No.637005

そらのおとしもの~天使と仮面騎士の物語~ 第26話『怪奇現象M/顕現する鬼武者』

蒼き星さん

[そらのおとしもの~天使と仮面騎士の物語~]
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2013-11-15 11:00:25 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1601   閲覧ユーザー数:1596

《SWORD VENT》

 

 

ゲイザーはライドブッカーIIをSモードへ変形させ、龍騎はドラグセイバーを鏡面より召喚し、目前にて槍を構えるモンキーフォルスの下まで一気に駆ける。後ろには、大切な者たちが居るのだ。通すわけにはいかなかった。

 

 

「はぁぁっ!!」

 

「うりゃあぁぁ!!」

 

 

2人は同時に剣を振りおろすが、モンキーはそれを槍で受け止め、受け流す。2人は息の合った連携で断続的にリズムよく斬撃を加える。剣の修練をそれほど積んでいない龍騎が敵の動きを抑制し、ゲイザーがその隙を突いて鋭い一撃を入れるという流れが自然と出来上がっていた。

 

不利を悟ったモンキーは脚力を活かして後ろに大きく飛び上がり、竹から竹へと次々に飛び移った。と思ったら、槍を構えた状態で急に飛び出してきた。

 

 

「うわっ!?」

 

 

敵の突撃を、ゲイザーが危なげなく、龍騎は危なっかしく回避する。モンキーは攻撃を加えた後、すぐにまた飛び上がった。

 

 

「ちょこまかと動くんじゃねぇ」

 

「局地戦用か。厄介だな……」

 

 

龍騎もゲイザーも密林での戦いがそれほど得意なわけではない。機動力を強化したいならばマテリアルフォームへと変身すれば良いが、この密林では思うように動くことは出来ない。敵の三次元機動に翻弄され、碌な攻撃ができなかった。

 

 

「ぐはっ!」

 

 

防戦一方だったゲイザーがかわしきれずにモンキーの突撃を食らってしまう。

 

 

「このやろぉぉぉ!!」

 

 

龍騎がドラグセイバーでモンキーの背後から斬りかかろうとすると、モンキーが慌てて振り返ろうとする。が、龍騎の斬撃が面白いように命中する。

 

 

「あれ?」

 

「っ!!」

 

 

今まで避けるので精一杯だった敵にあっさりと攻撃を当てられたことに龍騎は疑問を感じる。一方、動きが止まった瞬間を見逃さずにゲイザーがモンキーを蹴り飛ばして、態勢を立て直す。

 

 

「こいつ、もしかして横に動いたりするのは苦手なのか?」

 

「なるほど……そういう相手にはこいつが1番だ」

 

 

ゲイザーはライドブッカーからカードを取り出し、使用した。

 

 

《KAMEN RIDE:AGITO》

 

《FORM RIDE:AGITO FLAME》

 

 

ゲイザーは仮面ライダーアギトに変身すると、続けてアギト・フレイムフォームへとフォームチェンジする。

 

 

「仕切り直しだ」

 

 

Gアギト・フレイムはフレイムセイバーを構え、モンキーと相対する。モンキーが後ろに跳び、竹を踏み台にして槍を突き出す。

 

 

「そこだっ!!」

 

 

Gアギト・フレイムの超越感覚はモンキーの動きに反応し、モンキーを斬り落とす。側に居た龍騎がすかさず追撃を入れる。モンキーは槍で斬撃を受け流し、立ち上がる。しかし、Gアギト・フレイムがけん制しているのでうかつに跳ぶことは出来なかった。モンキーは槍を構え、突き出す。Gアギト・フレイムが僅かに身体をずらして攻撃を避け、槍をたたき落とすと流れるような動作で右に切りあげる。

 

 

「まだ俺が居るぞ!!」

 

 

龍騎の斬撃が今度は命中し、モンキーは動きを抑制される。それを見たGアギト・フレイムは止めを刺すべくライドブッカーから1枚のカードを取り出し、ドライバーへ装填した。

 

 

《FINAL ATTACK RIDE:A・A・A・AGITO》

 

 

敵を一刀の下に斬り倒さんとフレイムセイバーの刀身が炎を纏い、Gアギト・フレイムはそれを握りしめ、中段の構えを取る。炎を纏い終えた剣を持って、Gアギト・フレイムはダッシュする。

 

 

「!!」

 

 

必殺技を放とうとするGアギト・フレイムに気づいたモンキーは龍騎を突き飛ばし、自慢の脚力で距離を取った。

 

 

「逃げられたか……」

 

 

龍騎に手を差しのべながら、モンキーの逃走先を見つめる。その先には、1人の異形が居た。鬼のような2本角を持ちながらも、その体格は怪物というよりもむしろ鎧武者の様な風貌の怪人だ。

 

 

「!?」

 

「敵の増援か……」

 

 

モンキーも自らに近い存在が現れたことに安堵する。新たな脅威に備え、龍騎はは武器を構え直す。しかし、鬼が瞬く間にモンキーの胸を日本刀で貫いたのだった。

 

 

「なっ!?」

 

 

仲間割れを目の当たりにし、龍騎は驚くが、ゲイザーは動揺を見せない。モンキーが爆散した後、鬼がゲイザー達の方へと向き直る。龍騎は警戒するが、ゲイザーがそれを制する。

 

 

「久しぶりだな、刹那。元気にしてたか?」

 

「えぇ、探し者も見つかりましたし、最近、幸せに過ごしてますよ」

 

「写真に写っていた彼女か……。君はあんな子が好みなのだな」

 

 

ゲイザーと鬼が親しげに喋り出したことに蚊帳の外に居た龍騎は戸惑う。そのことに気づくそぶりもなく、2人の会話は進んでいく。

 

 

「いったいどうなっているんだ?」

 

「その声……智樹君か」

 

「なんで俺の名前を知っている!?」

 

 

鬼がようやく龍騎のことに気づき、顔を向ける。

 

 

「この人は敵じゃない。心配するな」

 

 

ゲイザーが必要最低限の情報だけを端的に述べる。疑問が消えたわけではないが、ひとまずは落ち着くことにした龍騎であった。

 

 

「後は、こちらで引き受ける。君たちはもう帰りなさい」

 

「無茶しないで下さいよ」

 

「分かっている」

 

 

会話を終えたゲイザーは変身を解除し、元来た道をたどっていく。龍騎も変身を解き、刹那の後を追いかける。鬼は刹那たちを見送ると、反対方向へと歩いていった。

 

 


 
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