No.695095

リリカルHS 47話

桐生キラさん

こんにちは!
今回はとある休日のワンシーン。短編みたいな感じのお話。
デート?はやてさん達が簡単に行ける訳ないじゃないですか(笑)

2014-06-19 17:00:01 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:1998   閲覧ユーザー数:1860

 

 

 

 

 

初デート?

 

 

 

 

 

はやて「お待たせ士希ー!」

 

士希「おう、それじゃあどこに行こうか?」

 

とある休日。私は士希とデートに行くことになった。

付き合って初めてのデート。本来なら、結構大切な気はするんやけど…

 

リイン「ここなんてどうですか?ケーキバイキングが半額らしいです!」

 

レーゲン「それなら、こっちのスイーツバイキングの方がいいと思います!

ここなら、ケーキ以外にもたくさんあるので」

 

何故かお互い、子連れとなった…

 

はやて「(なんで初デートで子連れやねん)」

 

士希「(レーゲンが暇だってうるさいんだ。

てか、それを言うならお前もだろ。なんでリインちゃんがいるんだ?)」

 

はやて「(いや、今日は家、誰もおらんからさ。ついて来てしまったんさ)」

 

念話で話し、最後は少しため息が漏れてしまう。

きっと私ら、二人きりでデート行くん難しいんやろな

 

 

 

 

ダブルデート

 

 

 

結局私らは四人で街にやって来た。

リインとレーゲンが楽しそうに前を歩いとる姿を、私と士希は微笑ましく眺めていた

 

士希「なんか、ホントに俺らの子どもみてぇだな」

 

はやて「まぁ、私はリインのマイスターやで、あながち間違ってないけどな」

 

私がママで、士希がパパで…うん、悪くないかも

 

レーゲン「しきさーん!これってあれですよね?ダブルデートってやつですよね?」

 

リイン「ハ!なるほどそういう解釈も…はやてちゃん、ダブルデートです!」

 

ちびっ子二人の発言に、私も士希もポカンとなる。

ダブルデート?この子らは何を言っとるん?

 

士希「ダブルデートって…お前ら兄妹みたいなもんなんだぞ?兄妹でデートって………いや待て。兄妹でデートだと?この場合、リインちゃんは最近生まれた子だから、レーゲンの妹と言っても過言ではない。妹とデート…なんてこった!レーゲンテメェうらやま…」

 

はやて「何暴走しとんねん!?」

 

私は士希のよくわからない発言にツッコミを入れた。

そういやこいつ、重度のシスコンやったな

 

士希「わ、悪いはやて。妹と聞いて、俺の中のシスコン道に火が着いてしまった」

 

シスコン道てなんやねん

 

はやて「はぁ…まぁええけどさ。てか、リインもレーゲンも、それでええん?」

 

デートって、私の中のイメージじゃ、好きな人で遊びに行くって感じなんやけど

 

レーゲン「あ、僕はいいですよ?リインちゃんの事、好きですし」

 

リイン「リインもですよ?レーゲン君の事、好きですから」

 

そう言って、二人は手を繋いで再び先に行ってしまった。

私と士希は思考が停止したかのように、その場から動けへんだ

 

あれ?なんかサラッと言ってたけど、それどういう意味なん?

 

 

 

 

 

好きの意味

 

 

 

 

 

私と士希は悶々としながら歩いていた。ちびっ子二人の発言が気になってしょうがなかった

 

はやて「(なぁ、さっきの二人の発言、士希はどう思う?)」

 

私は念話で聞いてみる。士希も微妙な顔してた

 

士希「(解釈は三つだよな。友達としてなのか、兄妹的な意味で好きなのか、それとも…)」

 

はやて「(異性のそれか…もし、異性としてやったら、私どうしよう…)」

 

士希「(なんでお前が困るんだよ。

当人たちの話なんだから、どんな意味でも見守るのが俺らの務めだろ)」

 

はやて「(いや、そうは言うけどさ。私、リインの生みの親なんやで?

