No.677196 九番目の熾天使・外伝 =蒼の物語 刻の幻影=Blazさん 2014-04-07 22:36:53 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:838 閲覧ユーザー数:750 |
CP第十六話 「新たなる存在」
ワダツミが侵攻を受けて、戦いが終わった頃。
イブキドの地下に四人の人影があったのだ。
二百式、ガルム、Falsig、そしてokakaの四人だ。
二百式「まさか・・・地下にこんな場所があったとはな・・・」
ガルム「そうだな。にしても結構広いな。」
Falsig「オマケ、何か気味が悪い・・・」
okaka「ああ・・・まるで墓地のようだ・・・・」
さて。どうしてこの四人がここに居るのか。話は少し前にさかのぼる。
状況がイマイチ掴めなかった二百式はガルムとFalsigにイカルガの情勢などの説明を頼んだ。そして、二人が知りえる情報を得た二百式はイブキドに潜入する事になる。
しかし、タイミングが良いのか悪いのか、ガルムとFalsigはレイチェルからの依頼で二百式と共にイブキド地下に行く事になる。
そして、イブキドに着いた三人の前にokakaが現れたのだった。
その後、okakaも合流し今の状態になったと言う事である。
二百式「・・・・・・この感覚・・・何だ?」
okaka「・・?どうした、二百式。」
二百式「全員、気をつけろ。ココには何かがあるぞ。」
Falsig「何か・・・・?」
二百式の言葉に呼応したのか、ガルムも警戒し始める。
そして、Falsigもようやく何かに気づき、okakaも一応の警戒をした。
刹那。
ヴンッ!
四人の前に一人の少女が現れた。
深紅と橙の生地に黄色の首輪の様なもの。
そして、白い御札を布の端に付けている。
だが、驚くべきは其処ではない。その服を着ている人物だ。
ガルム「なっ・・・・・・!?」
Falsig「み・・・・・・美空・・・・・ちゃん!?」
クスィー「・・・・・・・。」
二百式「・・・・・まさか・・・・・・・」
クスィー「・・・・対象を敵対人物と判断。クスィー14、戦闘体勢に移行。」
美空、だった人物は巨大な剣と共に姿を変えた。
機械的な足とバイザー、そして八本の剣を周りに漂わせている。
それと同時に殺気が増し、全員戦闘体勢を取ったのだ。
ガルム「っ・・・・美空ちゃんっ!?」
クスィー「・・・・・・。」
刹那。クスィーは四人に向かって突進。八本の剣を二本ずつ分けて攻撃した。
それを二百式達は回避。しかし、その真ん中にクスィーは着地し、四方に術式を展開。
其処から大量の剣を発射したのだ。
okaka「うわっ!?」
Falsig「くそっ・・・・何だこれ!?」
クスィー「・・・・・・。」
直ぐに攻撃を終えると、今度は二百式に狙いを定めて接近する。
二百式は剣を抜刀して応戦するも、八本の剣を防ぐので精一杯だった。
二百式「っ?!(速過ぎる・・・!!それに・・・・ッ!!)
クスィー「ウーノ。」
二百式の僅かな隙を突き、クスィーは二百式に攻撃した。
攻撃は掠り、二百式はワンテンポ動きが止まってしまったのだ。
二百式「しまっ・・・・!?」
クスィー「ドゥーエ。」
切り上げ。動きが止まり、上空に上げられる。そして、クスィーもジャンプし、追撃を入れる。
それを止めようと三人も急ぐが、当然追撃は入れられる。確実にだ。
クスィー「トレー・クアトロ。」
術式に動きを止められ、更には斬撃が加えられる。
この一瞬でこれだけの攻撃を受け、二百式は多くのダメージを負う。
二百式「がっ!?」
クスィー「殲滅する。」
叩き落す。そして、其処から空中で二つの術式を展開し、更には四本ずつ剣を術式の周りに集める。其処から大量の剣が降り注ぎ、二百式にトドメを刺そうとしていたのだ。
「幻世「ザ・ワールド」ッ!!」
しかし。一瞬にして二百式は其処から姿を消した。
それはガルムがスペルカードで時間を数秒だけ止めたからだ。
そして、後ろからはFalsigとokakaが反撃を加えようとしていたのだ。
okaka「ビーム・マグナムッ!!」
