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真・恋姫†無双 外史 ~天の御遣い伝説(side呂布軍)~ 第三十七回 第三章A:臥竜鳳雛捜索編①・結成!臥竜鳳雛捜索隊

stsさん

みなさんどうもお久しぶりです!初めましてな方はどうも初めまして!

初めに、前回はエイプリルフール企画などという愚行に出たこと改めてお詫び申し上げますと共に、

意外にも美羽ちゃん編の続きが気になるという方がいらっしゃるようで、

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2014-04-13 00:31:00 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:5755   閲覧ユーザー数:4641

 

 

 

 

 

 

 

 

『儒生俗士、豈に時務を識らんや?時務を識る者は、 俊傑に在り。此の間自ら伏竜・鳳雛有り』

 

――――――(三国志、蜀書・諸葛亮伝注「襄陽記」より)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【益州、成都城、座の間】

 

時は北郷が益州の領主となって約2年弱が過ぎていた頃、成都は本格的な冬を迎え、寒さが体に堪える季節となっていた。

 

北郷が新たな領主となった頃はまだ不安定だった成都の状勢も、陳宮や法正の働きを中心に、

 

新田開発や点在していた農地の集積による食料の収穫高の増量や、水路の整備による効率的かつ安定した引水量の確保により、

 

食糧難の問題は回復の兆しを見せ、来年秋の収穫の頃には、

 

ようやく民衆全員に行き渡るほどの食糧の備蓄も可能となる見通しになるまでに至っていた。

 

さらに、ここで北郷の天の知識がようやく活躍し、北郷の提案した破免率をできるだけ上げた定免法の制定により、

 

国家財政にやや不安は残るものの、君主も民衆と同じ苦しみを味わうという北郷の姿勢は、民衆のさらなる支持を生み、

 

治安面はとても数年前にクーデターが起こった国とは思えない程安定していた。

 

しかし、当然それで成都の未来は安泰となるわけではなく、次の別の大きな問題が北郷たちの前に立ちはだかっていた。

 

 

 

陳宮「―――――では、かねてより劉璋殿の悲願であった目安箱の設置については、法の整備が完了次第、来年度を目標に準備を進める

 

ということで、最後の議題に移らせていただくです」

 

 

 

今、成都城の玉座の間では、朝議が執り行われているところである。

 

北郷が玉座に坐し、陳宮がその隣で議事の進行をはかっており、呂布や厳顔ら主だった将たちが下座で2つの列を作って立っている。

 

自由を愛した劉璋は、民の国に対する意見を投書する「投訴箱」の設置により、

 

民衆が国家に対して自由に発言ができるよう、国を飛び出す直前まで、法の整備に力を入れていたようであった。

 

当時は、政治を民衆に丸投げする怠慢目的の下策だ、君主の権威が地に落ちるなど、劉璋の印象が最悪なだけに批判が相次いでいたが、

 

北郷からしてみれば、この時代で目安箱の発想にたどり着くなんて、なんて賢い子なんだと感心したものであった。

 

そして、当然北郷はこの劉璋の意志を継ぎ、その箱の名を「目安箱」と命名。

 

今ようやく劉璋の悲願が形になる事が決定したのであった。

 

そして、いくつかの議題が片付き、陳宮が最後の議題に入ろうとしているところである。

 

 

 

陳宮「最後の議題は、今最も問題とされる議題・・・つまり、人材不足の問題です」

 

厳顔「ふむ、やはりそうなるか・・・」

 

北郷「やっぱりウチって人材が不足してるんだ・・・」

 

 

 

どうも領主のオレに変な雑務がたくさんあるなと思ってたんだよ、などと北郷は納得していたが、これは陳宮が、

 

手が回らない重要度の低い北郷でも出来そうな簡単な雑務を押し付け―――もとい、任せていたからなのは、当然北郷は知らない。

 

 

 

陳宮「確かに、天の御遣いの評判のおかげで志願兵は続々と集まってきているです。ですので兵士については問題ないのですが、問題は

 

