No.694746

リリカルHS 46話

桐生キラさん

こんにちは!
今回は学校でのワンシーン。
モブキャラとの絡みだったりです

2014-06-17 21:11:21 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1447   閲覧ユーザー数:1290

 

 

 

 

 

士希サイド

 

 

 

 

 

新学期が始まった二日目のとある休み時間。

トイレに行ってしまったはやてを見送った俺は、やることもなくボンヤリと外を眺めていた。

一応、今日のHRに席替えをしたのだが、俺、はやて、なのは、フェイトの席は変わらなかった。

強いて言えば、俺とはやて、なのはとフェイトの前後の席が入れ替わっただけ。

不正はなかったと思いたい

 

「士希ー!!」

 

そんな事をボンヤリと考える中、数人のクラスメイト(男)が俺を囲んだ

 

士希「どうしたどうした、そんな怖い目しちゃって」

 

いや、なんとなくわかるが

 

山田「どうしたもこうしたもあるか!お前!

あの八神さんと付き合い始めたって聞いたぞ!

嘘だろ?嘘なんだろ?嘘だと言ってよ士希ー!」

 

予想通り、俺とはやての関係を聞きに来たようだ。

もう突っ込まれたか。噂が流れるのは速い

 

士希「いや、ほんとだけど」

 

その発言に、山田君は涙を流して崩れた

 

武田「テメェ!なんでそんなアッサリしてんだ!?あの八神さんだぞ!

学年人気ランク3位だぞ!なんでそんな素敵な人が、テメェみてぇな不良の彼女なんだよ!」

 

この学校には学年人気ランキングというものがある。

一学期の終わり頃にアンケートがあり、それで投票するという、学校公認のイベントだ。

ちなみに、男女分かれており、女性には女性のランキング、

男性には男性のランキングは伝わらないようになっている

 

進藤「だいたいテメェはずりぃんだよ!

なんでテメェだけ、学年の人気トップ連中とつるんでんだよ!

俺にも高町さん紹介してくださいこの野郎!」

 

実は俺が普段からつるんでる連中、全員ランクインしている。

1位がフェイト、2位がなのは、3位がはやてで、4位がアリサ、

そして5位がすずかだったはずだ。なので妬まれても仕方ない事である

 

士希「いや、俺紹介したよね?フェイトなんかは、友達増えたって喜んでたと思ったぞ」

 

山田「その後、高町さんに殺意の篭った目で見られた…

ありゃ間違いなく、狩る側の人間の目だった…」

 

あぁ、なんか想像できるわ

 

一馬「つか、あの百合カップルに近付こうとするとか、無理あるだろ。

あの二組の仲はぜってぇ割けねぇ」

 

斉藤一馬は一人落ち着いた様子で話していた。こいつは別段、なにも思ってないらしい

 

進藤「あぁ!だからこそ!俺達の夢は八神さんにあったんだ!それをお前は…」

 

武田「八神さん…分け隔てなく、俺達にも楽しく接してくれたのに…」

 

一馬「その中でも、群を抜いて仲が良かったのが、士希だったけどな」

 

一馬の発言で、山田君、武田君、進藤君の三人は血反吐を吐いて倒れた。

そんなにショックだったのか?彼らはピクピクして動かない

 

士希「思ったより、早く知られたな」

 

一馬「八神がそこら中の女子に報告してたからな。

ま、俺からしたら、やっと付き合ったのかって感じだったけど」

 

あぁ、一馬にはよく「それで友達かよ」とか言われてたからなぁ

 

一馬「ま、良かったじゃねぇか。付き合えてよ。祝福してやるぜ」

 

士希「あぁ、ありがとう」

 

このクラス内の男友達では、恐らく一番信頼している奴が斉藤一馬だった。

妙に大人びているというか、落ち着いているというか、

周りの奴らも嫌いじゃないが、こいつは好きな部類に入る奴だった

 

一馬「つか、見てて焦れったくてうざかったから、本当に付き合ってくれてよかった」

 

正直過ぎるところが玉に瑕

 

 

 

 

はやてサイド

 

 

 

 

 

「八神さん!あの雑賀君と付き合ってるって本当!?」

 

新学期二日目のとある休み時間。

私はトイレに向かった帰りに、数人の女の子に囲まれてしまった

 

はやて「あ、うん。付き合いだしたけど…」

 

そう言うと、女の子達は「きゃー!」や「いやー!」などと叫んでいた

 

士希と付き合いだしたことで、わかったことが何個かある。

それが顕著なのは、彼女達の反応やった

 

夏目「良かったね、八神さん!二人ともお似合いだよ!」

 

と、夏目さんみたいに祝ってくれる人もおれば…

 

水谷「だ、大丈夫?雑賀さんって、不良さんなんじゃ…」

 

水谷さんみたいに、いまだに士希を不良扱いし、私を心配してくれる人もおる

 

そんな中でも、私が気になったんは次のケースや

 

黒田「うー…雑賀君狙ってたのになぁ…」

 

黒田さんのように、士希を狙ってた女性が意外にもおったことやった

 

実は士希、学年人気ランク3位におる。

なんで士希がそんな上位におんの?と思って聞いてみたら、まぁ出るわ出るわ、

士希が人気な理由。単純に顔がええってのもあれば、意外と優しいよねとか、

料理が美味しいとか、あのクールな感じが好みとか。

普段は私らとつるんどるで、他の連中との関係を知らんだ分、かなり意外に感じた

 

黒田「まぁでも、ホントに二人ってお似合いなんだよねー。なんていうか、夫婦っていうか」

 

夏目「二人の息ってピッタリだからね。掛け合いとかも、見てて楽しいし」

 

