No.699266

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第137話

2014-07-08 00:19:11 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2436   閲覧ユーザー数:2217

~リベール王国・王都グランセル・国際空港~

 

「ここがリベール王国……」

「わたしも初めて来た。リベールは猟兵団の運用を法律で禁止しているから、リベールでの仕事はなかったし。」

飛行船から降りたアリサは目を丸くして周囲を見回し、フィーは興味ありげな表情で周囲を見回し

「えっと……この後ロレント市に行きますから、国内線に乗るんですよね?」

「ええ。じゃあチケットを買って来るからちょっと待ってて。」

リィンに尋ねられたサラ教官は頷いてどこかへと去って行った。

「……列車はないのか?」

サラ教官が去った後ガイウスは不思議そうな表情で仲間達に尋ね

「ああ。リベール王国は起伏の激しい地形の関係で列車はなく、また導力車もあまり運用されていないそうだ。」

「その代わりに飛行船を定期運用していると聞いている。だから、飛行船はエレボニアと違って、頻繁に来ているそうだ。」

ガイウスの疑問にマキアスとユーシスが答えた。

「あっ!あの飛行船って、”アルセイユ号”じゃない!?」

その時美しい白の飛行船を見つけたエリオットは声を上げて飛行船を見つめた。

 

「間違いない、”アルセイユ号”だ……!」

「”白き翼”の異名を持つリベール王家が所持する高速巡洋艦ですね。」

「とっても綺麗な船ですね……」

”アルセイユ”を見たマキアスは声を上げ、エマは自分が覚えていた知識を思い出し、セレーネはうっとりとした様子で”アルセイユ”を見つめた。

「フフ、”アルセイユ”を見ていると何だか”リベールの異変”の時を思い出すわね。」

「ええ……エステルさん達は”アルセイユ”で”リベル=アーク”に向かいましたからね……」

そしてプリネとツーヤが懐かしそうな表情でアルセイユを見つめていたその時

 

「あら……?プリネさんにツーヤちゃんじゃないですか。」

青を基調とした凛とした女性騎士と共に一人の貴族の娘がリィン達に近づいてきた。

「え……」

「貴女は……!」

「クローディア王太女殿下……!」

「お久しぶりです、クローゼさん。」

娘の顔をよく見たリィンは呆け、ラウラとユーシスは血相を変え、ツーヤは微笑み

「ええっ!?ク、クローディア王太女殿下っていったら……!」

「リベール王女にして、次期リベール女王ですね。」

ユーシスの言葉を聞いたエリオットは驚き、エマは目を丸くして娘を見つめ

「フフ……―――初めまして。リベール王国、王太女のクローディアと申します。以後お見知り置きをお願いします。」

「―――リベール王国親衛隊隊長ユリア・シュバルツ准佐だ。以後お見知り置きを。」

娘――――クローディア姫と女性騎士―――ユリア准佐はそれぞれ自己紹介をした。

 

「も、申し遅れました!俺達はトールズ士官学院の”Ⅶ組”に所属する者です。」

「トールズ士官学院の”Ⅶ組”…………なるほど、貴方達がオリヴァルト皇子が結束したという特別クラスの士官学院生達ですか。」

リィンが慌てた様子で申し出るとクローディア姫は目を丸くした後リィン達に微笑んだ。

「え…………」

「殿下は我々の事をご存知なのですか?」

クローディア姫の言葉を聞いたアリサは呆け、ユーシスは驚きの表情で尋ねた。

 

「フフ、話だけは聞いています。この間もエステルさん達が手紙で貴方達と出会った事を書いていましたし。」

「エ、エステルさん達がですか……!?」

「リベール王家とまで仲がいいなんて、さすがだね。」

クローディア姫の話を聞いたマキアスは驚き、フィーは目を丸くし

「フフ、エステル君達はリベールの異変を解決した立役者であると同時に殿下にとっても大切な友人なのでね。よく連絡を取り合っているんだよ。」

ユリア准佐が微笑みながら説明した。

 

「それで本日は一体どういった用件でリベールに来訪したのですか?」

「実は――――」

そしてプリネはクローディア姫にリベールに来た理由を説明した。

「そうですか。フフ、それにしても……まさかツーヤちゃんの学生服を見る事ができるとは思いませんでした。」

「えっと……どこか変ですか?」

「フフ、とても似合っていますよ。そして貴女がツーヤちゃんの話にあったツーヤちゃんの妹ですか……貴女を見ていると何だか昔のツーヤちゃんを思い出しますね。」

ツーヤに微笑んだクローディア姫は懐かしそうな表情でセレーネを見つめた。

 

「クローディア殿下は昔からお姉様と親しかったのですか?」

「ええ。―――――プリネさんも、私のように掛け替えのないご学友ができて何よりです。」

「ありがとうございます、クローディア姫。こうやって学生服を着ているとジェニス王立学園で一緒に学んでいた時を時折思い出しますよ。」

「そうですね……あの頃は私にとっても、掛け替えのない時間でした……」

プリネの言葉に頷いたクローディア姫は懐かしそうな表情をした。

「……殿下。そろそろ……」

するとその時ユリア准佐がクローディア姫に話しかけ

「あっと、そろそろ城に戻る時間でしたね……――――それでは私達はこれで失礼します。皆さんの学生生活が実りある生活である事を心から祈っていますね。」

そしてクローディア姫はリィン達に微笑んだ後ユリア准佐と共にその場から去った。

 

「は~~~っ……!き、緊張した~。」

「まさかクローディア殿下とこんな所で会えるとは予想外だったぞ……」

二人が去るとエリオットとマキアスは疲れた表情で溜息を吐き

「フフ、6月から連続で王族の方達と出会っているな。」

「アハハ……確かにそうですね。」

「素敵な方だったわよね、クローディア殿下……」

静かな笑みを浮かべるガイウスの言葉にエマは苦笑し、アリサは羨望の眼差しでクローディア姫達が去って行った方向を見つめ

「まさに噂通りの聡明な姫君だったな……」

「うむ。」

ユーシスの言葉にラウラは頷き

「わたくし、クローディア殿下のような立派な淑女になりたいです、お姉様!」

「フフ、セレーネならきっとなれるよ。」

憧れの表情で言ったセレーネの言葉にツーヤは微笑んだ。その後戻ってきたサラ教官が購入したチケットによってリィン達は飛行船でロレント市に向かい、ロレント市に到着後、ロレント市で昼食を取った後ロレント市を出て街道にあるメンフィル大使館に向かっているとある人物がリィン達に近づいてきた。

 

 


 
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