文官です。ねね以外には劉璋殿ゆかりの法正や張松、黄権といった優秀な人物もいますが、法正は今漢中に行っていますし、特に最近は

 

中原の覇権を巡って袁紹と曹操が一触即発の状勢です。さすがにここまで戦火が飛び火するとは考えにくいですが、非常に心許ないです」

 

 

 

結局、法正はその能力を買われ、漢中へしばらくの間出向することになり、

 

現在は張魯政権の不安定な政治を、自前の秀逸な頭脳と不良軍師っぷりを発揮して支えていた。

 

人の言うことを聞かない張魯も、法正の睨みとドスの効いた声色や物言いには逆らえないようであり、

 

張魯は次々に弛んだ政治にメスを入れていった。

 

たとえば、ただ無暗に民に無償で食糧を与えるのではなく、ある程度裕福な人々からは五斗ほどの税を払わせるなどの秩序を構成。

 

また、これまで罪を犯した者は三回までは不問とし、四回目で労役を課すといったルールがあったが、

 

これでは三回までは大丈夫という驕りが生まれ、また、犯した罪の重さに対応していない不公平な罰則であると民から不平が出ると、

 

法正は犯した罪に応じた罰則を(例えば窃盗なら同価値の罰金、器物損壊なら修復の労役、殺人は死罪など)

 

与えるという新たな法を作った。

 

その結果、中枢の食糧の備蓄が底をつくこともなくなり、また、罪人に対する罰則規定が厳格かつ公正になったことから犯罪件数も激減、

 

現在、漢中は益州一平和で豊かな国となっているとか。

 

そして、中原では現在、河北での公孫賛との覇権争いに勝利し、冀州・青州・并州・幽州の四州を統一した袁紹と、

 

長安に拠点を構えていた董卓軍の残党張済・樊稠、同盟関係にあった徐州の劉備らを退け、

 

兗州・豫州・司隸・徐州の四州を統一した曹操という二大勢力が対立している状勢であり、

 

遠く離れたここ成都の地でも、その動向は注視されていた。

 

 

 

陳宮「とにかく、文官、特に軍師不足の解消は、今最も急を要する案件ですぞ」

 

 

 

陳宮は案件の書かれていた書簡から目を離すと、キッと周りを見回した。

 

すると、

 

 

 

北郷「・・・フッフッフッ・・・そうか、ついにオレの出番ってわけだな」

 

 

 

突然、北郷が片手で顔を覆い、わざとらしく意味深に笑い出したかと思うと、自信満々のドヤ顔で自信たっぷりに告げた。

 

 

 

厳顔「ほう、お館様は軍略にも長けておられるのですか?」

 

魏延「本当か?とてもそのようには見えないが」

 

 

 

今まで北郷の軍師らしいそぶりや活躍などを一切見たことのない厳顔や魏延は半信半疑といった様子である。

 

一方、厳顔や魏延よりも長い時間を共に過ごしてきた元呂布軍の面々の反応はというと・・・

 

 

 

張遼「いやいや、それはさすがにないやろ、ちゅーかそんなボケは今いらんねん」

 

陳宮「軍師を舐めすぎです、あるいはただのバカですか?」

 

高順「一刀様の軍略では間違いなく、ものの数分で隊が崩壊してしまいます」

 

呂布「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・無理」

 

 

 

当然北郷にそのようなスキルがないことを知っており、かつ、実は今まで隠してました、

 

などという美味しい超展開も北郷ならあり得ないだろうと確信していたため、各々は正しい酷評を次々に北郷に浴びせかけた。

 

 

 

北郷「ちょっと、みんな酷くない!?っていうかそうじゃなくて、オレが軍師をやるって意味じゃなくてだな、ここでオレの天の知識を

 

使うっていう意味だよ」

 

 

 

皆からの、とても君主に向けるべきでない、もはや罵倒と言っても過言ではない散々の酷評に、

 

