第弐廻 心に太陽を
目を覚ますと、そこは見知らぬ天井が広がっていた。
一刀「何だ…これ?」
目付きの悪い青年に鏡の前で…
そうだ、その時に何かが流れこんできて---
そういえばあの人が最後に何か叫んでた気がする…えっと…
左慈『成すべきことを成せ!!あとは貴様に託す!!』
成すべきこと…
バタンっ
華雄「おぉ、目が覚めたか。気分はどうだ?」
入ってきた女性は長身で威風のある人だった。
力強い目からは美しさと気高さを感じる。
一刀「えっと…何がなんだか。
ここは一体どちらでしょう?」
華雄「ふむ、今軍師殿を呼んでくるからしばし待つが良い。」
軍師?軍師ってあの軍師か?
それにこの内装を見ると…なんだこれ、タイムスリップて奴か?!ほんとに?!
まぁ待て、決断はまだ早いぞ俺。
バタンっ
賈詡「起きたようね。
自分が誰だかわかる?」
一刀「北郷一刀。聖フランチェスカの学生で…」
賈詡「ふら…なんですって?」
華雄「聞いたことのない言葉だな。生まれはどこだ?」
一刀「東京の浅草です。」
賈詡「とうきょう?あさくさ?」
華雄「何処にあるんだ?ここからは遠いのか?」
一刀「(ヤバイ…タイムスリップ説が濃厚になってきた…)
あ、あの、ここは一体何処なんでしょうか?」
賈詡「ここは天水よ。我が主董卓の収める地よ。」
一刀「天水…董卓…
董卓??!!」
賈詡「きゅ、急にびっくりするじゃない!」
一刀「ご、ごめんごめん!
ちなみに貴方達の名前を聞いても?」
賈詡「…良いわ。
ボクは賈文和。こっちは華雄よ。」
一刀「賈文和…華雄…
おいおい…あの賈詡に華雄か?!」
賈詡「ちょっと待って…
何故ボクの名前を知っているの?ボクは今、賈文和と名乗ったはずよ。」
喉物に華雄の持つ手斧がつきつけられる。
一刀「いや、えっと…それは…
(ちょっと待て。ここは三国志の時代ってことか?!だとしても賈詡も華雄もなんで女性なんだよ!)」
董卓「ま、まって詠ちゃん!華雄さん!!」
息を切らせて可憐な少女が入ってきた。
賈詡「月?!危険かもしれないから部屋にいてって言ったじゃない!」
董卓「はぁ・・・はぁ・・・だ、大丈夫、だから・・・はぁはぁ」
彼女の第一印象は…『ずっと会いたかった人に会えた。』なぜかそんな感覚だった。
董卓「私はこの天水を治めている董卓と申します。
ご無礼を働き申し訳ございません、御遣い様。」
賈詡「ちょっと月!まだコイツが御遣いだと決まったわけじゃ…!」
董卓「ううん、詠ちゃん。
何でなのかは分らないけど…感じるの。ずっと会いたかった人に会えた…そんな不思議な感じかな?」
賈詡「月…?」
一刀「あ、あの~…。」
董卓「あっ!…へぅ~///」
一刀「…俺もなんだ。」
董卓「えっ?」
一刀「何でなのかは分らない。
でも君を見た瞬間に同じことを思ったんだ。ずっと会いたかったって。」
董卓「へ、へぅ~~///」ぷしゅ~
賈詡「っ!そ、そんなのコイツがうまい事言ってるだけかもしれないじゃない!
