No.632736

魔法少女リリカルなのは Extreme(エクストリーム) 番外編2

Blazさん

イレギュラー"アインスト"の存在を知った零人達。
彼等はアインストを倒すために新たな戦いに入っていくのだった・・・・・!
そして、少年少女達は一つの答えに向かっていく・・・・・。

A,s 2nd編イメージソング

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2013-10-31 07:39:06 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1250   閲覧ユーザー数:1161

番外編2 「Unhappy Halloween」

 

 

 

 

 

 

 

 

レイチェル「これは・・・何時かあったか、もしかしたらあった小さなお話し・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10/30、聖祥小・・・

 

はやて「・・そういえば明日はハロウィンやな。」

 

零人「・・そういやそうだったな。」

 

秋風が少しずつ厳しくなる十月。昼休みの聖祥小では零人達が昼食を食べていた。

だが集まったメンバーは少なく、なのは・フェイトはミッドへ用事に出掛け霊太・マサキの二人も似たような理由だった。故に集まったのは零人・はやて・ヴィータ・アリサ・すずかの五人だけである。

 

ヴィータ「ハロウィン?」

 

ヴィータはハロウィン言葉を聞き首をかしげた。ヴィータが夜天の書から出てきてまだ一年程しか経っていなかったので知らないのも当然だ。それに気付いた零人達はヴィータに説明をした。

 

アリサ「ハロウィンって言うのは元々ヨーロッパのケルト人達にとって一年の終わりが十月三十一日だからでその日に死者の霊や魔女が出てくるまたは家に訪れると言われたのが始まりで、それから守る為に仮面を被る(=仮装する)そして魔除けの焚き火をしたりするなどが起源なの。」

 

すずか「つまり現代では魔女やお化けに仮装して色々な人の家に行ってお菓子を貰うというのがハロウィンなの。」

 

ヴィータ「ふーん・・つまり貰う方はその魔女達の代わりって事だな。」

 

零人「そう言う事になるな。そして大抵と言うか殆どの子供は家に訪問すると「Trick or Treat!」と言ってお菓子を貰うのがお約束って訳だ。」

 

ヴィータ「と・・・トリ?」

 

零人「「Trick or Treat」。和訳で「お菓子をくれないとイタズラするぞ」って意味だ。」

 

イクス『だからと言ってはやて嬢はイタズラ代わりに竜破斬を撃たないで下さいね。』

 

はやて「いやいやいや・・・どうしてそうなる・・・・・」

 

アリサ(そうなるからでしょうね・・・・・)

 

ガルム(怖い・・・マジでそうなりそうで怖い・・・)

 

 

 

 

 

真那「まぁ楽しいイベントと言うのは確かですがね。」

 

零人「あ、山田先生。」

 

すると零人達の後ろには小さな弁当箱を持った真那が立っていたのだ。どうやら零人達の話しを聞いていたらしい。

 

真那「それに実は今年からウチの学校の行事としてハロウィンが始まるのですよ。」

 

アリサ「えっ、本当ですか!?」

 

真那「ええ。日程は明日の夜6時から8時まで。場所はこの街全体よ。」

 

アリサ「あ。そういえばパパがそんな事言ってたかしら・・・・」

 

零人「と言うか街全体でのイベントとは・・凄いですね。」

 

真那「昨今不況とかで暗いムードが多いからねーだから街の活性化と言う事でらしいわ。」

 

はやて「ちなみに何か特典とかあるのですか?」

 

真那「ああそれなら・・・・確か最も多くお菓子を貰えた子は・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何でも可能な限り一つだけお願いを叶えられるって・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なのは・フェイト『『ええええええええ!?』』

 

零人「ウルセーぞ二人共。今何時だと思っている。」

 

フェイト『あ・・御免・・・・』

 

その日の夜、零人はなのはや霊太達と通信をしており驚いて大声を上げたので男子は耳を塞いでいた。

 

霊太『しっかし、まだデカイ物が特典つーか優勝賞品になったもんだ・・・・』

 

マサキ『・・・予算的に大丈夫なのか?』

 

零人「多分アリサやすずかの家の力使ってやるから大丈夫だろ。主催アイツ等の家だし。」

 

ソルナ「大企業とその街の金持ちが・・・・ねー・・・・」

 

イクス『圧巻の一言ですね・・・・』

 

零人「だよな・・・でお前等は出れるのか?」

 

なのは『私達は問題ないの。』

 

クシャル『明日にはもう家に戻っているからな。』

 

ソルナ「霊太ちゃん達は?」

 

霊太『俺は元から大丈夫。いまオルドルだし。』

 

マサキ『・・・俺も問題ない。』

 

零人「結果、全員参加と・・・てかお前等衣装どうするつもりだ?」

 

四人『『『『その辺は問題ない(ぜ)(よ)(の)。』』』』

 

 

 

零人「・・・・・だといいけどな・・・・・」

 

零人はそう言い不安と安心に挿まれていた。しかしこの時窓の外でブン屋がこの情報を聞きつけロクでもない事に発展させたのは零人達は少し後に知ることと成った・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

当日、午後5時40分、学校校庭・・・

 

 

真那「あ、岡本君達も参加するのですね!」

 

零人「ええ。別に仮装は無しでも良いと言われたので。」

 

校庭には小学生やその親御、その代わりに付いて来させられた中・高の人などが集まっており子供達は仮装して既に楽しんでいた。ちなみに零人が言って通り仮装なしでも参加は可能だがそのパターンの人間は零人達転生者のみであった。さらに真那もノリノリで仮装しており魔女の衣装に実を包み、そのフロント上部に男達は少し釘付けであった。

 

零人「でも生徒じゃない子もちらほら居ますね?」

 

真那「ええ。今回は生徒じゃなくても参加可能だし隣町とかからも参加者は集まっているの。」

 

霊太「へぇ・・・・」ジロジロ・・・

 

マサキ「変態行動は慎めよ。」

 

ソルナ「あははは・・・・」

 

零人たちが談笑しているとなのは達が零人達を探しており声の方を向くと仮装したなのはたちが零人達の下に集まった。

 

なのは「あ!先生こんばんわ!」

 

真那「こんばんわ、高町さん。似合っているわよ♪」

 

なのは「にゃはははは~♪」

 