なんて言うの、なんか娘がどっか行くのが寂しいと言うか…)」

 

あ、もしかしてシグナムもこんな気持ちやったんかな?娘の親離れが寂しい父親みたいな。

うん、気が気じゃない

 

士希「(なら、聞いてみるか)おい、お前ら」

 

私がいろいろ悩んでると、士希は二人のもとまで行ってしまった。

そういやこいつ、わからんだら聞けの精神の持ち主やった

 

レーゲン「はい、どうしました士希さん?」

 

リイン「って、はやてちゃんどうしたですか?なんか疲れた表情してますけど」

 

そりゃ、二人の事が気になるからです

 

士希「あぁ、ちょっといいか?お前らの好きって、どういう意味の好きなんだ?」

 

士希は直球で聞いた。回りくどいのがめんどいのやろう

 

そして、その発言を聞いたリインとレーゲンは目を合わし、首を傾げて…

 

レーゲン「シスコン的な?」

 

リイン「ブラコン的な?」

 

………なんやこの二人、危ないルートに入った気がした

 

 

 

 

 

トリプルデート

 

 

 

 

 

リインとレーゲンが兄妹愛ルートに入ったらしいのを確認した私らは、

ショッピングモールへとやって来た。昼時やし、まずはお昼かな

 

「あれ?はやてちゃんだ!おーい、はやてちゃーん!」

 

「あ、士希もいるね。二人ともー!」

 

モールのフードコート付近にやって来たところで、聞き慣れた声が私らを呼んだ。

声のする方を向くと、なのはちゃんとフェイトちゃんが手を繋いでやって来た

 

はやて「やっほー。二人もデート?」

 

フェイト「二人もってことは、そっちも?」

 

リイン「はいです!絶賛ダブルデート中なんです!」

 

なのは「ダブルデート?あ、リインとレーゲン君の事か。楽しそうだなぁ」

 

士希「まだまだ始まったばかりだけどな。これから飯にするとこなんだ」

 

レーゲン「あ!お二人もどうですか?トリプルデートです!」

 

なのは「あ、楽しそうだね!」

 

え?トリプルデート?

流石にそこまで行くと、もうデートってか、友達と遊びに来ただけみたいな…

 

士希「(……はやて、今回は諦めよう。また今度、二人きりでデートしよう)」

 

士希は悟ったかのような、少し寂しげな顔で念話してきた

 

はやて「(そうやな…これは、デートにはカウントせん。

せやから、私らの初デートはまた今度やな)」

 

士希「(わかった)」

 

念話終了。ついでに今日のプランも変更。今日という休日を、友達とめいっぱい楽しもう

 

はやて「なら、トリプルデートや!その前に、みんなでご飯にしよか!」

 

フェイト「あ、あはは。ごめんね、はやて、士希。お邪魔しちゃったかな?」

 

士希「気にすんな。ほら、何食べたい?士希さんが奢ってやるよ」

 

この後みんなで楽しくお昼を食べました

 

 

 

 

 

なのはとフェイト

 

 

 

 

 

士希「そういや俺、二人の馴れ初めとか聞いたことないな。

いつ知り合って、そんな関係になったんだ?」

 

お昼を食べ終え、みんなでアイスを食べていると、

士希がなのはちゃんとフェイトちゃんの馴れ初めについて聞いていた

 

なのは「それはもう、運命的な出会いだったよ!小学三年生の頃に出会ったんだけど、なんていうのかな?一目惚れ?フェイトちゃんの綺麗な金髪に整った顔、それと少し寂しげな瞳。フェイトちゃんを構成する全てが私を熱くさせて、さらにフェイトちゃんの魔法が私の心を貫いて、火を着けたんだよね!あの時のフェイトちゃんの一撃、今でも忘れられないなぁ」

 

フェイト「あはは。私達もいろいろあって。私はお母さんの為に頑張ってたんだけど、なのははいつだって、私の事を想って戦ってくれたんだ。それがとても嬉しくて。でも、あの時はなかなか素直になれなくて。だから、私達の想いを伝える意味でも、私となのはは全力全開で戦ったんだ。なのはの想いがこもったスターライトブレイカー。あの星の輝きが、私の心を包んで、そして私は、なのはに恋をした」

 

あれ?PT事件って、そんなんやっけ?

