No.642262

【MGSD2nd】小栗はじめの覚醒・その3 ~勝利の先にあるものは~

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再びの12歳と13歳の対決。果たしてその先にあるものは。そして何を学ぶのか。

おまけ:http://www.tinami.com/view/642264

2013-12-03 00:46:13 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:708   閲覧ユーザー数:700

今回の対決はまたしても小栗はじめとホーリーリボン。はじめのたっての願いにより実現した再戦カードである。

今回もまた前回と同じようにお互い有効打が与えられない展開になりつつあったが、ただ違うのははじめの状態に余裕が見られることであった。

 

(この前と…ちがう!)

 

ホーリーリボンが警戒心を強めていたところ、不意にはじめが口を開いた。

 

「ふふふ、今こそお主に敗れて行った修行の成果を見せる時!」

「!?」

「(妾はあの悪夢を振り払わねばならぬ…)天地をみそなわす八百万の神よ…妾に新たなる力を与え給え!」

 

はじめが呪文を唱えると、今まで身に纏っていた巫女装束が一旦消え、下着のレオタードのみを纏った姿になる。そして新たなコスチュームが形成され、錫杖が右手に握られ…

 

「どうじゃ!これぞ我が新たなる姿!」

 

はじめは新たな形態・剛力態となったのである。

 

「…!」

「行くのじゃ!」

 

驚きを隠せないホーリーリボンにはじめは錫杖を振り回し襲い掛かる。こうなるともう止められない。

 

「ほらどうしたのじゃ!」

「うっ…。」

 

防戦一方のホーリーリボンに対し、はじめはついに必殺技を放つ!

 

「食らえ、紅玉砲!」

「きゃああああ!」

 

赤い光弾がホーリーリボンに直撃し、大爆発!

爆風がおさまった時、変身が解除され完全に一少女・帯原絹子に戻ったホーリーリボンが尻餅をついていた。

 

「やった!勝ったのじゃ!」

 

自らの勝利に喜び、はじめは勝ち誇った表情で絹子に駆け寄っていく。そんなはじめに絹子はふらふらとした足取りで向かって行き…そして…

 

「おめでとう!完全に私の負けだよ。…はじめちゃん強いね!いい試合だったよ!」

 

ボロボロになった自らのことを省みず右手を差し出すのであった。

 

「…?」

 

その様子を理解しがたいといった風情で見つめていたはじめだったが…

 

「…はじめちゃん?」

 

不意にはじめはその場で土下座をした!

 

「ゆ、許してくれ!妾は…妾は…自分のためだけに…勝つことだけに囚われていた!だが絹子殿はそんな妾に…妾に…。」

 

はじめは泣きながら話し続ける。

 

「戦いで大事なのはお互いが全力を尽くして心で向かい合うことだったのじゃ!それを分からず…妾は…絹子殿を傷つけて…。許してくれ…許してくれ…。」

 

泣きながら土下座をするはじめに対し、絹子は頭を優しく撫でながら語りかける。

 

「大丈夫だよはじめちゃん。戦いが終わればノーサイドなんだから。みんな友達で、みんな幸せ。」

「友達…このような酷いことをした妾もか?」

「もちろんだよ。」

「あ、ありがとう…ありがとう…。」

 

はじめは絹子の胸の中で泣き続け、絹子はそんなはじめを優しく撫でる。ここに新たな友情が生まれたのであった。

 

おわり


 
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