No.706083

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第175話

2014-08-04 00:21:52 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2299   閲覧ユーザー数:2102

 

~アルゼイド流・練武場~

 

「え……」

意外な人物の申し出にリィンは呆け

「何故だ、シュリ。」

「はい……今のリィンさんはかつて”使徒”になったばかりの私自身と同じですからリィンさんの気持ちは私もわかるんです。誰かの為に早く”力”を得たいという気持ちを……」

「…………………」

(フム、言われてみればそうだの。リィン(奴)の今の目はエクリア嬢ちゃんたちに鍛えられていた時のシュリ嬢ちゃんの目とそっくりだの。)

シュリの答えにセリカは目を伏せて黙り込み、ハイシェラは静かに呟き

「シュリの頼み通り教えてやったらどうだ?というかエステル達が後でこの事を知ったら五月蠅く言ってくると思うぞ?」

「確かにエステルの性格なら、絶対セリカを責めるだろうね。」

メティサーナの意見にエヴリーヌは頷いて続きを言った。

 

「……………例え教えるにしても、今の疲弊しているお前の状態では到底”飛燕剣”を習得できるとは思えないな。」

「それは……」

そしてセリカの指摘にリィンが複雑そうな表情をしたその時

「うふふ、それなら私に任せて♪」

ベルフェゴールが突如リィンの傍に現れた。

 

「ええっ!?あの方は一体……」

「睡魔―――いや、この圧倒的な魔力は”魔神”か。」

ベルフェゴールの登場にシュリは驚き、セリカは静かに呟いた。

「うふふ、初めまして、”神殺し”。私の名はベルフェゴール。睡魔の女王種―――リリエール族の者にして”七大罪”の一柱――――”怠惰”を司る者よ。」

「”七大罪”の一柱だと!?何故そのような者が人間に従っているのだ!?」

(ほう?随分と大物が出て来たな。メティサーナの言う通り人間に従っているとは一体何があったのか気になるだの。)

ベルフェゴールの自己紹介を聞いたメティサーナは血相を変え、ハイシェラは興味ありげな表情をした。

 

「うふふ、私からしたら天使の貴女が”神殺し”に従っている方が驚きよ?」

(クク、一理あるだの。)

「うっ……メティはご主人様に救われたから、恩を返す為にご主人様に力を貸しているだけだ!」

ベルフェゴールの指摘にハイシェラは口元に笑みを浮かべて頷き、メティサーナは一瞬怯んだ後答えた。

 

「……それでどうやってそいつの疲弊した状態を回復させるつもりだ。」

「あら、そんなの簡単よ♪これをすれば一気に回復するわ♪」

セリカの指摘にウインクをして答えたベルフェゴールはリィンの顔に両手を添えてリィンの顔に近づき

「ちょっ、ベルフェゴール、まさ―――んんっ!?」

「ん……ちゅ……れる……ちゅる……」

なんとリィンと深い口付けを交わした!

 

「ええっ!?」

「わ~、ラブラブだね~。」

「オレ達が見ている目の前であんな事ができるなんて、凄いな……」

「フッ、今の光景をアリサに教えたらどんな反応をするだろうな?」

「え、えっと……間違いなく嫉妬に駆られて何らかの行動をするでしょうね。これは後で絶対に教えなくてはなりませんね。」

その様子を見たセレーネは驚き、ミリアムは興味ありげな表情をし、ガイウスは目を丸くし、からかいの表情をしているユーシスの言葉にエマは頬を赤らめた後微笑み

「な、な、な……っ!?」

「フッ、ラウラには少し早い光景だな。」

「そのようですな。」

顔を真っ赤にして口をパクパクしているラウラの様子を見たアルゼイド子爵とクラウスは苦笑した。

 

「あ、なるほど。その手で回復させるんだ。」

「え、えっと……」

「―――”性魔術”か。」

「睡魔族らしいやり方だな。」

一方エヴリーヌは納得した様子で頷き、シュリは頬を赤く染め、セリカは静かに呟き、メティサーナは呆れた表情で言った。

 

「はい、今のキスで私の精気を分けてあげたから疲労も一発で回復したでしょう?」

「ううっ……確かに回復したけど、もうちょっと他にもマシなやり方はなかったのか………?」

「自身の精気を分け与えるなら、睡魔族の場合触れるだけでもできるはずだがな。」

深い口付けを終えたベルフェゴールにリィンとセリカはそれぞれ指摘し

「うふふ、私はこのやり方が好きなのよ♪それじゃあ頑張ってね♪」

ベルフェゴールはウインクをした後リィンの身体に戻った。

 