北郷は涙目になりながらも、気を取り直して再びドヤ顔で補足を加えた。

 

 

 

陳宮「ハァ、いや、ですから仮に軍略の知識があったとしても、実際使えなければ意味ないです。悪いですが、とても一刀殿では軍師の

 

役目を全うすることは不可能だと思うのです」

 

 

 

受験英語などと同じように、当然知識はあっても使えないものほど無意味なものはなく、

 

更に言えば、知識があるだけで軍師が務まるはずもない。

 

秀でた軍略に加えて、戦況を見定め慎重かつ迅速に攻防の決断ができる判断力、読みの鋭さ、

 

数々の修羅場をくぐりぬけた戦闘経験、兵たちからの信頼あってこその軍師である。

 

そういう意味でも、たとえ2年という月日が経とうとも、一介の高校生であった北郷に一国の軍師など務まるはずもないのだが、

 

しかし、そもそも北郷の考えは前提が違うようであった。

 

 

 

北郷「いや、だからオレが天の知識で軍師するって意味じゃなくて、天の知識で軍略に秀でた人物を探すって意味だよ」

 

張遼「ほー、なるほど!」

 

高順「誰か心当たりがおありなのですか?」

 

 

 

ようやく自身の意図がみんなに伝わったようで、一安心した北郷は、なぜか少しワクワクした感じで皆に尋ねた。

 

 

 

北郷「ああ・・・・・・みんな、臥竜鳳雛って聞いたことないか?」

 

 

 

やや溜めて尋ねた北郷の問いに反応を示したのは、厳顔と魏延であった。

 

 

 

厳顔「それならば風の噂で聞いたことがありますな。確か優れた才能を持ちながら、誰にも仕官せず在野に留まり続けているものがいる

 

とかいないとか」

 

 

魏延「そういえば法正から聞いたことがあるな。俺が会ってみたい数少ない人間だとか。だがどこにいるかも分からない奴だぞ?」

 

北郷「フッフッフッ、そこで天の知識だ!」

 

張遼「おおっ!」

 

 

 

北郷の無駄にもったいぶった面倒くさい振る舞いに、張遼だけがノリよく反応してくれていた。

 

 

 

北郷「オレの世界では臥竜鳳雛、つまり諸葛亮と鳳統は、確かこの頃は荊州、襄陽辺りにいたはず。恐らくこの世界でもいるはずだよ」

 

 

 

一応黄忠が劉表配下ではなく、劉璋配下だった例もあることから、北郷の知っている三国時代の世界と、

 

この世界が全く同じという訳ではなかったのだが、それでも、現在北郷が把握しているイレギュラーは黄忠と賈駆、

 

そして董卓軍の残党の例だけであり、諸葛亮と鳳統が襄陽にいる可能性は十分高い見込みがあった。

 

 

 

厳顔「ほぅ、これが天の力と言うものか」

 

魏延「やはり本物だったのだな」

 

 

 

厳顔と魏延は、ほとんど目にすることのない北郷が天の知識を披露しているのを目の当たりにして、感心しているようである。

 

 

 

北郷「ダテに天の御遣いを名乗ってるわけじゃないからね、舐めてもらっちゃこまるよ」

 

 

 

北郷は、よし、なんだか目安箱の件以来久しぶりに御使いっぽいことができた気がする、

 

と顔いっぱいに隠しきれんばかりのドヤ顔で得意げになっている。

 

そんな北郷の面倒くさい様子を、シラケたジト目でジーっと一瞥した後、陳宮が話を進めた。

 

 

 

陳宮「まぁ、もちろん二人に会えたからといって仕官してくれるとは限らないのですが、会ってみないと始まらないです。では、一応、

 

一刀殿の知識を信じて、さっそく誰かに襄陽に向かって欲しいのですが―――」

 

 

北郷「はいはいはーいっ!オレオレッ!オレ絶対行く!」

 

 

 