Falsig「ジャベリンでどうだっ!!」
okakaはビーム・マグナム。Falsigは対戦車ロケットで攻撃する。
攻撃は直撃し、ダメージはあるだろうと思っていた。
しかし。
ガルム「なっ・・・・!?」
Falsig「おいおい・・・・流石にそれは無いぜ・・・・・・」
クスィーは無傷だった。
二人の攻撃を防ぎ、平然としていたのだ。
それには、四人も唯驚くだけだった。
二百式「っ・・・・一体どうなってる・・・!?」
ガルム「さあな・・・唯言えるのは、今の美空ちゃん相手に・・・俺たちは勝てないって事かな・・・・・」
Falsig「・・・・マジかよ・・・・・・・・・」
クスィー「対象の危険性レベル照合。・・・・・・・完了。全対象の危険性レベルをSSと判断。全敵対象を「完全殲滅」する。」
クスィーはそう言って大型の術式を展開した。
術式は赤く光り、それを見たガルムとFalsigの頭の中には危険信号が鳴り響いていた。
アストラルヒート。
受けたら唯では済まない技だ。
それを見て、Falsigは思わず叫んだのだ。
Falsig「っ!!全員撤退だ!!アレはマズイッ!!」
二百式「何っ・・・・!?」
ガルム「っは・・・・・!!」
okaka「・・・・・・!」
刹那。四人は現在の状況では勝てないと判断し、スモークなどで目くらましをして撤退をした。相手の情報が不足して、且つ相手が四人がかりでも無理に近いと判断し、思わず全員そう考えて走り始めたのだ。
だが、当然納得のいかない二百式は言いだしっぺのFalsigに問いを投げたのだ。
二百式「何故、撤退する!?」
Falsig「確かに、俺達四人で勝てるかもしれにぃ!けど、それは相手が普通ならだ!アイツは・・・・今の美空ちゃんは多分・・・・・!!」
二百式「っ・・・・・・?」
ガルム「取り合えず、俺達は彼女について調べる!だから・・・・!」
クスィー「次元干渉虚数方陣展開
その器 白刃の剣にして蒼の根源
八岐の尾より出て世界を否定し粛清する者よ
「薙ぎ払え」。」
刹那。巨大な術式の陣から一本の剣が四人の元に落ちていったのだった。
???
その頃。とある場所では二人の人物が戦っていた。
ジン=キサラギとディアーリーズだ。
ディア「っ・・・・・はぁ・・・・・はぁ・・・・・」
ジン「・・・・・・・・・。」
二人がココで戦って一時間程。ジンは未だに息を切らさず、逆にディアーリーズは息を切らしていた。そして、ジンは唯ジッと今までの戦いでの分析結果を頭の中でつぶやくのだった。
ジン(素質などは十分だ。だが、余計な感情が多すぎてそれが力を阻害している。最も。これはヤツ自身がクリアしなければならない試練だ。)
ディア「・・・・・・・・・・。」
ジン「・・・一つ聞く。お前の大切な人とは誰だ。」
ディア「・・・・・え?」
唐突にジンはディアーリーズに質問を投げた。
突然の質問に驚くディアーリーズだったが、直ぐに答えを言ったのだ。
ディア「そりゃ・・美空さんに咲良・・・アキにアスナにこなた・・・・みんな大切な人たちだ。」
ジン「・・・・・・・・。」
ディア「それとこの修行とに何の関係が?」
ジン「・・・・・その美空と言うのは・・・あの次元素体か。」
ディア「っ・・・・・・・・。」
ジン「なら。何故彼女の為だけにココに来た。」
ディア「・・・・・・・・ッ!」
ジン「お前は他の人間の大切だと言った。なのにその者達を置いて一人の大切な者の為にココに来た。」
ディア「っ・・・それが・・・・どういう・・・・・・・」
ジン「この力は絶対的に揺るがない意志が必要不可欠だ。それなのにそんな心では・・・出来るものも出来ない。」
ディア「っ・・・・・・・・・・・」
ジンの言葉にディアーリーズは黙り込んだ。彼が言うのも尤もだからだ。
彼女達ラヴァーズの事も大切と言いつつも結果彼女達を置いて自分単身で美空を助けに来た。それはまるで他のラヴァーズ達が大切ではないと言っているのと同義だからだ。
ジン「ハッキリ言おう。お前はその三人を本当に大切だとは思っていない。」
ディア「なっ・・・・!?」