それにまだボクの問に答えてもらってないわよ?」
一刀「あ~、それなんだけどね?」
賈詡「何よ。」
一刀「今ってもしかして…漢王朝?」
賈詡「そうよ。」
一刀「あ~、うん。大体分かった。」
賈詡「そう。なら説明してもらおうかしら?」
息をつき、一刀は話しだした。
身に起きた荒唐無稽な話を。
一刀「こんな所かな?」
華雄「…にわかには信じられんが…。」
賈詡「そうね。」
一刀「俺だって信じられないよ。
まず、今が漢王朝だとして、天水を治めている董卓は俺の知ってる歴史では男なんだ。」
董卓「へぅ、詠ちゃん、私男の人だったよ…。」
賈詡「そ、そんなわけ無いでしょ月…。
まぁ良いわ。その服や見たこともない綺麗な武具、それに光りに包まれて急に現れたことを考えても、
アンタが普通じゃないのはわかるし。」
董卓「うんうん。」
賈詡「だからこそ聞きたいの。
アンタは何故、ここに降りてきたのか。」
一刀「…。」
賈詡「…。」
一刀「正直、検討もつかない。
ただ、きっと君たちの側で成すべきことがあるんだと思う。」
賈詡「そう。」
董卓「詠ちゃん…。」
賈詡「分かってる、月。
なら頼みがあるわ。」
一刀「なんだい?」
賈詡「ボク達に…力を貸してほしい。
月はね、本当なら今頃は涼州の田舎で普通の女の子として暮らしてたはずなの。
でも月の優しさを利用しようとする奴らが居て…今は天水を治める立場に置かれているわ。」
董卓「…。」
賈詡「ボクは月を守るためだったら何でもしてきた!これからもそう!
宦官への賄賂や、民への暴力が跋扈する今の王朝なんてどうなったって良い!
でも月の幸せだけは誰にも邪魔はさせない!」
董卓「詠ちゃん…。」
賈詡「だからお願い。…いえ、お願いします!
もし貴方に天命があってここに降りてきてくれたのだとしたら、月に力を貸してほしい!
お願い…します!」
一刀「…俺に何かできるのかな?」
賈詡「貴方が降りてくる前にね、巷でこんな占いが流行ったの。
『流星より天の御遣いが舞い降り、そのものは天下に平和をもたらす』って。
これって貴方のことよね?」
一刀「天の御遣い、か…。(なんだろう、胸が疼く。)
分かったよ。
俺には何の力も無いかもしれない。でも、きっとその肩書だけでも力になれるかもしれないしね。」
賈詡「…意外と頭も回るのね。」
董卓「詠ちゃん、失礼だよ!」
賈詡「あっ、ごめんなさい!不躾な態度とって。」
一刀「あははっ、良いよ気にしてないから。
それに、さっきの言葉を聞いて君がとても良い子だってことはすごく伝わったから。」にこっ
賈詡「~~~~///」
董卓「ふふっ。」
一刀「じゃあまずはちゃんと自己紹介しようかな?」
董卓「あ、はい!
私は董卓、字名は仲穎です。
それから…真名は月といいます。どうか受け取ってください。」
一刀「真名…って何?」
賈詡「真名とはその人の神聖な名前よ。認められた相手しか絶対に呼んじゃいけないの。」
一刀「え…いいのかい?そんな大事なものを…」
董卓「はい。そう思ってくれる貴方だからこそ、受け取って欲しいです。」
一刀「ありがとう。喜んで受け取るよ、月。」
月「へぅ~///」
一刀「俺の名前は北郷一刀。住んでいた世界が違うから、字も真名も無いんだ。
仲の良い人は一刀って呼んでるから、そう呼んで欲しいかな。」
月「一刀…さん、へぅ~…///」
一刀「なんだい、月?」
月「一刀さん。」
一刀「月。」
賈詡「ごほんっ!!ん゛ん゛っ!!」
一刀「ごめんなさい?!」
詠「はぁ~…大丈夫なのかしら。
ボクは賈詡。字名は文和よ。真名は詠。」
一刀「よろしく、詠。」にこっ
詠「ぅっ…///」
月「詠ちゃん…ふふっ、お顔が真っ赤。」
詠「うぇ?!な、何でもない!気のせいよ!ほ、ほら、次は華雄よ。」
華雄「あぁ、私の名は華雄。私には理由あって字がないのだ。
真名は…えっとだな…。」
張遼「将来旦那にしか教えないんやったよな~?」
華雄「張遼?!貴様いつの間に?!
それより、そのことは秘密だと言っただろう!!」
張遼「えぇやんえぇやん!」
詠「ボクも知ってるわよ?」
月「私も…知ってました。」
華雄「な、なんだとっ?!
張遼…貴様~~~~っ!!」
張遼「いや~ん、そないに怒らんとって~!
