この作品は、作者の妄想があふれ出して固まったという不純な動機から生まれています。
原作?なにそれおいしいの?なんてレベルは超越しております。
主人公もげろなんてしょっちゅうです。
それでも良いという方はどうぞお進みくださいませ。
ダッシュで家に帰り、着替えてから再びダッシュでバイト先へ。
「おっくれました・・・」
少々息が切れてしまったのは許してほしい。
「一刀さん!?」
この声は亞莎か?
「まあ、理由には私たちのクラスも関わってるからね。あんまり怒らないでやってくれると嬉しいな」
と、聞いていたとおり美羽さんが亞莎の後ろでオレを庇ってくれた。
「そもそもあまり遅れてなんかいませんし、姉さんが怒らないなら私は怒ったりしませんよ」
亞莎はそんなことを言いながら、オレにスポーツドリンクを持ってきてくれた。
感謝しながらオレはそれを受け取った。
「もう!相変わらず亞莎は可愛いんだから!」
「わぷっ!?姉さんいきなり抱きつかないでください!」
感極まった美羽さんが亞莎に抱きついて亞莎のあわてる声が聞こえた。
目の保養、ご馳走様ですとオレは心で感謝しながらそれを眺めてた。
「それにしても、美羽さんがここに来るなんて何かあるんですか?」
「あ、分かる?」
オレが声をかけると、美羽さんは抱きついた態勢のままこちらを見た。
「実は、今日うちの学年より上のみなでここで飲み会をすることになってね。店貸してくれってお姉さまに言ったら『給仕の仕事を手伝うなら構いませんわ』って言うんだもん。まあ、連中の注文とかを私が伝えたりしなさいってことだから、こうして早めに来たんだよ」
「・・・一応聞きますけど、未成年も来るってことですよね?」
「ええ、まあ多少の羽目ははずしてもいいんじゃないかしら?明日は祝日だし。ちなみに私たち以下の学年は先輩の許可が出てれば来てもいいことになってるわ。無論監督責任が伴うけれど」
「・・・教師陣は」
「来るわけないでしょ。下手したら捕まっちゃうわ」
「・・・まあ、暴れたりしなければ大丈夫でしょうけど」
「一応、こっちでも車のやつとかには絶対飲ませないようにするから。あれなら名前とか控えておこうか?」
「美羽さんなら信頼できますから。そこまでしなくても平気ですよ」
「そう?一応店貸切にしたから基本的に二人には配膳を頼むわね」
「はい」「わ、わかりました」
オレと亞莎の二人は揃って返事をした。
やがて、外に車の音が増えてきて人が入り始めてきた。
いやあ、お嬢様学校だけあって格好がすごい人も結構いるなあ。
もちろんラフな人もいるみたいだけど。
「す、すごいですね・・・」
隣で亞莎も目を丸くしている。
「居酒屋が一気に華やいだ感じになったな。というか、亞莎は実家のほうでこういう集まりとかあるんじゃないの?」
「わ、私はほとんどそういうことに出席しないので・・・。それに、似合うとも思えないし・・・」
「そうかな?元が可愛いんだから、似合うと思うけどなあ」
「か、かわっ!?」
「そんなに驚くことか?もっと自分に自信持ったほうがいいよ」
「~~~~!!??」
亞莎が顔を赤くしてどこかへ行ってしまった・・・。
ホントの事言っただけなんだけどなあ。
「・・・ちょっと!一刀がここでバイトしてるなんて聞いてないわよ!」
「言ってないもの。というか、雑誌で有名だったから知ってるかと思ってたし。上の方々がここでの開催に諸手だったのおかしいと思わなかったの?」