陳宮の言葉を途中で遮って、北郷が妙なハイテンションで襄陽遠征隊に立候補した。

 

 

 

陳宮「え・・・で、ですが一刀殿は今や益州牧にして成都領主の身。そうホイホイ成都は離れない方がいいと思うです。それに、襄陽に

 

行っても見つからない可能性もありますし。ですので、わざわざ一刀殿自らが出向かなくとも―――」

 

 

 

陳宮が言わなくとも当然浮上するであろう意見に、しかし北郷は妙なハイテンションのまま引き下がらない。

 

 

 

北郷「いーや、絶対に行く!ほら、やっぱりオレ自ら足を運んだ方がこっちの誠意も伝わるってもんだろ?オレの世界でだって、諸葛亮

 

を口説き落とすのに、主君が三回も足を運んでるんだぞ?」

 

 

呂布(・・・・・・・・・・・・!?)

陳宮(口説き落とす・・・ですと!?)

張遼(口説き落とす・・・やて!?)

高順(口説き落とす・・・・・・!?)

厳顔(ほほぅ、口説き落とす・・・か)

魏延(口説き落とす・・・だと!?)

 

 

 

当然北郷の言った「口説き落とす」という言葉は「説得する」という意味であり、それ以上の意味はないのだが、

 

北郷が口にすると別の意味に聞こえるのか、呂布達は過剰に反応していた。

 

ところで、実際北郷には今主張した理由以外にも、きわめて個人的な理由があった。

 

 

 

北郷(諸葛亮や鳳統に会える・・・!オレも一端の三国志ファンだからな。いつかは会えるかなとは思ってたけど、まさかこんなに早い

 

時期に会える機会に巡り合えるなんて・・・!まぁ、この世界の事だし、二人ともすごい美少女なんてことになってそうな気もするけど、

 

いや、それはそれですごく興味があるけど!とにかく、いち早く二人と会う機会が訪れているのに、どうして会わずにいられようか・・・

 

いや、いられないっ!)

 

 

 

つまり、最後の議題に入ったあたりから北郷のテンションが妙に高くなったのは、

 

三国志随一の人気者である諸葛亮や鳳統に会えるかもしれないと思ったためであった。

 

結局、北郷の主張にも一理あり、また、北郷の妙なハイテンションに押される形で(というかこれ以上の問答は面倒くさそうだったので)

 

陳宮は北郷の襄陽行きを渋々認めることになった。

 

 

 

陳宮「・・・では、一刀殿は行くとして・・・ところで一刀殿、荊州の地理は詳しいのですか?」

 

北郷「うーん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・迷子だな!」

 

陳宮「ハァ・・・」

 

 

 

いくら三国志の知識があろうと、さすがに詳しい地理までは分かるはずもなく、

 

北郷はハイテンションを持続させたまま、高らかに迷子宣言した。

 

すると、今度は厳顔が次のような提案をした。

 

 

 

厳顔「それならば、焔那に道案内させればよろしいかと」

 

魏延「えーーー・・・」

 

 

 

厳顔の提案に、魏延はあからさまに嫌そうな声を上げた。

 

 

 

厳顔「なさけない声を出すでない!お主は荊州出身だろう!」

 

魏延「ですが、荊州にいたのは生まれてからほんの少しの間で、すぐに桔梗様に拾われて成都にやって来たじゃないで―――」

 

厳顔「四の五の言うでない!少なくともここにいる者の中では一番詳しいだろう!」

 

魏延「うーん、了解しました・・・」

 

 

 

厳顔の妙に強い魏延推しに折れた魏延は、口ごもりながらも渋々了承した。

 

 

 

北郷「じゃあ、オレと焔那の二人で行けばいいのかな?」

 

厳顔「ふむ、そういうことになりましょう」

 

 

 

厳顔はなぜか満足といった顔で腕を組んで頷いている。

 

 

 