そないに怒ると純情乙女が台無しやで?」
華雄「~~~///」
月「ふふっ、華雄さん可愛いです。」
華雄「董卓様っ!」
張遼「てなわけで、ウチが張遼や。字名は文遠!」
一刀「あぁ、少し前から戸の向こうに居た人だね?」
張遼「…気配消しとったのに気がついとったんか。」
華雄「私も気が付かなかったぞ。」
張遼「…ふ~ん、兄ちゃんやるやないの。気に入ったで!ウチの真名は霞や!よろしゅうな一刀!」
一刀「あぁ、よろしく霞。」
霞「おう!
と、自己紹介がすんだところで…勝負や一刀!!」
一刀「はいぃぃ?!」
詠「ちょっと霞?!」
霞「だって武がどのくらいイケるのか気になるやん?」
詠「それはそうだけど…怪我させないでよ?」
一刀「いや、えっと、あれ?」
霞「大丈夫ちゃう?こうみえてかなり強いやろ一刀。」
詠「え、そうなの?」
一刀「ま、まぁ一応覚えはある…かな(俺もあの泣く子も黙る張文遠とは戦ってみたいけどね。)」
月「一刀さん…嫌なら言ってくださいね?」
一刀「いや、やるよ。やってみたい。」
霞「うっしえぇ返事や!」
中庭にて
軽く体を動かす一刀と霞。
霞「(軽く見ただけでわかるで…これは恋と同格か?いや、もっと上かもしれんわ。底が見えへん。)
準備はえぇか~?」
一刀「いつでもどうぞ。」
華雄「では私が仕切ろう。両者構え!」
一刀・霞「…。」
華雄「はじめ!!」
霞「っ!!!」
一刀「うぉっと!!」
合図と同時に繰り出される突きを躱す。
霞「へぇ~、流石にやるやないの。」
一刀「あははっ、危ない危ない。」
霞「まだまだ行くで!!
そらそらそら!!!」
一刀「…っ、ふっ、はっ…」
霞「うらぁああああああっ!!」
一刀「…っ。」
連撃をことごとく躱し、距離をとる
詠「な、なによ…やるじゃない。」
月「ぽ~…///」
霞「…一刀、あんた舐めとるやろ。」
一刀「え?」
霞「勝負に手を抜かれるのは嫌いやねん!本気できぃや!!!」
一刀「…手を抜いてるつもりはなかったんだけど、気を悪くしたなら謝るよ。」
霞「次手ぇ抜きよったら張り倒すで。」
一刀「わかった。」
そう言うと、盾と剣を地に置く一刀。
霞「何のつもりや?」
一刀「本気で行く。」
詠「ちょっ、か、一刀、正気?!」
月「へ、へぅ…」
霞「えぇやろ…ほな行くで!(な、なんや…このビリビリくる感じ。本領は徒手?いや、それにしても構えがちゃう…何する気や?)」
一刀「来い!!」
霞「うらああああああああああっ!!!」
一刀「っ。」
その時、霞には一刀が見えていなかった。いつから?突きを放った時には確かにそこに居たはず。
霞「(なら何で…後ろにおんねん!)
糞がっ!!!」
一刀「…。」
霞「また?!」
一刀「俺の勝ち。」
霞「っ?!
かはっ!!!?」
決まり手は死角からの投技だった。
霞の攻撃の反動・死角を利用し、引き落とす。実に綺麗な無手だった。
霞「くっそ~!!悔しい!!今のどうやったん?!」
華雄「大丈夫か霞?随分綺麗に投げられたが。」
霞「ん?お?そいや全然痛ないわ。」
一刀「そういう風に投げたからね。」
霞「悔しいけど強さが段違いやわ…。恋より強いんちゃう?」
華雄「なんと…!」
一刀「ん?誰?」
霞「あ~、呂布って強いのがおんねん。いつもはボケ~っとしとる子やけど。」
一刀「呂布もいるの?!」
霞「なんや知っとるんかいな?」
一刀「あ、あぁ、名前はね。」
霞「今はどっかで昼寝でもしてるんちゃう?」
華雄「それにしても…張遼があれほど簡単に後ろを取られるとは。」
霞「簡単にって何やねん。あんな速さ誰もついて来れんやろ。」
華雄「速さ?何を言っている。一刀はずっとゆっくり動いていたぞ?」
霞「は?」
華雄「なぁ、賈詡?」
詠「そうね。なんだか散歩でもしてるようだったわ。」
霞「ど、どういうこっちゃ!ウチの前から消えるようにいなくなって、気がついたら後ろに居たんやで?」
一刀「見えないように動いたからね。」
華雄「どういう事だ?」
一刀「北郷流の合気道なんだけど…種を明かせば相手の死角に入ってるだけなんだ。」
霞「死角?」
一刀「うん。人間、どこでも見渡せてるわけじゃないからね。
どこかに注意を向けたら必ず死角は出来るんだよ。」
華雄「言っていることはなんとなくわかるが…。」
霞「華雄もやってみたらえぇねん。ウチの気持ちがわかるで。」
華雄「そうだな。
…どうだ、一刀。一本お願いできないか?」
一刀「いいよ。稽古にもなるし。」
華雄「ありがたい。」
詠「はぁ、もういいわ。
ボクと月は政務に戻るから。行こ、月。」
月「う、うん。
皆さん、怪我には気をつけてくださいね?」
一刀「うん。
終わったら月達の方に少し顔出して良いかな?」
月「もちろんです!」
詠「そうね、仕事の話もしたいし。
ただし、夕飯までには来るのよ?」
一刀「あぁ、わかった。」
霞「ほな、始めるで~。
…構え!」
数刻後…月の執務室。
詠「…遅いわね。」
月「そうだね、どうしたのかな?」
コンコン
一刀「ごめん、遅くなった!
