員達はライフルを撃った。するとシャッターに仕掛けられた何かは一斉に爆発し、爆発による煙が消えるとシャッターに人一人は余裕で入れる程の大きな穴が開いていた!

 

「おおっ……!」

「先に進めるぞ……!」

シャッターに開いた穴を見たピエール副局長は警官達と共に明るい表情をし

「け、携帯用の高性能爆薬……」

「い、一体いつの間に用意したんだ、ベルガード門の連中は!?」

警備隊員達は驚きの表情でミレイユ三尉達を見つめていた。

 

「―――通路に到着次第テロリスト達との交戦に入る!何人たりとも後ろに通すな!」

「イエス・マム!」

そしてミレイユ三尉の命令に答えた警備隊員達は次々とシャッターに空いた穴を通って迅速に通路に向かい始めた…………!

 

 

 

お待たせしました!ついに閃の一番盛り上がる部分です!なお、ここからのBGM、通常バトルのBGMは閃の”Artocious Raid”だと思って下さい♪


 
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