なのはは真那にへ褒められ少し嬉しそうに顔を赤くした。なのはの衣装も真那同様、魔女ではあるが色が真那の紫と違い黒と白の少しのフリル。そして少し大きめの帽子と零人はそれを見て「魔理沙を元にしな・・・」と心の中で呟いていた。ちなみに隣に立っていたアリサは・・・

 

 

零人「・・・・何でキョンシー?」

 

アリサ「・・・・・・・何ででしょうね?」

 

霊太「お前が選んだんじゃねーのかよ!?」

 

と何故かキョンシーだった。ちなみにアリサ曰くデコに貼り付けている札は本物らしくなのはが知り合いの神社の巫女から貰ったらしい。

 

 

 

すずか「えっと・・・金龍君、どう・・・かな?」

 

マサキ「・・・似合うぞ。」

 

アリサ(でしょうね・・・・・BJだし・・・・)

 

 

そしてすずかはアイディアが無かったのかBJの姿で来ていた。さらには当然の如く武器の槍も持っており零人達は臨戦態勢な事を疑問に思っていた。

 

零人「・・・別に槍いらなくね?」

 

すずか「いやー万が一合ったときにこれで・・・・・」

 

霊太「やめい。」

 

 

 

ソルナ「あれ?フェイトちゃんは?」

 

なのは「あれ?さっきまで一緒だったのに・・・・・」

 

真那「えーっと・・・あ。テスタロッサさんあそこに居たわ。」

 

霊太「あ、本当だ。おーい、フェイトー!」

 

フェイト「ッッ!!!」

 

すると霊太の声に気付いたフェイトはモジモジと仮装のマントで隠しつつも霊太の方に顔を向けた。そして何故かゆっくりと歩いて零人達と合流したのだった。

 

アリサ「? どうしたの?」

 

フェイト「・・・・・・・//」

 

すずか「熱でもある?」

 

フェイト「そんなのじゃなくて・・・・そのー・・・//」

 

霊太「・・・・別に笑わなねーから。な?」

 

フェイト「・・・・・・うー・・・・・//」

 

そしてフェイトは我慢の限界か。はたまた根気負けしたのか諦めた顔をした。

 

フェイト「・・・・笑わないでね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピラッ・・・

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「「ぶっ!?!?!?!?」」」」」」」」

 

 

 

 

 

フェイトがマントを持つのをやめると着ている衣装が零人達の目に飛び込んできた。それはかつてフェイトの母であったプレシアの着ていた服その物だったのだ。その露出度に驚いた零人達は思わず吹き出してビックリするのだった。

 

霊太「・・・・・・・・・。」

 

 

フェイト「・・・・・っとそのー・・・・・どう・・・かな?//」

 

 

零人(俺は以前プレシアに会ったから良いものの(第九話と第十話参照)・・・流石にフェイトが着ると犯罪だぜ・・・)

 

なのは(ふ・・・・フェイトちゃん・・・・か・・・可愛いというか・・・・・)

 

アリサ(もはやエロイとしか言い様が・・・・・・)

 

 

すると思わず鼻血が出そうになり零人達はティッシュで鼻を塞いだ。そしてフェイトは霊太に感想を聞こうと詰め寄り、霊太は顔を横に逸らしていた。

 

フェイト「り・・・・リョウ・・・//」

 

霊太「えーっと・・・そのー・・・別に笑えるって方が可笑しいし・・・・と言うか・・・そのー・・・・・・・・・何でその衣装?」

 

フェイト「・・・・・・・・。」

 

霊太の返答を聞くとフェイトは少し涙目になっていた。霊太は不味いことを聞いたかと思ったが・・・

 

フェイト「だって・・・・・・だって・・・・・」

 

霊太「・・・・・だって?」

 

 

フェイト「これを着ないと私の盗撮写真を艦内にバラ撒くしバルディッシュ返してくれないってリンデ・・・違ったお義母さんがッ!!」

 

霊太「おいいいいいい!?お前の義母さん、何してんじゃあああああああああああ!?」

 

零人「私利私欲にも程があるだろ!?」

 

マサキ「・・・後日どうなるのか・・・・」

 

真那「と言うか盗撮している時点で駄目でしょ・・・・・」

 

アリサ「もうもはやツッコミが追いつかないわ・・・・・」

 

 

 

 

 

 

すると突っ込みの声でわかったのか仮装をしていたヴィータが零人達の方に駆け寄ってきた。

 

ヴィータ「おっ!零人ー!」

 

零人「おう、ヴィータたちも来てたか。」

 

ヴィータ「へへっ衣装は今回はやてのチョイスだけどな。」

 

なのは「でも似合っているよ!」

 

ヴィータの衣装は狼人間で所々毛皮の服と動物耳のカチューシャが特徴だ。

 

零人「でも狼人間ならザッフィー呼んでこればよかったのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近シグナム達同様出番あんま無いし。」

 

ヴィータ「まぁ・・・・・実はまた三人留守番らしい・・・・・・・」

 

零人「・・・何時になったらまた出番あるんだろうな?」

 

ヴィータ「・・・・さぁ・・・・・・・・」

 

すずか「あれ?はやてちゃんは?」

 

ヴィータ「え゛っ・・・・・その・・・・えっと・・・・」

 

霊太「まさかまた露出度高い服じゃ・・・・」

 

ヴィータ「いや・・・・そう言うのじゃなくて・・・・・・その・・・・・」

 

 

 

 

はやて「おーい!みんなぁー!」

 

なのは「あ。はやてちゃ・・・・・・・・・・・ゲッ!?」

 

するとはやての声のする方を見たなのはは顔を思いっきり歪めた。

それを見た零人達は「?」を浮かべ、ヴィータは「あーあ・・・・」と溜め息をしていた。

その理由は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はやて「あれー?皆どないしたんー?」もっさもっさ

 

 

 

もっさもさの蜘蛛の衣装(それも人サイズの大きさ)に身を包んだはやてが居たのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

零人・霊太「「第666拘束機関解放、次元干渉虚数方陣展開、イデア機関せつぞ「(は)待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ!?」ブレイブ「(は)いやだから待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?」嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁァァ!!」」

 

 

 

 

 

 

はやて「何で会って早々蒼(碧)の魔道書を発動しようとしてんねんッ!?」

 

