「ぶるあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!」
「ふんぬううううううぅぅぅぅぅぅっっっ!!!!」
「暑苦しい!!やるなら外でやれ!!」
「無駄ですよ、左慈。彼ら…いえ、彼女らですか?聞く耳を持っていません」
何もない白い空間…二匹の肉だるまがポーズを取り、後の二人がちゃぶ台でお茶を飲んでいる。
…ここは外史の管理者と呼ばれる者達が休息に使う場所。
そして彼らは管理者、上から順に貂蝉、卑弥呼、左慈、于吉。
さらには空間が捻れ、黒髪の美女…司馬懿が現れる。
「ただい…何してるの?」
「あらん?司馬懿ちゃんじゃない。おかえりなさ~い」
「暇なのでのう、貂蝉と体で対話しとったんじゃ」
「こっちはいい迷惑なんだがな…!」
「はっはっは…我慢してくださいよ」
呆れ顔でため息をはく司馬懿。
だが気を取り直して気を引き締めた。
「今白魔が彼の所へ行ってるわ。状況の確認次第で“助っ人”を頼むかもしれないし」
「平沢君ですか。たしかに彼一人では対処できない事態もありますが…」
「チッ…だが奴は少なくとも俺達よりも強い。前に渡されたコイツが無ければ…あるいは…」
そうして左慈が取り出したのは銀色のベルト…。
そう、彼らが言ってる男…平沢梨斗は現在別の外史にいる。
そこは北郷一刀が存在しないまま物語が始まってしまった外史…彼はそこを再創造するために現在いるのだ。
「でも数でやられちゃダメよねん。やっぱりあそこに行くしか無いのかしらン?」
「じゃのう。数ある外史の中で最も可能性を秘めた北郷一刀がいるあの外史に…」
「―――別の世界、外史…か…」
左慈達は現在とある外史に来ていた。
そこは北郷一刀が皇帝となり、新たな都を作り暮らしている外史。
目の前にいるのは北郷一刀とその部下であり愛人でもある三国の重鎮達。
左慈達は別の外史で起こっている事を伝えに来ていたのだ。
方法としては簡単…貂蝉と卑弥呼はかなりこの外史に干渉しているので、顔馴染みとなっている。
その二人が一刀にアポを取り、対話が成立したのだ。
「…信じられないわね。別の私達がいる世界が無数にあるだなんて」
「あはは♪でも面白そうね、別のアタシに政務をやらせようかしら?」
「あ…それいいかも知れませんね」
「お姉様!桃香も乗らないでください!」
三国の王達は口々に言い、後ろの将や軍師達もざわついている。
だが、于吉は咳払いしその場を静めると続きを話していた。
「…続きをしてもよろしいでしょうか?」
「あ…ああ。ごめんな」
「いえ。…現在平沢梨斗は先程言った通り別の外史の再創造の為に動いています。だがしかし、障害がない訳では有りません。彼が厄介になるというのは別世界のデルザー軍団と言う組織です。彼らは生きた亡霊ではなく
明確な意思を持っている…どんな策略をしてくるかわかりません」
「そこでじゃ。お主にもしものための助っ人をしてもらいたいのじゃ」
「助っ人って……自慢じゃないけど、俺全く強くないからな?」
「初めから貴様個人の力など頼ってない。貴様にはこれを使って戦って貰う」
そう言って左慈が取り出したのは手形がついたベルト。
それに何種類かの指輪だった。
「わー!綺麗ー!」
「小蓮、さわっちゃダメだぞ。…これは?」
「ウィザードライバー…簡単に言えば変身道具だ」
「これを最大限に使えるのはこの外史の北郷一刀…つまりあなただけなのよ」
「俺が?何で俺なんだ?他にもいっぱいいるのに…」
「それは簡単じゃ。ここが最後の外史なのだからのう」
最後の外史…この事を聞いて一刀達は首を傾げた。
―――最後とはいったいどういう事だ…?
