「京?」
意識が現実に戻る。
目の前には、雛のねぇさんと汀がいた。
「どうしたのだ京?突然倒れたりして。どこか打ったのか?」
ねぇさんが心配そうに言う。
「いや大丈夫。ちょっと疲れただけだから。」
とりあえず問題ないことを伝えてみた。
・・・・ねぇさんならイデスのことを知ってるんじゃないだろうか・・・・・。
「ねぇ、ねぇさん。イデスって子しってる?」
「イデス?誰じゃ?それは」
・・・・・嘘を言ってるわけではないようだ。
ねぇさんは癖で、嘘をつくときは必ず左頬に手を当てる
そして本人はそれに気がついてないのだ。
「イデス・・・・idesという聖純律の言葉があるわね。
確か意味は・・・・過去じゃなかったかしら?」
聖純律というのは、呪文のことで
契約の儀式や呼び出すときに謳った詩で使う言葉で
6つの流派がある。
聖純律、神聖律、古代神聖律、オリジ、新訳エオリカ、クロニカ律。
その中でも共通語といわれてる言葉が聖純律だ。
「過去・・・・・・」
僕が、まだ思い出してない記憶の中にイデスがいるのだろうか・・・。
「ふぁぁぁぁ~」
ものすごく眠そうな声がした。
その声を聴いた瞬間、汀とねぇさんの顔が青白くなった。
というか血の気がなくなった。
「こ・・・・この声って・・・・」
「うむ・・・・この声は・・・・」
明らかに何かにおびえている。
ふと振り向くとさっきのパジャマ姿の子供がいた。
今にもここで眠ってしまいそうなほどに眼をこすっている。
「ケレアーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
二人が一斉に叫んだ。
いや・・・・叫んだというより絶叫していた。
さっと僕の後ろに隠れると
まるでお化けを見た子供のように今にも泣きそうだった・・・。
「もう京ったら契約するまもなく行っちゃうんだもん。ひどいじゃない。
今回は目覚めたばかりだから許すけど次やったら両腕食べちゃうからね」
冗談で言ってない。というか明らかに脅してるように聞こえる。
さっきのイデス全方位攻撃を消したのはこの子が一瞬で食べたのだろう。
そしてイデスの態度とねぇさんたちのリアクションから見るに
相当やばいようだ。
契約を行い終わるとすぐにケレアは
「それじゃぁおやすみ~」
煙のように消え、いなくなった。
それを見て二人がやっと安心して僕からはなれた。
「・・・・・まさかケレアがでてくるとは・・・・」
ねぇさんが言うには、
何でもケレアは俺の中で夢を見続けていて
おなかがすくと目覚めてきてその空腹を満たすのだとか。
ひどいときはあたり一体の動植物を食い散らかすほどだそうだ。
一度、ねぇさんたちも食われそうになったらしい。
そのトラウマからケレアは恐れられている。
「さてそろそろ行こうかの。」
ひとしきり休んだあと再び邪を探しに向かった。
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やっと大学決まった~
ということで
またよろしくお願いします