零人「んなモンお前の衣装のチョイスが270度すぎんだよ!?!?」

 

はやて「其処は180か45ちゃうんかい!?」

 

霊太「んなもんこそ生易しいわ!!と言うかそんな衣装どうやって作った!?」

 

はやて「リンディさんから。」

 

零人「提督かよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおお!?」

 

 

 

 

 

北村「何だ、お前達は夜になっても騒がしいな。」

 

アリサ「あ。北村先生。」

 

するとアリサの後ろにはラフなジャージ姿の北村が立っており話しに加わった。

ちなみに零人・霊太・はやての三人は突っ込みの疲れでハァハァと息を漏らしていた。

 

なのは「北村先生、こんばんわ。」

 

北村「おうっ。所で山田先生。そろそろ始まりますから台の近くに・・・」

 

真那「あ、はい解りました。じゃそう言う事で。」

 

どうやら北村は真那を探していたらしく真那に呼びかけると真那は走り去り、北村も戻ろうとしたがはやての衣装に少しギョッとするのだった・・・

 

 

 

零人「全く・・・もう突っ込む気力がねーぜ・・・」

 

霊太「俺もだよ・・・」

 

はやて「何や何やそんな事言うなんて。ウチ傷つくで。」わっさわっさ

 

なのは(まぁ私達のハロウィンにもある意味傷が・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

北村『あーあー・・・本日は聖祥小主催ハロウィンイベントにお集まりいただき真にありがとうございます。私はこの学校の教師の北村です。では早速このイベントの簡単なルール説明をしましょう。』

 

 

零人「え?ルール?」

 

すずか「やっぱり無理矢理奪い取ったりするからその為のじゃないかな?」

 

 

北村『ルールはシンプル。この街の家々を回りお菓子を貰うこと。当然多くの家を回る事でしょうから大きなビニール袋などがいいでしょうな。時間は午後6時から8時までの二時間。一番多くお菓子を貰えた人には可能な限りではありますが何でも一つ願いを叶えられる権利を手に入れられます。ただし、注意として他人のお菓子を奪ったりするのはご法度。また家の明かりが消えている家に無理にお菓子を貰いに行かない事。そして、一度貰った家にもう一度行かない事。その他注意はお手元のしおりを見てください。また隠れて違反しようとしても・・・・・・町中に設置された監視カメラでバレるので起こさないように。以上です。』

 

真那「それでは!3・・・・2・・・・・1・・・・・スタートですっ!!」

 

すると真那がホイッスルを吹き、それと同時に子供達が一斉に校門を出て街に散り散りになって行った。零人達も一旦集まり集団で行動する事とし校門を出ようとするが・・・

 

 

 

零人「んっ・・・・・・ってアイツ等・・・・・・!!」

 

零人は誰かを見つけたようだがその姿は直ぐに無くなり、零人は追跡を諦める事とし校門を出て行った。

 

 

 

 

 

 

「さて、私も行こうかしら・・。」

 

 

 

 

その後、零人達は歩きながら最初の目的地を考えていた。

 

アリサ「さて・・まずは誰の家に行く?」

 

すずか「ココからだと・・・・」

 

はやて「近いのは翠屋やな。でもなのはちゃんのお父さん達って・・・・」わっさわっさ

 

なのは「あ、それは大丈夫なの。店と家の二重配置なの。」

 

零人「流石高町家・・・・・」

 

霊太「抜かりは無いな・・・・」

 

なのは「そんなヘンテコ一家のように言わないで欲しいの・・・」

 

(((((((((実際トンデモ一家だろ(でしょ)(やろ)・・・)))))))))

 

 

 

 

 

翠屋・・・

 

翠屋の近くに着くと既に先にお菓子を貰っていた子供達が店から出ておりなのは達はその後に入って行った。

 

なのは「ただい・・・違ったTrick or Treatなの!」

 

桃子「あら皆、いらっしゃい。」

 

すると次に渡すお菓子の準備をしていた桃子が厨房から顔を出し、なのは達の下に寄って来た。

 

零人「ここは桃子さんが担当なのですね。」

 

桃子「ええ、あの人(士郎)は自宅待機組みよ。まぁコッチはもう一人居るけど・・・・」

 

 

 

 

 

刹那。

 

 

 

 

 

 

 

恭也「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!なのはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

と厨房から恭也がルパンダイブをしてきたがなのははレイジングハートを構えバットの如くフルスイングした。

 

 

 

ドゴズッ!!

 

 

フェイト「うわぁ・・・・・アレは・・・・」

 

はやて「痛い痛い・・・・」わっさわっさ

 

ヴィータ「見てる方がマジで痛い・・・・・」

 

 

 

 

桃子「さ・・・さてお菓子を上げるわ。皆、袋とかは持ってる?」

 

女子「「「「「「「はーい!!」」」」」」」

 

桃子「はいっ!じゃあ順番に並んでね!」

 

桃子はそう言い小さな袋を人数分、なのは達に渡したのだった。そして零人達もそれを貰えるのかと思いきや・・・

 

零人「まさかタダ働きとか?」

 

桃子「いやいやそう言う事では・・・」

 

そう言うと桃子は別の袋を男子三人分用意、零人達に渡したのだった。

 

霊太「よかったー・・・まさかここでタダ働きの時間になるかと・・・」

 

桃子「してあげましょうか?」

 

零人「全力でお断りいたします。」

 

マサキ「・・・・・・・同じく。」

 

 

 

 

 

 

はやて「さて、まずは翠屋をクリアと。」わっさわっさ!

