No.648541 英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~ 異伝~新たなる軌跡のプロローグ~後篇(前半)soranoさん 2013-12-26 10:29:45 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:2530 閲覧ユーザー数:2344 |
3月19日―――――
~翌日・会議室~
翌日、会議室にはヴァンダイク学院長とオリヴァルト皇子に加えて常任理事でありエレボニア帝都ヘイムダルの知事カール・レーグニッツ、”四大名門”の”アルバレア公爵家”の長男ルーファス・アルバレア、そして”ラインフォルトグループ”の会長イリーナ・ラインフォルトが集まっていた。
「常任理事の方々、今回は私の急な呼びかけに応えて頂き誠にありがとうございます。」
「……それで殿下。本日我々―――常任理事達を突如集めた理由は一体何なのでしょうか?」
「まさか”Ⅶ組”に関する事でしょうか?」
オリヴァルト皇子の言葉を聞き終えたイリーナ会長とルーファスはオリヴァルト皇子に尋ねた。
「フッ、さすがはルーファス君。相変わらず鋭いな。――――本日、常任理事の方々を集めたのは”Ⅶ組”に急遽ではあるが新しい生徒達が入る事になってね。その事についての理由を説明をする為にこうして召集させてもらった。」
「”Ⅶ組”に入る生徒達……ですか?」
「我々を招集するほどという事はよほどの人物なのでありましょう?それも急遽決まったという事は、他国からの留学生……それも殿下のお知り合いの関係となると……まさかメンフィル帝国の貴族あたりですか?」
オリヴァルト皇子の答えを聞いたレーグニッツ知事は不思議そうな表情をし、ルーファスは真剣な表情で尋ね
「―――その事については配られてある書類を見れば、すぐにわかる。まずは各自、配られた書類の内容を読んで頂きたい。」
尋ねられたオリヴァルト皇子は静かな表情で促した。そしてレーグニッツ知事達は自分達の目の前に置かれてある書類の内容を読み始めた。
「なっ!?こ、この方々は……!?」
「ほう………………」
「―――――メンフィル帝国の貴族どころか、皇族……それもあの”姫君の中の姫君(プリンセスオブプリンセス)”ですか。…………さすがは殿下ですわ。こんな事までできるのでしたら、プリネ姫のご両親と私の面会を殿下に是非ともセッティングして頂きたいくらいですわ。メンフィル帝国の皇族の方々との交渉は”ラインフォルトグループ”としても望みたい所ですし。」
書類の内容――――プリネやツーヤの写真や経歴を見たレーグニッツ知事は驚いて声を上げ、ルーファスは感心し、イリーナ会長は静かな表情で呟いた後口元に笑みを浮かべてオリヴァルト皇子を見つめ
「フッ。何も私自身に頼まなくてもリウイ陛下達と面会する機会は今後いくらでもあると思うよ。」
「?一体それはどういう意味ですか?」
静かな笑みを浮かべて答えたオリヴァルト皇子の答えを聞いた後、眉を顰めて尋ねた。するとその時扉がノックされた。
「殿下。」
ノックを聞いたヴァンダイク学院長はオリヴァルト皇子を見つめ
「フッ、ちょうどいいタイミングで来てくれたね。――――そのまま入って頂いて結構です。」
見つめられたオリヴァルト皇子は静かな笑みを浮かべた後扉に視線を向けて言った。すると扉が開かれ、そこにいたのは――――――
「―――会議中の所、失礼する。本日の会議の内容の説明については俺自身からも説明があった方がいいと思い、参上した。」
なんとリウイがいた!
