No.648458 英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~ 異伝~新たなる軌跡のプロローグ~中篇(後半)soranoさん 2013-12-26 00:14:04 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:2429 閲覧ユーザー数:2240 |
3月18日―――――
~トールズ士官学院・学院長室~
数週間後、”トールズ士官学院”の実戦技術の教官であるサラ・バレスタインは学院長室の前まで来て扉をノックした。
「誰かね?」
「私です、学院長。」
「おお、サラ教官か。そのまま入って来てくれ。」
扉の奥からの返事を聞いたサラは扉を開けて部屋に入った。するとそこにはトールズ士官学院の学院長であるヴァンダイク学院長とオリヴァルト皇子がいた。
「オリヴァルト殿下……!?一体どうしてこちらに……!?」
オリヴァルト皇子を見たサラは驚き
「やあ、久しぶりだね、サラ君。今日は入学式の数週間前に急遽”Ⅶ組”に追加される新たなメンバーが決まってね。その事について君にも話しておかねばならない事があるから、来たのだよ。」
「!!”Ⅶ組”の……!……一体どんな子達を集めたのですか?」
オリヴァルト皇子の話を聞いたサラは驚いた後オリヴァルト皇子を見つめて尋ねた。
「こちらがその資料じゃ。」
サラの言葉を聞いたヴァンダイク学院長は書類をサラに渡し
「拝見します。………………あら……この子は確か殿下が”Ⅶ組”の纏め役として期待していた………よくメンフィルを説得できましたね。」
渡された書類を見始めたサラはリィンの写真や経歴を見て目を丸くした。
「フッ。残りの3人を見たらもっと驚くと思うよ♪」
「残りの3人……?…………――――なっ!?」
からかいの表情で言ったオリヴァルト皇子の話を聞いて眉を顰めたサラは他の書類の内容――――プリネとツーヤの写真や経歴を見てギョッとさせ
「……殿下。一体どんな裏技を使ったのですか?よりにもよって世間でも有名な”姫君の中の姫君(プリンセスオブプリンセス)”と”蒼黒の薔薇”を”トールズ士官学院”に……それも”Ⅶ組”に入学させるなんて…………」
驚きの表情でオリヴァルト皇子を見つめた。
「フッ……あえて言うならエステル君達のお蔭かな♪彼女達と関わっていたお蔭で、リウイ陛下達とも面識の間柄になれたし。」
「あ~…………”あの娘達”ですか。それにしても他国の皇族と貴族がこの学院に留学した上”Ⅶ組”に所属だなんて…………ハインリッヒ教官あたりが知れば、ユーシスやラウラの時以上に色々と言って来るかもしれませんねえ。」
オリヴァルト皇子の答えを聞いたサラは苦笑しながら答え
「フフ……その二人の事もそうだが……新たにこの学院に臨時教官として来る”彼”については君も浅からぬ縁もあるから、さらに驚くと思うのじゃが。」
ヴァンダイク学院長は口元に笑みを浮かべてサラを見つめて呟いた。
「あたしと…………?……………………………ハアッ!?で、殿下!?何で”剣帝”がこの学院の……しかも実戦技術の臨時副教官の上、”Ⅶ組”の臨時副担任になっているのですか!?」
ヴァンダイク学院長の言葉に眉を顰めたサラはレーヴェの書類を見て呆けた後声を上げ、書類の内容をよく読んだ後信じられない表情でオリヴァルド皇子を見つめて尋ねた。
「プリネ姫を学院に通わせる条件の一つとして、プリネ姫の護衛役としてルクセンベール卿と”彼”を傍に居させることをリウイ陛下が出してきてね。”彼”の場合はルクセンベール卿と違って年齢的にも学院生になるのは無理があるから、臨時教官にしたって訳さ。」
「し、しかしこの男の事は殿下はあたし以上にご存知なのでは…………?」
オリヴァルド皇子の話を聞いたサラは複雑そうな表情でオリヴァルト皇子を見つめて尋ねた。
「―――2年前の事件で”彼”と浅からぬ因縁がある事は承知している。―――どうか彼が学院に来ることを認めてくれないだろうか?」
尋ねられたオリヴァルト皇子は静かな表情で答えた後頭を下げ
「殿下…………ですが本当に大丈夫なのですか?”剣帝”が学院で……いえ、このエレボニアで”結社”関係で何もしないという保証はあるのですか?」
オリヴァルト皇子の行動を見たサラは複雑そうな表情をした後、真剣な表情で尋ねた。
「ああ、それは大丈夫だよ。今の彼はプリネ姫にご執心の上、ただならぬ関係――――つまり恋人同士だから、プリネ姫を裏切る事は絶対にありえないさ♪」
「ハアッ!?”剣帝”と”姫君の中の姫君(プリンセスオブプリンセス)”が!?一体どうして……!というかメンフィル皇家はその事を知っているのですか!?」
笑顔で答えたオリヴァルト皇子の答えを聞いたサラは信じられない表情で声を上げた後、オリヴァルド皇子に尋ね
「ハッハッハッ!それは”彼”が来てから存分に聞けばいいだろう?サラ君は彼の”先輩”になるのだから♪これから彼は2年間、”Ⅶ組”の副担任をするのだから担任であるサラ君はいつでも聞ける機会があるのだしね♪」
「…………確かにそうですね。これはあたしにとっても”結社”の事も聞ける絶好の機会ですね………了解しました。先輩として悪巧みをする暇もできないくらい”剣帝”を扱き使いまくるのでご安心下さい!」
笑顔で笑った後からかいの表情になったオリヴァルト皇子の話を聞いたサラは頷いた後口元に笑みを浮かべて答えた。
「フッ、それを聞けて安心したよ。彼には先輩として色々と教えてあげてくれ。」
「お任せ下さい。……いや~、まさか”剣帝”を扱き使える日が来るとは思いませんでしたよ♪2年前に”連中”から受けた”借り”を倍返しする絶好の機会ですよ♪」
「……臨時とはいえ、新任の教官をあまり苛めないでくれよ、サラ教官……」
オリヴァルト皇子の言葉に頷いた後不敵な笑みを浮かべたサラを見たヴァンダイク学院長は苦笑しながら言った…………
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