魏延「チッ、まぁ仕方がない。ワタシしか案内にふさわしい人材がいないようだしな。気は進まないが、二人で行ってやろう」

 

 

 

一方魏延はというと、相変わらず気乗りしていないようであったが、なぜか語調はなめらかで、

 

やや不機嫌そうな顔をしていながら、その印象は機嫌がよさそうな感じという器用な表情をしていた。

 

そして、本人すら気づいていないその気づきにくい魏延の僅かな変化を、北郷と魏延を除くこの場の全員が感じ取っていた。

 

 

 

陳宮「ちょっと待つです!」

 

張遼「一刀と焔那で二人旅やて!?」

 

高順「危険すぎますね」

 

呂布「・・・二人きりは駄目」

 

 

 

いち早く待ったをかけたのは陳宮、続いて張遼、高順、

 

そして普段あまり主張することのない呂布までもが、北郷と魏延が二人だけで襄陽に行くことに反発した。

 

 

 

厳顔「やれやれ、皆まだまだ若いな」

 

北郷「みんな心配性だなぁ」

 

魏延「なんなんだ!別に変なことなど起きはしない!」

 

 

 

一方厳顔は、せっかく気を利かせてやったのにといった大人の余裕で嘆息し、当の本人たる北郷は、

 

全く事態を理解してない緩い感想を漏らし、魏延はやや顔を赤らめながら反論していた。

 

 

 

陳宮「もはや一刀殿のあれは避けられるものではないのです――――――ではなくてですな!さすがに成都を平定し、劉璋殿に代わって

 

成都領主だけでなく、今や益州牧まで兼任しているですから、それなりに一刀殿の知名度が上がっているはずです。たとえお忍びで行く

 

にしても、もう少し護衛が必要です」

 

 

張遼「なんや、そっちかいな」

 

高順「当然そちらの意味もありますよ」

 

 

 

北郷の女性を惹きつける何か、というのは、もはや北郷以外の誰もが認める共通認識となっていた。

 

すると、呂布が迷いなき澄んだ瞳で珍しく自ら切り出した。

 

 

 

呂布「・・・恋が一緒に行く」

 

 

 

たいてい呂布が自ら発言する時は、非常に固い意志のこもった発言であるため、そのまま呂布の意見が通ることも多いのだが・・・

 

 

 

張遼「そりゃあかんやろ、恋。抜けが―――恋はウチなんかと違って有名人やから、お忍びになんかならへんで」

 

 

 

張遼がそうはいかんともっともらしい理由をつけて呂布の意見を拒否した。

 

 

 

陳宮「その通りです、恋殿。確かに恋殿がいれば護衛としては申し分ないのですが、襄陽は一応劉表が治める土地。間違いなく劉表軍の

 

兵士は虎牢関で恋殿の顔を見ていますから、目立ってしまうのでお忍びの護衛は不向きかと思われるです」

 

 

呂布「・・・・・・」

 

 

 

決して陳宮は張遼のように呂布に対して嫌がらせで言ったわけではない。

 

かつて呂布は、虎牢関の戦いで、劉表軍を軽く蹴散らしたことがあった。

 

呂布が北郷の元にいるという情報がどれだけ広まっているかは定かではないが、

 

やはり危ない橋は無理に渡る必要はない、という陳宮の意見は正しかった。

 

結果、呂布は気持ち不満顔で引き下がった。

 

 

 

陳宮「そして、桔梗殿には是非とも成都の政務の方を手伝って欲しいのです。ただでさえ人材が不足している中、成都について一番詳しい

 

でしょうから」

 

 

厳顔「うむ、了解した」

 

 

 

もともと今回厳顔は特に北郷についていきたいとは思っていなかったため、すんなりと陳宮の申し出を受け入れた。

 

 

 

陳宮「というわけなので、(不本意ですが)護衛には霞かななのどちらかに―――」

 

 

 

「不本意ですが」の箇所だけ極めて小さな声で発した陳宮の言葉は、しかしまたもや途中で遮られてしまった。

 