 

すずか「そんな、スタンプラリーじゃないんだから・・・・」

 

翠屋を後にした一行は次に高町家に向かうことにし、歩いていた。そんな中、零人はすずかの台詞である事を思い出していた・・・

 

 

 

 

 

 

零人「スタンプラリー・・・・か・・・・」

 

ソルナ「零人ちゃん?」

 

スタンプラリー。その言葉で思い出すのは零人が幻想郷でスペルカードや蒼の魔道書の修行をした記憶だった。そんな過去に懐かしんでいると、なのはがおもむろに周りを見回していた。

 

零人「っ・・・・なのは、どうした?」

 

なのは「あっ・・・・・うん・・・実はね・・・この道・・うんうん、この場所は私の魔導師としての始まりの場所なの。」

 

零人「魔導師として・・・・・って事は・・・・ジュエルシードの?」

 

なのははそう聞かれると肯いた。零人達が歩いている場所。其処こそなのはにとって摩訶不思議な物語の始まりの場所。ジュエルシードを集める為に。ユーノを助ける為に。彼女が魔導師になった場所だった。

 

なのは「・・・もうすっかり元通りだけどね・・・・」

 

零人「そっか・・・・・」

 

零人はその言葉に新鮮さを感じなのはの隣を歩いていた。その時はまだ零人は転生しておらず、恐らくはその時に死んだか。はたまた神の所で転生の準備をしていたか・・・

だが零人にとってもうそれは過ぎた事だった。

 

零人「・・・月日が経つって・・・・はええモンだな・・・・・」

 

なのは「・・・そうだね。」

 

いつしかアリサ達は零人達の少し先を歩いておりソルナもその輪の中に入っていた。

なのは達はそれを嬉しそうに見つめ、話を続けた。

 

 

なのは「ジュエルシードを集めようと、私が魔導師になって・・・フェイトちゃんと初めて会って戦って・・・・そして・・・・プレシアさんを失って・・・・。その時に零人君と知り合って、一緒に丘で遊んで・・・そして闇の書事件が始まって・・・・」

 

零人「俺はなのはに嘘をついて・・・・お前等を無茶させねーよーにって頑張って・・・・でも・・・・結果、お前等が首突っ込んで俺は返り討ち・・・」

 

なのは「ソレは・・・その・・・・御免・・・・」

 

零人「・・・・・まぁ許す。・・・・んで夜天の書が起動して・・・・・俺達は一緒に戦って・・・・そして・・・・・・・俺が・・・・・・・リィンを撃った。」

 

するとなのはは少し顔が真剣になった。彼女にとってもその事は悲劇に変わりなかったのだから。

 

なのは「・・・・・仕方がないって・・・・言わないよ。」

 

零人「ああ、んなのは逃げだ。俺は・・・・・はやての為とは言え・・・・アイツを、リィンを撃った。だから・・・・・・アイツに撃たれる覚悟はある。なのにな・・・・・・お前と平行世界へと飛んで・・・・その後にまた未来の平行世界に飛んで・・・お前を傷つけてしまって・・・・・情けねぇったらありゃしねぇ・・・・」

 

なのは「・・・・でもね、零人君。」

 

なのははその次の言葉を言う前に空を見上げた。空は満天の星が輝き、思わず見とれるほどだったつ。そして・・・

 

 

 

 

 

なのは「だから・・・・・私は変われたんだよ。

 

ただ思っているだけじゃ

 

ただ力を使っているだけじゃ

 

何も叶わないし叶えられない。

 

だから・・・私は叶える為に

 

 

自分の居場所を 

 

新しい居場所を探す為に・・・頑張って見るの。」

 

 

 

 

零人「・・・・・・おうっ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高町家・・・

 

 

アリサ「ぬわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

士郎「はい。五個だね。」

 

高町家に着いた一行はアリサの叫びに苦笑していた。その理由はお菓子が"掴み取り"方式だからだ。一見、簡単そうではあるが実は難しくアリサが最初にやった結果・・・

この有様だったのだ。

 

なのは「あははは・・・・」

 

美由紀「さーて・・次は誰かな?」

 

零人「・・・・何となく俺が。」

 

すると零人が挙手しお菓子が大量に入った箱の前に立った。中は箱の半分程をお菓子が埋められておりそれを片手だけ突っ込んで取り出すのだから途中でこぼれたり、箱に開けられた穴の所で止められたりするのだ。

零人はそれを解っており、それでも手を箱の中に突っ込むのだった。

 

ガサッ・・・ガサガサ・・・・

 

零人「っと・・・・こんな所かなっ・・・・」

 

零人は深く手を突っ込み、ある程度掴むとゆっくりと手を引き上げた。

 

フェイト「あ、凄い数だよ!」

 

マサキ「あって7個か8個だな。」

 

そして・・・

 

 

ズルッ・・

 

零人「・・・・・・えーっと・・・7個です。」

 

零人は手に持ったお菓子の数を数えて士郎に教えた。後ろではなのはたちが「おおー」と

声を上げていたのだがあえてスルーしていた。

 

士郎「凄いね。普通の子供でもその半分ぐらいなのに・・・」

 

零人「伊達に掴み取りはしていません。」

 

美由紀「よしっでは次ッ!」

 

 

そして零人はそれを袋に入れようとするが・・・

 

零人「・・・・・・あ。」

 

ソルナ「ん?どうしたの、零人ちゃん?」

 

零人「・・・・これ・・・全部飴・・・・・なのか・・」

 

ソルナ「あ、そっか。零人ちゃん飴苦手なんだっけ。」

 

そう、零人は転生前から飴が苦手でのど飴などは例外ではあるが本人曰く「ヌルヌルするし落としたら色々面倒。」だそうであまり好きではなかったのだ。

 

零人「どうすっかな・・・・・ソルナー・・・」

 

ソルナ「あたしは5個あるから・・・・・」

 

零人「・・・・帰ってランとクリスにあげるか・・・・」

 

 

 

その後。その場に真那がやって来て、大人気なさを少し発揮したのだった・・・

 

そして次の目的を考えフェイトの家に行くこととなったが・・・

 

はやて「次は・・・・フェイトちゃんの家やな。」わっさわっさ

 

フェイト「ぶっ・・・・・」

 

ソルナ「? フェイトちゃんどうしたの?」

 

フェイトは自分の家と言われると少し吹き出し、ソルナの質問を少し焦りが見えた。

 

フェイト「えっと・・・その・・・・あの・・・べ・・・別に・・・・・」

 

霊太「まぁあの提督だもんな・・・・」

 

零人「何か合っても可笑しくは無い・・・・・な。」

 

なのは「にゃはははは・・・・・」

 

ヴィータ「さてさて・・・・鬼が出るか蛇が出るか・・・」

 

霊太「はたまた畜生になるか・・・・」

 

零人「何か言い方違うくね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

ハラオウン家玄関前・・・

 

玄関前に着くと零人達は円陣を組み、作戦会議をしていた。

 

零人「いいか。これより我々は未知の地に足を踏み入れる。総員覚悟はいいか。」

 

