No.704435

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第160話

2014-07-28 00:28:43 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2222   閲覧ユーザー数:2012

 

~1年Ⅶ組~

 

「―――さて、明日は自由行動日。来週の水曜は実技テストだから備えてもらうとして。ミリアム、エヴリーヌ、それにクロウ。アンタたちにも一応、Ⅶ組用の教材が届いてるわ。これが終わったら渡すから教官室まで一緒に来なさい。」

「おっけー。」

「やれやれ、面倒くせーな。」

「えー……何でエヴリーヌがそんなめんどくさい事を……」

サラ教官の指示に3人はそれぞれ様々な反応を見せ

「……学院に編入したからには、ある程度学院の指示に従う事をもう忘れたのか?」

「……覚えてるけどお前に指図されるとなんか腹立つ。」

呆れた表情で指摘したレーヴェの言葉を聞いたエヴリーヌは顔に青筋を立てた。

「それじゃあこれで、HR終了。マキアス、号令して。」

「はい。起立―――礼。」

そしてHR終了の号令が終わった後編入生の3人はサラ教官とレーヴェについて行って、教室から出た後リィン達は集合して編入生達の事について話し合いを始めた。

 

「……どう思う?」

「えっと……ミリアムさんの事ですよね?」

アリサの問いかけを聞いたセレーネは確認し

「うーん、そうだな……そこまで警戒する必要はないと思うんだが……」

リィンは考え込みながら答えた。

 

「そうだねぇ……あの銀色のデッカイのを呼ぶのはちょっと困るけど。」

「悪い子じゃないと思う。昨日、中庭で昼寝をしてたら一緒に寝転がってきた。」

「それ、良い子悪い子は関係なくないか……?」

エリオットの推測に頷いたフィーの答えを聞いたマキアスは呆れ

「ふふっ、二人で眠っていると子猫が2匹いるみたいでしたね。」

「まあ……!フフ、わたくしもその光景を見たかったですわ。」

微笑みながら言ったエマの言葉を聞いたセレーネは目を丸くした後微笑んだ。

 

「ふふ、タイプは違うがどちらも猫っぽくはあるな。」

「12,3歳くらいか……無邪気なのも当然だろう。」

「うーん、そうなのよね……妙に人懐っこいからこちらも邪険にできないっていうか……」

「どうも憎めないというか……天性の愛嬌はあるかもな。」

「アハハ、その意見には同感です。」

クラスメイト達のミリアムに対する評価を聞いていたツーヤは苦笑しながら頷いた。

 

「――だが、どんなに子供じみても”鉄血宰相”の指示で編入したのは間違いないだろう。」

その時腕を組んだユーシスが静かな口調で答えた。

「それは……」

「……まあ、確実だろうな。」

ユーシスの言葉を聞いたリィンは真剣な表情になり、マキアスは頷いた後仲間達と共にバルヘイム宮で自分達に向けたオズボーン宰相の言葉を思い出した。

 

私としてもささやかながら更なる協力をさせてもらうつもりだ。まあ、楽しみにしてくれたまえ。

 

「”帝国軍情報局”だったか……ノルドでの一件を見る限り、その一員なのは間違いないだろう。」

「それと”ガーちゃん”……あの”アガートラム”君もさすがに不思議すぎますよね。金属のような、陶器のような………それでいて柔らかそうでもあるし。」

「……確かに……最新の導力技術をもってしても作れるとはとても思えないわね。」

「「……………」」

「?(お二人ともどうされたのでしょう……)」

アリサの意見を聞いて真剣な表情で黙っているプリネとツーヤに気付いたセレーネは首を傾げた。

 

「ちなみに触ってみたらヒンヤリ気持ち良かった。」

「そ、そうなんだ……」

「いずれにしても、サラ教官が実技テストで出した”傀儡”……あれと同系統のものであるのは間違いないだろう。」

「確かに……」

「”押し付けられた”と言ってたが今回もそれに近いのかもしれないな。」

ラウラの意見にエリオットとマキアスはそれぞれ頷いた。

 