「貴女達の店だからだと思ってたわ・・・」
と、外から声がしたので行ってみると、
「ああ、華琳先輩。お二人もいらっしゃいませ」
予想通り美羽さんと話していた華琳さんと深井姉妹がいた。
「おお、北郷!ここで働いているのか?」
「ええ、バイト代がいいもので。おかげさまでお世話になってます」
春蘭先輩に肩を叩かれながら答えた。つか、力入りすぎだろ・・・。
「が、学校振りね一刀」
「ええ、随分と早い再会でしたね」
なぜか緊張してるような様子で華琳さんが話しかけてきた。
「服、お似合いですね」
「そ、そう?どうもありがとう」
華琳さんの私服は華美なものではなかったけれど、それでいて華琳さん自身を損ねるものでもなく、実に似合ってると思えた。
「さて、店の前で話してると後ろが詰まりそうですし、とりあえず中へ。美羽さん、案内は任せてもいいですか?」
「そうね。華琳、ついてきてよ」
「ええ、それじゃお仕事がんばってね」
「はい、お任せください」
一礼すると、華琳さん達は中へと入っていった。
「・・・一刀さん、生徒会長とお知り合いだったんですか?」
「うん?ああ、向こうから声掛けてくれてね。連絡先も一応知ってるよ」
戻ってきた亞莎に聞かれて大まかに答えた。
詳しい状況とか教えたらいけない気がして・・・。
そうこうしてるうちに大分人が集まったみたいだ。
「よし、そろそろ中で配膳の準備でもするか」
すでに亞莎は中で食器とか、先に始めちゃってる方々の注文とかを聞きに戻ってるし、オレも向かわなきゃね。
「・・・うわぁ」
中はそれはそれは凄い事になっていた。
美羽さんのお姉さんの発案で置かれている宴会場の一室のカラオケセットからは常に何かしらの曲が流れ続け、周辺では大騒ぎ。
かと思えば、おそらく大学生の集まりと思われる所には大変な量の酒瓶が転がっており、寝ている人までいる。
未成年グループは食べたり飲んだりしゃべったりと大忙しのようだ。
ここまで見て、お嬢様学校と見抜けた人がいたら眼科をお勧めするくらい混沌としていた。
「・・・というか、結構人来てたんだな」
しかも、こうしている間にも徐々に人が増えていることがすごい。
なかなか、この学校はノリのいい人たちが多いようだ。
「あら?一刀じゃない」
「この声は・・・」
後ろから声をかけられたから振り返ると。
「雪蓮先輩も来ていたんですね」
「まあねえ。明日は休みだから」
案の定、雪蓮先輩がいた。後方には華雄先輩もいる。
「蓮華も来てるわよ?家庭科部の人たちがいるって言ってどっか行っちゃったけど」
「そうですか。オレはバイト中なのでどこかで会えるかもしれないですね」
どうやら、後方の集団を見る限り相当飲んでいるようだけど、雪蓮先輩は全く酔った様子がない。
「先輩はまだ未成年でしたよね?」
「ええ。だけど母さんがやたら飲ませてくるからね・・・。嫌でも強くなるわよ・・・」
「そ、そうですか・・・」
どこか遠い目をして言う雪蓮先輩を見て、これ以上突っ込んではいけないと悟った。
「まあ、私のことより。一刀は何でここでバイトしてるの?」
「まあ、単純にバイト代がいいからですね。後、接客って性格に割りと合ってたってのもあります」
「まあ、美羽のお姉さんが出資してるだけはあるか」
「美羽さんを知ってるんですか?」
「同じ学年だしねえ。確か華琳繋がりで知り合ったはずよ」
「華琳さん?」
