―陳留郡・街―
陳留。
曹孟徳が治める地。
如何なる賊の進軍も許さず討伐し、平和な街へなっていた。
その街の中央通りの一角にとある書庫店が出ていた。
その名を
『仲晋』
第4話「司馬家と曹家」
書庫店 『仲晋』
陳留の地に6年程前に出た書庫店で、品揃えや質をかなりの物で人気のある店だった。
しかし、ここ2年は月に数回しか店を開かなくなってしまい、店が開いている時にはここぞとばか
りに客が押しおせてくる。
何故、月に数回しか開かないというと
雫
「ふぅ~・・・・・・久々に帰ってきましたね・・・私の家に・・・・・・」
ここの経営者が雫だからのである。
元々、傭兵の話はかなり前から決まっていて、活動するまでの期間をここで過ごしていたのだ。
名門・司馬家が用意する本の質がよく好評で店が開くととなり街からも人が買いにくるほどである。
雫
「しかし・・・ここは後数日で手放してしまうとは・・・・・・分かっていたけど悲しいわね・・・」
半月後には一刀からの招集が掛かり、完全に居座る所が決まってしまうのである。
その為、今回で『仲晋』は閉店してしまうので、本を大量に仕入れて安価で売る事にしたのであ
る。
來花
「店長、本、配置完了。次、命令」
雫
「並べたなら店の前で用心棒の仕事よ。お昼には夕華がご飯を振舞ってくれるわ」
來花
「!! 夕華、ご飯////// 任務遂行」
來花をすぐさま雫の元を離れて店の前に立ち尽くし始めた。
雫
「あの娘ったら・・・・・・それが、あの娘の可愛い所だけどね」
夕華
「凄い量を仕入れたのですね、店長? これを7日で売るのですか?」
雫
「えぇ・・・今回で閉店するのだから外部から多く客が来るのは目に見えているわ。通常営業でさえ、完
売なのよ? 閉店と聞けばそれ以上の客層よ。これでも少し足りない方よ?」
夕華
「・・・・・・そう・・・ですか」
夕華が若干、驚いている中、奥で
ドシーン!!
ドサッ ドサッ
雫&夕華
「「何(事ですか)!?」」
二人が奥に行くと
帷
「きゅ~~~・・・・・・」
本に押しつぶされている帷がいた。
帷を助け出し
帷
「ケホッケホッケホッケホッ!!・・・・・・はぁはぁ、助かりました~。すみません~店長。夕華さん」
夕華
「帷。貴女は身体が弱いのですから無理はなさらないでくださいね?」
帷
「はい・・・すみません」
夕華
「こちらの本は後で私が運んでおきますから、帷は店番をお願いしますね」
帷
「はい」
帷は店の方に向かった。
夕華は、崩れた本を運びながら
夕華
「店長・・・良かったんですか?」
雫
「何が?」
夕華
「分かってるとはいえ・・・ここは・・・・・・」
雫
「えぇ・・・・・・閉店するのと同時にアイツが、来たらきっぱりと言ってやるんだから!」
夕華
「・・・・・・戦闘だけはしないでくださいね?」
雫
「毎回、殺す気なのよ?」
夕華
「・・・・・・・・・(どうしましょうか・・・? 来ないことを祈るだけですね・・・・・・
北郷師団長、助けてください・・・・・・私には止られないかもしれません・・・・・・)」
心の中で嘆きつつも、夕華は運んでいた。
店の中ではいろんな人が本を求めて、来店していた。
通常の値よりかなり安価で売っているから、売れ行きの上々で、帷はカウンターから離れる子が
出来ず、夕華は本がなくなった場所に補充で大忙し。
男
「・・・・・・」 ッス
一人の男が万引きしようとした時
ガシッ!!
來花
「・・・・・・窃盗発見」
男
「っち!!」
逃げ出そうとしたが
來花
「捕獲・・・」 グオォン!!
男
「うわあぁ!! <ガン!!> っう!・・・・・・・」 ガクッ
見事に一本背負いを決めた。
來花
「窃盗犯・・・確保・・・・・・警邏・・・引渡し・・・・・・」
來花は窃盗やらの取締をしていた。
雫
「7日間もつかしら? ・・・・・・微妙ね?」
雫は奥で用意した本の在庫の点検をしていた。
雫
「分野を問わず買っていくから・・・・・・売れ行きが半端じゃないわね・・・」
点検を終えて休もうとした時
???
「久々に店を開けたのね・・・・・・司馬懿?」
雫
「・・・・・・その声を聞くとやたら無性に、腹が立つからさっさと消えてくれるかしら・・・・・・曹 操」
曹操
「相変わらずね・・・・・・どう? 私に仕える気になったかしら?」
雫
「私の話は全面的に無視なのね? 貴女何かに仕えたりしないわよ・・・・・・って、この返事・・・も
う7回目なんだけど? いい加減、諦めてくれる? こっちもいい迷惑だから・・・・・・」
曹操
「そうはいかないわよ・・・貴女見たいな、有能で美しい娘はそうはいないわ。私の元に来なさい。
可愛がってあげるわよ?」
雫
「(ブルッ)!! 私にはそんな趣味は無いの!! それに私には・・・その・・・・・・何ていうか・・・ す、す・・・す・・・・・・!」
曹操
「す・・・?」
雫
「・・・・・・(カズくん//////)」
曹操
「貴女・・・もしかして・・・・・・「店長~!! もうそろそろお昼にしませんか~?」・・・・・・」
雫
「・・・わ、分かったわ! 何度も言うけど私は貴女に仕える気はないからね!」
曹操
「私は諦めないわ・・・貴女を絶対に手に入れてみせるわ」
雫
「はいはい・・・ご勝手に・・・・・・」
雫はそういうと奥に入って行った。
夕華
「遅いですよ店長。來花が待ちくたびれてますよ?」
來花
「店長、遅刻。來花、我慢限界・・・突破寸前」
箸を持ちながらウズウズじている來花。
雫
「ごめんね? ちょっと、裏で曹操に絡まれて・・・・・・」
帷
「曹操さんにですか?」
雫
「しつこく勧誘されたわ・・・・・・何であんなのに好かれたのかしら?」
夕華
「それは・・・店長は美人ですし、頭もよくて武の才もありますし・・・それに何より司馬家出身だから
じゃないですか?」
雫
「迷惑もいいところよ! あの私を舐めまわすような目・・・・・・ぅぅぅ!! 思い出しただけでも悪寒 がする・・・・・! カズくんに抱きつきたい~・・・・・・」
帷
「全部本を売ってしまえば、ここともさよならできますから・・・そのまでの辛抱ですよ?」
夕華
「そうですよ・・・・・・それより早くしないと來花が暴れますよ?」
來花
「(ワナワナ)!!」
雫
「そうね・・・じゃあ、いただきます!」
3人
「「「いただきます!」」」
そんな感じで食事を始める白虎師団であった。
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今回は短めです。