霊太「こちらは問題ない。」

 

なのは「同じくなの。」

 

はやて「ウチもや。」わっさわっさ

 

アリサ「こ・・・・こっちも・・・・」

 

ヴィータ「・・・はやてが迷惑かけてすまん・・・・でもアタシもOKだ。」

 

フェイト「ひ・・・人の家を何だと・・・・」

 

 

「「「「「「「「「未知の家。」」」」」」」」」

 

 

フェイト「・・・・・・・・・・・・。」

 

クシャル「まぁ・・諦めろ。自分も薄々感づいていた事だろ?」

 

フェイト「うっ・・・・・」

 

そして円陣が崩れると零人はノブに手を置いた。

 

 

 

零人「では・・・・・・・」

 

零人が最終確認の為に全員の方を向くとフェイトを除く全員が肯いた。(フェイトはウルウルと涙を流していたが)そして・・・

 

零人「いざっ!!」

 

零人は勢い良くドアを開けた!

 

 

すると其処には・・・・・・!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(BGM"ヤシマ作戦のアレ")

 

 

リンディ「あ、みんないらっしゃい。」

 

 

 

 

某エヴァの服装を着た、リンディたちだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「「「「すまんせん、間違えました。」」」」」」」」」」バタン。

 

 

 

 

 

 

リンディ「ちょっ!?ごめん、マジでごめんなさい!?!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

その後。何事も無く、リンディは普段着でお菓子を渡し、事無きを得たが・・・

 

 

 

 

フェイトはしばらく涙を流していたのだった。

 

フェイト「こんな家なら養子に行かなきゃ・・・・」

 

霊太「はいはい・・・・後でちゃんと聞いてやるからな?」

 

 

 

 

リンディ「・・・・服、間違えたかしら・・・・・・」

 

アルフ「それ以前の問題だよ。」

 

エイミィ「そうよね・・・・・」

 

クロノ「誰か僕を行かせてくれ・・・・・」

 

ノノ「ドンマイ・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリサ「さて。残るは三箇所となりましたが・・・・・」

 

すずか「次が問題よね・・・・・」

 

そう、次ははやての自宅。つまりは・・・・・

 

ヴィータ「十中八九、シャマルが用意しているな・・・・・」

 

零人「はやて。お菓子は?」

 

はやて「エンゼ〇パイを15袋・・それを一人一個ずつ・・・・」わっさわっさ

 

ライ「・・・確実に無くなるかもな。」

 

マサキ「他の騎士はどうなんだ?」

 

はやて「シグナムはお茶は入れられるけど・・・・ご飯は流石にウチとアーマが・・・・・・・・・・・・あ。」わっさわっさ

 

なのは「そっか!まだ家にはアーマさんが!」

 

するとアーマが居ると解るとほぼ全員は歓喜しマサキは頭に「?」を浮かべていた。

 

マサキ「どういう事だ?」

 

零人「家庭的ってのは大切って事だ。」

 

 

 

だがこの歓喜は直ぐに消えると、この時誰も知らない・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八神家前・・・

 

八神家の近くまで近づいた零人達だったが突然、家からシグナムが飛び出てきたのだった。

 

はやて「あ!シグナムー!」わっさわっさ

 

シグナム「っ!!ぬ・・・主・・・・・」

 

零人「? どうした、血相変えて。」

 

シグナム「えっと・・・・その・・・・真に言い難いのですが・・・・・ここは後にしてくれませんか?」

 

フェイト「・・シグナム、それってどういう・・・・」

 

すると・・・

 

 

ガチャッ・・・

 

 

シャマル「あ。はやてちゃん。それにみんなも!」

 

はやて「シャマルー来たでー!」

 

シグナム「ゲッ!?」

 

零人「・・・・・・ゲ?」

 

 

シャマル「あっ。お菓子ね!今持ってくるからー!」

 

シャマルはハロウィンの事を思い出すとパタパタと家の中に戻り、シグナムは顔は見えないが何か焦っているような感じだった。

 

シグナム「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

 

 

零人「し・・・・シグナム・・・・・」

 

ヴィータ「まさか・・・・・・・」

 

すると霊太は突然、八神家の塀の上に登り中が見える場所に移動した。其処には・・・・・

 

 

 

 

零人[り・・・・リョウ・・・・・・]

 

霊太[・・・・・死者三名・・・・・・アーマたちだ・・・・・・・・]

 

はやて「ま・・・・・まさか・・・・・・!」わさわさわさわさわさ・・・・

 

 

ガチャッ・・・

 

シャマル「お待たせー!パイが無くなったから代わりに私が作ったの!」

 

するとシャマルは小さな袋を幾つか持ち、それを見せびらかせた。

 

 

 

 

 

しかしその中身の色はこの世の物とは思えず、ドス黒い色をしていたのだった。

そしてその中身が何か。はやては恐る恐る聞いて見た。

 

はやて「しゃしゃしゃ・・・シャマル・・・・そ・・それは・・・・・」わさわさわさ・・

 

シャマル「それ?ああ、これは"私特製"のクッキ「(零)幻世「ザ・ワールド」!!」

 

 

カチッ!!

 

 

刹那、シャマルのみの時間を止め。零人達は全力で退避するのだった・・・

ちなみにアーマたちは霊太曰く「当分、目を覚まさないだろう」との事だったらしい。

 

 

 

 

シャマル「・・・・・あら?みんな何処に・・・・・・

 

 

 

 

 

 

まぁ・・・クーラルヴィントで探せばいいし・・・・いっか。」

 

 

 

 

 

零人・霊太・はやて「「「よくねぇよ!!!!?」」」

 

 

シグナム「・・・三人ともどうした・・・・」←逃げるついでに付いて来た。

 

零人「い・・・いや・・・・」

 

はやて「何かとてつもなく突っ込まねばならないと思って・・・・・・って零人兄ぃ?」

 

すると零人は何処か別の方向に顔を向け、真剣な眼差しで見ていた。

 

ソルナ「・・・・零人ちゃん?」

 

零人「・・・・わりぃ、少し用事を思い出した。みんな、先にすずかの家に行っててくれ。」

 

なのは「ふぇ?」

 

フェイト「ちょっ・・零人「(零)イクスッ!」って零人!?」

 