「ええ。ほら、私一応武道部の部長やってるから何かと生徒会のところに呼び出し食らうのよ。で、たまたまその時に別件で呼ばれてた美羽と知り合ったってわけ」
なるほど、華雄さんが忙しくしてたから忘れてたけど、部長だったな。
「結局、一刀は部活入ったの?」
「はい、武道部は教頭に半強制でしたし、後はここのバイトしてる子に薦められた家庭科部に」
「・・・てことは、蓮華知ってるの?」
「はい、見学しに行った日に会いましたよ」
「・・・通りであの日テンションが高かったのね」
「何か言いました?」
「ううん、こっちの話よ」
はぐらかされた気がしたけど、まあいっか。
「それで?両立は出来そうなの?」
「ええ。家庭科部の方は部長が頻繁に顔を出さなくてもいいと言ってくれたので。武術部の方も教頭先生が」
「そういえば、家のほうで武道をしてるんだっけ?」
「はい。一応皆伝はもらっているので。家のほうでやらないといけないこともあるんです」
「そう。ま、無理はしないようにね。部長ってこともあるし、相談はいつでも受け付けるわ。なんなら連絡先でも交換しとく?」
「オレはかまいません。そちらこそ良いんですか?」
「ん?どういう意味?」
「いえ、彼氏さんとかいらっしゃったら、知らない男の連絡先とか・・・」
「あいにく、そういうのに縁無いのよねえ」
「え?でも校内でも美人姉妹って有名じゃないですか」
「それはうれしいんだけど。そのせいか、遠巻きに見られることはあっても、声までは掛けられないのよね。まあ、あんまり惹かれる男の子に会ったこともないんだけど」
そりゃ雪蓮先輩の御眼鏡に掛かるって言ったら相当だとは思うけど・・・。
「そうねえ。一刀位の強さとか器量とかあったらいいんだけど」
「ハハハ、強さは分かりませんけど、オレ位の器量なんてまだまだです」
「・・・ふふっ」
携帯をいじりながらそういった雪蓮先輩の言葉に返したら、なぜか微笑まれた。
「どうかしましたか?」
「いえ、蓮華がああいったのも分かった気がしてね。はい。これでいつでも連絡していいからね」
「ありがとうございます」
なんで蓮華さんの名が出たのかは分からないけど。
とりあえず雪蓮先輩の連絡先をもらった。
「長々と悪かったわね。とりあえず仕事がんばって」
「はい、それでは失礼します」
雪蓮先輩に見送られながらオレはその場を後にした。
雪蓮 Side
「それで?どうだったんだ?」
一刀と別れて集まりに戻ると華雄に話しかけられた。
「どうって何がよ」
「分かってるくせに。北郷だよ」
そういえば、華雄も一刀に惚れてたのよね・・・。
あの日、一刀に一瞬で叩きのめされて、その後のフォローも完璧で。
遠目で見てたけど、あれは私でも堕ちてたかもしれないわ。
「そうねぇ。まあ、今までの男と比べたら別格ね」
さっきは言わなかったけれど、男でも言い寄ってくるのは居る。
けど、たいていはチャラチャラしてたり目的が露骨だったりで、まあ辟易としてた。
「まあな。お前と一緒に居ると私まで声を掛けられるが、あんなのばかりだと確かに嫌になるものだ」
華雄もそれを思い出したのだろう、少々顔をしかめていた。
華雄だって、性格こそ男勝りではあるものの、同性から見てもかなりの美人に含まれると思う。
それもどちらかと言うと、私と違って声を掛けにくいと言うか、触れてはいけない感じの美人と言った感じか。
ちなみに、そんな私が声を掛けられない理由は、今までお断りしてきた男たちの様子が実しやかに伝わっているから、らしい。そこまでひどい事したかしら?
