それは、ある任務中に起こった出来事である…
第24管理外世界、とある地下洞窟…
「たく、やっと見つけたぜロストロギア…」
「まさか、こんな小っせぇ代物とは思わなかったな」
いつも通り、ロストロギア回収任務を遂行していたロキとBlaz。二人はこの地下洞窟でロストロギアの反応を探して回っていたのだが、ロストロギアその物が掌サイズの小さな水晶型だった所為で見つけ出すのにかなりの時間を費やしてしまった。更には洞窟に生息する原生生物達との戦闘もあって、二人は今の時点で若干だが疲れを感じていた。
「まぁ良いや。封印処理は完了したし、とっととズラかろうぜ」
「そりゃ賛成だ、管理局まで相手にしちゃキリが無ぇしな」
こんな状態で時空管理局の魔導師と接触して戦闘になってしまえば、今以上に疲れる羽目になってしまう。封印処理の完了した水晶型ロストロギアがユーズに収納され、ロキとBlazは早いところ地下洞窟から抜け出すべく転移しようとする。
その時…
ゥゥゥゥゥゥ…
「「…!」」
突如、真っ暗な洞窟の先から音が聞こえてきた。二人は転移を中断し、音が聞こえた方向を見て警戒する。
「何だ? この音」
(音からして、虫の飛ぶ音か? それも一匹や二匹じゃない、大群で飛んでいるような…)
少しずつ音が大きくなっていく。ロキはユーズから取り出したデュランダルを、Blazは背中に背負っていた大剣を手にもって構える。そして…
-ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!-
「「「「「ギギギギギギギギギギギギギギギギ!!」」」」」
イナゴと思われる虫の大群が、二人に向かって飛んで来た。
「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」」
無数のイナゴに襲われ、二人は慌ててそれぞれの武器を振り回す。しかし無数にいる所為で一匹や二匹程度しか仕留められず、それが余計に二人を焦らせる。
「ちょ、何だコイツ等!? うわキショい!!」
「えぇい寄るな、鬱陶しい!!」
「「「「「ギギギギギッ!!」」」」」
しかし二人が武器を振り回している内に、イナゴの大群は一カ所に集まり始めた。集まったイナゴが次々と融合する事で少しずつ人型へと形成されていき、黒い体色の人型イナゴへと変貌する。
「虫共が融合した!?」
「いや、元の姿に戻ったって言うのか…!?」
「ギギギギギギギギ!!」
人型イナゴは長い触角を振るってから、二人のいる方向に向かって大きく飛翔。その鋭い爪を振るって二人に攻撃を仕掛けようとする。
「Blaz!!」
「あぁ、おんどりゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「ギギィッ!?」
Blazの振るった大剣が人型イナゴの腹部に命中し、飛んでいた人型イナゴが地面に落下。すぐ立ち上がった人型イナゴの背中をロキがデュランダルで斬りつけ、人型イナゴも負けじとロキの二撃目と三撃目を素早く回避する。
「何かよく知らんが、一応倒しておくかな…っと!!」
「ギギギ!!」
人型イナゴは伸縮自在な触角を長く伸ばし、鞭のように振るってロキとBlazを襲う。Blazが大剣で上手く防御している間、ロキはデュランダルで触角を弾きながら人型イナゴに少しずつ接近していく。
「ギギギ…ギィッ!!」
「ワンパターンなんだよ昆虫野郎!!!」
「ギガァッ!?」
ロキの接近に気付いた人型イナゴが口からエネルギー弾を放つも、ロキはそれを分かり切っていたかのように回避してからショットガンを召喚。人型イナゴの腹部に銃口を突きつけたまま、零距離射撃で人型イナゴを大きく吹き飛ばす。
「ギィィィィィィィ…ギギギッ!!」
「あ、おい待てコラ!!」
分が悪いと判断したのか、人型イナゴはロキのショットガンを踏み台に大きく飛翔し、そのまま洞窟の奥深くへと飛び去って行ってしまった。敵がいなくなった為、ロキは構えていたデュランダルとショットガンをユーズに収納し、Blazは構えていた大剣を背中に背負う。
「何だったんだ? 今のは…」
「この洞窟の原生生物……って訳でもなさそうだな。この洞窟にはあんな生物はいなかった筈だ」
「…まぁ、何だって良いだろ。とにかく、ロストロギアを持って早く出よう」
「…そうするか」
戦闘が終了した以上、何時までもこの洞窟にいる理由は無い。二人は転移魔法を発動し、この地下洞窟から姿を消すのだった。
「今のが、OTAKU旅団の戦士…」
一人の少年が、陰でその様子を見ていた事にも気付かないまま。
世界と世界の間に存在する、狭間の空間…
『ギギギギギギ…』
先程の人型イナゴが、この空間内へと逃げ込んで来ていた。誰もいない、西洋の城らしき建物内まで飛んで来た人型イナゴは床に降り立ち、誰も座っていない筈の玉座の前まで移動する。
『見つからなかったようだな』
「ギギッ」
『…まぁ良い、他を探せば良いだけの事だ』
謎の声に対して頷いた人型イナゴは黒い霧に包まれる形で消滅し、玉座には黒い思念体のような何かが出現する。
『我が半身とも言える“黄金の神器”……五つに散らばったそれらを集めれば、私は再び現世へと蘇る事が可能となる……だが』
思念体の目の前に等身大サイズの鏡が出現する。
『我が計画を成就する為には、OTAKU旅団の存在だけが邪魔になる……だが、問題はあるまい』
鏡に映像が出現する。その映像には…
≪Gaoh Form≫
『く、貴様ぁ…!!』
『消えろ、二人纏めて』
『『がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?』』
ガオウへと変身したZEROが、二百式とデルタをタイラントクラッシュで爆破する光景や…
『ライオトルーパー部隊、出撃の時だ!!』
『『『『『ハッ!!』』』』』
『来るなら来い!! 俺の手で、全てを破壊してやる…!!』
『『『『『オォォォォォォォォォォォッ!!』』』』』
支配人の変身したオーガ率いるライオトルーパー部隊と、okakaの変身したプロトディケイド率いるマツボックリを模したライダー部隊が街中で戦争を行っている光景や…
『やめろ、やめてくれキリヤ!!』
『ウルさぁん!!』
『うぅ、う、ゥ……ガ、アァァァァァァァァァァァァァッ!!!』
『ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!』
仲間の声も届かないまま、闇の力に飲み込まれ暴走するロキとディアーリーズの姿が映っていた。
『今度こそ、私が理想とする世界を完成させる……もう、誰にも邪魔はさせない…』
黒い思念体は金色に輝き出し、その赤い目をギラリと光らせる。
『あぁ、楽しみだ……楽しみで仕方ない……クク、クハハハハ、ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!!』
これが、全ての始まりだった。
九番目の熾天使・外伝 ~改~ 最大最強・バトルロワイヤル
coming soon…
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暇だったので載せてみました。