ジン「そうだろ?お前は唯一人の為にココに来た。大切だと思っているのはそいつだけだということだ。」
ディア「ちっ・・ちがっ・・・!」
ジン「どう違う。」
ディア「っ・・・・・・それは・・・・・」
ジン「・・・・・・少し考えろ。でなければ話にならん。」
そう言ってジンは術式を展開してその場から消えたのだ。
残ったディアーリーズは唯一人その場につっ立っていた。
自分の考えを正面から受け、自問自答をする為に・・・・・・
ヴンッ
ジンは戻ってくると黙ってその場から去ろうとしていた。
其処にはハクメンとバレットも居たが、二人とも無言でジンを見送ったのだった。
バレット「・・・・・・なぁ・・・アイツは・・・ディアは・・・何をしているんだ?」
ハクメン「・・・・・・・・。」
バレット「・・・・・・アイツは・・・・・・・」
ハクメン「答えを・・・・・探している。」
バレット「えっ・・・?」
ハクメン「己が答えを・・・・な。絶対的な意志。それが今のアイツに必要な力だ。」
バレット「絶対的な・・・・意志・・・?」
ハクメン「何事にも揺らがない。真実をも受け止め、そしてそれをも糧にする。それが今のアーウェンクルスに必要な存在だ。」
バレット「・・・・・・・・。」
ハクメン「直に結界は解除される。後はヤツ次第だ。」
ハクメンはそう言ってまた別の方向に歩き去っていった。
バレットはそれも無言で見送った。そして、結界が解除されるとディアーリーズの元に駆け寄るのだった。
バレット「・・・・大丈夫か。」
ディア「・・・・・・ええ。大丈夫です。」
ディアーリーズはそう言って立ち上がり、黙って空を見上げた。
そして、少しの時間をそうやった後。何時もと変わらない笑みを浮かべ、バレットの方へと顔を向けたのだ。
ディア「行きましょう。レリウス=クローバーを探しに。」
バレット「・・・・・いいのか。ジン=キサラギと、何かしていたのだろ?」
ディア「ええ。けど、それはココに居たら解ると思ったので今は後回しにします。」
バレット「・・・・・・・・そうか・・・解った。なら、一度ヤヒコに戻るか。」
ディア「ええ。」
アルカード城・・・
そして、アルカード城では。
レイチェル「お疲れ様。見事に完遂したわね。」
レイチェルがそう言って少し茶化しつつ、紅茶を飲んでいた。
彼女の前にはルカがダウンして倒れていたのだ。
ルカ「あ゛あ゛あー・・・・・・・つ・・・疲れた・・・・・」
ヴァルケン「情けない。これぐらいでダウンするとは、まだ若いな。」
ルカ「ヴ・・・ヴァルケンハインさんが異常なだけです・・・・」
ヴァルケン「それを差し引いても、まだまだ未熟だ。」
ルカ「・・・・・・・・・・・・・。」
ヴァルケンハインの言葉に気力を奪われたルカ。
そして、それでもゆっくりと身体を起こし、月明かりが美しい夜空を見上げた。
ルカ「・・・・・後は、君次第・・・・だな。」
一人でそう言い、立ち上がった。
彼が今まで何をしていたのか、それはいずれ解る事である。
そして、その言葉を誰に言ったのかもだ。
レイチェル「さて。それじゃあ次に行きましょうか。」
ルカ「え・・・・・次?」
レイチェル「大丈夫よ。次はさっきのアレじゃないから。」
ルカ「あ・・・ああ・・・・・よかった・・・・・」
唐突にレイチェルの言葉に驚くルカ。
一体次は何が起こるのか。そう思いつつ、レイチェルの方に顔を向けていた。
それに少し面白がった顔で笑うレイチェル。
パチンッ
彼女は指を鳴らし、それと同時に魔法陣を展開した。
誰かを転移させる気だ。
しかし、その転移させた人物を見て、ルカは驚く事になった。何故なら・・・
「うっわっ!?」
ドサッ
声と共に尻餅をついた人物。それを見て、ルカは自分の目を疑ったのだ。
その人物はココに居ることの無い。居る筈が無い人物だったからだ。
ルカ「・・・・・え・・・・・・どうして・・・・居るんだ・・・・・・・・・・
フェイト・・・?」
フェイト「いたたた・・・・って・・・・えっ・・アキヤ・・!?」
ブロンドの長髪。黒い服。そして黒いデバイス。
彼が知る親しき者。そして、敵対していた人物。
フェイトがココに居たのである。