「え、えっと……その……すみません……」

ベルフェゴールが消えるとリィンは申し訳なさそうな表情で謝罪し

「―――別に謝る必要はない。それより子爵、2時間程ここを借りるぞ。」

セリカは静かに答えた後アルゼイド子爵に視線を向けた。

 

「え……じゃあ……!」

「……お前の為に進言したシュリに感謝しておけ。」

自分に”飛燕剣”を教えるつもりでいる自身の言葉に明るい表情をしているリィンにセリカは静かな表情で答え

「ええ、二人の気のすむまで使って頂いて結構です。ですがその代わり後学の為にもセリカ殿の指南の様子を見せてもらって構いませんか?」

「好きにしろ。」

「フム、なら私も見学させて頂きます。異世界で伝説と化した東方の剣技……どのような剣なのか、一人の剣士として気になりますし。」

「やれやれ、親娘揃ってまさに”剣士の一族”だな。」

「アハハ……」

そしてアルゼイド子爵とラウラの答えを聞いて呆れた表情で言ったユーシスの言葉を聞いたエマは苦笑した。その後リィンはセリカの指南によって、”飛燕剣”の基本剣技―――”妖の型”―――”身妖舞”、”舞の型”―――”円舞剣”、”斬の型”―――”殲綱斬”、”燐の型”――――”紅燐剣”を習得した。

 

その後リィン達はそれぞれの部屋で明日に備えて休み始め、リィン達が眠っている間、エマは一人バルコニーに出て外の景色を見つめていた。

 

~深夜・アルゼイド子爵邸~

 

「……霧が晴れたみたいね。聖女の城、か……」

(お宝が眠って良そうな気配ね♪)

バルコニーでエマは霧が晴れた事によってよく見えるようになった”ローエングリン城”を見つめ、ヴァレフォルは興味ありげな表情をしていた。

 

「……駄目よ。みんなに気付かれてしまうわ。」

その時何かの気配を感じたエマが呟くと

「フフン、大丈夫よ。”光の剣匠”と”魔弓将”、後は”嵐の剣神”達は怖いけどこのタイミングなら平気だわ。」

「もう……」

いつの間にか手すりにセリーヌが乗っていた。

 

「……しっかし、何とも危なっかしい子ねぇ。”前”に進めるきっかけをやっと手に入れたみたいだけど……この調子で”間に合う”のかしら?しかも”魔王”達の力をその身に宿した影響がモロに出ていて、不安要素が重なっているし。」

「ふう……それは私達が決める事じゃないわ。私達は見守り、導くだけの存在……前みたいなことをしたら、今度こそベルフェゴールさん達の怒りに触れるんだから絶対に止めてちょうだい。」

溜息を吐いたセリーヌの言葉を聞いたエマは呆れた後真剣な表情でセリーヌを見つめた。

 

「はいはい、わかってるわよ。それよりあんたが異世界で”契約”したソロモンの”魔王”は本当に信用できるんでしょうね?」

(ム……使い魔もどきの猫なんかにそんな事を言われる筋合いはないわよ。)

「(す、すみません、ヴァレフォルさん。)もう……ヴァレフォルさんは気さくな人だけど”魔王”なのよ?せっかく力を貸してくれているのに、そんな態度をしていると、ヴァレフォルさんに嫌われるわよ?」

セリーヌの指摘で頬を膨らませたヴァレフォルの様子にエマは申し訳なさそうな様子で念話をヴァレフォルに送った後、溜息を吐いてセリーヌを見つめた。

 

「相手が”魔王”だからこそ、その真意を疑わなくちゃ駄目でしょうが。大体、異世界の”魔王”達は色々とおかしすぎよ。貴女やあの子もそうだけど、あのプリネって娘に従っているソロモンの”魔王”も自身の実力より下なのに従っているのだから。それはそうと―――気付いているみたいだけどあの城、”何か”あるわよ?アタシたちの管轄外だけど、ちょっとマズいかもしれないわね。」

「ええ……ラウラさんにそれとなく伝えるしかないでしょうね。」

セリーヌの推測に頷いたエマは真剣な表情でローエングリン城を見つめた。

 

そして翌日…………

 

 

 

という事でリィンが飛燕剣をついに習得しちゃいましたww実際ゲームで飛燕剣が使えるとただでさえ強いリィンがより使いやすくなって、最強キャラの一人になるでしょうねww特に紅燐剣は戦女神シリーズではチート技の代名詞と言ってもおかしくありませんからねww


 
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