なんや確か、ジュエルシードを追って二人とも戦ってたって聞いたけど…

 

士希「な、なんていうか、すっごい直接的なんですね…」

 

まぁ、少年漫画よろしく、殴り合って愛を確認しましたって言っとるようなもんやでな

 

なのは「その後もいろいろあったけど、私とフェイトちゃんはいつだって一緒にいた。私が怪我して入院した時も、フェイトちゃんはいつも付きっ切りで。それはとても嬉しかったんだけど、それが原因で、フェイトちゃんは執務官試験に落ちちゃったの…」

 

フェイト「違うよなのは!あれはなのはのせいじゃなくて、単に私の実力がなかっただけで…」

 

なのは「んーん。あれは私のせい。

私が心配かけちゃったから、フェイトちゃんの時間を奪っちゃったから」

 

フェイト「そんな!?そしたらなのはだって、私の心を奪っていったよ!

だから、おあいこなんだよ!?」

 

なのは「だったらフェイトちゃんだって、私のハートを奪ってったよ?

だって私、こんなにもフェイトちゃんに夢中なんだから…」

 

フェイト「なのは…」

 

なのは「フェイトちゃん…」

 

士希「お、はやてのアイスうまいな。俺のも食っていいぞ」

 

はやて「ほんま?ありがとう士希!」

 

士希は二人の世界に入ったなのはちゃんとフェイトちゃんを放置して、アイスをつついていた

 

 

 

 

 

スクエアデート

 

 

 

 

 

はやて「あぁうん。そんな気はしてた」

 

アリサ「なによはやて?あたし達を見た瞬間、オチがついた、みたいな顔して」

 

すずか「みんなも来てたんだねー」

 

モール内にある服を見てたら、ばったりアリサちゃんとすずかちゃんに出会った。

どうやらデートに来ているらしい。この状況、オチとしては十分やろう

 

士希「なんだよ今日は…なんでこんなにも…」

 

士希も頭を抱えていた。とうとう本格的にデートじゃなくなったでな

 

リイン「なんだか勢ぞろいですねー」

 

レーゲン「今日はみなさん、デート日和だったんですねー」

 

なのは「トリプルデートの次って、なんだろう?」

 

フェイト「スクエアデート、じゃないかな?」

 

それもうデートって言わんやろ…

 

すずか「休日にこんなにも集まる事ってないよね」

 

アリサ「それもそうね。あ、じゃあみんなで新しくできたクレープ屋に行ってみない?

なんでも、かなり美味しいらしいわよ」

 

『いく!』

 

アリサちゃんの発言に、私と士希以外の皆が揃って答えた。

いやそりゃ、私もクレープ食べたいけどさ…

 

私はチラッと士希を見る。士希はそれに気づいて、ため息をつき、苦笑いで頷いてくれた

 

士希「(こりゃまた後日、だな)」

 

はやて「(ごめんな、士希)」

 

士希「(お前のせいじゃないだろ?だから謝んな。それに、これもまた青春ってな)」

 

そう言って、士希は私の手を握ってくれた。その士希の気遣いが、たまらなく愛おしかった

 

 

 

 

 

私たちの『当たり前』

 

 

 

 

 

時刻は夕方の6時。なんだかんだ楽しかった私らのスクエアデートも、

そろそろ終わりということで、私らは皆で帰路についていた

 

リイン「んー!とっても満足です!」

 

すずか「すごく楽しかったね」

 

はやて「せやなぁ。調子乗って服いっぱい買ってしまったなぁ」

 

なのは「秋物と、少し早いけど冬物も買っちゃったね」

 

アリサ「ふふ、ファッションは早めに揃えておかないと、

後で大変なんだから、いいんじゃないかしら?」

 

フェイト「それもそうだね。ところで、士希とレーゲンは大丈夫?」

 

フェイトちゃんの発言に、皆が後ろを振り返る。

そこには、大量の荷物に埋れた二人の姿があった。

士希とレーゲンは、この場にいる女性陣全員の荷物を持ってくれていた

 