零人は一人、セットアップし何処か別の場所に飛んで行ってしまった。それを唖然として見ていたなのは達だったがソルナはなのは達に後を追うといい・・

 

ソルナ「・・・私・・・零人ちゃんの後、追ってみるね。」

 

はやて「・・・頼める?」

 

ソルナ「勿論!」

 

ソルナも零人の後を追うのだった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海鳴郊外・・・

 

夜の海が見える場所。そこはかつて様々な出来事があった場所。零人は其処に一人、立っていた。すると・・・

 

 

 

零人「・・・・さてと・・・・・そろそろ出て来ていいぜ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウサギ。」

 

(BGM"Queen of roseⅡ")

 

刹那、零人の周りにはバラの花びらが舞っていた。そして其処には・・・・・

 

 

レイチェル「・・・・久しぶりね、零人。」

 

黒いゴスロリの服を着た、レイチェルが立っていたのだ。その手にはお菓子が入った袋が持たれていたのだ。

 

零人「・・・・・・・お前もハロウィン参加してたのかよ・・・・」

 

レイチェル「悪い?」

 

零人「・・・・別に。で、俺に何の用だよ。」

 

レイチェル「別に・・・・・とは言わないわ。でも・・・・ただお菓子を貰うと言う事に飽きたし・・・・・ねぇ?」

 

零人「・・・・・・はぁ・・・・ウサギ。一つ聞きてぇ。霊夢達をこの世界に呼んだのはお前か?」

 

レイチェル「あら。気付いてたの?」

 

零人「校庭で見かけたからな。で。どうなんだよ?答えねぇって言うなら・・・・・」

 

零人はそう言うと大剣に手を置き、臨戦態勢に入った。するとそれを見たレイチェルはクスクスと笑っていた。

 

レイチェル「あれは私ではないわ。天狗がやった事よ。」

 

零人「天狗・・・・・文か・・・・。で?そんだけじゃないよな・・・・・お前だし。」

 

レイチェル「当然じゃない。私がたかがお菓子を貰うだけで満足すると思って?」

 

零人「・・・・数から見てそうだと思うけどな。」

 

レイチェル「まぁそんな事はどうでもいいわ。零人、私と勝負しなさい。」

 

零人「・・・勝負だぁ?」

 

レイチェル「ええ。勝てば相手のお菓子を全部貰える。と言う条件付よ。」

 

それを聞いた零人は呆れ、大剣から手を放した。そしてレイチェルから背を向け、歩き出そうとしていた。

 

レイチェル「何処に行くのかしら?」

 

零人「決まってんだろ。なのは達の所だよ。」

 

レイチェル「あらそう。貴方怖いのね。」

 

零人「へっ・・誰がお前との勝負を怖気づいて「(兎)違うわ。」・・・・は?」

 

 

 

 

 

 

レイチェル「確かにそれもあるけど・・・・・・・零人。

 

 

 

 

 

 

 

貴方は実はあの子達の身を気にしている。

 

アインストに殺されないかと。

 

自分が以前見た・・・夢のような物が襲って来ないかと。

 

つまり・・・・

 

 

 

 

怖いのね。誰かが傷つくのが、誰かが・・・・失われるのが。」

 

零人「・・・・・・・・だったら。さっさと行かせろ。俺はお前ほど暇じゃない。それに・・・お前だって前言ってたじゃねーか。「この事象自体は初めてだ」って。」

 

レイチェル「・・・・・・・。」

 

すると、レイチェルは軽く息を吐き、零人を馬鹿にしたような目で見つめてきた。

 

零人「・・・・んだよ。」

 

レイチェル「あなた・・・・まだそんな事思っているの?本当に・・・・・・・・御人好しを通り越して本当の⑨ね。」

 

零人「・・・・・・・・テメェ・・・・・」

 

レイチェル「その心配はもう無いわ。だって・・・・私は観測者よ?」

 

零人「自分で言うかよ。「(兎)でも・・・」は?

 

 

 

 

っ・・・・・!!」

 

 

刹那、零人が顔をレイチェルの方向に向けると零人の目の前には、レイチェルが立っており・・・

 

 

 

頬に口付けをされたのだった。

 

零人「・・・・・・・・レイチェル・・・・・」

 

レイチェル「ご褒美よ。ありがたく受け取りなさい。」

 

 

零人「・・・・・・・・・・・・・ケッ・・・・で、一体何の勝負だよ?」

 

レイチェル「あら。随分な気の変わり方ね。強欲と言うか・・・」

 

零人「言っただろ。忙しいって。」

 

 

レイチェル「・・・フフフッ・・いいわ。じゃあ・・・始めましょ。」

 

 

パチンッ!

 

レイチェルが指を鳴らすと回りの景色が変わっていき、下にはバラの花畑がそして少しメルヘンティックな城が建っている場所になったのだ。

 

零人「っ・・・・オメーの家じゃんか。また一戦やろうってか?」

 

レイチェル「違うわ。何でもココにきたら戦闘になるだなんて・・・・貴方の脳味噌は猿以下かしら?」

 

零人「っ・・・・・テメー・・・今すぐぶった斬って・・・・「ほうっ・・・やれるのか?」・・・・・またアンタか。」

 

零人の後ろには年老いた執事、ヴァルケンハイン・R・ヘルシングが立っており、零人に睨みを利かせていた。その立ち姿は老いていてもその強さが現されるのよな立ち方だったのだ。零人が舌打ちをするとレイチェルはいつの間にか現れていた椅子に座り、零人の隣にも椅子が現れた。

 

レイチェル「其処に座って。座ったら直ぐに始めるわ。」

 

零人「・・・・・。」ギシッ・・

 

 

二人が座るとレイチェルは再び指を鳴らした。すると二人の間にバラの花びらの渦が巻き起こった。

 

零人「っ・・・・・」

 

 

そして・・・

 

レイチェルは突然、語り始めた。

 

 

 

 

レイチェル「カゴメよカゴメ お菓子はいかが?」

 

零人「・・・・・・・?」

 

 

 

 

レイチェル「赤色と青色の飴 

 

      お菓子の家に出口は無いの。

 

      そしてシリアスな声でこうささやくの・・・」

 

 

 

 

 

 

零人・レイチェル「「鏡よ鏡」」」

 

 

 

 

 