困惑している中、貂蝉が口を開く。
「さっき言ったように外史は魏のご主人様が帰ったことで増殖を止めた。でもそのあとその外史はどうなったのか…前に司馬懿ちゃんとここにはいないもう一人が魏のご主人様を外史に帰還させた時に融合したのよ」
「融合だと?」
「そう。始まりの外史が終わってすぐあとにできた外史…それぞれ北郷一刀が巍、呉、蜀に所属した外史が融合したのです。そしてその外史こそ…」
「…ここ、って言うことか…?」
「そうだ。その証拠に…貴様ら、北郷一刀がどこに所属していたか…覚えているのか?」
左慈の言葉に三国の重鎮達は言葉を失う。
そう、今まで誰も気にしなかった事を…考えもしなかったことを聞いて答えれる筈もない。
それぞれがそれぞれの思い出があるが…正確には思い出せないのだ。
「覚えていないようね。でもそれがしんじつよん」
「恐らくだがこの外史は物語が終われば始まりの外史と同じく別の外史として生まれ変わるじゃろう。北郷のいた世界と全く同じのがの」
「俺のもといた世界と…同じ…!?」
「と言っても差はあるけどね。…話がずれたわ。それで、協力してくれるのかしら?」
「待て!何故私たちではなくご主人様なのだ!」
「確かに…一刀だけっていうのもおかしい気が…」
「あなた方が行くとその外史のあなた方と融合して消滅するからですよ。同じ舞台に同じ役は存在できませんから」
「だから俺がいない世界に俺が行くって…?」
一刀の言葉に大きく頷く管理者。
『連れていくからには命を落とさせたりはしない』と加えて。
だが…と周瑜は一言言う。
「そちら側に利益があるだろうが私たちにはない…いや、むしろ無くなるかも知れないのだが?」
「それについてはご安心を。この都の問題は調査済みです」
「前に近隣の村への食料供給が不足しているって言ってたわよねぇ?だからその分の食料をご主人様を貸して貰う代わりにどうかしら?」
「だからといって隊長を危険にさらす訳には…!」
「…俺はいいぜ。その世界に行っても」
「隊長!?しかし…」
「俺が行けば村の問題も無くなるんだ。それに別の世界とはいえ、皆を助けたいしさ。大体、まだ行くって言う状況じゃ…」
『―――いやー、どこの北郷一刀も種馬だねー』
途中、北郷一刀の台詞を跨いで空間が捻れ、新たな人影が出てくる。
そう、彼は管理者の一人であり司馬懿とコンビの管理者…XXXこと白い魔法使い。
――――ただしその全身は白ではなく、血で真っ赤に染まっていた。
「「「あ、白魔(ちゃん)」」」
「「「赤いんですけど!?」」」
「あんた…まさかまたリア充狩りしてたの?」
『いやいや、まさか。帰りに何でか気を失って気がついたら血の海に浮かんでたんだよ』
白い魔法使いは全身の服を絞り、血を絞り出す。
不思議とローブの色は取れ、すっかり元の白に戻っていた。
「貴様の行動は心臓に悪いんだ!」
『ごめんごめん…あ、そうだ。さっきあの外史に行ったんだけどさ。けっこうヤバイかもよ?』
「なんじゃと!?」
『デルザー軍団勢揃いになりそうだし、正直何やって来るか分からなそうなんだけどね』
「…と言うことです。北郷殿、一緒に来てくれませんか?」
「わかった」
そう言って一刀はウィザードライバーと指輪を手に取り左慈達の元へ歩く。
後ろを振り替えると、心配そうに見ている三国の重鎮達がいた。
「ご主人様…」
「大丈夫。無事に戻って来るよ」
「ご主人様は私達が責任を持って守るわん」
「じゃから安心せい」
そんな会話をしている内に白い魔法使いは大きな魔方陣を作る。
どうやらここから転送するのだろう。
白い魔法使いが手招きすると一刀と管理者達は魔方陣の上に乗った。
「あそこの外史とは時差があるけどそこは心配しないで。帰るときはコイツがなんとかするから」
『イエース。タイムの指輪で誤差ほぼなしで戻すから大丈夫だよ』
「これから行く外史の時間は白魔が行ってた時間よりもさらに後のようだな」
「どのみち、戦う事になるがのう」
「ふん…早く終わらせるぞ」
「そうねん…じゃあいきましょうか」
「別の世界……外史へ!」
――――瞬間、その場から彼らの姿は消えた。
はい、予告なしの零話です。
今回はリトが魔神として動いている間の管理者サイドでした。
今回管理者が来ていたのは萌将伝の世界ですね。
作者にはきじゅんがさっぱりですが…個人解釈ですはい。
最後の外史って言うのは最初の外史…つまり無印時代と同じく新たな外史に一刀と恋姫達が移り住むような感じです。
じゃないと戦国恋姫が成り立たなくなっちゃうし…
で、作者のバカやるときの器の白い魔法使いなんですが…前回のコメント欄を確認すればよろしいかと。
さて、一刀含めた管理者達は一体本編の何話で登場するのか!
また、肉だるま二匹以外の管理者はどのライダーに変身するのか!
まだ決まっていません!(ドーン!
と言うわけで次回もよろしくお願いします。
ブルワァァァァァ…ΣΟ△Ο再見…ヤバッ
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これはリトが魔神として活動している間にあった、とある世界での交渉…