No.655543 真・リリカルなのは 第十一章 機動六課設立編 第九十話 友の言葉ohatiyoさん 2014-01-18 09:59:00 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:942 閲覧ユーザー数:937 |
三提督の参戦により、指揮が上がり、前線を押し上げることに成功した はやて
三提督の圧倒的力を見せつけられ、ある者は憧れ、ある者は嫉妬し、ある者は恐怖を抱いた
本局は恐らく大丈夫だろう、問題は地上だ
戦力不足に悩まされている地上には、ガジェットと対抗出来るほどの魔導師はごく僅か
しかも、頼りになるギンガが居ない
地上は危機的状況なのだ
ゼスト「漸くだな…………」
そんな中、地上本部に向かって歩き出す1人の男……ゼストだ
彼はある目的を果たす為、地上本部に侵入しようとしていた
アギト「旦那、こんな所で何をするんだ?」
どうやらアギトも着いて来ているようだ
ゼスト「俺は知らなければならない……………レジアスが求めた正義を」
ゼストの目的は地上のトップであるレジアス・ゲイズに会う事だった
ゼスト「行くぞ、アギト」
アギト「わかった」
地上の本局はガジェットにより破壊されており、ゼストも楽に侵入する事が出来た
そして、ゼストは扉の前に来る
ゼスト「レジアスの部屋だな」
そう言うと、ノブを回し、扉を開けて、部屋に入る
中には、まるでゼストを待っていたかのように、椅子に座っているレジアスが居た
ゼスト「……………どうやら、俺が来る事はわかっていたようだな」
レジアス「…………ああ」
この2人、実は友人なのだ
では、何故ゼストはスカリエッティ側に居るのか?
その理由は今から数年前に遡る
ゼストは地上のエースとして、その名を轟かせていた
そして、彼は戦闘機人を創る研究所の場所を発見し、部下である2人を連れ、その研究所に潜入したのだ
戦闘機人を創るのは違法であり、犯罪なのだ
ゼストは研究者を捕まえるのが目的だった
そして、結果は失敗に終わる
実はその施設はスカリエッティの物だった
既に出来上がっていた戦闘機人達に返り討ちにされたのだった
そして、ゼストと部下2人は殺害された
では、何故ゼストは今、レジアスの前に立っているのか?
答えは簡単だ
スカリエッティが人工の命を与えたのだ
ゼストは体の構造上、戦闘機人に近いのだ
また、彼の部下2人はどうなったのか?
先ずは彼の部下について話そう
1人はクイント・ナカジマと言う名前だ
スバルとギンガの母親である
勿論、実の母親というわけではない
スバルとギンガは、クイントの細胞を使って生みだされた戦闘機人である為、自分が育てるといい、2人を娘としたのだった
彼女もスカリエッティの部下に殺害された
しかし、彼女の遺体は見つかっておらず、謎のままである
もう1人は、メガーヌ・アルピーノ
彼女はルーテシアの母親なのだ
スカリエッティはルーテシアに、自分に協力すれば、メガーヌを蘇えらせて上げようと唆しているのだ
その為、ルーテシアは六課に立ちはだかる
ただ純粋に母の愛を取り戻す為に…………
メガーヌの遺体はスカリエッティが保存している
ゼスト個人は、メガーヌが死んでいるのか怪しんでいるようだが……
それはさておき、ゼストは確認したい事は他にある
ゼスト「スカリエッティから聞いた…………お前は、スカリエッティと手を結んでいたと」
レジアス「ああ、事実だ」
そう、管理局は犯罪を取り締まる組織
いわば警察の様なものだ
その管理局が、犯罪者と手を組んでいたということはあってはならない事なのだ
ゼスト「やはり、そうなのか………」
レジアス「……………………………」
ゼストは絶望した
共に平和の為に戦おうと約束した友に裏切られたのだ
ゼスト「何故だ……………何故スカリエッティのような奴と!!!」
レジアス「お前もわかっているはずだ、地上がどれだけ人材不足かを」
レジアスの声を聞き、何も語れなくなる ゼスト
なんと弱々しい声だろうか
威厳があった中将の姿は………………そこにはない
レジアス「戦力強化の為に、奴の研究が必要だった」
ゼスト「研究……………ま、まさか」
ゼストは何かを察したようだ
レジアス「そうだ、戦闘機人の開発…………そして、Fだ」
ゼストは空いた口が塞がらなかった
Fはプロジェクトフェイトの事であり、プレシアが完成させたクローン技術だ
今ではクローンを作る事は重罪である
そして、戦闘機人の開発も然り
その2つは、管理局の……いや、地上の戦力不足を補うためのものだったのだ
ゼスト「バカな………俺が犯罪だと思っていた実験は……管理局が考案した物だと言うのか?」
レジアス「そうだ…………優秀な魔導師のクローンを生む為の研究、それがFであり、魔法が使えない人間を強化し、魔法に対抗する研究、それが戦闘機人だ」
そう、犯罪だと思われていたものは、管理局が行ったものだった
その事実を消す為に、これらの研究を悪と称し、潰す役割を管理局が行っているだけにすぎない
自分が信じていた正義が、レジアスの発言によって砕け散る
レジアス「済まなかった」
レジアスはゼストに頭を下げる
レジアス「ワシは……地上の為、スカリエッティは必要だと考え、奴を保護した………それが今、最悪の結末を迎えようとしている」
そう、スカリエッティは裏切ったのだ
いや、始めからレジアスなど仲間だと思っていなかっただろう
レジアスは漸く、自分がやってしまった事の重大さに気付いた
しかし、時既に遅し
レジアス「お前という唯一無二の友を殺してでも………スカリエッティの技術を欲した。恨んでくれ」
ゼストはスカリエッティのアジトを見つけたのではない
罠に嵌められたのだ
わざとスカリエッティの懐に潜り込ませ、仕留める
それが狙いだった
ゼスト「俺は………お前の正義の為なら、死んでも構わなかった。だが、他の2人は巻き込まないでほしかった………何故、メガーヌとクイントを」
レジアス「メガーヌは生きているはずだ……………元々、彼女は関係ない」
そう、実はメガーヌは死んでいないのだ
スカリエッティによって眠っているだけにすぎなかった
この言葉を聞き、少しだけ安心した ゼスト
しかし、違和感がある
メガーヌは関係ない……………では、クイントは?