「とはいえ、お前が一刀を狙い始めるとして」
「ちょっと!勝手に決めないでくれる!?」
「ライバルが多いぞ、同年代だけでも華琳、美羽、もしかしたら桃香もそうかもしれん」
「は?前の二人はともかく、桃香なんてどこで知り合ったってのよ」
「今日、華琳のクラスであいつと組み手をしたらしい」
それを聞いた瞬間私は降参のポーズをした。
華雄とまったく同じ理由か・・・。
「上だと恋先輩に、家庭科部の部長もそうだろうな」
「一刀と同年代だとお隣に住んでるらしい先輩の妹だっけ?同級だったわよね」
「同じクラスのアイドルも姉妹そろってだな」
「憧れまで含めたらもっと膨れそうね・・・」
二人してため息。
「まあ、肝心の本人がまったくの反応なしだがな」
「さっきの会話でもあそこまで鈍感だと、いつか刺されそうね」
「物理的に難しそうだがな」
想像してみたけど、犯人が取り押さえられてるイメージしか出来なかった。
「しかも、教師陣にも少し狙ってる人が出たとか」
「え?どんだけ落としてるのよ」
「噂だがな。さすがに表に出てくるほどではないらしいが」
だとしても、すごいわね。
「ま、気長にいくべきだと思うがな」
「そうね」
「・・・やはり、堕ちてるじゃないか」
「何か言った?」
「なんでもないよ」
そういいながら私たちは再び混迷極まる集団に戻っていった。
雪蓮 Side 終
あとがき
どうも、作者のmorikyouです。
今回はいかがでしたか?
さて、今回もご都合主義の固まりだし、超展開だしでなかなかの駄文となっておりますが、楽しんでいただけたでしょうか。
何気に、このお話内で美羽が一番書きやすいです。
そして、雪蓮と華雄再びとなりました。
二人は割と仲いいです。だからこそ雪蓮が武術部の仕事を華雄に放り投げて逃げたりするわけですw
ちなみに、雪蓮Sideの中で一刀を取り巻く女性陣のことが語られてましたが、情報網は校内を飛び越えていたりします。お嬢様のコネなんかもあって、大抵のことなら分かってしまいます。と言うことにしてくださいw
さて、次回はちょっと未定なのでここで皆さんにお知らせがあります。
もう忘れている方もいるかもですが、私もうひとつ書いてました。
DMCのダンテとバージルが主人公の話ですね。
実は、話のほうにちょっと整合性がつかなくて、この先が全く浮かばなくなりましたorz
なので、楽しみにしてくれていた方が(もし)いたら申し訳ないのですが、ちょっと打ち切りにさせていただきたいと思います。
ただ、DMCも恋姫もどちらも好きな私にとって、このまま終わるのもかなり忍びないのも事実。
そこで、もう少し先の話になるとは思いますが、改めて最初からもう一度書き直していきたいと思っております。
大きな変更点としては
①4ンテが主人公になる(可能性が極めて高い)
②鬼ぃちゃんに関することはおおよそ原作準拠になる(要するに出演はしない)
③ネロはおそらく出演しない(回想はあるかも)
と言ったところだと思います。
自分なりに反省したところ、主人公二人は自分の文才には結構重いということがあったので・・・。
流れはおそらく4ンテ無双になりそうではありますがw
長々と書きましたが、こういった感じになりそうだと言うことをご了承いただきたいと思います。
「ふざけんな、バカヤロー!」という叱責は覚悟してますが、それでも楽しみにしていただけたらうれしいです。
というわけで、今しばらくはこちらを進めて行きたいと思うので、気長にお待ちください。
まあ、更新速度がどんどん遅くなってるのも申し訳ないのですが・・・。
謝罪ばかりで暗くなるのもあれなので、明るい話題をば。
お気に入りに人数も私が想像していた以上に多くなり。
毎回コメントしていただける方々かいて、非常にうれしく思います。
というか、コメントは毎回次を書く活力になっています。
変な方向に話題が伸びたりしたときもありましたが、こういったことも楽しみにしてたりしますw
応援メッセージをいただけたりしたこともありましたが、非常にびっくりしたし、そしてうれしかったです。
先ほども書いたとおり、更新がどんどん遅くなって申し訳ないのですが、失踪だけはしないようにこれからも行きますので、楽しみにしてください!
それでは、次回まで!
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一刀と恋姫たちが現代の学校で繰り広げる物語。
笑いといちゃこらと(視聴者の)嫉妬からできています!