明夏「ほら、隊長。手を動かしてください。」
あ、どうも北条 皇矢です。
盗賊の住処に攻め込み、明夏は助け出したあと、案の定華琳の顰蹙を買うことになってしまった。
明夏は明夏で真名まで許してくれたのに、相も変わらずの説教である。
いや、まったくをもって俺が悪いんですけどね。
はぁと一息ついて、気を引き締めようと思ったときだった。
コンコン
秋蘭「すまん仕事中だったか。」
北条「いや、構わない。どうした?」
秋蘭「華琳様がお呼びだ。」
北条「華琳が?なんかやったかな俺。」
華琳に怒られることにまったくをもって心あたりは.....ない。ないよ、うん。
北条「すまん、明夏後は頼んだ。」
明夏「はい、きっちり叱られてきてください。」
おい。
秋蘭「ほう、真名を許しているのか。」
秋蘭が変なとこにくついてしまった。
明夏「え、あ、はい。」
秋蘭「お主は先日の...なるほどそういうことか。」
秋蘭がいつものようにふふ、と笑い俺のほうをみてきた。
北条「な、なんだ?」
秋蘭「なんでもない、さあ早く華琳様の元へ行くぞ。」
いつもの秋蘭。
うーん、なんかいつもと違うような気がするけど。
***
玉座の間について、こうして華琳の前に立って何分ぐらいだろう。
妙な緊張感がある。
敵襲か?春蘭もいるしありえるな。
華琳「はぁ..そんなに緊張しないで頂戴あなたたち。敵襲とかそんなのじゃないから。」
どうやら見抜かれていたようだ。春蘭と秋蘭の顔からも硬さが抜ける。
秋蘭「では、どうして我々を集めなさったのですか?」
華琳「話というのは、まあ皇矢のことなんだけど。」
北条「俺?」
華琳「ええ。貴方の真名をどうしようかと思ってね。」
一瞬、玉座の間の時が止まった気がした。
でも、そんなのは一瞬で、こういうときに1番に声をあげるのは決まってるわけで....
春蘭「か、華琳様!?こやつに真名を授けるとそういうことですか!?」
華琳「そういうことよ、どうかしら?」
どうしかしらと言われましても....
秋蘭「華琳様、真名はその者のことを現す神聖な名。まだわずかな時しか過ごしてない我々が決めるのはどうかと...」
華琳「秋蘭の意見は最もね。でも、だからこそ私は決めたわ。この世界に存在する北条皇矢は私のものよ?その存在を証明するには真名が1番だと思うのだけど。」
なるほど、実に華琳らしい。
北条「まあ、華琳が言い出した時点で俺たちは従うだけさ。で、考えてくれたのか?」
華琳「あら、ちゃんとわかってるじゃない。いえ、まだ決めてないわ。そうね....」
華琳は春蘭と秋蘭の顔を交互にじっと見つめる。
春蘭「華琳様?そんなにじっとみつめられては///」
おう、どう考えても違うぞ。
華琳「そうね、秋蘭。貴方が決めなさい。」
秋蘭「華琳様!?」
秋蘭が珍しく驚いたような様子だ。
華琳「期限はないから、ちゃんと皇矢をみて決めなさい。」
秋蘭「は、はっ...ですが、何故私に?」
華琳「さあ?勘かしら?」
華琳がくすっと微笑む。
なんていうか、真名という風習が俺にはいまいち理解できてないせいか、真名の重さがよくわからない。
でも、こうして俺のことをみて考えてくれるのは嬉しい。
黙っておこう。
華琳「はいこの話はおしまい。秋蘭と春蘭は下がっていいわよ。」
そう言われ、春蘭たちがさがった。
北条「で、どうしたんだ?」
華琳「天の御使いが現れたわ。」
北条「ん?天の御使いって...」
そう、どうやら俺は巷では天の御使いと呼ばれているようだ。
なんでも、管路とかいう占い師が
天より降りし流星が御使いを運びしとき、大陸に安寧おとずれん。
と、風潮していうようだ。
だが、華琳の言いようではまるで...
華琳「えぇ、貴方の想像通りよ。もうひとりの天の御使いが現れたの。」
天の御使い....それは俺と同じ世界の者なのか。それともまた別の?
北条「そうか...それは大変だなぁ。」
華琳「まったく、少しはそう思いなさいよ。口がにやけてるわよ。」
仕方ないたのしみなのだから。
天の御使いとして掲げられる人間がどんな人間なのか。
考え出すとにやけが止まらない。
まだ見ぬもうひとりの天の御使い。
期待を裏切るなよ?
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part4です。
はやく進めたい...だけど進めない...