士希「俺は平気なんだが、レーゲンがなぁ」

 

レーゲン「ヤバいヤバいヤバい…女の人ってこんなにもオシャレに気を使うんですか?」

 

けろっとした様子の士希とは対照的に、レーゲンは余裕がなさそうやった

 

士希「あはは。女性の買い物は、男には大変だからなぁ」

 

はやて「その割りには、士希は余裕そうやな」

 

士希「女家族ん中で育ったんだぜ?慣れもするさ」

 

確かに、士希は大量の荷物を積み上げるかのように持ってるのに、

バランスが崩れるみたいな事はなかった。荷物持ちのプロやな

 

アリサ「いいわね士希。今度また買い物に行く時付き合いなさいよ」

 

すずか「あ、それいいね!士希さんがいたらすっごく楽!」

 

士希「俺はいつから2人の召使いになったんだ?」

 

そんな冗談を言い合い、私らは笑い合いながら帰っていく。そんな道中…

 

リイン「わぁ…夕焼けがとっても綺麗です!」

 

フェイト「ホントだ。ここの景色って、こんなにも綺麗なんだね」

 

私らは河川敷までやってきた。そこの風景はとても映えていた。

茜色に染まる空と、それを映し出す水辺。

キラキラと光る川の流れが、ここら一帯の空間を幻想的に彩っていた

 

皆が黙って景色を眺める。とても静かで、穏やかな時間。

まだ少し夏の暑さは残っていたが、それでも、時折吹く風が秋を感じさせた

 

アリサ「あたし達はさ、皆がそれぞれの道を歩いてるけど、それでも、

こうして当たり前のような時間を過ごしてる。それって、本当に凄い事だと思う」

 

すずか「そうだね。なんてことない、当たり前な時間だけど、

私達にはそれが本当はとても難しくて、とても大切なんだろうね」

 

フェイト「当たり前だから、忘れがちになっちゃうけど、本当は忘れないで、

一日一日を大切にしなきゃいけないんだと思う」

 

なのは「うん。今日まで、皆が欠けないでやってきた。

当たり前のようで、奇跡かもしれない時間。それを大切な人達と過ごせる」

 

はやて「きっと、私らは恵まれとる。親友って呼べる人らと出会えて、

笑ったり怒ったり泣いたり、共有できる人らがおるんやで。

それは、当たり前のようで、当たり前じゃない」

 

士希「あぁ。出会いは必然かもしれないけど、その後の関係はそいつら次第だ。

そして、感情を共有できる関係ってのは幸せだと思う。それがとても難しい事だから。

だからお前達の関係は、お前達からしたら当たり前かもしれないが、

ホントはなかなかないことだ。こうして今日も、同じ景色を見て、

同じ気持ちになれたんだからな」

 

皆がこの風景を見て、何かを感じ、少し感傷的になってしまった。

こんな気持ちになったのは、なのはちゃんが入院し、退院した時以来。

あの日も、こうして皆で集まって、同じ事を話した。

この何気ない平和な日常が、本当に大切なんだと

 

レーゲン「と、とてもいい話をしてるところ申し訳ないんですが、げ、限界です…」

 

リイン「れ、レーゲンくーん!?」

 

レーゲンは限界がきたらしく、荷物を落として倒れてしまい、

リインが慌てて向かって行った。そんな光景が、なんか可笑しくて、

皆して一斉に吹き出してしまった

 

アリサ「あはは!あたし達にシリアスは向いてないみたいね!」

 

すずか「あは、そうみたいだね。でも、それでいいんじゃないかな?」

 

フェイト「うん。きっとこれが、私達らしさなんだと思う」

 

なのは「そうだね。今日改めて確認できただけでも、良かったんじゃないかな?」

 

はやて「せやな。それに、今日は共有できる仲間が増えたみたいやしな」

 

私らは士希に視線を集中させる。

士希がそれに気づき、少し照れ臭そうに笑うと、私らもつられて笑顔になった

 

士希「さて、レーゲン助けて帰るか!」

 

きっと、今日のこの何気ない一日も、私達の大切な思い出の一つ…

 

 

 


 
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