姓:司馬 名:昭 性別:男
字:子上
真名:一刀(カズト)
北郷一刀が転生した者。
姓:司馬 名:懿 性別:女
字:仲達
真名:理鎖(リサ)
一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。
姓:司馬 名:師 性別:女
字:子元
真名:瑠理(ルリ)
母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。
姓:張 名:春華 性別:男
真名:解刀(カイト)
一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。
姓:王 名:元姫 性別:女
真名:美華(ミカ)
一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。
姓:鄧 名:艾 性別:女
字:士載
真名:江里香(エリカ)
後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。
姓:賈 名:充 性別:女
字:公閭
真名:闇那(アンナ)
司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。
姓:王 名:濬 性別:女
字:士治
真名:澪羅(レイラ)
後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。
姓:司馬 名:望 性別:女
字:子初
真名:理奈(リナ)
一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。
姓:杜 名:預 性別:女
字:元凱
真名:綺羅(キラ)
一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。
第四十話
「最後の願い」
一方、陸上戦では、晋が呉を徐々に追い詰めている形に成っていた。
呉は奇襲などを行ってきたが晋に見破られ、そして晋の策に辛うじて対応してはいるが、戦力の損失を続けた結果だ。
(おかしい……)
しかし、一刀と瑠理は違和感を覚えていた。
奇襲を実行していた時がそうだ。確かに晋の戦力を削れる絶好の時期に仕掛けてはいる。しかしながら見破りやすいのだ。如何に不
利な状況とは言え、陸遜がそれに気付かないとは思えない。さらに晋の策を一つも完全に防げていないという点もおかしい。流石に一
つ位は防げていないのはどうにも気がかりだった。好都合ではあるが返って不気味だと一刀と瑠理は感じていた。
(まさか……わざとか?)
一刀はそう結論付けようとするが、どうにもそう判断するには情報が足りず、首を傾げる。
しかし、それは当たっていた。
陸遜は自分の今までの功績が降伏を遠ざけていると分かると、兵達の自分への評価を低下させようと画策したのだ。そのためこのよ
うな状況が出来ていた。
しかし、兵達の評価が覆ることは無かった。
何故なら、兵達は心の底から理解しているのだ。自分達の知では彼女の足元にも及ばない事を。彼女が敵わぬなら自分達も敵わぬで
あろうという事も。故に彼女を信じるしかないのだ。
(やはり、最早手は……)
その様子を見ていた陸遜はついに最終手段を取る。
覚悟を決めた翌日、晋の奇襲に対し、味方に怪しまれぬようにわざと受けたのだ。
「私が時間を稼ぎます! 皆さんは撤退の準備を!」
最終手段、それは自分が晋に捕らえられるか討ち取られるかであった。そのため、ここぞと言う時、自ら殿を務める。
彼女は懸命に戦う。少しでも兵達の命を守るという意味も込めて。
そしてしばらくそれが続くが、急速に終わりを迎える。
トスっという衝撃が陸遜の身体を襲った。
(流れ……矢?……)
彼女の身体に矢が刺さっていた。
(まぁ……これならこれで良いのかも知れませんね……わざと負けたという事は隠せますし……)
そんな事を思いながら、彼女は崩れ落ちる。
(蓮華様……申し訳ございません。私ではこのような愚策しか思いつきませんでした……)
心の中で孫権に謝罪していた時である。ある人物が彼女の傍に近づいていた。
(司馬昭さん?)
一刀は倒れている陸遜に声を掛ける。
「陸遜、何か良い残すことはあるか?」
陸遜は懸命に声を出し、それを伝える。
「こ、これで呉は晋に降伏しやすくなった、と思い、ます……どうか寛大な、処置を……」
「ああ、分かった、出来る限りそうしよう」
「ありが、とう……ございます……」
礼を述べた後、彼女は息を引きとった。
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水上戦は澪羅達の勝利に終わった。そして陸上戦では……。
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