「フン……やはりとても信用できんな。」

そして鼻を鳴らしたユーシスの言葉を合図にリィン達は黙り込んだ。

「―――いずれにせよ、彼女の”Ⅶ組”編入は決定事項だ。”友人”として”信用”できるかまだ分からないけど……”仲間”として”信頼”できるかはこれから見極めていけばいいと思う。」

「それは……」

「……まあ、一理あるな。」

「あはは……確かにこれからだよね。」

「彼女の”背景”がどうであろうと共に肩を並べ、心を合わせられるか。」

「うん、それは重要だな。」

「もう少し様子を見るべき。」

「ふふっ、同じ寮に住む以上、仲良くやって行きたいですね。」

「はい。わたくしにとっては年の近い方でもありますし。」

「最初から疑ってかかれば、またトラブルが起こるかもしれませんしね。」

「ええ……もう、人間関係のトラブルは懲り懲りですよ……」

「アハハ、そうね……私達の方も壁は作らないようにしないと。」

リィンの意見を聞いた仲間達はそれぞれ頷いた。

 

「編入生と言えばエヴリーヌもそうだけど……」

「本当にプリネさんの護衛の為に編入したのですか?」

その時エヴリーヌの存在を思い出したエリオットはエマと共にプリネを見つめた。

 

「ええ、そう聞いています。」

「メンフィル帝国の何らかの意図は考えられないのか?」

「アハハ、その可能性はないですよ。エヴリーヌさんは密偵みたいな事はできませんし、基本めんどくさがりな人ですから絶対にありえません。」

ユーシスの疑問を聞いたツーヤは苦笑しながら答えた。

 

「う~ん、ミリアム同様悪い娘には見えないわよねぇ。」

「プリネ達の話では、何千年も生きているそうだけどとてもそうには見えないよな……?」

「それにわたくしにも親身にして頂きましたし、心根は優しい方だと思います。」

苦笑しながら言ったアリサの言葉に続くようにマキアスは戸惑いの表情で呟き、セレーネは微笑んだ。

 

「―――だけど”魔弓将”は”殲滅の姉妹(ルイン・シスターズ)”の一人だから、残虐な性格なのは間違いないと思うよ。」

「ル、”殲滅の姉妹(ルイン・シスターズ)”?」

「一体何なのだ、その異名は?」

フィーが呟いた言葉を聞いたマキアスは戸惑い、ラウラは尋ねた。

 

「”殲滅の姉妹(ルイン・シスターズ)”……メンフィル軍の将、皇族の中でも最も好戦的で残虐的な性格をしているから、そう呼ばれている。ちなみに”殲滅天使”もその中の一人。」

「レン姫が……」

「フン、確かにヘイムダルの時も二人共戦闘を楽しんでいたな。」

フィーの説明を聞いたガイウスは驚き、ユーシスは鼻を鳴らして呟いた。

 

「後リウイ陛下にエヴリーヌさんの事を聞いてわかったのですが……あたしやプリネさん達と同じ”権限”も持っているそうです。」

「プリネ達と同じ”権限”って……」

「――――相手が何者であろうと襲って来た際は”正当防衛”として殺害も認めるユーゲント皇帝陛下直々が出したあの”権限”か。」

ツーヤの説明を聞いたアリサは目を丸くし、ユーシスは真剣な表情になり

「だ、大丈夫なの……?そんな残虐な性格をしているエヴリーヌがその”権限”を持つなんて。」

エリオットは不安そうな表情でプリネを見つめて尋ねた。

 

「大丈夫ですよ。エステルさん達と行動していた時も”敵”は殺しませんでしたし、お父様やリフィアお姉様も強く言い聞かせたそうですし、今のエヴリーヌお姉様は罪もない人を無差別に殺すような性格ではありませんから。」