レイチェル-世界で誰よりも イタズラ好きなのは誰ですか?-

 

零人-「それは貴方です」と 映る私が笑う-

 

 

 

 

 

レイチェル「貴方は私 私は・・・・・誰なのかしらね・・・・」

 

零人「っ・・・・・・」

 

すると零人とレイチェルの間には一つの回転式テーブルが現れ、その近くではヴァルケンハインが紅茶を入れておりその後に角砂糖をいれていたが・・・

 

零人「ん?おい、爺さん。ティーカップ六つってアンタを入れても三人しかいねーぞ?」

 

レイチェル「いいえ。それでいいのよ。」

 

零人「は?どういう事だ?」

 

レイチェル「・・・・直に解るわ。」

 

零人「・・・・・・。」

 

 

 

ヴァルケンハイン「お待たせしました。」

 

レイチェル「ご苦労様、ヴァルケンハイン。」

 

ヴァルケンハインはティーカップを回転台の上に乗せると少し後ろに下がった。

 

レイチェル「心に刺さる エコイズム・・・・・その名も・・・"毒入り紅茶のロシアンルーレット"。」

 

零人「ッッ!!毒入りだと!?」

 

レイチェル「ええ。でもただの神経麻痺の毒だから、安心なさい。」

 

零人「んなもんでも危ないってーの!?」

 

レイチェル「フフフ・・・・ではルールの説明よ。互いに交代で紅茶を一つずつ飲む。当然、毒入りを当てたら負け。それ以外に無いわ。」

 

零人「・・・・・・確率は六分の一・・・・か・・・・・いいぜ。今日こそその上から目線を止めさせてやる。」

 

零人はそう言い回転台を回した。そして回転台が止まるとティーカップを見つめた。

 

レイチェル「・・・先攻は譲るわ。」

 

零人「・・・勝利宣言かよ。まぁ・・・・勝つのは俺だけどな。」

 

零人はそう言いティーカップを一つ取った。

 

ゆっくりと口をつけて紅茶を飲むが・・・

 

 

グイッ・・・

 

 

零人「・・・・まぁまぁだぜ。」

 

どうやらハズレの様だった。

 

イクス『凄い・・マスター・・どうやって?』

 

零人「・・・それはまだ教えられねぇ。と言っても・・・ウサギは多分解ってると思うがな。」

 

レイチェル「・・・当然よ。」

 

レイチェルはそう言うと回転台を回しゆっくりとスピードが緩まると目の前の紅茶を取り、口をつけた。

 

ギィ「あわわわわわわわわ!」

 

ナゴ「落ち着きなさいよ、ギィ。姫様が負けると思う?」

 

レイチェル「それは無いわね。」

 

 

どうやらレイチェルもハズレだったらしく、余裕の顔をしていた。

 

零人「・・・だよな・・・・」

 

レイチェル「零人、貴方の勝つ根拠・・・バレバレよ?」

 

イクス『ッ!?』

 

零人「まぁそうだわな。ウサギだし・・・。」

 

ヴァルケンハイン「小僧・・・・!」

 

レイチェル「構わないわ、ヴァルケンハイン。さて、そんな脳味噌が猿レベルと言う御馬鹿なマスターを選ばれたデバイスさんの為に・・・そのお猿さんの根拠を教えてあげるわ。」

 

ギィ「知りたいッス!」

 

零人「・・・・・。」

 

すると零人は無言でまた回転台を回し、ティーカップを取った。そして零人がそれを飲んでいると・・・

 

レイチェル「それもハズレ。」

 

零人「っ・・・・・・」

 

零人はその言葉を聞くと顔を少し動かし、ティーカップを置いた。結果はレイチェルの言った通り、ハズレだったのだ。

 

ギィ「あ。ホントッス!」

 

イクス『・・・どう言う事でしょうか、アルカード嬢。』

 

レイチェル「簡単よ。私達が飲んでいるのは入れたての紅茶。当然、暖かいわ。」

 

イクス『暖かい・・・・・・ッッ!!』

 

レイチェル「気付いたようね。そう、答えは"温度"。ヴァルケンハインは一つずつ丁寧に紅茶を入れていったわ。当然、最初に入れた紅茶は少しずつ熱が奪われていく。それを彼はティーカップの上に上がる湯気で判断して飲んだの。」

 

ギィ「な・・・なるほど・・・・」

 

ナゴ「流石、姫様。其処にしびれる、憧れる!」

 

零人「・・・・・・・へっ・・・・。」

 

レイチェル「でも・・この快進撃もそろそろ終幕。残る三つはまだ暖かく、湯気もほぼ同じ。となれば・・・・運頼りよ。」

 

レイチェルはそう言いティーカップの一つを取り、当然の如く飲み干した。

 

 

零人「っ・・・・・・・」

 

レイチェル「これで・・・・王手よ。」

 

その一言で零人は少し動きを止めた。残る二つはどちらも暖かい。それを見たレイチェルの使い魔は勝利を確信してはいたが零人は・・・

 

 

カチャッ・・・

 

 

ティーカップを取った。

 

 

レイチェル「あら。まだ続けられるの?」

 

零人「・・・・当然。」

 

ギィ「そんな強がり言っても無駄ッスよ、無駄!」

 

零人「・・・・どうかな?」

 

レイチェル「・・・・・・・・・。」

 

 

そして零人はそのティーカップの紅茶を

 

 

 

 

 

グイッ・・・

 

 

 

 

飲んだ。

 

 

 

 

 

 

 

零人「・・・・・・・・・。」

 

レイチェル「・・・・・・・・・。」

 

ギィ「えっ・・えっ!?」

 

ナゴ「ウッソー・・・・まさか・・・・」

 

 

 

零人「・・・・残念だったな、ウサギ。」

 

零人はそう言い椅子から立ち上がった。そして転移魔法を使い、海鳴に戻ろうとしていた。

 

零人「テメーの菓子だ。貰う気なんてさらさら・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドサッ・・・

 

 

イクス『っ!?マスター!!』

 

ナゴ「えっ!?」

 

 

 

すると、突然全員の前で零人はバラの花畑に倒れてしまった。それは零人自身も驚き、使い魔達もどうしてそうなったかと疑問に思っていた。それを見たレイチェルは残った一つのティーカップに手を付け、一口入れた。

 

 

