~ 第106話 †新しい時代への匂い† ~
袁紹(えんしょう)の戦争禁止が解けるまで残り2ヶ月と迫った頃
仮初の平和は少しずつ戦乱へと変わりつつあった
袁紹は相変わらず民の生活を圧迫させてまで軍備を着々と進め
袁紹に狙われるであろう公孫賛(こうそんさん)も徹底抗戦の為に準備を進める
曹操(そうそう)は西の方へと少しずつ勢力を拡大させながら
自分の領地を安定させ、来たるべく袁紹との決戦に備える
劉備(りゅうび)は曹操の動きに気をつけながら
始めて行う領内の政治に四苦八苦しながら着実に民の心を掴んでいった
馬騰(ばとう)から馬超(ばちょう)へと家督が移った涼州も西からの異民族を睨みつつ大陸の情勢を見守る
袁術(えんじゅつ)は民の圧政をしながら自分への贅沢三昧を過ごし
袁術に客将扱いされている孫策(そんさく)は領内の賊や黄巾党残党退治をしつつ
少しずつ各地に散らばってる同士を集めて虎視眈々と打倒袁術を狙っていた
そして・・・厳白虎(げんはくこ)は?
ここは袁術が治める南陽(なんよう)にある城
そこで袁術が孫策を呼び出し、領内に蔓延る賊退治をまた命令していた
「孫策さん、また領内に黄巾党の残党が出たみたいなんで退治お願いしますね~」
「・・・また出たの?この前退治したばかりじゃない」
「そうなんですよ~何でこんなに頻繁に出るんですかね~
お嬢様が折角治めてるってのに・・・お嬢様が可愛いのがいけないんでしょうか?」
「知らないわよ、それで今回はどれ位の規模なのかしら?」
「え~っと・・・紀霊(きれい)さん報告お願いします」
「はいはい、七乃(ななの:張勲真名)さん調べてありますよっと・・・
あ~報告書どこだっけ・・・あったあった」
「いいから早く教えてもらえないかしら?(早くしてよこの無能男!)」
「その怒った顔もまた・・・はい、言いますので殺気抑えてくれませんかね
たまらなくなりそうなんで・・・今回は4万ほどですねはい」
「紀霊さ~ん?後で懲罰ですね、そういうわけなので孫策さんお願いします」
「張勲殿、ちょっと待ってもらえないか?」
「なんでしょうか周瑜(しゅうゆ)さん」
「それだけの大規模だと今居る兵士達では流石に厳しいな
各地で討伐している仲間を呼び戻せば戦えるのだが」
「それでしたらさっさと呼び戻して退治しちゃってください」
「あい、分かった・・・雪蓮(しぇれん:孫策真名)
準備に時間がかかるからいくぞ」
「ええ、分かったわ・・・」
背を向けて足早に謁見の間から去っていく二人
その二人を見ている袁術、張勲、紀霊の三人
彼女たち二人が見えなくなってから袁術がポツリと喋る
「のぅ・・・これで良いのか【白(はく)】」
「大丈夫だ美羽(袁術:真名)
お前達こそいいのか?もう贅沢できないぞ?」
「妾はもう疲れたのじゃ・・・
妾の名前を勝手に使いやりたい放題するあやつらとは」
「お嬢様・・・」
「そうか、それじゃ俺達も準備を進めよう
今回の大規模黄巾党も周瑜の作戦だからな
ちなみに二人を逃すことは言ってないから早めに逃げるようにしとけよ」
「白さんはどうするんですか?」
「二人が城から脱出したら、孫策と周瑜達と対峙して終わりの予定だ」
「絶対、無事に妾達の元へ帰ってくるのであろうな?」
「問題は無いさ、だからあっちに行ったら農業とかちゃんと手伝いしろよ?」
「分かっておるわ!のう七乃!」
「え~私的には家でのんびりとしたいんですけど~
農業で失敗するお嬢様を見るのも可愛いでしょうから我慢しますけど」
「後は孫策達にバレないように・・・な?」
「うむ!」「分かりました~」
紀霊という人物は厳白虎の偽名であり
孫策達の独立を助ける為に袁術陣営に潜り込んでいた
当初はあまりにも袁術達が救いがないならと思っていたのだが
彼が袁術と出会った時、彼女達は家臣の連中からすでに傀儡とされていた
張勲がなんとか幽閉などからは守っていたがそれも限界にきており
張勲が暗殺されようとしていたのを厳白虎が助けた
それをキッカケに彼女達の護衛の立場として紀霊を名乗り守りつつ
孫策達が動きやすいようにしていた
ただ彼一人じゃ難しいから周瑜にだけ正体を明かして独立の手伝いをしていた
周瑜の機嫌が良かったのはそのせいだが、独占しているというのが嬉しいのか孫策にも話していない
厳白虎もそれに気づいていたので二人だけの秘密という事にしようと思っている
まぁ後で拗ねた孫策を二人で宥めるんだろうなとお互い分かっている
そんなわけで少しずつ大陸に吹き荒れる嵐はもうすぐそこまできている
~あとがきっぽいもの~
序章っぽくしてみました
美羽達に救いを・・・と思ってたらこんな展開に
そして周瑜はやっぱり腹黒いです、地味に独占欲も強いです
でも最後は結局二人で分け合う形になるんでしょうけどね!
次回は反乱のお話予定です、いつも時間ギリギリの駄文ですが次回も宜しくお願いしますm(_ _)m
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この物語はオリ主メインの外史です
視点は基本オリ主となっています
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