「それに既にお分かりかと思いますがエヴリーヌさんはプリネさんを溺愛していますから、こう言っては何ですがプリネさんの頼み事ならある程度なら聞いてくれるんです。」

「確かに彼女のプリネに対する接し方は微笑ましいな。」

「フフッ、本当の姉妹のようにも見えましたね。」

プリネとツーヤの説明を聞いたガイウスは静かな笑みを浮かべ、エマは微笑み

「ふふっ、いっそアリサは彼女に弓の技を教えてもらったらどうだ?エヴリーヌは何といってもかの”魔弓将”。最高峰の弓使いとも言われている程だぞ?」

「う~ん、そう言われてもヘイムダルの時に見せたあの威力や命中力もそうだけど、高速で矢を番えた後すぐに放つ動作とかとても真似できないと思うのよねぇ。」

ラウラに促されたアリサは苦笑しながら答えた。

 

「……エヴリーヌさんに関してもミリアム同様、見守って行こう。」

「……そうだな。」

「ん。敵だと恐ろしいけど、味方だととんでもなく心強い存在なのは確かな事だしね。」

そしてリィンの意見にマキアスとフィーは頷き、仲間達もそれぞれ頷いた。

 

「そういえば……あのクロウって先輩だけど。リィンは親しいみたいだけどどういう人なの?」

「親しいって程じゃないけど……まあ……あえて評するならいい加減でギャンブル好きで気まぐれなお調子者って感じかな。」

アリサにクロウの事を尋ねられたリィンは困った表情で答えた。

 

「え、えっと……」

「ダメだろう、それは……」

「フン、あまり関わり合いになりたくないタイプだな。」

「いや、いざとなったら頼りになるのは確かだと思う。俺とエリゼが旧校舎地下で危なかった時も助太刀してくれたし……ARCUSも含めてかなりの腕前だったのは確かだ。」

仲間達がクロウに呆れている中リィンは説明を続け

「まあ……」

「フフ、人は見かけによらない証拠ね。」

「アハハ、そうですね。」

説明を聞いたセレーネは目を丸くし、プリネとツーヤは苦笑していた。

 

「ふむ……アンゼリカ先輩や生徒会長の知り合いだったか。」

「ならば、心配する必要はないかもしれないな。」

「うーん、どう付き合えばいいかちょっと迷うけどね。」

「はあ、今の所寮も別だし様子を見るしかないってことね。」

その後話し合いを終えたリィン達はそれぞれの放課後の活動を開始した。

 

 

 

 

 

最近セレーネを何度も登場させていて、ふともうこうなったら空を仰ぎてシリーズの隠しドラゴン娘もリィンと契約させようかなという誘惑にかられています(オイッ!)ちなみにそのキャラは空を仰ぎてシリーズ雲高くの真ラスボスと言えば、わかる人はわかると思います。まあ、登場させた場合は名前は変えますが。だって、この物語で登場した上リィンラバーズの一人であるオリジナルキャラのある人物の名前と被ってややこしい事になりますし(答え、ほとんど言っちゃった!?)まだ確実に出ると決まった訳ではありませんからあんまり期待しないで下さいね?それに登場させるとしても閃Ⅱにしようかと思っていますし。まあ、もし本当にそうなったら、ミントもツーヤ同様他人事じゃなくなりますから、冷や汗をかいて表情を引き攣らせる事は確実でしょうね(爆笑)後、閃Ⅱの内容次第ではアリサが初期メンバーの中にいる状態にするかもしれません。なんせ転移魔術が使え、飛行できるベルフェゴールとリザイラがいますし(汗)あ、ちなみに閃Ⅱ初期メンバーの中でセレーネは確定していますのでご安心を……え?何でアリサだけ初期メンバーにするかもしれないかって?それは今までの話を読んで察してくれとしか(苦笑)


 
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