嬉しい事に、認めてくれる人がいっぱいおった。いろんな人に応援されてたみたいで、

中には私らがいつ付き合うかって言うので賭けてた人らもおったくらいやった

 

水谷「でも、これからだよね。付き合うって、楽しいことばかりじゃないし」

 

黒田「あー、そうね。喧嘩とかもあるだろうし」

 

二人は経験豊富なのか、いろいろ語ってくれた。

水谷さんは大変大変と言いつつも楽しそうに、黒田さんはどこか遠い目で語っていた

 

はやて「うーん…まぁ、そういうのも含めて、楽しいんとちゃうかなぁ」

 

私はそう結論づける。

確かに、大変な事もあるやろうけど、それを乗り越えるから楽しいんやと思う。

それに、まだ士希には隠し事があるやろうしな。

それが何かはわからんけど、いつか話してくれると嬉しい

 

夏目「あはは!八神さんが羨ましいなぁ。私も彼氏ほしー!」

 

黒田「あたしもー!こうなりゃ、学年人気トップのどっちか狙うわよ!」

 

確か、一人は他のクラスの奴で、もう一人が士希と仲良しの斉藤君やったかな?

斉藤君もイケメンやでなぁ。てか…

 

はやて「水谷さん、彼氏おるんやな」

 

そういうのには縁のなさそうな、大人しそうな子やのに

 

水谷「あれ?言ってなかったっけ?彼、大学生でさー、夏も二人で旅行に行ったんだー」

 

はやて・夏目・黒田「え!?」

 

衝撃の事実やった

 

 

 

 

フェイト「え!?水谷さんって、大学生の彼氏がいたの!?」

 

お昼休み。ご飯を食べつつ、さっきあった事を話す。皆が皆、驚いていた

 

なのは「人は見かけによらないんだね」

 

すずか「夏に彼と二人で旅行…一線は越えたね」

 

士希「そういう話は俺の居ないところでやってくれ」

 

士希はため息混じりに言った。

確かにこういう話って、女の子の方が生々しいとか言うしな。私らは普通やけど

 

アリサ「てか、はやてと士希、あたしのクラスでも噂になってたわよ。

流石、人気ランク3位だわ」

 

士希「は?俺、3位なの?」

 

あ、そうか、男子のランクって男子は知らんでな。私らは女子のランク知らんけど

 

フェイト「うん。1位が2組の葉山さんって人で、2位がうちのクラスの斉藤さん。

それで3位が士希だったよ。士希ってモテるんだね」

 

士希「ま、マジかよ…てか、一馬もランクインしてたのか」

 

士希は微妙に信じてないようやった。

しかし、第3位と付き合えるなんて、案外私凄いんとちゃう?

 

はやて「あ、そういや、女子のランクってどうなっとんの?

フェイトちゃんが1位なんは、なんとなくわかるけど」

 

私は男子のランキングを聞いて思い出す。少し気になった

 

フェイト「えぇ!?そ、そんなことないよ!」

 

フェイトちゃん?謙遜するけど、

男子から見たらフェイトちゃんみたいなタイプはど真ん中なんやで

 

士希「正解。フェイトは1位。2位がなのは。3位はやて。4位にアリサで5位がすずか」

 

「え!?」

 

女子全員の声がハモる。流石に信じられやんだ

 

アリサ「さ、流石にウソでしょ?」

 

士希「いや本当。おかげで俺、男子に妬みの目で見られることになってるんだ」

 

士希はウンザリとした様子で言った。どうやら本当らしい

 

「………」

 

全員が黙る。なんやこれ、嬉しいけどめっちゃ恥ずかしい…なんやこの気まずい空気…

 

すずか「す、凄いね、はやてちゃん!士希さんとランク一緒だよ!」

 

この空気を壊そうとしたのか、すずかちゃんが話題を振ってくれた。

そして言われて気づいた。確かにどっちも、第3位や

 

アリサ「あんた達…そんなとこまで一緒にしなくても…」

 

はやて・士希「いやこれ、私のせいちゃうし!(俺のせいじゃねぇし!)」

 

アリサちゃんの冗談に、私と士希はハモって突っ込んでしまう。

そこでさらにからかわれたのは言うまでもなかった

 

 

 

 

放課後。私と士希は何を言うまでもなく、一緒に帰ることにした。そんな帰り道…

 

士希「あ、今度の日曜、どっかに出かけないか?学年女子ランク三位のはやてさん」

 

なんて、珍しく士希が提案してくれた

 

はやて「お、もしかして、学年男子ランク三位の士希さんからデートのお誘い?」

 

少し冗談っぽく言ってみる。せやけど、私は内心かなり喜んでいた。

実は私ら、付き合い始めてからデートには行ってなかった。

いや、何度か家にはお邪魔したけど、あれはデートって言ってええんやろか?

 

士希「あぁ。はやて、珍しく管理局の仕事休みなんだろ?

だったらどっかに出かけて、リフレッシュしようぜ」

 

デートに行けやんだ原因の多くは私にあった。

仕事があったから、士希とゆっくり過ごす時間がつくれず、

それで外に遊びに行くってこともなかなかできやんだ。

それでも士希は、それを理解してくれて、怒ることはなかった。

曰く「俺ははやての夢を応援したい。だから、はやての好きなようにしていい」との事。

士希にはホンマに感謝しとる。疲れた時はご飯を作ってくれたり、

仕事の愚痴を嫌な顔一つ見せることなく聞いてくれたり、いろんな面で支えられてる

 

はやて「うん!行こ行こ!絶対空けとくわ!今からめっちゃ楽しみでしょうがない!」

 

士希「あはは!ならよかった。じゃあ、どこに行こうか考えないとな」

 

だから私も、いつか士希を支えてあげたい。心からそう思えた

 

 

 


 
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