入っていい?」
月「どうぞ~!」
一刀「失礼しま~す。」
霞「ウチらも来たで~!」
華雄「お邪魔する。」
詠「ちょ、ちょっと、霞も華雄もボロボロじゃない!!」
月「お、お怪我はありませんか?」
霞「あぁ、全然平気やで。
にしても強かった~!全く敵わんわ!あっはっはっは!」
華雄「あぁ、優男に見えたが一刀は化物だぞ。」
一刀「化物って…酷いなぁ。」
霞「天の国ってこんな強いやついっぱい居るん?」
一刀「ん~、俺の国の大会では負けたことないかな?
昔は爺ちゃんに全く勝てなかったけど。あはは…。」
詠「天の国で一番て…もうそれは化物よ。」
月「すごいです…///」
一刀「で、仕事の話があったんだっけ?」
詠「えぇ、貴方に何の仕事を任せようかと思ってね。」
霞「将でえぇんちゃう?半端無く強いで。」
詠「そうも思ったんだけど…貴方の知識にも興味があるの。
天の国ってずっと先の世界でしょ?その知恵を生かせればと思って。」
華雄「そうか、その手があったな。」
一刀「ん~、頭はそんなに良くないよ?」
詠「そうなの?頭の回転は早そうだけど。」
一刀「どうなんだろ。まぁ、任されたら嫌とは言わないけど。」
詠「そう。なら…貴方には治安維持を任せるわ。
この地に慣れてないなら、色々見れるしためになるんじゃない?」
一刀「治安維持か…わかった。とりあえず警さt…あ、警邏だっけ?それをすればいいんだね?」
詠「えぇ、仕事は明日からでいいわ。
纏めた書簡を明日の朝に渡すから取りに来てちょうだい。」
一刀「了解。」
月「頑張ってくださいね?」
一刀「うん、ありがとう月。」なでなで
月「へぅ~~///」
詠「…むっ」
一刀「どうしたの、詠?」
詠「なんでもないっ!」
一刀「あ、あれ…??」
霞「か~ずと!これからもウチに稽古つけてくれん?」
華雄「私からも頼みたい。」
一刀「え、うん、良いけど…。あまり大したこと教えられないかもよ?」
霞「何言うてんねん!こないに強い奴と戦えるんやで?それだけでウチらは万々歳や!」
一刀「そうか…俺も稽古相手が欲しかったからね。喜んで受けるよ。」
霞「よっしゃ~!!」
華雄「感謝する。」
翌日、詠に警邏所を案内されそこには警邏隊全員が集められた。
集められた警邏隊の全員に緊張が走る。
それもそのはず。天の御遣いがあの張遼将軍に華雄将軍を軽々投げまくっていた目撃証言が伝わっていたからだ。
その天の御遣いが自分たちの隊長になると聞き、警邏隊員の目には羨望と恐怖と緊張が色づいていた。
一刀「みなさん、今日からここの一員になりました、北郷一刀です。
一応、隊長ってことになるけど、俺は新入りだからね。色々と教えてもらえると嬉しい。あははっ。」
警邏隊員「「…」」
一刀「(少し空気が和らいだかな??)