レジアス「………上からの命令でな」
ゼストの疑問を答えるように語り始める レジアス
レジアス「上はクイントをお前の部下にして、共にアジトへと連れて行けという命令だった」
レジアスの言葉の意味がわからなかった
自分はわかる
スカリエッティを捕まえようとしていたからこそ、邪魔になったのだろう
しかし、何故クイントまで?
レジアス「クイントを殺す事が本来の目的だったのだ。何故なら彼女はタイプゼロをほっ!?」
レジアスの言葉は続くことはなかった
魔力がレジアスの胸を貫いたのだ
口から大量の血を吐き、その場に倒れる レジアス
ゼスト「何者だ!!!!」
魔力を撃った奴を見る
そいつは、エリオやキャロとあまり変わらないぐらいの少年だった
ゼスト(何だ!! この子どもは!!!)
その少年の覇気は凄まじく、ゼストでも後ずさりしてしまうほどだ
レジアス「グ……き、貴様は………」
口から血を流しながら、少年を見つめる レジアス
ゼスト「知っているのか! レジアス!」
レジアス「……元帥」
その言葉を最後に、レジアスは息を引き取った
ゼスト「元帥だと!? こんな子どもが……………海の支配者だというのか!!!!」
管理局に元帥という位は存在しない
最高評議会を除けば、トップは総帥である
しかし、総帥はほとんど何もしない
つまり、事実上のトップは大将達が集う上層部なのだ
そして、上層部を指揮するリーダーを元帥と呼んでいる
つまりはあだ名のようなものだ
今、ゼストの目の前に居る子どもがその元帥なのだ
大将達を従わせる者…………それが彼だ
ゼスト「何故レジアスを!!!!」
聞きたいことは山ほどあるだろうが、何故レジアスを殺したのかが最優先だった
元帥「フッ いい事を教えてあげよう。世の中には………知らない方がいい事もあるのさ」
まだ声変りもしていない様な声で話す少年
そして、ゼストの背中を貫く爪
ゼスト「な………に?」
背後に回られており、気付けなかった ゼスト
力を振り絞り、自分を刺している者を見ようとする
ゼスト「なっ!? オーリス」
レジアスの娘 オーリスだった
ゼスト「お前…………何故?」
オーリス「私からも教えましょう。オーリスは何年も前に死んでいることをね」
オーリスの姿が変化し、ゼストは驚く
ゼスト「貴様………スカリエッティの」
そう、戦闘機人の1人ドゥーエだ
ドゥーエ「アラ? 一度しか会った事がないのに、覚えてたんだ?」
そして、無理やり爪を引き抜く
ゼストは地面に倒れ、動かなくなる
元帥「よくやったね」
ドゥーエ「……いえ」
元帥「私は帰るとしよう。ドクタースカリエッティによろしくと伝えておいてくれたまえ」
元帥と呼ばれる少年は、その場を去って行く
ドゥーエ「………………」
少年の背中を見送ったドゥーエは、
ドゥーエ(アイツが居ない今が好機…………)
何所かに行ってしまった
どうやらスカリエッティの元には戻らないようだ
そして、シグナムが来たのは、今から5分後だった
元帥登場!
エリオやキャロなどと変わらない年齢です
つまり管理局のトップは子どもと言う訳です
但し、ただの子どもとは限りませんが……
ドゥーエの目的は次々回にわかります
次回は、シグナムに託された新たなる力
彼女は地上本部を守る事が出来るだろうか?
お楽しみに!!
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地上本部に向かうゼスト
そして、レジアスから聞かされる真実