この作品は、作者の妄想があふれ出して固まったという不純な動機から生まれています。
原作?なにそれおいしいの?なんてレベルは超越しております。
主人公もげろなんてしょっちゅうです。
それでも良いという方はどうぞお進みくださいませ。
さて、雪蓮先輩とも別れたわけで、さっさと仕事に戻ろうと思ってたんだけど。
「へ~、この子があの翠を女に変えたっていう北郷君なのね!」
「ちょっ!人聞きの悪い事言うな!」
「顔赤くして言われても説得力無いわよ~?」
「~~~~っ!」
何でか俺は今、大学生の先輩方に囲まれて座らされている。
隣には、いつぞやここに来てくれた奈良野先輩が座らされており、周りからのからかいの対象になっている。
先ほど前を通った美羽さんはこちらを見て見ぬ振りをしていったので、救援が来る可能性はきわめて低い・・・。
「それで?北郷君って彼女とか居ないの?」
と思考している間に友人さんの一人に聞かれた。
「ええ、あいにくとそういうのと縁遠くて」
「ええ~!?すっごいイケメンでこんな良い性格してるのに!?」
「ははは、そういっていただけて嬉しいですよ」
ニコリと微笑むと、周りで見ていた人達まで顔を赤くしたように見えた。
「こ、これは不味いわ・・・。翠、私がもらってもいいかしら?」
「はっ?い、いや、そもそも私のでも何でも無いから好きにすればいいんじゃないか?」
「ねえ、北郷君から見て翠ってどう?」
またなんとも答えにくい質問だなぁ。
奈良野先輩も軽く潤んだ目でこっち見てきているし・・・。
「美人ですし、雪蓮先輩から聞きましたが、槍術部の副部長もやっているとか?素晴らしい女性だと思いますよ」
と、とりあえず思ったままのことを言ったけれど・・・。
「・・・翠、これはチャンスよ!」
「・・・///」
「照れている場合じゃないわ!男勝りな貴女をここまで褒めてくれる男なんて、彼くらいよ!!」
「おい!男勝りなんて言われたこと無いぞ!」
翠さんが言われたことに対して怒ってる。
「と、とりあえず!私はいいから注文しろよ。いい加減離してやらないと、店の人に北郷が怒られちまうよ」
「それもそうね・・・。まあ翠を弄れたし十分でしょ。ごめんね北郷君」
「いえ、大丈夫ですよ。美人さん達と話せてオレも楽しかったです」
そういってオレは立ち上がると、注文を聞いてその場を後に出来た。
「ふふっ、楽しかったかしら?」
「美羽さん・・・。見てたのなら助けてくださいよ」
厨房付近へ戻ると、美羽さんがそれはそれは楽しそうな顔で出迎えてくれた。
「いいじゃない。飲み会だもの、それにこういう所では男の子は頑張らないとね」
「・・・なんでオレは男なんでしょうね」
美羽さんがウインクしながら言ってきたのを聞いたら何も言い返せないよなぁ・・・。
「でも、とりあえず休憩に入っていいわ。ずっと働きずめじゃ体に悪いもの。しばらくは私が動くわ。ただ、中には来ないほうがいいと思うわよ?さっきみたいになりたくなかったらね」
そういって美羽さんは厨房を出て行った。
まあそういうことならお言葉に甘えようと思ったオレは、厨房の隅を借りて有り合わせを適当に炒めて夕食を作ろうとしたんだけど・・・。
「これはおいしいわね・・・」
「ええ、本当においしいです・・・」
「むー・・・こんなにおいしい野菜炒めは初めて食べましたね・・・」
「こ、こんなにあっさりとおいしいのが作れるなんて・・・」
ありのまま、今起こったことを話すぜ・・・。
オレは夕食を作ろうと思っていたんだが、気がつけば蓮華さんと海原姉妹に野菜炒めを作っていた。
何を(ry
「というか、ほんとにおいしいんですか?その割に表情が優れないと・・・」
おいしいと言ってくれるのはいいのだが、なんか苦しそうに食べてるな・・・。
なにか不味ったか?正直に言ってくれていいんだけど・・・。
「ううん、ほんとにおいしかったのよ?ただ・・・」
「ただ?」
蓮華さんは一旦言葉を切った。
