No.700657

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

外伝~”六銃士”~前篇

2014-07-14 00:02:43 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2325   閲覧ユーザー数:2143

~マルーダ城~

 

「た、たった6人で猟兵団を殲滅したなんて正直信じられない話ですね……」

「しかも貴族を失脚させた事もあるだと?そのような者達が一体何故クロスベルに……」

「何だかおとぎ話で出てくるような存在ですわね……」

話を聞き終えたエマとユーシスは信じられない表情をし、セレーネは目を丸くし

「……フィー。僅か6名で猟兵団を殲滅する事は現実的に可能なのか?」

「……どうだろう。猟兵団の規模にもよるけど、罠や作戦も完璧で6人全員が”達人”クラスなら可能かもしれないけど……わたしは”六銃士”に会った事がないから、彼らがどれ程の使い手なのかもわからないから何とも言えない。」

ラウラに尋ねられたフィーは考え込みながら答え

「普通に考えたらたったそれだけの人数で勝つなんてありえないわよね……?」

「いや、でも俺達はエステルさん達という”規格外”を見ているからな。」

「あれを見たら、今のような夢みたいな話でも現実のような気がして来るぞ……」

戸惑いの表情をしているアリサの言葉を聞いたリィンは苦笑し、マキアスは疲れた表情で溜息を吐いた。

 

「……確かプリネ姫達はクロスベルで”六銃士”の方々と直に会っているのでしたね?」

「ええ。あの時はまさかヴァイスさんが転生しているとは思いませんでしたけど……」

「あの時は本当に驚きましたね。」

エリゼに尋ねられて答えたプリネに同意するようにツーヤは苦笑した。

「……………………」

「ガイウス?どうしたの?」

話を聞いて考え込んでいたガイウスに気付いたエリオットは尋ねた。

「ああ。以前ノルドで魔獣に包囲された父さん達を助けてくれた恩人――――ギュランドロスさんとその仲間の人達からそのヴァイスハイトという名前が出た事があるんだ。ギュランドロスさんの話では自身が認める”最高にして最強のライバル”だと言ってたが……」

「ほう?面白い縁だな。”紅き暴君”ギュランドロス・ヴァスガンも”六銃士”の一人だぞ。」

エリオットの疑問に答えたガイウスの話を聞いたレーヴェは興味ありげな表情をした。

 

「あの人が……じゃあもしかしてルイーネさん達も……」

「はい。”黄金の戦王”ヴァイスハイト・ツェリンダー、”紅き暴君”ギュランドロス・ヴァスガン、”微笑みの剣妃”ルイーネ・サーキュリー、”鋼鉄の剣姫”エルミナ・エクス、”暴風の戦姫”パティルナ・シンク、”蒼銀の魔剣姫”アル・ノウゲート。以上の6名が現在はクロスベルの警察、警備隊の上層部の座にいる”六銃士”です。」

目を丸くしているガイウスにツーヤは説明した。

「フム……その”六銃士”とやらは実際どれ程の使い手なのだ?」

ツーヤとプリネは自分が気になる人物達の事を知っていると判断したラウラは興味ありげな表情で尋ねた。

 

「個人の戦闘能力は一人一人”達人”クラスでまた指揮官としての能力も相当高く、”弱者”と侮られていたクロスベル警備隊を合同演習の際エレボニア帝国軍を破る程への”強者”の兵へと育てあげる程色々と凄いんです。」

「なっ!?」

「何っ!?合同演習でクロスベル警備隊にエレボニア帝国軍が敗北した等聞いた事がないぞ!?」

「そんな事になったら、間違いなく新聞に載ると思うんですが……」

プリネの話を聞いたリィンは驚き、ユーシスは信じられない表情で声を上げ、マキアスは戸惑いの表情でサラ教官を見つめた。

「まあ、知らないのも無理はないわよ。あの件は”情報局”の連中がクロスベルの”宗主国”の一つのエレボニア帝国軍がクロスベル自治州の警備隊に敗北した失態を隠す為に必死に動いて報道させないようにしていた件だし。―――ちなみに演習に参加したのは”ガレリア要塞”の部隊と”紅毛のクレイグ”率いる”第四師団”の部隊で、ナイトハルト教官も参加していたそうよ。」

「ええっ!?じゃ、じゃあ父さんが負けたんですか……!?」

苦笑しながら答えたサラ教官の話を聞いたエリオットは驚きの表情で尋ねた。

 

「ええ。何でも話によるとナイトハルト教官が率いる部隊は囮部隊によってまんまと罠にはめられて他のクロスベル警備隊に挟み込まれてナイトハルト教官を含めた部隊は”全滅”。クレイグ中将は”アハツェン”の部隊を指揮していたそうだけど……”紅き暴君”率いるギュランドロス司令の警備隊によって”全滅”状態に陥ったそうよ。――――それも”アハツェン”が破壊され、クレイグ中将自身はギュランドロス司令との一騎打ちに敗れて戦闘不能に陥ったという帝国軍にとっては悪夢のような出来事だったそうよ。」

「………………」

「へえ、帝国軍で指折りの実力持ちを一人で倒したなんて相当の腕前だね。」

「そ、それに今の話を聞いて気になっていましたけど、どうやって”アハツェン”を破壊したんですか!?」

「確かクロスベルは条約の関係で強力な兵器は所持できないはずだぞ……まさか”アハツェン”を破壊できるほどの強力な兵器を隠し持っていたのか?」

サラ教官の口から出た信じ難い話にエリオットは口をパクパクさせ、フィーは感心し、アリサは信じられない表情で尋ね、ユーシスは真剣な表情で尋ねた。

 

「いいえ。信じ難い事に複数の装甲車で包囲して攪乱した後砲口や車輪を集中攻撃して無力化した話はまだマシなんだけど……なんとギュランドロス司令自身が生身で次々と”アハツェン”を破壊したそうよ。」

「へえ。多分装甲車でできる小回りやスピードを最大限に利用したんだろうね。」

「な、生身で”アハツェン”を破壊するって……!普通に考えてありえませんよ!?」

苦笑しながら答えたサラ教官の話を聞いたフィーは感心し、アリサは信じられない表情で声を上げた。

「相手が”普通”ならな。」

「その”六銃士”がエステルさん達みたいな”規格外”だったら話は別だよな?」

「アハハ……実際エステルさん達も生身で”アハツェン”を破壊していましたものね。」

アリサの言葉を聞いたユーシスは呆れた表情で答え、リィンとエマはそれぞれ苦笑していた。

 

「話を戻しますが……―――メサイア皇女。何故メルキアの皇女の貴女がメンフィルにいるかは一端置いておきまして……これからどうするおつもりですか?皇女がそのつもりならヴァイスさんと会わせる事は可能ですが。」

「……………………―――いえ、必要ありません。皆様のお話に出て来たお父様は転生していても私のお父様ではありませんから。お父様も私に会っても困惑するだけでしょう。」

プリネに尋ねられたメサイアは複雑そうな表情で黙り込んだ後静かな表情で答えた。

「へ……」

「ヴァイスさんがメサイア皇女の知っているヴァイスさんではないってどういう事ですか?」

メサイアの答えを聞いたリィンは首を傾げ、ツーヤは戸惑いの表情で尋ねた。そしてメサイアはリィン達に自分は転移門の事故の関係で並行世界の過去から来た事を説明した。

 

 

 

 

次の話でメサイアはどのルートから来ているのかわかります。まあ、ある程度察しがついていると思いますがww


 
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