~ 第107話 †新しい時代への匂い2† ~
孫策(そんさく)と周瑜(しゅうゆ)は城の廊下を早歩きで歩いていた
特に孫策の機嫌はとても悪い、隣にいる周瑜も苦笑いしながらため息をつく
「全くなんなのあの無能男は!
同じ男の白(はく)何かとは大違いだわ!
あの視線感じるだけで吐き気がする・・・っもう!」
「そういうな雪蓮(しぇれん:孫策真名)
あれだけ愚鈍なおかげで今回ようやく我々の悲願に近づくのだぞ」
「分かってるわよ・・・それでもあんなのが白と同じ男だと思うと反吐が出るのよ」
「やれやれ、何がそんなに気に食わないんだ?
直接被害はあってないし、何回かは演習や手合わせで倒した男だろう?」
「何故かしら?勘というか本能?
何か隠し事ありそうだけど分からないのよね・・・
そういうのが気に入らないんだと思う
それに冥琳(めいりん:周瑜真名)に対してはなんとな~く優しい気がするのよね」
「はっ!馬鹿を言うな、私に対して無理難題を押し付ける愚鈍が優しいわけがなかろう
愚鈍だから助かってる部分が多いが気苦労がこっちは耐えないのだがな
誰かさんがよく居なくなるせいで余計に・・・な?」
「あはは~・・・と、とりあえず準備を進めないといけないわね~
さ~これから忙しくなるわよ~」
「あ、こら雪蓮!全く・・・分が悪くなるとすぐに逃げるんだから・・・
でもまぁ種明かししたら暫くご機嫌取りが大変だな」
「も~冥琳~置いてくわよ~!」
「分かっている!体力の有り余ってる誰かさんと私は違うんだからな!」
駆け足で先を行く孫策を見ながら周瑜は再びため息を吐いていたが
その顔には確かな笑みがこぼれていた
それから数日が過ぎる
孫策達は各地域に散らばってる同士達に集結せよとの書簡を送り
散らばっていた孫家の者達が一堂に集まる
名目上は黄巾党の残党狩りではあるがこれは周瑜が周到に準備をし
黄巾党に扮装させた袁術に対して不満が溜まった民衆である
彼らと協力をして、袁術が居る居城:南陽を包囲する
彼ら民衆は包囲するだけで戦闘には参加はしない
戦闘に参加するのは孫家の連中だ、その数3万
民衆と合わせると7万もの大軍になる、対する袁術が常備してる軍は5万ほど
袁術軍はこの時点でほぼ戦う気概を失っている
ただでさえ常に前線で戦い続けた猛者達と常に安全な所で胡座かいていた連中なので実力の差ははっきりとしている
袁術軍を指揮する将も一度もやったことがないような名ばかりである
それに対し孫策軍の将は黄蓋(こうがい)などを含め歴戦の勇士達
両者が対峙して、僅か数時間でその戦いは終わる
そして、今は城内へ攻め入り掃討戦に移っているが・・・
「子猿ちゃんと無能男はどこかしらねぇ~?」
城内を剣一つで歩く孫策、その身体は返り血で染まっている
「ったく策殿、少しは落ち着きなされ」
同じく剣を肩に置きながらやれやれと苦笑いをする黄蓋
「雪蓮様!この辺はすでに制圧済みです!」
背中に大きな太刀を背負う忍者っぽい服装の少女周泰(しゅうたい)は周辺制圧したので報告にきた
「そうなると残るは謁見の間位かしらね?」
「そうなるのぅ」
「一応先行して見てきましょうか?」
「明命(みんめい:周泰真名)それは大丈夫よ一緒にいきましょう」
「分かりました!」
「しかし、歯ごたえが無くて面白くないの」
孫策を先頭に進む3人は何事も無く謁見の間へとたどり着く
そして、中から溢れ出る殺気に3人は自然と武器を持つ手に力が入る
「っ・・・中々の者がいるみたいね」
「気骨がない奴らばかりだと思っておったがこれは・・・」
「こんな人が袁術軍にいましたか!?」
「いたんでしょうね~・・・」
「で、では私が開けます!」
周泰が扉に手をかけ、開けるとそこに広がっていたのは血の海
多分ここの文官達や高官達が集められていたのだろう
かなり大きな謁見の間にも関わらず死体の山がそこにはあった
人が死んでるのに慣れていてもこの光景は3人にとってもひどいものであった
そして、その死体の山を築き玉座の前に立っている人物を観る
少し高みの場所にあるそこから3人を見下ろす人物
「紀霊(きれい)っ!」
孫策が声を荒げると、肩を竦めて玉座に至る階段を下りてくる紀霊
「ふぅ~こちらもようやく掃除が終わりましたよ」
「先ほどの殺気はお主が出したものか?」
「ああ、最後の一人が美羽(みう:袁術真名)様を罵ったので、つい」
そういって頬を書きながらいやぁ~お恥ずかしいとばかりに苦笑いを浮かべる紀霊
その様子にますます怒りが溜まり爆発する孫策
「紀霊!」
「策殿!?」「雪蓮様!?」
一気に間合いを詰めて、のほほんとしている男を斬り飛ばす
そう、孫策の中でその一回決着が着くものだと思っていたが
ガギィィィィン!!!
金属同士がぶつかり合う音がする、今の一撃で終わっていたはずなのに
そこには平然と自分と力比べをしている紀霊がいた
「っと流石に今のは冷や汗がでた」
紀霊は紀霊で口調が素になるほど焦っていた
続いて攻撃をしようとした所で誰かが謁見の間に入ってきた
「雪蓮!紀霊は味方だ!」
扉を開けて肩で息をしながら急いで入ってきたのは周瑜だった
「事情を全て話す!だから雪蓮、剣を引いてくれ」
「っ!分かったわ・・・ちゃ~んと説明してもらうわよ二人共」
今にも飛びかかろうとしていた孫策だが舌打ちしながらしぶしぶ剣をおさめた
紀霊の方はホッとしたようにため息をついていた
「なんじゃしまいか・・・説明の後に本気で手合わせしてもらわんと割にあわんのぅ」
「雪蓮様の踏み込みを防いだのはすごいです!私も是非!!」
黄蓋と周泰は手合わせをしてもらう事の方が大事なようである
とにかく、孫家復興の為の第一歩は無事成功はした
これからがもっとも大事な時期になる
その事をよく分かる周瑜はこの後の孫策への説明もそうだが
さらに忙しくなることに胃が痛くなるのを感じていた
~あとがきっぽいもの~
さくっと反乱編書かせていただきました
この時点ですでに美羽様と七乃さんは逃げています
紀霊こと白ちゃんが残っていたのは残党が残って美羽様の命を狙わないとも限らないので
その憂いを無くす為に袁家に縁がある者達を全て殺しました
後は・・・なんだろう?
次回はきっと砂を吐くかもしれませんがご了承ください!
今年もロンリークリスマス決定の駄文でした、次回もよろしくお願いしますm(_ _)m
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この物語はオリ主メインの外史です
視点は基本オリ主となっています
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