 

 

張遼「ハイハイハイハーーーイ!!ここはウチしかありえへんやろ!!」

 

 

 

陳宮の言葉を遮ったのは張遼であった。

 

張遼は先手必勝と言わんばかりに勢いよく挙手し、自信満々に北郷護衛に立候補した。

 

当然、黙っていないのは高順である。

 

 

 

高順「何を当然のごとく言っているのですか。護衛任務なら私が適任でしょう」

 

 

 

高順が発言し終えたその刹那、両者の間に火花が散った。

 

武将として、そして女として、ここは退けないという強い気のぶつかり合い。

 

 

 

張遼「何言うとんねんなな、そんな小さい体やったら体張って護衛するには不向やろ」

 

高順「霞こそ、そのようなおしゃべりでは刺客を引き付けてしまいますよ」

 

張遼「なんやと!」

 

高順「なんですか!」

 

 

 

両者の間に広がる一触即発の空気は、やがてこのまま仕合で決着をつけようと言い出しかねないほどまで張りつめていた。

 

 

 

陳宮「二人ともそこまでです!恋殿!」

 

 

 

出来るだけ早くに北郷には諸葛亮・鳳統を探しに行ってほしかった陳宮は、

 

このまま仕合などという長くなりそうな展開を避けるため、最終的な判断を呂布に委ねた。

 

呂布の決定ならば、両者とも納得せざるを得ないと踏んだからである。

 

そして呂布の答えはすぐに返ってきた。

 

 

 

呂布「・・・なな、行って来い」

 

 

 

その瞬間、高順は小さく、そして力強く無言のガッツポーズ。

 

一方張遼は頭を抱え込み絶叫した。

 

 

 

張遼「なんでやーーーっっ!!!」

 

呂布「・・・霞は、恋と一緒に、お留守番」

 

 

 

呂布はやや満足げにはっきりと張遼に留守番を宣告した。

 

呂布に余計なことを言ったため、その報いを受けた張遼であった。

 

 

 

陳宮「それでは一刀殿、焔那、なな。よろしくなのです」

 

北郷「了解!」

魏延「了解した」

高順「了解です」

 

 

 

三国時代屈指の頭脳の持ち主を仲間に加えるべく、北郷軍は動き出した。

 

 

 

【第三十七回 第三章A:臥竜鳳雛捜索編①・結成!臥竜鳳雛捜索隊 終】

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

 

第三十七回終了しましたがいかがだったでしょうか?

 

いきなり二年後!?スローペースはどうなった!?キニシナイデクダサイ。

 

あ、言うまでもありませんが、この世界ではサザエさん方式がまかり通っているので年齢云々はスルーの方向で。

 

でも一刀君は当初と比べて少し余裕が出ているかなといったところは感じていただければ幸いです。

 

結局はわわあわわ捜索パーティは、一刀君・焔耶・ななの三人となりました。

 

呂布軍メインの話なのに恋とかねねとかでないのー?とツッコまれそうですが、

 

この人選は一応今後の展開と関わってくるので今は見逃していただきたく 汗

 

 

では最後に今年度の投稿ペースについて、、、

 

別に社会人を舐めていたわけではありませんが、新生活とはそんなに甘くなく、

 

4月に入ってからお話が全く考えられていないのが現状でして、

 

ひとまず軌道に乗るまでは今までの10日ペースから隔週ペースに延ばしたいのです。

 

一応第三章は完成しているので今まで通りでも投稿はできるのですが、

 

間違いなくストックがなくなって蒸発してしまうので、それだけは避けたく、

 

さらなるだらだらスローペース投稿となりますが、どうかご容赦願いますと共に、

 

これからも一刀君と恋たちのお話を見守ってやって下されば幸いです。

 

 

それではまた次回お会いしましょう!

 

 

 

諸葛亮って聞くと別に信者じゃなくても何故かテンション上がるんですよね、、、不思議 笑

 

 


 
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