まずは町の方々に挨拶したいし、今日は詠…じゃなかった賈詡と街を周るつもりだ。
何か困った事があれば気軽に声かけてね。それじゃ、今日も1日頑張ろ~!」
警邏隊員「「は、はいっ!!」」
隊員への挨拶もひと通り終わり、賈詡と町へ繰り出す。
民家や商店などに顔を出し、にこやかに挨拶をしてまわった。
点心屋のおばちゃん「あらあら、これはご丁寧に。」
一刀「いえいえ、なにか困った事があればいつでも言ってね。」
お爺さん「すまんのう…重たいじゃろ?」
一刀「平気平気!それより、腰は大丈夫でした?」
子供「や~っ!と~っ!」
一刀「うんうん、筋がいいぞ!それっ、もう一本だ!」
賈詡「(凄いわね…もう皆の心を掴んでる。それは一刀が、とても真っ直ぐに向き合ってるからね。)
ボクじゃ…こうはいかないだろうな。」
一刀「??
なにか言った?」
賈詡「いえ、貴方は凄いわねって思っただけよ。」
一刀「??ありがとう?」
初警邏もつつがなく終わり、城へ戻ると小さな犬が飛びついてきた。
犬「わうわう!」
一刀「うわっ!」
詠「セキト?!」
セキト「はっはっ わうん!」
一刀「くっ、あっはっはっは!くすぐったいってば!」
詠「うそ…セキトが懐いてる!?」
セキト「くぅ~ん」
一刀「よしよし…この子セキトって言うのか。」
詠「えぇ、恋…呂布と一緒にいる犬なんだけど、恋と月にしか懐かないのよ。驚いたわ。」
??「セキト…どこ?」
セキト「わうわう!」
??「セキト…いた。」
詠「恋?ちょっとあなた何処に居たのよ!」
呂布「寝てたら、セキトいなかった。」
詠「はぁ~…仕事は終わったの?」
呂布「…寝てたから、怒られる。…だから言えない。」
詠「まったく…。」
呂布「…おまえ誰?」
一刀「あ、あぁ、ごめん。俺は昨日から月のところでお世話になってる北郷一刀だ。よろしく。」
呂布「…。」
セキト「きゅ~きゅ~きゅ~」
一刀「お?よしよし…気持いいか?」
セキト「わうん♪」
呂布「…セキト、懐いた?」
詠「えぇ、ボクも驚いたわ。」
呂布「恋は…恋。」
一刀「うぇ?!それ真名だろ?」
呂布「セキト懐いた…いい人。」
一刀「えぇ~っと…よ、よろしく、恋。」
恋「♪
じ~…」
一刀「ん??どうしたの?」
恋「一刀…にんげん?」
一刀「は!??」
恋「恋より強いにんげん…見たことない。」
詠「ぷっ…くくくく…。」
一刀「ひ、酷いな…ちゃんと人間だよ。
詠も笑いすぎだろ!」
詠「ご、ごめん…でも…くく、あっははははは!」
恋「ふふっ。」
一刀「も~…ふっ、くくっ」
「「あっはっはっはっはっは」」
そこには暫くの間、笑い声が響きわたっていた。
Another view 月
その頃一方、執務室では---
月「はぁ~…いいなぁ詠ちゃん。一刀さんとお出かけなんて…。」
仕事もある程度目処が付き、両手に顎を乗せて耽っている。
月「私も一刀さんとお出かけしたいな…。」
昨日会ったばかりの人。それでも、私は既に夢中になっていた。
どうしてと聞かれても、きっとわからない。
月「一目惚れ…ていうのかな…」
何故だか彼は、一目見た瞬間から心にすっと染み込んだ。
そのシミはとても暖かく、太陽をいっぱいに吸い込んだお布団のようだった。
今回もお読み頂き誠に有り難うございます。
さて、すごく強くなっていますね。
これから無双が始まるのか、それとも?そして月は本当に可愛いです。
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この一刀は超強いです。ご注意ください。
※尚、前回質問の多かった第一章についてですが…正確に言えば魏編は終わっていません。今のところ言えるのは、于吉・左慈の言葉を思い出して下さいまでとなります。所々にヒントは散りばめておりますので、何卒ご理解の程を宜しくお願い致します。