No.643220 魔法少女リリカルなのはSTRATOS 第六話 隼人君は言った「前世で半引きこもりだった僕がなのはの幼馴染みです」とアインハルトさん 2013-12-06 22:09:25 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:2958 閲覧ユーザー数:2839 |
今、僕は後悔していた。
目の前にはジュエルシードの思念体。今の僕は壁に叩きつけられたダメージで動けない。折角貰っていた特典も、まだどれも使いこなせていないせいで何の役にも立たない。ジュエルシードの思念体は此方に襲いかかろうとしている。そして思念体の前に立ちはだかる友達のなのは。なのはの足元に転がる赤い宝石。オロオロしているフェレットのユーノ。遠くの方で木にぶら下がったり地面に頭から埋まって犬○家みたいな恰好をした転生者(馬鹿)2人。原作とは流れが変わってしまった。全部、僕のせいだ。僕が興味本位で首を突っ込んだ所為で今、自分だけではなくなのはも危険に晒している。僕の脳裏には今までのことが走馬灯のように思い浮かんできた。僕の名は桂隼人。実は転生者なんだ。僕をこの世界に送り込んだ神がミスをしてしまい死なせてしまったらしい。その言葉を聞いた瞬間、僕は思わず叫んだのは当然だと思いたい。25歳にもなって、女の人と付き合ったことなんて一回も無かったから。まあ、インターネットやアニメが趣味で半分引きこもりみたいだった僕にも原因はあるだろうけど……。それでその神が言うには僕の希望さえあれ好きな世界に転生してくれるとのことだ。まあ家族も他界していて天涯孤独だった僕はそれを承諾した。その時神から僕以外に男が二人に女一人の転生者もいるというのを聞いた。ま、あんまり関係ないけど。そして僕は転生した。あの好きなアニメ「リリカルなのは」の主人公、高町なのはの幼馴染として。転生した僕の家となのはの家は古くからの付き合いで僕となのはが友達になったのはすごく簡単なことだった。ある程度未来を知っていた僕は少しでも未来を良くしようと思った。士郎おじさんが怪我をして入院した時もなのはの傍にいてなるべく寂しくさせないようにした。その甲斐あってかなのはは明るいままだった。だけど他人に迷惑をかけないように「いい子」でいようとする所は直せなかった。そうそう、うちの家族となのは含めた高町家は僕が前世の記憶持ちだという事は知っているんだ。怪訝に思った士郎おじさんや恭也兄さんが聞いてきたからその時に暴露したんだ。元々隠すつもりも無かったし、聞かれたらその時に話すつもりだったんだけどこんな荒唐無稽な話を聞いて両親はそれでも自分たちの息子だと言ってくれた時は本当に嬉しかった。無論、アニメ云々は黙っておいたけど。
それで今日、アニメの通りなのはは塾の帰りにフェレットのユーノを拾った。その時には僕にも念話が聞こえたから僕にも魔力があるようだった。まぁそうなるように特典と一緒に神に頼んだし。最もその特典はまだ何一つ扱えきれないんだけどね……。
そしてその夜。ユーノの念話でなのはが家を抜け出したのを家の窓から確認した。心配になった僕はなのはの後を追った。ユーノが入院している動物病院に行くと丁度なのはがジュエルシードの思念体に襲われている所だった。
「なのはっ!」
なのはの姿を確認した僕は思わず叫んだ。
「隼人君!?」
突然現れた友達になのははビックリしたように此方に向き直る。けれども、そのせいで、思念体の動きから目をそらし、その瞬間を狙って思念体がなのはに襲い掛かる。
「なのはっ!危ない!」
僕は叫んだ。なのはは、気付くのが遅れたが、何とか直撃だけは避けた。だが、その衝撃に吹き飛ばされる。
「きゃあっ!」
僕は転んだなのはに駆け寄ると抱き寄せた。
「なのは、大丈夫?」
「う、うん。隼人君は何で此処に?」
ほんのり頬を赤く染めている理由はよくわかんなかったけどとりあえず話を進めることにする。
「そ、それは……なのはが慌てて出て行くのが見えたから気になって」
僕はそれらしい理由を述べる。ああもう、こうなるのはわかってたんだからあらかじめ考えとこうよ!
「そ、そうなんだ」
「って、そんなこと言ってる場合じゃない!」
思念体が、再び此方に体当たりを仕掛けてくるのを見て。僕達は慌てて病院から逃げ出した。
「一体何がなんだか分からないけど、一体なんなの!?何が起きてるの!?」
「君には、資質がある。お願い、僕に少しだけ力を貸して」
なのはの腕に抱かれたユーノがそう言った。
「資質!?」
「僕は、ある探し物のために「はいそこまで!!」!?」
説明しようとしたユーノを私は止めた。だって早く話を進めないと奴が来そうだったんだんだもの仕方無いじゃないか
「ここまでに至った経緯は後でいいから、この場を乗り切れる方法を簡潔に説明して!!」
僕はそう怒鳴る。今はアニメでもなんでもない、現実として只今ピンチの真っ最中なのだ。そんな経緯を聞いてる暇なんて無い。
「そ、そうですね…」
「なのは!今はそのフェレットのいう事を聞いてた方が助かる可能性は高い!」
「わ、わかったの」
だがその時、上空から思念体が落下してくる。そんな、アニメより来るのが早い!目の前の道の真ん中に思念体が落下する。くっ、拙い!