 

レイチェル「残念ね。零人。

 

 

 

 

 

 

 

私の勝ちよ。」

 

 

零人「な・・・・・・にっ・・・・!?」

 

 

ナゴ「姫様、どういう事?」

 

ヴァルケンハイン「いやはや・・・私も流石に肝を冷やしましたが・・・・」

 

レイチェル「・・・いいでしょう。答えを"すべて"教えてあげるわ。」

 

ギィ「すべて・・・・ッスか?」

 

レイチェル「零人、貴方がティーカップを選んだ基準は二つ。一つは"温度"。もう一つは

・・・

 

 

 

 

"色"よ。」

 

ナゴ「色・・・・・・?」

 

レイチェル「紅茶は時間が経つと段々と色が薄くなっていく。そして、最初に入れられた紅茶もそれは同じ。それは何故か。それは・・・・・・・」

 

 

 

 

ギィ・ナゴ「「それは?」」

 

レイチェル「秘密よ。」

 

イクス『・・・・・・。』

 

 

 

するとレイチェルはナゴを傘にして零人の下に近づいた。そして、零人が持っていたお貸しの袋を取り上げ、勝ち誇った顔をしていた。

 

零人「ぐっ・・・・・・ウサギ・・・テメー・・・・」

 

レイチェル「でも正直、あの時の勝率は五分だった。だから・・・・少し焦ったのでしょうね。だから貴方は少し、詰めが甘いのよ。・・・・・・・フフフ・・・・。それじゃあ、約束通り・・・」

 

零人「・・・・持って行けよ・・・・ただし、俺は元の場所に返せよ。」

 

レイチェル「そのつもりよ。私が何時までも負け犬をココに置いておくと思うかしら?」

 

零人「・・・・・・・ケッ・・・・・・」

 

レイチェル「でも・・・・久しぶりにスリルを楽しめたわ、零人。また・・・会いましょ。」

 

 

するとレイチェルは魔法を使ったのか零人の回りにバラの花びらが舞い、花びらが散ると零人は其処には居なかったのだった。

 

 

 

レイチェル「・・・・・・。」

 

ヴァルケンハイン「よろしいのですか?あんな生意気な小僧に・・・」

 

レイチェル「・・・ラグナでもあそこまで頭脳戦はしないわ。だからよ。

 

 

 

 

私を楽しませた、お仕置き・・・・・・と言うところよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

零人は気付くと公園のベンチの上に寝かされていた。

 

 

零人「っ・・・つー・・・・ウサギのヤロー・・・・今度会ったら、絶対ぶった斬る・・・・・・・・・って・・・マジで体が動かねぇ・・・・・・・・」

 

イクス『マスター、大丈夫ですか?』

 

零人「一応・・・・・・「あ!あそこ!!」ん・・・?」

 

すると零人を見つけたなのは達が走ってきて零人の周りに集まった。

 

零人「おー・・・皆・・・ごめん。」

 

アリサ「御免じゃないわよ。今まで何処ほっつき歩いてたの?」

 

零人「ちと野暮用・・・・・・てか誰か肩、貸してくれ。」

 

すずか「・・・どうかしたの?」

 

零人「体が痺れて動けねぇ・・・」

 

霊太「・・・全く・・・何してたんだよ、本当に・・・ホレ。」

 

霊太は零人にそう言うと肩を貸し、零人は腰のバックパックから漢方薬を取り出した。

それをゆっくりと飲むと、体からは痺れが取れていくのだった。

 

なのは「・・・大丈夫?」

 

零人「ああ・・・本当にすまなかったな。で・・・そっちはどうなった?」

 

フェイト「もう、アリサの家も終わったしこれで知っている人の家は全部だよ。」

 

零人「・・・・そっか。」

 

 

 

 

するとアリサがベンチに何か置かれているのに気づき、何が置かれているのかと見てみると、箱が一つ置かれていた。だがそれを見たアリサは・・・

 

アリサ「っ・・・・!」

 

なのは「ん・・・アリサちゃん、どうかしたの?」

 

アリサ「・・・・零人・・・アンタ、お菓子は?」

 

零人「・・・・・・他人にあげた(盗られた)。」

 

はやて「あげたん?勿体無い・・・・でも・・・・それがどうしたん?」わっさわっさ

 

アリサ「・・・・・じゃあ・・・・これは?」

 

零人「んっ・・・・・何だソレ?」

 

アリサはベンチに置かれていた箱を零人に渡した。箱にはリボンが巻かれており、一枚のカードがリボンと箱の間に挟まっていた。

 

零人「・・・・・?で、コレがどうした?」

 

アリサ「コレがって・・・・・アンタ、それが何か解ってる!?」

 

零人「・・・・急に言われてもなぁ・・・・・」

 

すずか「アリサちゃん、それは・・・・・・・・」

 

アリサ「・・・・・・それ・・・フランスの高級菓子店の箱よ。しかも未開封。」

 

 

「「「「「・・・・・・・ええっ!?」」」」」

 

 

フェイト「・・・そうなの?」←地球の知識が少し乏しい。

 

マサキ「・・・・・・だろうな。」←内心、驚いている。

 

 

はやて「ち・・・・ちなみにお値段は・・・・・」わさわさわさわさわさわさ・・・

 

 

 

 

 

アリサ「・・・・・・・・・・・これで日本円で三万。」

 

「「「「「ぶっ!?!?」」」」」

 

アリサ「兎に角!どうしてアンタがそんな物を・・・・ってコラー!!まだ話は終わってなーい!!」

 

いつの間にか零人は海が見える場所に移動しており、一人そのカードの内容を読んでいた。

そして隣にはソルナが立っており、何と書いていたかと問い詰めた。

 

ソルナ「・・・それ・・・レイチェルさんから?何て書いてたの?」

 

零人「・・・・・・・俺を小馬鹿にした内容。」

 

ソルナ「・・・・・そっか・・・。」

 

零人「・・・・・明日、食べるか。みんなで。」

 

ソルナ「・・・・・・・うん♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-久々に楽しかったわ。これは私からのご褒美よ。あり難く飾っておくのね。

 

        死神さん。

 

                      RACHEL=ALUCARD-

 

 

 

 

零人「・・・・・可愛くねぇ奴。」

 

 

 

 

 

                                 END


 
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