「その、ね。男子にこんなあっさり自分よりおいしいものを作られると、こう女としての自信を無くすというか・・・」
オレにはよく分からなかったけど、後ろで3人も頷いてるってことは少なくとも4人の気持ちは一緒ってことか。
「謝ったほうがいいんですかね?」
「いえ、謝る位なら料理を教えてくれたほうがいいわ!」
とりあえず謝罪しようかと思ったら、3姉妹の・・・確か桂花さんだったかな?が言った。
「オレが?今は仕事・・・は休憩中ですけど、もう少ししたら戻りますから・・・」
「今じゃなくていいわ、部活に顔出した時にでも教えてくれればいい。というか、敬語じゃなくていいわよ。少なくとも私と蓮華は同い年でしょ?」
そういえば、桂花さんと蓮華さんは同い年か。
「それなら気にしないで話すけど。それならオレは別に構わないよ」
そういうと、4人は嬉しそうに笑った。
「そういってくれるとありがたいわ。出来ればまとめて揃ってる時がいいけど・・・」
「オレも武術部と掛け持ちだし、そもそもバイトもあるから何時行けるか・・・」
「なら、私達と連絡先でも交換しましょうよー。そうすれば予定もあわせられますよねー?」
二人で悩んでいたら、風さんがそんなことを言った。
「・・・別にオレは構いませんけど、そちらは良いんですか?」
「ええ。私は問題ありませんよ?」
とりあえず年長者の稟さんに聞いたけど、問題ないらしい。後ろで2人も頷いている。
「私もいいわ。何気に男子の連絡先なんて初めて貰うのかしら・・・」
蓮華さんも携帯の何かをチェックしながらそういったので、とりあえず交換することに。
今日だけで4人も女の子と連絡先を交換することになったけど、ほんとに良いのだろうか・・・。
「ありがとうですー。たまにはメールでも電話でもしてきてくださいねー?」
「・・・女の子に連絡するのって結構勇気いるって知ってるかい?」
風さんはあっさりそんなことを言ってきたので、ちょっとびっくりして思わず言っちゃったけど、実際連絡しようったってそう上手くはいかないよなぁ。
「というか、私はするかも。あんた頭いいって聞いてるし、テスト前なんかは特に」
「ああ、分かる範囲でならいいけど」
桂花さんの言うことは最もだ。確か、桂花さんは理系に強いって聞いたし、オレもお世話になるかもしれんね。
「とりあえず、行くわね。休憩の邪魔してごめんなさい」
「ああ、気にしなくていいよ。一人で食べるよりは楽しかったし」
「そうですか?それならよかったです。では、今度は部活で会いましょう」
そういって4人は席へと戻っていった。
「・・・ま、今はいいか」
とりあえず、思ったより休憩が長引いたけど早く戻りますか・・・。
桂花 Side
「全く・・・、風も姉さんも」
「おろ?桂花ちゃんが愚痴るなんて珍しいこともあるの」
私がお昼の食堂で呟いたところを沙和に聞かれた。
「昨日の飲み会よ・・・」
「ああ、お姉さんに連れて行かれたんでしょ?」
「そうよ・・・。結局友達に潰されて連れて帰ることになるんだから・・・」
昨日は予想通りというかなんと言うか、姉さんが潰れてしまい。
二人でフウフウ言いながら引っ張って帰ったのだ。
「あれ?でもそしたらお姉さんはともかく風ちゃんはどうしたの?」
「風?ああ、あの子ったらいくら考えがあるからってまさか北郷と連絡先交換をするなんて思ってもm」
「え!?桂花ちゃん、北郷君とメアド交換したの!?」
「シーッ!声が大きい!!」
沙和が叫ぶもんだから慌てて口を塞ぐ羽目になったわよ・・・。
彼が学校中の噂になっているのはもちろん知っているわけだし、変なことで誤解されたくないもの。
「あんたの考えてるようなことは何も無いわよ。そもそも、私は純粋に勉強で聞くかもってだけだもの」
「そんなことはどうでもいいの!彼と連絡できるなんて羨ましいの・・・」
沙和は恨めしそうな顔で私を見てきた。
「そうは言ってもねぇ」
「そういえば、桂花ちゃんは北郷君のことどう思ってるの?」
「・・・昨日、女の自信を一つ砕かれたところよ」