「なのは!僕が何とか時間を稼ぐからなのははそのフェレットのいう事を聞いて!」
僕はそれだけ言って思念体に向き直る。
「そんな!隼人君!!」
「君っ!あの子を助けたかったら、僕の言うとおりに!」
ユーノがなのはに向かって叫ぶ。この分ならなんとかなりそうだ。
僕は、思念体が落ちてきたときに割れたアスファルトの欠片を拾う。そしてそこにまだまだ発展途上の魔力を加えると……
「てやっ!」
その欠片を思念体に投げつける。けれどもそれは僅かに着弾地点に留まるも弾かれる。くっ、やっぱりランクC程度の魔力を込めただけだとあまりダメージは無さそうだな。だけどこれで思念体は此方に気を向けたようだね。計算通り。後は僕が時間を稼げば。その時僕の耳に声が聞こえてくる。
「我、使命を受けし者なり……えと、契約の元その力を解き放て………」
レイジングハートの起動パスワード。その声を聞いて、僕の心に安堵感が広がる。だけど、これで何とかなると気を抜いたのがいけなかった。思念体の攻撃に気付くのが遅れ、僕は弾き飛ばされた。
「あぐぁっ!?」
「風は空に……星はッ、隼人君っ!?」
僕の悲鳴になのはは起動パスワードを中断してしまう。これは不味いかも……。
「き、君っ!?」
ユーノは予想外の事に思わず声を漏らした。馬鹿ッ!!何してんだ!!そう叫ぼうとしたが、僕はそのまま壁に叩きつけられ全身を痛みが襲い声が出せなかった。
「がはっ!?」
肺の空気が押し出されそのまま僕は地面に倒れる。身体の傷みと意識が朦朧とするせいで立ち上がれない。思念体が止めを刺そうとこちらに身構える。
「だめぇっ!!」
その瞬間、目の前に手を広げて立ち塞がるなのは。その際にレイジングハートが地面に落ちて転がる。そして思念体が今にもこちらに飛びかかって来ようとしていた。このままではなのはが危ない!!そう直感してしまったその時だった。
「ヒャッハーーーー!!!」
「オラァ―――――!!!」
何処からともなく聞き覚えのある声が2つ聞こえてきた。あぁ、とうとう幻聴まで聞こえてきたよ。だってそれは今一番聞きたくない声だったんだもの。その声の主は隣のクラス在中の笹瀬川弥助と氷川東司の馬鹿コンビだった。この二人は何かと特定の女子を「俺の嫁」と言っては馴れ馴れしく接したり、ナンパするような奴らで僕を最初にヅラと呼んできた奴らだ。ちなみに彼に好意的感情を持つ者は誰一人として存在しない。親は一体どんな教育をしたのかね?
「大丈夫か?なのは俺が来たからにはもぉ安心だぜ。ヅラはどうでも良いけど」
「テメェなんかお呼びじゃないんだよ。なのは安心しろ俺が守ってやる。ヅラはどうでも良いけどな」
あぁ俗に言うニコポってやつなのかな?実際に見ると痛いな~。勿論傷の方ではなくそういう意味で。あぁ、なのはの目から生気が無くなってる。あ、でもこの呆れ感を出してくれたおかげで多少痛みは引いた。そこだけ1ミリ感謝。あと僕はヅラじゃなくて桂なんだけどな~。でも本当に助かった。見たところ彼らはバリアジャケットを着ている。そしてこのニコポ。彼らが例の転生者なんだね。残り1人はまだ現れてないけど、多分今日転校してきた彼女だよね……。マテリアルズやISの主人公、織斑一夏と一緒だったし。とりあえずこの馬鹿2人が戦ってる間になのはのレイジングハートの起動パスワードをもう1度やれれば、原作通り封印できるね。
……なんて甘いことを考えていた僕が数秒前まではいましたはい。
ヒュンヒュン!!バスッ!ドゴッ!
音の方に目を向けると、さっきまで戦っていた馬鹿2人は思念体にあっけなくぶっ飛ばされた……って弱ッッ!!転生者なんだから何か特典を貰ってるんじゃないの!?それとも僕みたいに使いこなせていないのかな……?そこまで考えてたら思念体が再びこちらに向かってきた。僕は思わず叫んだ。
「頼む!僕は如何なってもいから!誰か……親友を!なのはを助けてくれ!」
そう叫ばずにはいられなかった。あまりの無力さ故に僕の瞳からは涙が零れる。その瞬間飛びかかってくる思念体、なのは攻撃を受ける覚悟をして目を瞑り、身を固める。そのときだった……
「ザケル!!」
どこからか黄色い電撃が飛んできて思念体に当たった。今のって……もしかして
「白雪、セットアップ」
『了解だよ!』
「へへ、狩りの時間だぜ!」
「レギルス!こっちもスタンドアップだよ!」
『Yes,My Master』
僕たちの目の前に白いコートを男の子と赤と白の戦闘服姿の女の子に白い狼みたいな耳と尻尾の生えた男の子が立っていた。
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