ルカ「・・・・・・ど・・・・どうして・・・・どうして彼女がココに居るんですか、レイチェルさんっ!?」
レイチェル「・・・・・そうね。彼女がココに居る理由は二つあるわ。」
ルカ「・・・・二つ・・・・?」
レイチェル「ええ。そうでしょ、フェイト・テスタロッサ。」
フェイト「えっ・・・・と・・はい・・・・けど、どうしてアキヤまで・・・・?」
レイチェル「それも後で話すわ。先に貴方がココに居る理由だったわね。」
フェイト「っ・・・・・・・」
冷静な態度で説明をしようとするレイチェル。
彼女が紅茶に口を入れると、ゆっくりと飲み干していき、ティーカップを専用の皿の上に置いた。そして、ルカに話し始めたのだ。
レイチェル「理由は二つ。一つは、彼女が助けを乞いて来たから。」
ルカ「・・・・助けを・・・?」
フェイト「・・・・うん・・・と言うより・・・・逃げたって言えば・・・いいのかな。」
ルカ「逃げたって・・・・まさか、管理局から!?」
フェイト「・・・・・・・。」
レイチェル「と言うより、彼女は友と思っていた人物から逃げ出した・・・。」
ルカ「友って・・・・・・・・・どういう事だよ・・・・」
フェイト「・・・・・・・。」
レイチェル「そっちを話したら永遠と続きそうだから、後は二人で話しなさい。で、問題のもう一つよ。」
ルカ「・・・・・・。」
レイチェル「彼女には、知らなくては成らない真実がある。それを知る為よ。」
ルカ「知らなくては成らない真実って・・・一体・・・・・・」
レイチェル「さぁ。其処も彼女から聞けばいいのではなくて?」
ルカはレイチェルの言葉で目線をフェイトに移した。
フェイトも最初はココが何処なのかとオドオドしていたが、落ち着いたのか顔を肯かせたのだ。そして、ルカも肯かせると、目線を再びレイチェルに戻した。
それを見たレイチェルはルカに次に何をするかを伝えたのだ。
レイチェル「次に貴方にやってもらう事は・・・
統制機構イカルガ支部への潜入よ。」
ルカ「えっ!?」
レイチェル「勿論。彼女と一緒によ。」
フェイト「えっ?!」
ルカ「ち・・ちょっと待って下さい!そんなイキナリ・・・・」
レイチェル「イキナリのへったくそも無いわ。貴方だって解ってる筈よ。時間が無いって事に。」
ルカ「っ・・・・・」
言葉を言い返せないルカ。それが紛れも無い事実であるからだ。
自分が知りえてしまった事実。その体現までの時間が刻一刻と迫っている事。
そして、自分がこの世界に来て何かが変わるかもしれないという可能性と不安。
ルカ「・・・・・・・・。」
時間は無い。ルカは気づけば自分の感情を表に出し、フェイトに言ったのだ。
ルカ「行こう、フェイト。」
フェイト「えっ・・・・・」
ルカ「俺達には・・・・もう時間が無い。もし・・・俺達が・・・・・変えられなかったら・・・全ては終わる。管理局も、この世界も。」
フェイト「そ・・・・そんな・・・・・!?」
ルカ「事実さ。この世界はそれ程まで危険であり、同時に無限の可能性も持っている。だから・・・・・!」
ルカはそう言って自分の手をフェイトに差し出す。
所々にタコが出来た少し汚い手だ。しかし、フェイトはルカの顔を見て、何かを感じた。
そして、自分の綺麗な手をルカの手の上に置いたのだ。
フェイト「・・・・・・・・行こう。助けに。」
ルカ「・・・・・・ああ・・・・!」
賽は投げられた。
更なる真実を知りたいと思うフェイト。
真実を知り、何かの為に戦うルカ。
意志は違えど、目的は同じ。
決意を胸に、二人は禁忌の地へと足を踏み入れる覚悟をしたのだった。
レイチェル「・・・・・何かムカつくわね・・・・・・」
観測者に八つ当たりされつつ。
そして。物語は序章から第一章に変わる。
新たな者達を迎え入れて。
レールステーション・・・
プシュー・・・
アスナ「さーて・・・先ずは何処からにしましょうか・・・」
Tweet |
|
|
3
|
0
|
追加するフォルダを選択
その頃、他の面々は・・・?
イメージソング
OP2「BLUE SANCTION」 BLAZBLUE -CHRONOPHANTASMA- より
続きを表示