「なあっ!?あ、貴方は…………!?」
「メンフィル大使――――”英雄王”リウイ皇帝陛下…………!?一体何故こちらに……!?」
「………………フフ、これは一本取られましたな。」
リウイの姿を見たレーグニッツ知事は驚きの表情で声を上げ、イリーナ会長は信じられない表情をし、ルーファスは呆けた後静かな笑みを浮かべ
「―――ご紹介しよう。皆もご存知のかの”英雄王”にして”四人目の常任理事”―――――リウイ・マーシルン皇帝陛下だ。」
オリヴァルト皇子は静かな笑みを浮かべて答えた。
「なっ!?よ、四人目の常任理事……!?」
「あら…………なるほど。確かに今後顔を合わせる機会はいくらでもありますね。」
「フッ、まさかこんなとんでもない不意打ちをしてくるとは。―――お見事です、殿下。…………当然、今から説明して頂けるのですよね?」
オリヴァルト皇子の説明を聞いたレーグニッツ知事は驚いて声を上げ、イリーナ会長は目を丸くした後口元に笑みを浮かべ、ルーファスは静かな笑みを浮かべた後オリヴァルト皇子に視線を向けた。その後オリヴァルト皇子はリウイと共に様々な説明をし、それぞれ納得し、会議をした後、それぞれ従者を伴って帰り始めた。
「ん…………?何でまた常任理事達が集まっているんだ?……まだ月末じゃ…………なっ!?」
「どうされたのですか、マカロフ教………ええっ!?あ、あの方達は!?」
新任である音楽、芸術、調理技術を担当している女性教官――――メアリー教官に学院内を案内している導力技術と自然科学を教えている教官―――マカロフ教官はオリヴァルト皇子達と共に廊下を歩いて出口に向かうリウイ、リウイの傍に付き従って歩いているペテレーネを見て驚き、マカロフ教官の様子に首を傾げたメアリー教官もリウイ達を見て信じられない表情をし
「ま、まさかあの方達は…………リ、リウイ皇帝陛下にペテレーネ神官長!?い、いいいいい、一体何故このトールズ士官学院に……!?」
別の場所から見ていた士官学院の教頭であるハインリッヒ教官は混乱していた。
「本日はありがとうございました、リウイ陛下。お蔭様で滅多に見れないルーファス君達の驚いた顔を見ることができましたよ。」
ルーファス達と別れの挨拶を交わし、ペテレーネと共にリムジンに乗ったリウイにオリヴァルト皇子は口元に笑みを浮かべて話しかけ
「………相変わらず喰えない男だ。だがこちらとしても滅多に見れないものが見れた。”異変”の時……いや、あの時以上に俺自身の存在を露骨に利用した事については少々言いたい事があったが……今回の件で無しにしておいてやろう。」
「ありがとうございます。」
リウイに言われたオリヴァルト皇子は会釈をし
「……せいぜいこれ以上その皇子が奇行をしないように見張っておくのだな。でなければまたとんでもない奇行を仕出した挙句下手をすれば足元をすくわれるぞ、その皇子ならば。」
「ハッ!ご忠言、ありがたく受け取らせて頂きます!」
リウイの忠告にミュラー少佐は敬礼をして答えた。
「ペテレーネ。」
「はい。――――出して下さい。」
そしてリウイとペテレーネが乗ったリムジンはトールズ士官学院から去って行った。
「ね、ねえねえ、アンちゃん。今の人達ってあの”英雄王”と”闇の聖女”だよね?一体どうして常任理事の人達と一緒にいたんだろう…………?」
その様子を遠くから見ていた生徒会長のトワ・ハーシェルは大量の冷や汗をかいて表情を引き攣らせながらライダースーツを身に纏った女生徒―――アンゼリカ・ログナーに話しかけ
「フフ、常任理事達と一緒にいたという事は”Ⅶ組”とも何らかの形で関わってくる可能性は高そうだね。どうやら今年はトールズ士官学院始まって以来の面白い年になる気がしてきたよ。」
アンゼリカは静かな笑みを浮かべて答えた。
~同時刻・屋上~
「フフ……まさかかの姫君がこのエレボニアに訪れ……我が好敵手の導きによって”紫電(エクレール)”の君や”彼”と共に興味深い雛鳥達と新たなる物語を始めるとは……ハハハハハハッ!面白くなってきたな!ここでこんな素晴らしいゲストが加わるとは!」
同じ頃学院の屋上でリウイ達を乗せた車が去って行く様子を見守っていた白いマントを身に纏った仮面の男は口元に笑みを浮かべた後大声で笑い
「”幻焔計画”………私の予想以上に楽しめそうだよ。」
静かな笑みを浮かべて呟いた後ステッキを構えた。すると花びらが男の周囲に舞い、男は花びらと共に消えた…………!
フフフフ……今回の話を見てわかったかと思いますがリウイが出した最後の条件はリウイがまさかの常任理事の一人になる事ですww今回のBGMは空の”最後の選択”だと思って下さい♪……感想お待ちしております
Tweet |
|
|
2
|
1
|
追加するフォルダを選択
異伝~新たなる軌跡のプロローグ~後篇(前半)