「・・・そ、それはお気の毒様なの」
「あんたも?」
「うん、お手製のお弁当を見せられて・・・。しかも滅茶苦茶おいしかったの・・・」
あれは、悔しいを通り越したわね・・・。
「彼の休憩時間にね、自分で作った夕食の野菜炒めを分けてもらったのよ。まあ、蓮華も含めた4人で衝撃を受けたってわけ」
「蓮華ちゃんまで・・・」
家庭科部でも料理の腕前はトップクラスの蓮華ですら惚けた顔をしたくらいなのだから、出来ると言っても料理は3姉妹で最も苦手な私が到底並べるものではない。
それは分かっているけれど、やっぱり悔しいと思う。
「まあ、美羽さん所の居酒屋は料理のレベルも高いって聞くし、其処で働いてれば腕も上がるって物なの」
「そうね。まあ、今度部活で料理を教えてって頼んだけれど」
「ホント!?」
「それで、最初に戻るのよ。彼がバイトとか掛け持ちで何時来れるか分からないって言ったら、風が『それなら連絡先でも』ってね」
「・・・風ちゃんって北郷君のこと狙ってるの?」
「さあ?あんまりそういうことは表に出さないからね。姉さんでも分からないって言うわ」
あのポーカーフェイスは見習いたいわね。
「まあ、そういうわけで貰ったわけだけど・・・、どんなメールとかすればいいのか全く分からないってのに」
「桂花ちゃんもそういうこと気にするの?」
「どういう意味かしら?」
「普段の様子だとあんまり考えられないの。思ったとおり突き進むイメージが強いの」
「・・・そりゃそうね」
あまり私は他人に気を遣ったりはしないほうだ。
物怖じしないとはよく言われるけど。
「それに、北郷君のことだもん。きっとほかの人からも交換してもらってるの。だから、早いうちにそういうものだって思わせたら勝ちなの!」
「なるほどね・・・」
沙和の言うことも尤もだ。
「ま、そうはいっても用が無かったらやりようも無いのだけれどね」
「桂花ちゃん。用はあるんじゃなくて、作るものなの!」
そういうと沙和は突然私の携帯を取り上げて猛然と何かを打ち込み始めた。
「ちょ、ちょっと!何やってるのよ!」
「ん?北郷君とお昼が食べたいってメール送ったの!」
「ちょっ!?」
得意げに見せられた画面には確かにそんな感じの文章が『送信済メール』として表示されていた。
・・・しかも、普段の私からは考えられないくらいのデコレーションを施されて。
「あんた・・・!」
「まあまあ、桂花ちゃんがどう想ってるかなんて、私にはお見通しなの。ライバルは平等に!なの!」
「何を言ってるか、全く分からないんだけど・・・」
沙和はそういいつつも自分の携帯で先ほどよりも速いペースで打ち込んでいた。
おそらく、彼女の友達も呼ぶつもりなのだろう。
「全く・・・、何だってのよ・・・」
私は、こんな状況を招く羽目になった昨日の風をちょっと恨めしく思った・・・。
桂花 Side 終
あとがき
どうも、作者のmorikyouです。
今回はいかがでしたか?
前回の続きと言いつつ、結構あっさり終わったと思います。
個人的に翠は弄りやすくていいですねw
逆に風は弄り側に回すと勝手に動くので困ります(笑)
そして、無自覚に女性の心を折りに行くスタイルの一刀君マジ爆ぜればいいのに・・・。
まあ、これを機に更に接近していく恋姫も増えていくでしょうw
ちなみに、桂花に関してですが、人物紹介のときにも書いたように、一刀のことは素敵な男性と言う風にしか見てません。
一般的な好意は抱いてますが、それが恋慕に変わるかというと・・・。
まあ、少なくとも原作とは180°変わってるとだけ思っていただいてもいいかと思いますw
とりあえず、次回は一刀側での出来事から今回の続きを書いていきたいと思います。
それではお楽しみに!
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一刀と恋姫たちが現代の学校で繰り広げる物語。
笑いといちゃこらと(視聴者の)嫉妬からできています!