それから5~6匹ほど邪を倒した後、
真っ暗だった空が深い蒼色に染まりだしてきた。
「そろそろ戻ろうか。」
邪は、丑三つ時・・・・大体2時から3時にかけて行動する。
それ以降は、体の崩壊が始まり自然に消え去る。
邪とは、一夜の間に再生と崩壊を繰り返し、
夜を過ぎれば崩壊だけが残り消えてしまう。
そしてまた夜が訪れれば再び再生を繰り返すのだとか。
僕達は、再び集合場所まで向か・・・・・。
「やぁ・・・・京。久々じゃないか」
どこか憎しみを孕んだ、男の声にしてはやや甲高いが響く。
振り向くと誰か知らない墓石の上に人が立っている。
赤黒いロングコートに赤黒いシルクハット
・・・・エセ外国人紳士という言葉がいかにもぴったりな男だ。
手には鎖を巻かれた分厚い本をを持っている。
その鎖は、その本をとられることのないように腕にしっかりとまきつけてある。
見た目は若干歳を食っているようにも見える。
「・・・・あなたまだ生きてたのね・・・・」
猫の姿である汀の全身の毛がいっせいに逆立つ。
ねぇさんの眼光もいつになく鋭くなった。
「当たり前じゃないか。私も君達と同じ不死の存在になったのだから」
エセ紳士は、勝ち誇ったかのように言う。
「悲しいなぁ・・・京・・・・・
君のためにわざわざこんな極東の島国まで来たというのに
僕のことを忘れてあの雌のところに行くとわ・・・・・・」
「レベッカへの侮辱は許さないわよ。デネラ
まぁ、あんたを最初から許すつもりもないけど。」
「そうじゃな。おぬしは京を利用しただけでなく
汀たちに一生消えぬ罪を与えたのだからな。
親友を殺したという罪を」
「ふ・・・・・まぁいい。いずれ私の力(もの)にしてやる。また会おう京」
そういうとデネラは消えていった。
ねぇさんの表情は戻り、こちらを向く。
「京・・・奴がお前とレベッカを引き離した人間じゃ・・・」
ねぇさんはそれだけ言ってそれ以上は話そうとしなかった。
が・・・・その一言だけで状況を把握するのは容易かった。
あいつ・・・デネラがレベッカと汀を苦しめた張本人だと・・・。
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でわでわ~今回も張り切っていってみま~